Black Lilly 19
こんばんは~(^^♪
本日も『Black Lilly』です。
あんまり進んでいませんが・・
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます❣
ハイ!まだ私も辿り着けておりません!(笑)
現在、右往左往しながら動機を探しております!(笑)
え〇こ様
こんばんは(^▽^)/
ご連絡ありがとうございます。
無事に辿り着けていただけて良かったです。🎵
これからもよろしくお願いいたします。❤
男性の真意は分からないけれど
叫び出しそうになるのを堪え
「あの・・あたし・・どうしてケガしてるんですか?」
あたしを海ちゃんだと言い
自分をその夫だと言った男性が
この状況をどう説明するのか知りたくて
そんな質問をしてみた
「君はハイキングの途中で崖から落ちたんだ」
「ハ、イキングですか・・?」
「そう、昨日二人でこの近くの山にハイキングに出かけたんだけど
その途中で君が足を踏み外して崖から滑り落ちてしまったんだ。
びっくりしたけれどなんとか助けてここまで僕が運んだんだ。
君はずっと気を失ったままだったから心配したんだよ」
ハイキングの途中で事故に遭ったと言った男性
咄嗟の嘘だったのだろうか?
はたまた前からこうなることも想定して考えていたシナリオなのだろうか?
その表情からは判断は付かなかったけれど
一つだけはっきりと分かった事は
この人は味方じゃないってこと
この先、あたしをどうするつもりなのかは分からないけれど
暫くは記憶が無いフリをしたままで隙をみて逃げ出そうと考えていた
「ハイキング・・」
へぇ~
なるほどって思ってしまった
確かに・・
何も覚えていない状態であれば
彼の言う通りハイキング中の事故でケガをしたって理屈は通るかもしれない
でもね残念ながらバッチリ全部覚えてるのよね
いつまでこの作戦が上手くいくかは分からないけれど
とりあえず今はこのままこの男性を油断させておく作戦を続行する
「あの・・それでここはどこなんですか?」
「ここは知り合いの別荘なんだ」
「別荘?」
「そう、もとはペンションだったんだけどね
廃業して今は別荘として使っているのを借りてるんだ」
「はぁ?」
お世辞にもあまり綺麗だとは言えない室内
最初は気が付かなかったんだけどよく見ると壁や天井にはシミがあるし
カーテンだって色がくすんでいる
それにどこか埃っぽくて喉がイガイガする
「あの・・お水貰えませんか?」
「あっ!気が付かなくてごめんね。
はい、お水。それからお腹空いてない?
傷が痛まなければ下に降りて何か食べない?」
「は、はい、ありがとうございます」
探るように話すあたしに対し男性はにこやかで
態度や口調は紳士的
どうやらこの男性は何も覚えていないと言った
あたしの言葉を信じているようだった
騙しているようでちょっと気が引ける部分もあるんだけどね
そもそもがこの男性があたしを騙しているんだから
こんなところでお人好しを発動させている場合じゃない!
混乱するばかりの思考を何とか整理して
さっさと逃げ出す方法を見つけなきゃ!
ゆっくりと二度目の夜が近付いている
時間の経過と共に焦りだけが
うず高く積み上がっていて
そんな時間の中で待つだけの時間は苦痛でしかなく
沈黙が見えない刃となり
俺達の神経を刺激する
部屋には時折、西田だけが出入りしているが
新しい情報は入ってこない
白石祐輔の行方もまだ分かっていない
白石祐輔の行方は警察だけではなく
俺達も独自に追いかけている
恐らく俺達の方が先に見つけられるだろうが
今の時点では白石祐輔も何かしらこの事件に関わっているだろうと予想は出来ても
どの程度関わっているのか
目的は何なのかは分かっていない
そんな焦燥感漂う中で事態が動いたのは
それから三時間ほどしてからのことだった
火事となった山小屋から姿を消していた
運転手役の男が見つかったと連絡が入った
男が発見されたのは山小屋から5キロほど離れた
民家の敷地に建てられていた作業小屋の中だった
民家の住人に発見された時
男は泥だらけで足に怪我していて
疲労困憊といった様相だったらしく
住人によって通報され駆けつけた
近くの駐在によって救急車が呼ばれ
病院に運ばれていた
だったら何故その連絡が入って来なかったのか・・
その理由は男が駐在に話した内容だった
男は何故こんな所にいるのか
何があったのかとの駐在の問いかけに
自分は昨日から登山に来ていたが
途中でクマに襲われ逃げてきた
闇雲に走りその途中で崖から滑り落ち
怪我を負ってしまい命かながらここまで逃げてきたが
ここで精根尽き果てたところに小屋を見つけ
この小屋で寒さを凌いでいた
と語った
駐在は当然、昨夜の山小屋の火事の事は知っていたが
