怜 10 -残響-
本日も『怜』です。
え~もう一山です・・
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~🌙
コメントありがとうございます。(^▽^)/
はい!一応、遺伝子的には・・間違いないと思います!
v○rgo様
こんばんは~(^^♪
コメントありがとうございます。❤
お話しを楽しんで頂けて嬉しいです!
ありがとうございます❣(^^♪
なかなかハードな展開ですが最後までお付き合いよろしくお願いします。(^▽^)/
と○お。様
こんばんは~😊
コメントありがとうございます。(^^♪
お話しを楽しんで頂けて嬉しいです❣
ありがとうございます。🎵
ドキドキをほっこりで中和させていただけているんですね!❤
え~Familyはちょっとネタ切れで中断中です!(笑)
また何か思いついたら書くと思いますので楽しみにしていただければと思っております。(^▽^)/
激昂する道明寺氏の勢いに
誰もが息を呑み状況を見守るしか出来なかった中で
何か黒い塊のような物が目の前を走りすぎた気がしたと
先輩記者は表現していた
道明寺氏と滋さんに意識が集中していた中で
反応が遅れ気付いた時には
お嬢様が怜に体当たりしていた
ぶつかった
そう感じたと話していた先輩記者
お嬢様の手には料理用のナイフ
刃渡りが15センチ程で先端が異様に尖っていた
ドンという衝撃音に視線を音のした方へと向けたのと
お嬢様が怜から離れるのが同時だった
握られていたナイフの刃は真っ赤に染まっていて
怜が崩れるように仰向けにその場に倒れ込んだ
そこでもう一度
振り下ろされた刃
倒れ込んだ怜に馬乗りになるように振り下ろされた刃が
怜の身体に突き刺さり血しぶきを伴いながら引き抜かれる
我に返った誰かの悲鳴が木霊し
滋さんに掴みかかっていた道明寺氏が
怜に覆い被さるお嬢様を突き飛ばすように押し退け
怜の名前を叫んだ
「暖人!」
「オイ!暖人!
しっかりしろ!」
怜を抱きかかえるような体制で
刺され血が吹き出ている傷口を押さえながら
「救急車!
救急車を呼べ!」
会場内には道明寺氏の怒号と
誰かの悲鳴が共鳴しあい
パニックが起こっていた
パニックは伝染する
出口へと向かって駆け出す人
呆然と立ち尽くす人
対処の方法は人それぞれだが
先輩記者は動けなかったと言っていた
“記者なんて仕事を長年続けてきて
他人の不幸は蜜の味じゃねぇけど
感受性なんてクソ食らえで
人間としてとっくに終わってると思ってた。
実際、別れた女房もあんたみたいな冷たい男の
どこに惚れたのか分からないって言われたからな・・
でもな・・俺はあのとき動けなかったんだ。
目の前の光景は記者としておいしいはずなのにな・・
足が竦んで動けなかったんだ・・
俺はその時ホッとしたのと同時にまだまだだなって思った”
そう話しながら自嘲気味に笑った先輩記者
地獄のような光景の中
たった数分が何時間にも感じられ
遠くに救急車のサイレンの音が聞こえて
やっと少しだけ緊張が解けた
必死で怜を助けようとしていた道明寺氏と
必死で道明寺氏を呼んでいた滋さんとお嬢様
“司!”
“お父様!”
自身を呼ぶ家族であるはずの二人の声には全く反応しなかった道明寺氏
やがて救急隊員が到着し
怜を搬送する段階になっても
道明寺氏は自身を呼ぶ声に反応する事はなく
ただただ
呼びかけに応える事のない
怜の名前を呼び続けていた
あの人にとって奥さんも娘さんも
存在しないも同然だったんだろうな・・
その心境は俺には理解不能だけど・・
必死で息子の名前を呼び続けていたあの人の声が
今でも耳から離れないと言っていた先輩記者
その話しを聞いた時
私は猛烈に道明寺氏に話しを聞きたいと思った
あの時・・
いや
あの時だけじゃなく
今までずっと
道明寺氏は何を考え
何を思って生きてきたのだろうか?
生まれながらのサラブレッドで
世界経済を牽引していた道明寺財閥の総裁
恵まれすぎた環境で生きてきた彼の本心は
何を考え何を思っていたのだろう?
そう思って
何度も取材を申し込んでみたけれど
答えはいつも同じ
話す事など何も無い
それならばと
彼をよく知る人物に話しを聞きたいと
道明寺氏の幼なじみである三人にも
取材を申し込んだけれどこちらも答えは全て同じ
唯一
応えてくれたのが三条さんだけだった
このインタビューも実現するまでに数年を要している
何度も何度もアポを取り
その都度、断られ
それでもしつこくアポを取り続けていた
半ば機械的にコンタクトを続けていた私の元に
数ヶ月前、突然届いた朗報
ドイツまで来る事を条件に取材を受ける
その連絡に二つ返事でOKした私
一日目の取材はここまで
明日また同じ時間にと約束をして
一度ホテルへと戻った
ホテルのベッドに横になりながら
今日の会話を思い返してみる
当時の関係者で存命なのは三条さんだけ
彼女が最後の一人
暖人さんがドイツで過ごした時間を聞き
実際に彼が過ごした場所に立ち
今思う事はやっぱり私は彼がした事を
肯定する事は出来ない

応援ありがとうございます。