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遥か 12

こんばんは~🎶
本日も『遥か』です❣
広げすぎだと思いますがもう長くなる覚悟で!
皆さんも最後までお付き合いくださいませ~❤(笑)
それではどうぞ~(^▽^)/





私信です。
☆様
こんばんは~😊
コメントありがとうございます!❤
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ぐふふ❣大盛りだったでしょ?❤(笑)













「う゛~ん・・・しぬ・・」


「俺の前で縁起でもねぇーこと言うんじゃねぇーよ!」


「だったらちょっとは手加減しなさいよね!
もぅ!バカ!変態!」


あれから目覚めた彼女がベタベタして気持ち悪いからシャワーを浴びたいと言い出したから
足腰が立たない彼女を抱き上げ一緒に風呂へと入った

そこで・・

分かるだろ?

分かってるよな?

彼女の身体を隅々まで綺麗に洗ってやりながら
またムクムクと欲望の塊が湧きあがってきて

彼女の身体を自由に這い回り・・

要は思いのほか長風呂になったってことだ!

で、風呂から出てきての第一声がそれで

冗談でも聞きたくない言葉を吐きながら
ジト目で睨みながら俺をディスる彼女


そんな彼女に水を渡してやると
ペットボトルに直接口を付け
ごくごくと一気に飲み干してしまった後は


「お腹すいた!」

と言った

喉の渇きを潤した後は飯の催促

まぁ

確かに朝、部屋に連れ込んで
今はもうすっかり日も暮れている

その間、何も食べていない

飲まず食わずで自分でも呆れるほど
こいつに夢中になっていた


「なに食いたい?」


「ん~早く食べられる物ならなんでもいい」


彼女のリクエストに応えてルームサービスで軽食を持ってこさせ

ソファーに並んで座りながらサンドイッチを摘まみ

ながらも・・


俺の左手はまだ彼女の腰辺りを行ったり来たり


その手を鬱陶しそうに払いのけながらも
サンドイッチを食べる手を止めない彼女

そんな彼女が少しお腹も落ち着いて聞いてきたのがタマの事だった


「ねぇ、そう言えばタマさんってどうしてるの?
まだお屋敷でメイド頭してるの?」


「いいや、タマなら5年ほど前に引退した」

「そうだったんだ。
でも今でもお屋敷に住んでるんでしょ?」


「いいや、今は熱海にある老人ホームで暮らしてる」


「そうなんだ・・でも元気なんでしょ?」


「あぁ、頭と口はまだまだピンピンしてるけど
足がな」


5年ほど前、体力的にきつくなり仕事は辞めたタマ

その後しばらくは屋敷の自室で暮らしていたが
加齢と共に元気だったタマも段々と足腰が弱まり
ほとんど部屋から出ない生活となってしまった

そして2年前、このままでは屋敷のメイドに迷惑をかけるだけだと言って
自ら探し出した熱海の高台にある老人ホームにあっさりと引っ越してしまった

高台に建つその老人ホームの部屋の窓からは太平洋が見え
戦争で亡くなった旦那を近く感じることが出来るから気に入っていると言っていたタマ

「会いたいなぁ・・でも・・会えないよね・・」

「どうして?会いに行けばいいだろ?」


「いやいや!無理だよ・・タマさんになんて説明するの?
昔、お世話になった牧野つくしの生まれ変わりです?って・・
流石にダメでしょ・・?びっくりして心臓止まっちゃったら大変じゃん!」


「ハハハ!それぐらいで心臓が止まる軟なババァじゃねぇーだろ!?」


「そうかな?」


「そうなんだよ!
既に妖怪の域に達してんだから殺したって簡単には死なねぇよ!」


「またそんな風に・・
でも・・会えるなら会いたいなぁ・・
牧野つくしとしてじゃなくてもいいから・・会いたい・・」


「だったら明日、会いに行くか?」


「ん?いいの?
ってかあんた仕事は?」


「仕事の事は気にすんな!
お前がこっちにいる間は俺も休みを取った!」


「・・大丈夫なの?」


「あぁ、20年休みなく働いてきたんだ
少しぐらい休んでもどうってことねぇーよ!」

「そ、そうなんだ・・でもムリしないでね」

「あぁ、分かってるから心配すんな!
それより明日、行くか?」


「うん!行きたい!」


「じゃあ、決まりだな」


この20年

ほんの少しでも空いた時間が出来ると思い出してしまう

忘れたことは無かったけれど

結末はいつも同じ

そこに彼女はいない

だから休むことなく働いてきた

仕事だけが俺をこの世界に繋ぎ止める唯一の手段だったから

休むことなく働いて働いて

いつしか自分が感情のないロボットのように感じていたけれど

彼女と再会してそんな日常がすっかり変わってしまった

はっきり言って今は仕事なんてどうでもいい

今は一秒でも長く彼女の側にいたい

いや!


