永遠じゃない‥ 1
昨日まで更新していた『Garbera』に沢山の拍手やコメントをいただき
ありがとうございました。(#^.^#)
話数を重ねる事に反響が大きくなり嬉しい驚きでした。
『Garbera』は私自身も妄想していて楽しいお話しだったので
皆さんにも楽しんで頂けて本当に嬉しいです。🎶
そして本日からは新しいお話しです。
タイトルは『永遠じゃない‥』です。🎶
このお話しを始める前に少しお断りがあります。
まずこのお話しはいつものように『記憶喪失』ネタなのですが
とりあえず原作の流れは忘れてください。
そしてここが一番大事かもです‥現在、まだ途中までしか妄想出来ておりませんが
今のところ最終的にハッピーエンドにならないような匂いがプンプンしております。
暗い感じではないのですが‥ 甘くてラブラブにはならないような‥
まぁ、色々と書きましたが気まぐれなので最終的にはどうなるか?
私もまだ分かっていません❗😆💕✨
以上の事を踏まえなんでもドーンと来い❗でお願いします。♥
それでは今日も緩~い目でどうぞ~✴
私信です
葉○様
こんにちは✨😃❗
コメントありがとうございます。😆
最後までお付き合いありがとうございました!🎵
最後は類君でした!(笑)多分、類君は確信犯です❗😆💕✨
☆様
こんにちは~♥
コメントありがとうございます。😆
ムフフ💕類君、美味しいとこ持って行っちゃいました❗😆💕✨
でも類君のこの確信犯的な行動のおかげでつくしちゃんも
いつも通り司君と接することが出来たんじゃないかなぁ~っと思っています❗\(^-^)/
テレビでお天気キャスターが東京の街に春一番が吹いたと言っていた
例年よりも数日早い春一番
まだまだ春は感じさせないけれど
季節は着実に進んでいる
あの日も確か春一番が吹き荒れ
季節がまた一つ移り行く事を教えてくれていた
“4年後、必ず迎えに来ます”
その宣言通りアメリカの大学を卒業後
日本支社に専務として赴任した道明寺と
彼が帰国後直ぐに入籍していた
まだ学生だったし司法試験を控えていた私にとって
結婚はまだ現実的じゃなくて戸惑いも大きかったけれど
“もう一瞬たりとも離れていたくない!
大学も司法試験も俺がサポートするから
籍だけでも今すぐに入れてくれ!”
と言われ
4年もの時間を離れて過ごし私としても
一緒に居たいという気持ちが大きくて
まだ世間には公表しない事を条件に入籍した
入籍して2年
結婚生活は順調だったし
私も司法試験をパスし無事に弁護士となり
道明寺HDの法務部門で働き始めていた
専務として道明寺財閥の後継者として日々、忙しく世界中を飛び回る彼と
まだまだ弁護士と駆け出しの私
お互いに多忙だったけれど夫婦仲は良好で公私ともに充実していた
そんな私達に突如として試練が訪れたのは
今から5年前の秋の終わりの頃だった
あるパーティーに出席していた彼は
パーティー会場を出た所でボーイに扮して会場に紛れ込んでいた暴漢に襲われた
そのパーティーはメープル以外のホテルで行われていて
当然、彼にはSPさんが付いていたが
会場への出入りする混雑の中で一瞬だけSPさん達の連携が崩れた瞬間を襲われたらしく
腰の辺りを刺された彼は病院に運び込まれたが
重症で生死の境をさまよい一命を取り止め
心配する私達が見守る中、数日後
意識を取り戻した彼は
私の事だけを綺麗さっぱり記憶から消し去っていた
結婚している事も何もかも‥
私の存在そのものが彼の記憶の中からすっぽりと抜け落ちていただけではなく
状況を説明する美作さん達に対しても
そんな女は知らない!の一点張りで
次第に誰の声にも耳を傾けなくなり
私が病室に近づく事さえ拒否するようになった
彼の口から吐き出される拒絶の言葉に戸惑いしかなかった
いつ記憶が戻るのか?
