Black Lilly 18
本日は『Black Lilly』です❣
ちょっと進展❤
それではどうぞ~(^▽^)/
お呼び出しです。
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え〇こ様
コメントありがとうございます。お話を楽しんでいただけて嬉しいです。(^^♪
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私信です。
☆様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます❣
ムフフ♥つくしちゃんは色気より食い気ですよね!(笑)
う゛~
ゆっくりと意識が引き上げられる感覚に目を開けてみたけれど
暗闇から引き上げられた意識と視界が光に負けて微かに呻き声を上げただけだった
時間を掛けて視覚以外の方法で周囲の状況を確認する
耳を澄ませてみるけれど物音はしない
ただベッドに寝かされているような気がした
確か逃げている途中で崖から滑り落ちたはず
それなのに今は寒さも感じない
徐々に光に慣れ目を開けて周囲を確認してみる
どうやら私は誰かに助けられたようでベッドに横たわり
頭と手首には包帯が巻かれていた
だけどぐるりと見回した室内は病室のような雰囲気は無く
普通の室内のような内装で右手には窓がありカーテンは開けられていて
窓からは日の光が挿し込んでいた
その明るさに一瞬だけ目が眩んだけれどそれにもすぐに慣れて
掛けられていた布団を退けベッドから下りた
ベッドから床へと足を下ろした瞬間右の足首にズキッと痛みが走ったけれど
それも大したことはなくすぐに痛みはひき普通に歩くことが出来た
とりあえず一安心
ここが何処で
今、どんな状況なのかまだ分からないけれど
とりあえずは走れる
走れることが出来ればなんとかなる!
ん?
なるかな?
微妙だけど・・
とりあえずはね
窓に近付き外を確認すると目の前に広がっていたのは森
あたしのいる建物の周辺に見えるのは木また木
木ばかりで建物らしき物は見えない
下を覗き込むと白い車が停まっているのが見えたけど
あたしが海ちゃん達に誘拐された時に乗ってきた車とは違うみたい
ここ何処なんだろう?
室内は少し古い感じはするけれどテレビなんかも置いてあるし
電話や小さな冷蔵庫も備え付けられていて
ペンションのような感じがするけれどとにかく静かで人の気配がしない
あの小屋から逃げ出す時に着ていた物から着替えさせられていて
今のあたしは少しサイズが大きめのスエットを着ている
所謂、ザ・部屋着って感じのグレーの上下
今の状況は分からないけれど少なくともあたしをここまで運んで
着替えさせて傷の手当てをしてくれた人がいる
一瞬、一緒に逃げたあのおじさんかなと思ったんだけど・・
あのおじさん
あたしが言うのはなんだけど
かなり鈍臭さそうだったし
もしあのおじさんだったら
あたしを助けるなんてしなかったと思う
ただ一目散に逃げるだけ
あたしがどうなろうと関係なくてただ逃げるだけだろうと思った
だとすれば誰だろう?
いい人に助けられたんだったらいいんだけど・・
あたしも流石にここにきてまでそこまでお人好しじゃない
もしいい人なら・・
っていうか
普通の人なら崖下で怪我している女をその場から動かしたりしないはず
まずは警察か救急車呼ぶでしょ?
それをせずにわざわざ移動させて着替えさせて傷の手当てをしてって・・
普通じゃないってことは分かる
百歩譲って
もしいい人だったとしても今それを判断するのは早すぎる
まずは状況を確かめなきゃ
それからなんとかして彼に連絡しなきゃ!
でも今のあたしには連絡手段はなにも無い
とりあえずダメ元で部屋にあった電話の受話器を持ち上げてみたけれど
通じていないみたいでダメだった
諦めて受話器を戻しかけた時
部屋の外で物音がして慌ててベッドへと戻った
ベッドの端に軽く腰を下ろしたタイミングで
ドアが開き入ってきたのは同年代の若い見知らぬ男性
薄い笑みを浮かべながら部屋と入ってきてあたしが座るベッドへと近付いてきた
「あ、あの・・あたし・・」
「良かった、気がついたんだね」
「は、はい・・でも・・あの・・あたしは・・」
「痛いところは無い?」
「えっ?」
「あっ・・大丈夫です・・でも・・あたし・・どうしてここに?」
「覚えてないの?」
「えっ・・と・・」
「なにも?思い出せない?」
「・・あの・・あなたは・・?」
ゆっくりとした口調で話す男性
一見すると普通の優しそうな男性に見えるんだけど・・
どこか違和感を感じて
上手く言葉が出て来なくて
しどろもどろな受け答えになってしまう
上手く受け答えが出来ないあたしに対して男性は
探るような視線を向けてくる
気にしすぎなのかもしれなけれど
誘拐された身としてはどうしても疑心暗鬼になってしまう
そんなあたしに男性は
「名前は分かる?」
と聞いてきた
この人は本当に何も知らない善意の第三者なのだろうか?
判断が付かないから疑問に疑問で返してみた
「あたしの名前をご存じなんですか?」
咄嗟の判断だった
その先を深く考えて返した言葉じゃなかったけれど
この質問が功を奏したみたいで
男性の表情に少し驚きのような物と
安堵のような物が浮かんだように感じた
どうしてだろう?
男性の表情の意味は分からないけれど
何も答えない方がいいと思った
「そっか、それじゃあ何か覚えてる事は?」
あたしの疑問には答えないままそう聞いてきた男性
「えっ・・と・・あの・・あたし・・」
この時点でも考えが纏まっていたわけじゃない
まだ迷っていた
このまま何も覚えていないフリを続けた方がいいのか?
それとも
ここは何処なのか?
あなたは誰なのか?
目の前の男性に疑問をぶつけた方がいいのか?
迷っていた
その迷いが言葉の端々に出ていて
それが男性を誤解させたみたい
男性はあたしが事故のショックで何も覚えていないと思ったみたいで
ベッドに座るあたしの前に小さな椅子を持ってきて
それに腰かけると”今から説明するからよーく聞いてね”と前置きをしてから
話し始めたんだけど・・
その内容がね・・
やっぱりこの男性はあたしの味方でも通りすがりのいい人でもなかった
「僕は君の夫だよ」
ハァ?でしょ・・
そう思うでしょ?
流石にその言葉に驚いて顔に出てたんだと思うんだけど
驚いたのはあたしが何も覚えていないって前提みたいだから
男性はその驚きを上手い具合に誤解したままで話を続けている
「何も覚えていないから驚くのも無理は無いと思うけど
僕は君の夫で名前は白石祐輔。そして君の名前は白石海っていうんだ」
名前を聞いた瞬間
思わず叫びそうになったけれど
口を手で覆い隠し寸での所で声を出すのを思いとどまった

応援ありがとうございます。