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吾亦紅 7

こんにちは~(^▽^)/
本日は『吾亦紅』の予約投稿です!
それではどうぞ~❤




















”お父さん!”


と駆け寄ってきた明日香を抱きとめた


「大丈夫か?
ケガとかしてないか?!」


「うん、大丈夫。
お父さんは?ケガしてない?」


「俺も大丈夫だ!」


会話をしながら
司から明日香を隠すように俺の背中へと移動させ


「下でお母さんが待ってるから類と先に行ってろ!」


そう言うと明日香は


「い、いやだ!
お父さんも一緒じゃなきゃ行かない!」


「誰が帰すって言った?
明日香は俺がNYへ連れて行くって言っただろ!」


「お前、まだそんなこと言ってんのか!?
明日香は俺の娘だ!」



「お前にはちゃんと血の繋がったガキが二人もいんだろ?!
そいつらと仲良く家族ごっこやってろよ!」



「ごっこなんかじゃねぇーよ!
俺達は明日香も含めて正真正銘の家族なんだよ!
お前の事情は知らねぇし知りたくもねぇけど俺らの邪魔すんじゃねぇーよ!
NYへ帰りたければお前一人でさっさと帰れ!」



「お前が何を言おうが関係ねぇーんだよ!
明日香は俺の娘だ!法的にもちゃんと手続きをして道明寺の戸籍に入れる。
これはもう決定事項だ!」




「お前、バカじゃねぇーのか?!
明日香はもう大人なんだぞ!
親なんて関係ねぇーんだよ!」




「ゴチャゴチャうるせぇーぞ、総二郎!
帰るんならお前らだけ帰れ!」




「なぁ、司?お前はなにがしたいんだ?
道明寺の跡取りが欲しいだけなのか?」



「お前らには関係ねぇだろーが!」


「確かに俺と類には関係ねぇかもしれねぇけど
総二郎と牧野にはそうじゃねぇーだろ?
少なくとも明日香を育ててきたのは総二郎なんだからよ」



今の司には何を言っても埒が明かない



明日香がもう成人しているとは言え

司の権力を持ってすれば

本人の意志なんて関係なく

戸籍なんて思うがままだろう

司が本気で来れば今の俺なんて吹けば飛ぶような存在

なんの力も無い


あきらや類が力を貸してくれるだろうが

これ以上、こいつらに迷惑を掛けたくないし

何よりこいつらだって無傷じゃいられない









「私、NYなんて行きません!
私のお父さんは西門総二郎だけです!」



明日香だった

総二郎の背中から一歩前に出て

真正面から司を睨みつけるようにそう言った明日香の姿は
かつて俺達に宣戦布告した牧野のようだった




「私・・お父さんとお母さんに聞いて全部知っています!
あなたは母と私を捨てたんですよね?
捨てて他の人と結婚したんですよね?」



「明日香!こっちに来い!
司を刺激するな!」


話しながら少しずつ司の方へと詰め寄るように歩み寄る明日香を
後ろから引っ張る総二郎


「お父さん、私、もう大人だから。
それに私、今、すっごく腹が立ってるから!」


「私、お母さんに全部聞きました。
どうして本当のお父さんと別れることになったのかどうしてお父さんと結婚したのか・・全部です。
母は言ってました・・あなたの秘書さんだという女性の方が母を訪ねて来たそうです。
そして自分はあなたと付き合っているから母に別れろと迫ったと言っていました。
母はあなたを本当に愛していたとも言っていました。
だからあなたと別れたくなくて私がお腹にいる事をあなたに伝えようと何度も何度も連絡をしたと言っていました。
最後には秘書さんにも連絡をしてなんとかあなたと話がしたいと伝えたそうです。
でもあなたはそれを全て無視しましたよね?」


「あなたは母と婚約していながら秘書だった方とも関係を持っていたってことですよね?
当時の母とあなたの関係性は分かりませんが
あなたが母と私を捨てて秘書だった方と結婚したのは事実ですよね?」