医師に診断を仰いでも曖昧な答えしか返ってこず
日に日に私に対して態度を硬化させる彼
それでも最初の内は私を含め仲間達も
記憶は直ぐに戻るんじゃないかと淡い期待を抱いていた事もあったが
予想に反して刺された傷が癒え
退院してお屋敷に戻っても記憶だけは消えたままで
それどころか私には退院した事さえ知らされていなかった
美作さんから退院してお屋敷に戻ったと聞いた私がお屋敷に出向くと
彼は病室の担当だった中島海という看護師さんを気に入ったみたいで
退院後もわざわざお屋敷に呼び寄せ世話をさせていた
当時、私達はお屋敷ではなく都内にあるマンションに住んでいた
彼はそこではなくお屋敷に戻っていただけではなく
看護師とはいえ私以外の女性を側に置いていた
二人のやり取りは患者と看護師の物ではなく
まるで恋人同士のようで
その光景に少なからずショックを受けている私に対して
彼の口から吐き出される辛辣な言葉の数々に
私は耐えられなかった‥
タマさんに”あんたは妻なんだから堂々としてればいいんだよ。”
と言われても心は疲れ切っていて
私はその場から走って逃げ出してしまった
二人で暮らしていたマンションの部屋は
一人で過ごすには広すぎる
彼方此方に散らばる彼の痕跡が私の心から余裕を奪い取って行く
それでもまだ最初の内は頑張っていた
例え彼に拒絶されようとも
辛辣な言葉を吐かれようとも
毎日、彼が静養しているお屋敷に通い
彼の為に出来る事を頑張っていた
仲間達も皆、お見舞いに来る度に彼の私に対する態度を諌めてくれていたけれど
その事が逆効果になったようで
やがて彼は仲間達のお見舞いも拒絶するようになってしまった
世話をさせている看護師さんとの関係がどの程度なのか分からなかったけれど
日を追う毎に親密さは増していて
とうとうお屋敷に泊まり込むまでになっていた
この頃の私はもう限界だったのかもしれない
週刊誌に彼と看護師さんの熱愛記事が出た翌日
私の元に彼から離婚を申請する書類が届いた
顔見知りの彼の顧問弁護士さんが持参した離婚に関する書類
慰謝料や財産分与などの文字が並ぶ書類を持つ手が震える
彼の顧問弁護士さんは私達の事情を知っているから
まるで自分の事のように表情を歪めながら話しをしていた
“思い止まるよう何度も助言申し上げたのですが力及ばずでした。
このような事態になり大変申し訳ありません。”
そう言って頭を下げた顧問弁護士さん
私も弁護士だから分かっている
優先すべきは依頼人の利益
依頼人が離婚を望んでいる以上
その意向に沿うように行動するのが勤め
“分かっています。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
書類は受け取りましたが離婚するかどうかの結論には少しお時間を頂きたいのですが?”
“それは勿論です。
こちらでも出来る限り時間を引き延ばしますので
ゆっくり考えて結論をお出し下さい。”
“ありがとうございます。
それから一つお願いがあるのですが‥”
“どういった事でしょうか?”
“彼と会いたいのですが?
どんな結果になるとしても彼とちゃんと話し合ってから決めたいと思っています。”
“分かりました、持ち帰って判断を仰がないとお答え出来ませんが‥
余り期待はしないでいただけますか。
司様からこの件に関しては当事者同士が面会せず
全て代理人であるわたくしに一任すると仰せつかっておりますので。”
会うつもりは無い‥
双方で代理人を立て
今後一切の交渉はその代理人を通じてのみ行う‥
確かに離婚などの感情の縺れが伴う案件では
代理人を通して話し合いをした方がいいのは分かっているけれど
頭では理解出来ても心では理解出来なかった‥
だけど私には立ち止まっている時間の猶予はなかった
離婚申請をしてきた彼がまずした事は私の移動だった
受け取った辞令には東京近県にある道明寺の孫請け会社の工場への出向を命ずると書かれていた
なんだかもう疲れた‥
引き延ばしていたつもりはなかったんだけど
もしかしたら今日‥
もしかしたら明日‥
記憶が戻るかもしれない‥
そして記憶を取り戻した彼がバツの悪そうな表情で
二人で暮らした部屋に帰って来てくれるんじゃないかって淡い期待を抱いていたのも事実
だけど離婚申請書と辞令を見た瞬間
そんな淡い期待は露と消え失せ
私の中で確実に何かが弾け飛んだ
彼を心から愛していた
だから心が耐えられなかった
提示されていた慰謝料や財産分与は全て放棄し離婚届にサインをして
自分で買った身の回りの物だけを持ち二人で暮らした部屋を出た
玄関のドアがカチャリと小さな音を立てて閉まった瞬間
私の口から零れ落ちたのは乾いた笑い声とため息
呆気ない結末だった
彼とは何度も別れを経験している
私の人生の別れってほとんどが彼
今度こそずっと一緒に居られると思っていたけれど
そんな期待も今は露と消え
名実共に住所不定無職だなんて
情けなさすぎて泣けてきちゃうけど
泣いてる場合じゃない!
これから私は私の人生を歩いて行かなきゃいけないんだから
泣いてる時間なんてない!
そう心を決めてマンションから一歩踏み出した私の前に
スーっと黒塗りのリムジンが滑り込んで来て
ゆっくりと停車した

応援ありがとうございます。