なんとしても離れない!


そう思っているのに・・


明日の予定が決まり腹も満たされた彼女は
外泊は出来ないから帰ると言い出した


「まだいいだろ?」


「ん〜・・もう10時過ぎてるし・・
あんまり遅くなったらまたパパが騒ぎ出しちゃう・・
なんとか付き合うのは許してもらってるけど
外泊は絶対にダメだって言ってたから・・
約束破りたくないの・・」


そこまで言われたらこれ以上
引き止めることは出来ず渋々ながら帰る事をOKした

「分かったよ」


帰したくないが彼女を送り届ける為に車を走らせ・・


ている途中で気が付いた


昨日は詳しい住所までは聞いていなかったから気が付かなかったが
彼女が住んでいるタワーマンションは道明寺が管理している物件だった

正確には所有者は俺

元々は俺の爺さんがその一帯の土地を所有していて
爺さんが死んだ時に俺が相続していた

長らくビルやらが乱雑に建ち並んでいたが
再開発に伴い10年程前にタワーマンションに建て替えていた

管理は全て道明寺HDの不動産部門が担っているが
登記上の所有者は俺個人で
確か最上階の部屋は俺用にとずっと空けたまま

一度も使ったことねぇ

と言うより

それ自体を忘れていた


「なにニヤニヤしてんの?」


運転中

その事を思い出し顔がニヤけていたのだろう
助手席に座る彼女からの問いかけ


「いや、ちょっと思い出した」


「なにを?」


「ん?知りたいか?」


「なによ?勿体ぶらないでよ」


「実はな」


「うん、なになに?」


「お前が住んでるマンションな」


「ん?家のマンションが?」


「あれ、俺のだ」


「・・・・・・」


「で、あそこの最上階には俺の部屋がある」


「・・・・・・・・」

彼女からの返事が無い


「オイ!なんとか言えよ!」


「・・へっ!?・・言ってる意味がよく分かんないんだけど?」


助手席の彼女はポカンとしたまま

ちょうど信号で停止したタイミング所で
少し彼女の方へと身体を向けて説明してやる

「あのタワーマンション自体が俺個人の所有物だってことだ。
お前、いつからあのマンションに住んでたんだ?」


「・・あそこはママが今回の帰国に合わせて借りたって言ってたけど・・
あそこは英徳にも近くて便利だから来年の春からもあそこに住むって言ってたと思う・・
ん?ちょっと待って!
あのマンション全てがあんたの物なの?」


「あぁ、正確にはあの一帯全部だけどな」


「・・・ちょっと・・なに言ってるのか分かんないんだけど・・?」


「あそこは元々、俺の爺さんが所有してたんだよ。
そこを俺が相続してあの一帯の再開発に併せて
あそこにタワーマンションを建てた。それが10年ぐらい前の話だ。
俺もさっきまで忘れてたけどな」


「ってことは・・あんたが大家さん?プッ!」


「そうだな。
笑うなよ!」


「ごめん。
でも世間って狭いんだね」


「だな。でもお前の今の母ちゃんすげぇな」

「何が?」


「あそこは入居条件をすっげぇ厳しくしてあんだよ」

「へぇ~そうなんだ」

「あぁ、最上階には俺の部屋もあるしな」


「使ったことないんでしょ?」


「あぁ、けど一応な。
審査条件が厳しくて簡単には審査に通らねぇようにしてあるから
そこを借りられるなんてお前の今の母ちゃん
なかなかやり手なんだな」

「うん、ママはお仕事大好きみたいだし
ママが経営するようになってからは
毎年、増収増益だとか言ってたけど・・でもそんな凄いところだったなんて知らなかった。
あっ!でもね!ママはもっと上の階で広いお部屋が良かったみたいなの
でもねパパが高い所は怖いからヤダとか
広いとお掃除が大変だからヤダとかって
喧嘩になって結局間を取って24階になったの。
ママは最上階が良かったんだって・・でも最上階はあんたの部屋なんでしょ?
だったらどっちみち無理じゃん!」