「俺はあの女に嵌められただけだ!
牧野と別れるつもりはなかった。連絡も無視してたわけじゃない!
NYでトラブっていて時間が合わなかっただけだ!」



「今さら何を言っても言い訳ですよね?」


畳み掛けるように言葉を繋ぐ明日香に対し
司がかなり苛立っている


「明日香!それぐらいにしとけ!
こいつをあんまり刺激するな!」



そう言いながら俺は明日香と司の間に体を入れ
総二郎は明日香の腕を掴み自身の背中へと隠した


そんな中、類がゆっくりと司の横に移動すると


「ねぇ、司?本当は会いたかっただけなんじゃないの?
牧野と明日香に会って謝りたかっただけなんじゃないの?
だから三日もこんな所で待ってたんでしょ?
だから牧野がこっちに出てくるタイミングで明日香を連れて来たんじゃない?
そうすれば総二郎抜きで二人に会えるもんね。
二人には会いたかったけど牧野と明日香を幸せにしている総二郎に嫉妬してたから
総二郎には会いたくなかったんでしょ?俺さ司が変わってなくて安心したよ」




楽しそうにそう言いながら近くのソファーに腰を下ろした類は


「とりあえず、座れば」


なんて



何を呑気な事をと思ったが
類にそう言われた司の表情が少しだけ緩んだのが分かったから
俺も司の腕を掴み類の前に腰を下ろした


続いてまだ警戒は解いていないが
俺達に習い総二郎と明日香も類の横に腰を落ち着けた



「とりあえずさ牧野も呼んでよ、総二郎」


類にそう言われた総二郎だったが

総二郎は司を睨みつけているだけですぐには動かない



「総二郎が嫌なら俺が呼ぶよ?」



「チッ・・分かったよ!」



小さく舌打ちをしてからそう返事をして
渋々ながらスマホを取り出した総二郎だったが



「クソッ!」


ポケットから取り出した総二郎のスマホは
先ほどの乱打戦で画面はバキバキに割れ電源も入らない




「明日香、お前のスマホ貸せ」


「う、うん、そこのバッグに入ってる」



ソファーに置きっぱなしなっていた明日香のバッグから
スマホを取り出し牧野へと掛けた総二郎



“明日香!?無事なの?!”



「俺だ、明日香は無事だから落ち着け!」



“ほんと?ハァ〜良かった”


漏れ聞こえてくる牧野の声



「あぁ、今、司と一緒にいる。
お前もちょっと上がって来い」


”えっ・・でも・・”



「大丈夫だから」



”わ、分かった・・”



そこで電話を終えた総二郎はまだ司を睨みつけたまま

通話を終えて5分ほどでSPに伴われた牧野と桜子が部屋へと入ってきた



緊張した面持ちのまま部屋へと入ってきたつくしは
明日香と総二郎の姿を見つけるとすぐに駆け寄ってきた




「総!明日香!」



「お母さん!」




ホッとしたように明日香を抱きしめたつくしは
そのまますぐにソファーに座ったままの司に近付くとその頬を思いっきり殴った


















応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 4

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2022/04/10 (Sun) 13:16 | EDIT | REPLY |   

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2022/04/10 (Sun) 13:44 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

き〇粉様

こんばんは~🌙
コメントありがとうございます。🎵

明日香ちゃん・・つくしちゃんに似て気が強いです!❤
そして真打登場です!(笑)
司君を躊躇なく殴れるなんてつくしちゃんか椿さんぐらいですよね~!(笑)

2022/04/10 (Sun) 21:13 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬◯様

こんばんは~🌙🌃
コメントありがとうございます。🎵

今日は暑かったですね~☀
今日はお出かけしていたのでカーディガンを着て家から出たのですが
出て5分で暑くて脱いじゃいました!(笑)
荷物になっただけ・・😢

流石にこの気温差には身体がびっくりしちゃっていて変な感じですよね・・
瀬◯様も気を付けてくださいね。❤

さてさて司君ですが・・このお話しの彼は本当に残念で・・
自業自得なのですが明日香ちゃんの方が大人ですよね・・💦

今回のお話しはメインが総ちゃんなので司君の心情などは詳しく書いておりませんが
きっと彼の中にあるのは後悔と総ちゃんへの嫉妬心なんだろうなぁ~と思っております。

私も殴ります!(笑)
この後、つくしちゃんがどんな行動するのか最終話をお楽しみいただければ嬉しいです。

2022/04/10 (Sun) 21:21 | EDIT | REPLY |   

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