山小屋のあった場所からは5キロ以上離れていることと
火事があった山小屋は一つ向こうの山だったこと
男が見つかった山には山頂に祠があり
この冬の時期にも一定数の登山客がいたこともあって
男を火事があった山小屋と関連付ける事がなく
ただ時折いる
無届けで冬山に入った無謀な登山客だと思っていたらしい
男は現在、搬送先の病院で治療を受けている
警察は当然、男の身元の調査もしているが
事故だと思われていたことと
昨日の事件の影響で人手不足だったこともあって
病院には署員が一人、事情聴取に来ただけで
その事情聴取も男の証言を聞いただけで
すぐに事故として処理されていた
その男を美作のSPが確保してきた
ケガをした足と頭にも包帯が巻かれていて
頬や腕にはガーゼが貼られている男がSPによって連れて来られた
直接、俺達の目の前へと連れて来られた男は
自分の目の前にいるのが身代金を取ろうとしていた相手だと気付き
その顔に驚きと恐怖を滲ませている
疲れている様子のその男はオドオドしながらも
俺達の質問には淀みなく答えている
だがその答えの端々には保身の感情が見え隠れしていて
信用する事は出来ない
男の証言で分かったことは出火前に牧野は男と山小屋から逃亡しているということ
これで牧野が生存している可能性がグンと高まった
逃亡してからしばらくは牧野と行動を共にしていたが
周囲はまだ暗く逃げることに必死にだったので
牧野とは逃げている途中ではぐれてしまい
男は牧野がその後どうなったのかは分からないと答えた
男は山小屋が火事に遭い中島海が死んだことを知らなかった
男と牧野が山小屋を脱出した時には中島海は生きていたし
火も出ていなかった
火を付けたのはこの男じゃない
この男が連れて来られる直前
西田から入った情報は
現場検証の結果
火事は失火ではなく放火の疑いが強いこと
そして中島海の死因が一酸化炭素中毒ではなく
絞殺だったこと
中島海は火事で死んだのではなく
中島海が死んでから小屋に火を放った奴がいることが分かっていた
だから俺達はこの男がその犯人だと思っていた
そうでなければ辻褄が合わない
そうでなければ
もう一人
あの山小屋にもう一人
誰も知らない人物がいたことになる

応援ありがとうございます。
本日も『Black Lilly』です。
あんまり進んでいませんが・・
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます❣
ハイ!まだ私も辿り着けておりません!(笑)
現在、右往左往しながら動機を探しております!(笑)
え〇こ様
こんばんは(^▽^)/
ご連絡ありがとうございます。
無事に辿り着けていただけて良かったです。🎵
これからもよろしくお願いいたします。❤
男性の真意は分からないけれど
叫び出しそうになるのを堪え
「あの・・あたし・・どうしてケガしてるんですか?」
あたしを海ちゃんだと言い
自分をその夫だと言った男性が
この状況をどう説明するのか知りたくて
そんな質問をしてみた
「君はハイキングの途中で崖から落ちたんだ」
「ハ、イキングですか・・?」
「そう、昨日二人でこの近くの山にハイキングに出かけたんだけど
その途中で君が足を踏み外して崖から滑り落ちてしまったんだ。
びっくりしたけれどなんとか助けてここまで僕が運んだんだ。
君はずっと気を失ったままだったから心配したんだよ」
ハイキングの途中で事故に遭ったと言った男性
咄嗟の嘘だったのだろうか?
はたまた前からこうなることも想定して考えていたシナリオなのだろうか?
その表情からは判断は付かなかったけれど
一つだけはっきりと分かった事は
この人は味方じゃないってこと
この先、あたしをどうするつもりなのかは分からないけれど
暫くは記憶が無いフリをしたままで隙をみて逃げ出そうと考えていた
「ハイキング・・」
へぇ~
なるほどって思ってしまった
確かに・・
何も覚えていない状態であれば
彼の言う通りハイキング中の事故でケガをしたって理屈は通るかもしれない
でもね残念ながらバッチリ全部覚えてるのよね
いつまでこの作戦が上手くいくかは分からないけれど
とりあえず今はこのままこの男性を油断させておく作戦を続行する
「あの・・それでここはどこなんですか?」
「ここは知り合いの別荘なんだ」
「別荘?」
「そう、もとはペンションだったんだけどね
廃業して今は別荘として使っているのを借りてるんだ」
「はぁ?」
お世辞にもあまり綺麗だとは言えない室内
最初は気が付かなかったんだけどよく見ると壁や天井にはシミがあるし
カーテンだって色がくすんでいる
それにどこか埃っぽくて喉がイガイガする
「あの・・お水貰えませんか?」
「あっ!気が付かなくてごめんね。
はい、お水。それからお腹空いてない?