「じゃあ、住めばいいだろ?」


「はぁ?」


「だから最上階に住めばいいだろ?
どうせ俺は使う予定はねぇーんだから
お前の家族なら家賃なんていらねぇーし
内装だって好きに変えていいぞ!」


「・・・・・・またパパが泣いちゃうよ・・」


「泣かせとけ!」


「そんな・・・でもママは喜んで今夜にでも引っ越しちゃうかも?」


「いいんじゃねぇーか。
俺は使った事ねぇーけどいつでも使えるようにはしてあるはずだぞ」


「使った事のない部屋なのに?
もったいない!ったく!お金持ちって意味分かんない!」

「今はお前も一緒だろ?」


「確かに両親は前に比べたらお金持ちかもしれないけど
あたしのお金じゃないもん!今のあたしはバイトすらしたことないんだよ」


「良かったじゃねぇーかよ!
あの頃みたくあくせく働く必要がなくて
俺との時間も取れるだろ?」

「確かにそうだけど・・
やっぱりなんかね・・根っからの貧乏癖は抜けないって言うか・・
時々、こんなんでいいのかなぁ?って不安になったりもする」

「いいんだよ!
言っとくけど春から英徳に通い始めてもバイトなんてすんなよ!
そんな時間があるんだったら俺の相手しろよ!
バイトなんてしたらその店ぶっ潰してやるからな!」


「物騒なことばっかり言わないでよね!
それに今回はあたしも少しでも長くあんたといたいから・・
バイトなんてしないと思うんだけど・・でもさあんたNYじゃん!
で、あたしは東京だから暫くは遠距離だね」

「アホか!?
遠距離なんてするわけねぇーだろ!」


「ん?どういう事?」


「だからこの期に及んで遠距離なんてするわけねぇーだろ!
俺はもうお前と離れるつもりはねぇーって言っただろ?」


「う、うん・・」


「で、お前はこの春からは東京なんだろ?」

「うん・・」

「だから俺がこっちに戻ってくる」


「・・えっ?!そんな事可能なの?」


「あぁ、俺様に不可能はねぇ!
とは言っても時間はかかるだろうから暫くは行ったり来たりする事になるだろうけど
なるべくこっちにいるようにする。だからお前も春まではNYに来てくれないか?
それから長期で出張に出なきゃなんねぇ時だってあるだろうからその時はお前も一緒に行ってほしいし
もう離れて住むなんて無理だからな!こっちでは一緒に住むぞ!誰がなんと言おうとこれだけは譲れないからな!」


いつの間にかマンションの前に到着していた車の中

真剣な表情で話す道明寺から目が逸らせないまま

確か話しはこのマンションが彼の所有物だってところから始まったと思うんだけど

いつの間にか・・

将来の話しになっていて

この先ずっと彼の側にいるって決めているし

その決心は何があっても揺らがないんだけど

再会してまだ3日

彼がここまで考えていることにちょっと驚いている


でもね

ちょっと

ううん

かなり

嬉しいかも


うん!

嬉しい!

道明寺の気持ちを疑ってるわけじゃないんだけど
やっぱり彼には背負っている物があって
それはあの頃とは比べようもないほど大きい物だって分かっているから

お互いの気持ちだけではどうしようもない事が多々あると思っていたから

懐かしい俺様発言を聞けて嬉しい


だからあたしもちゃんと答えなきゃって思ったから
正直に今の気持ちを話してみた

「あんたが色々と考えてくれていてびっくりしたけど嬉しい。
あたしもあんたとずっと一緒にいたい。そのためだったらなんでもする!
はっきり言って今は大学の事も二の次になってる。
通えるなら嬉しいけどダメなら・・それはそれでって思ってる。
それにパパの事だけど納得してもらうのは難しいだろうけど
ちゃんと話してみる!もし許してくれなかったらママみたいに家出してやる!ぐらに思ってるから」


「あぁ、分かった。
ありがとう」


「うん、あたしこそありがとうね」


見つめ合ったままの会話

自然と縮まる二人の距離

見つめ合ったまま微笑みながら
じゃれ合うように自然と重なった唇

ゆっくりと互いの存在を確かめ合うように
少しずつ深くなっていくキスに酔いしれていると
後ろでコンコンと窓ガラスを叩く音が響いて

我に返り慌てて振り返ると車の中を覗き込んでいるママがいた・・

ウギャァ!!

ママにキスしてるところ見られてた!!!!








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kirakira
Posted bykirakira

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2021/10/20 (Wed) 11:41 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬◯様

こんばんは~🎶
コメントありがとうございます。😊

寒かったですね~( ;∀;)
いきなりの冬?でまだちゃんと衣替えをしてなかったので
慌てて羽織る物を引っ張り出してきました!
ほんと季節感が無くなりましたよね・・😢
おかげで身体が付いていけていません。↷

さてさて甘い時間を過ごしている二人ですが
瀬◯様のご心配通りの事がこの先起こります!
(私の頭の中覗きました?(笑))
とりあえずはるちゃんパパの反対で同棲も外泊も出来ないので←私がそういう流れにしてしまったのですが…💦
少しでも近くにと思い現在のはるちゃん家を司君の持ち物にしてしまいました!(笑)
タマさんに会いに行く予定なのでタマさんがどんな反応するのか?
これから妄想したいと思いま~す❣

2021/10/20 (Wed) 18:09 | EDIT | REPLY |   

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