赤風信子 8
本日も『赤風信子』です!
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~🌙
コメントありがとうございます。🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!吸いつくされてます!(笑)
名付けて
”英徳のカフェで衆人環視の前で大量のスイーツでア~ン作戦!”
なんだソレ?
って思ってる?
思ってるわよね?
簡単に言うとね
あたし
怒ってます
道明寺に対してかなりムカついてます
道明寺にムカついてる理由はって?
それはね
思い返してみて
あたしに定期的に送られてくる例のメール
ご丁寧に意味深な写真まで添付して送ってくるなんて
あたしに対する嫌がらせなんだろうけど
はっきり言って何がしたいのかさっぱり分からない
単純に道明寺狙いで
あたしと道明寺の間に諍いを起こさせて
仲違いさせたいんだろうなぁとは思うんだけど
それにしても写真を送り付けてくるだけで
未だに誰だか分からないし
全くと言っていいほど実害は無い
ムカついてるから全く無いって訳でも無いんだけど
赤札貼られてた頃に比べるとこんなの無風
まぁ、あの頃は異常過ぎてて
あの頃と比べたら大抵の事は無風なんだけどね・・
そんなほんのちょっとのムカつきを抱くあたしに対して
普段からありえない程に束縛するくせに
あんな写真を撮られていても気が付いてない道明寺
自分は脇が甘すぎると思わない?
そしてムカつく事にそれを指摘するとね喜ぶの・・
あたしが焼きもちを焼いたって・・
喜ぶのよね・・
そしてそんな時に決まって吐くセリフは
余裕ぶった笑みを浮かべながら
“俺が惚れてるのはお前だけだから
他の女なんて気にすんな!”
そう言うのね
ね?ムカつくでしょ?
もうね、ムカつき過ぎて
キーーーッ!!ってなるから
絶対に言わない!
あんたこそこの写真なんなのよ!
なんてセリフ
二度と言わないの
言わないけどムカつくから
きっちりと仕返しはさせていただきます!
そんなわけで“ア〜ン作戦”開始
朝からニヤニヤしちゃうあたしに対して
道明寺はずっと訝しげな表情を浮かべている
一応、警戒しているみたいだから
午前中の講義が終わって
逃げられないように
わざわざ道明寺が講義を受けている教室の前で
待ち伏せして引っ張ってきたカフェ
いつもならそのままF4ラウンジへと上がって行くところだけど
今日ばかりは下にある普通の席
普通の席なんて言ってもこのカフェを使うのは高等部からの持ち上がり組か
外部生でもそれなりの家柄の生徒ばかりだから十分豪華
メニューだってランチで5000円もするしコーヒー一杯が1000円って・・
どんだけ金銭感覚バグってんのよ!?って感じ
普段はお弁当持参のあたしだけど
今日だけは金銭感覚をバグらせて
目の前のテーブル一杯に並べ置かれたスイーツの数々
フォークを手に取り
まずは小手調べのティラミス
これなら甘さも控え目だし
お酒もほどよく効いていてるから
まずはティラミスから
フォークにこんもりとすくったティラミス
それをそのまま前に座る道明寺の口元へ運ぶと
ギョッとした表情を浮かべ思わず身体を後ろへと引いた彼
実はね
ア〜ン!作戦は彼には内緒
だって言ったら逃げるでしょ?
逃げないにしてもカフェを貸し切りとかにしちゃうでしょ?
だからねそれを阻止するために
内緒なの
道明寺にはただ英徳のカフェのスイーツを思う存分食べてみたいって話しただけ
あたしだってねこんな衆人環視の前で
ア〜ンなんてらしくないし小っ恥ずかしいし
普段、二人っきりの時だって絶対にやらない
今だってドキドキしてて
差し出した手を引っ込めたい衝動にも駆られるんだけど
滋さんの別荘で桜子達に言われた言葉を思いだす
写真を見せた時に桜子と滋さんが
あたしのスマホ画面を覗き込みながら
“これはケンカ売ってますね”
“だよね。
かなり悪意を感じるもん”
“先輩、こんなケンカ売られて黙ってるんですか?”
“そうだよ、つくし!
倍返ししなきゃ!”
“で、でも相手が誰か分からないし・・”
“英徳の生徒だって事は確実なんですよね?”
“た、多分ね・・”
“でしたら先輩と道明寺さんが
ラブラブなところを見せつけてさしあげればよろしいんじゃないですか”
“・・ラ、ラブラブ?”
“えぇ、思いっきり見せつけてさしあげるんですよ”
“いい考えかも?!
そしたら相手もバカらしくなってもう送って来なくなるんじゃない?”
“なるかな?”
あの夜、そんな会話を交わしていた
ラブラブっていうのが
どうすればいいのか良く分からないんだけど
今回の仕返しを考えている時にふと思い出した桜子達の言葉
珍しく一石二鳥なんじゃない?
なんて意地悪な気持ちも相まって今に至るって具合
周囲の視線は気になるけれど
恥ずかしいし心臓がバクバクいってるけど
思い切って
引いてる道明寺は見ないフリで
上目遣いで二コリと笑って
「はい、司、ア〜ン」
「//////////////お、おう・・」
ニッコリと微笑みながらあたしが差し出したフォーク
それを顔を真っ赤にしながらも口に入れた道明寺
その瞬間、カフェ中に女子生徒の悲鳴が響き渡った

応援ありがとうございます。