傷が痛まなければ下に降りて何か食べない?」
「は、はい、ありがとうございます」
探るように話すあたしに対し男性はにこやかで
態度や口調は紳士的
どうやらこの男性は何も覚えていないと言った
あたしの言葉を信じているようだった
騙しているようでちょっと気が引ける部分もあるんだけどね
そもそもがこの男性があたしを騙しているんだから
こんなところでお人好しを発動させている場合じゃない!
混乱するばかりの思考を何とか整理して
さっさと逃げ出す方法を見つけなきゃ!
ゆっくりと二度目の夜が近付いている
時間の経過と共に焦りだけが
うず高く積み上がっていて
そんな時間の中で待つだけの時間は苦痛でしかなく
沈黙が見えない刃となり
俺達の神経を刺激する
部屋には時折、西田だけが出入りしているが
新しい情報は入ってこない
白石祐輔の行方もまだ分かっていない
白石祐輔の行方は警察だけではなく
俺達も独自に追いかけている
恐らく俺達の方が先に見つけられるだろうが
今の時点では白石祐輔も何かしらこの事件に関わっているだろうと予想は出来ても
どの程度関わっているのか
目的は何なのかは分かっていない
そんな焦燥感漂う中で事態が動いたのは
それから三時間ほどしてからのことだった
火事となった山小屋から姿を消していた
運転手役の男が見つかったと連絡が入った
男が発見されたのは山小屋から5キロほど離れた
民家の敷地に建てられていた作業小屋の中だった
民家の住人に発見された時
男は泥だらけで足に怪我していて
疲労困憊といった様相だったらしく
住人によって通報され駆けつけた
近くの駐在によって救急車が呼ばれ
病院に運ばれていた
だったら何故その連絡が入って来なかったのか・・
その理由は男が駐在に話した内容だった
男は何故こんな所にいるのか
何があったのかとの駐在の問いかけに
自分は昨日から登山に来ていたが
途中でクマに襲われ逃げてきた
闇雲に走りその途中で崖から滑り落ち
怪我を負ってしまい命かながらここまで逃げてきたが
ここで精根尽き果てたところに小屋を見つけ
この小屋で寒さを凌いでいた
と語った
駐在は当然、昨夜の山小屋の火事の事は知っていたが
山小屋のあった場所からは5キロ以上離れていることと
火事があった山小屋は一つ向こうの山だったこと
男が見つかった山には山頂に祠があり
この冬の時期にも一定数の登山客がいたこともあって
男を火事があった山小屋と関連付ける事がなく
ただ時折いる
無届けで冬山に入った無謀な登山客だと思っていたらしい
男は現在、搬送先の病院で治療を受けている
警察は当然、男の身元の調査もしているが
事故だと思われていたことと
昨日の事件の影響で人手不足だったこともあって
病院には署員が一人、事情聴取に来ただけで
その事情聴取も男の証言を聞いただけで
すぐに事故として処理されていた
その男を美作のSPが確保してきた
ケガをした足と頭にも包帯が巻かれていて
頬や腕にはガーゼが貼られている男がSPによって連れて来られた
直接、俺達の目の前へと連れて来られた男は
自分の目の前にいるのが身代金を取ろうとしていた相手だと気付き
その顔に驚きと恐怖を滲ませている
疲れている様子のその男はオドオドしながらも
俺達の質問には淀みなく答えている
だがその答えの端々には保身の感情が見え隠れしていて
信用する事は出来ない
男の証言で分かったことは出火前に牧野は男と山小屋から逃亡しているということ
これで牧野が生存している可能性がグンと高まった
逃亡してからしばらくは牧野と行動を共にしていたが
周囲はまだ暗く逃げることに必死にだったので
牧野とは逃げている途中ではぐれてしまい
男は牧野がその後どうなったのかは分からないと答えた
男は山小屋が火事に遭い中島海が死んだことを知らなかった
男と牧野が山小屋を脱出した時には中島海は生きていたし
火も出ていなかった
火を付けたのはこの男じゃない
この男が連れて来られる直前
西田から入った情報は
現場検証の結果
火事は失火ではなく放火の疑いが強いこと
そして中島海の死因が一酸化炭素中毒ではなく
絞殺だったこと
中島海は火事で死んだのではなく
中島海が死んでから小屋に火を放った奴がいることが分かっていた
だから俺達はこの男がその犯人だと思っていた
そうでなければ辻褄が合わない
そうでなければ
もう一人
あの山小屋にもう一人
誰も知らない人物がいたことになる

応援ありがとうございます。
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