Family 5

ん～…

ゆっくりと意識が覚醒してくる

まだ少しだけ重い瞼を持ち上げると飛び込んできたパパのどアップに
思わず仰け反る…


12年経つのよね…


12年なの…


健なんてもう中学生なのに…

それだけの月日が経ってるのに…


それなのに…


まだ慣れないの…


愛し合った翌朝の濃密な色香と目覚めのパパのどアップに


未だ慣れなくて…

パパの裸の胸元にも慣れなくて


今さらって言われるんだけど

パパの寝顔に

パパの胸元に

ドキドキしちゃうのよね


でもドキドキとは別の感情もあることは確か

行為の最中に何度も何度も耳元で囁かれる
愛の言葉が私を強く
そして少しだけ大胆にしてくれる

まだ眠るパパの胸元に触れるか触れないかぐらいの軽いキスを一つ落とし
昨夜、パパが脱ぎ捨てバスローブを羽織りベッドから出た


バスタブにたっぷりのお湯


お気に入りのバスオイルを入れ
バラの香りに包まれたバスタイム

「あ～～ごくらく！ごくらく！」

だなんて…

思わず声が出る


今日のこと

これからのことを考えると

やっぱりちょっと不安だし

ブルーにもなるんだけど

パパが一緒だから大丈夫！

なんて思えなちゃうあたしって

かなりパパに惚れてない？

惚れてるでしょ？

そりゃ惚れるよね

だってパパなんだもの！


面と向かっては恥ずかしくて絶対に言えないから

お風呂でこっそり愛の告白？

ムフフ…

“大好きだよパパ”

キャ～！顔がニヤケちゃうじゃな～い！


「全部聞こえてんぞ！」

ガチャリとバスルームの扉が開く音がして
パパが入ってきた

「キャッ！」

ニヤニヤしながら近づいてくるパパ

ヤ、ヤバくない？

あの顔はヤバいでしょ！？

絶対にヤバいでしょ！

バスタブの中で思わず身構えるけど
そんな私を見ながらも顔は相変わらずニヤケたままのパパが
バスタブの中に入ってきて
背後から私を包み込むように腰を下ろした










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