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遥か 21

こんばんは~(^-^)/
本日も『遥か』です。❤
それではどうぞ~🎶




私信です。
☆様
こんばんは~(^∇^)
コメントありがとうございます❣
えっ!?あの方も出しちゃいます?!
考えてみます!(笑)
















上々だった機嫌が徐々に降下し始める

オフィスに順番に入ってくる重役達

皆一様に押し並べて同じ紋切り型な新年の挨拶

全員を一か所に集めれば5分で済むところを
何時間も入れ代わり立ち代わり

時間の無駄だ!

それに加え俺は日本にいることを知った
取引先の連中まで押しかけてきて結局、午前中いっぱいが
来客だけで過ぎてしまった


やっと解放されて彼女に電話を掛ける

彼女の両親はまだ東京へは戻って来ていない

彼女と俺が熱海の旅館で年末年始を過ごすと聞いたお袋さんは
それならと金沢で久しぶりに雪を見てスキーに行きたいと言い出し
渋る親父さんを引っ張って富山のスキー場へと行ってしまっていた

遥達の帰国予定日は10日

10日の夜に日本を発つ予定になっていて
俺もそれに合わせて日本を発つ

まだ話してはいないが10日の夜に
俺のPJで彼女達を送り届け俺は一旦NYへと戻り
帰国の準備に入る

そうすればギリギリまで彼女と一緒に居られるだろ?

スリーコールが鳴り終わる前に電話に出た彼女

「よぉ!いい子にしてたか?」

「クスッ、してたよ。
お仕事終わった?」


「あぁ、そろそろ出る。
迎えに行くから準備しとけよ」


「分かった。
で、どこに連れてってくれるの?」


「買い物だ」


「お買い物?
お買い物なら昨日、椿お姉さんに連れてってもらったから
もう十分なんだけど」

「姉ちゃんが買ったのは身の回りの物ばっかりだろ?
今日はその部屋に必要な物を買い揃えるんだよ」


「う~ん・・分かったけど・・」

「けど?なんだよ?不満なのか?」

「そうじゃなくて・・足りない物ってあるの?
この部屋なんでも揃ってる気がするけど・・」

「あるんだよ!
とにかく迎えに行くから準備しとけよ!」

「ん~分かった」


話しながらオフィスを出て地下の駐車場へと降りる

そこに停めてある車に乗り込み

東京の街へと走り出す


オフィスからマンションまでは20分ほど

マンションの前に到着すると彼女は既に降りてきていて
俺の車を見つけて嬉しそうに走り寄って来た

今日も彼女の服装はジーンズにダウンとラフな格好

若い彼女にはよく似合っていて

笑顔で駆け寄ってくるその姿は生命力に溢れている

その彼女を車に乗せ
まず向かったのは家電量販店

室内には一応、最新式の家電は揃ってはいるが
前提が男の一人暮らしだし部屋で食事を取る事は考えていなかったので
炊飯器もなければ調理家電と言われる物はほとんど置いていない

駅前にあり人出も多く混雑している店内を二人で歩く

俺も初めてくる場所だが

LA在住の彼女もこの日本式の家電量販は初めて来たらしく

家電ばかりでなく化粧品や食料品まで取り扱っている
その品数の多さに驚きながらもテンションが上がっている

散々、寄り道をしながらまず炊飯器を買い彼女希望のミキサーや
フライパンや鍋などのこまごまとした調理器具も一通り揃え
それら全てを今日中に届けるよう手配して店を出た

「なんか凄かったね!
いろんな物売ってて・・やっぱり20年は長いね」

「あぁ、だな。
あの頃はまだ携帯が二つ折りだったしな」


「そうそう!二つ折りだった!
電話で写真が撮れるってだけでも感動したのに
今じゃそんなの当たり前だもんねぇ~」

「そうだな。
ところでお前、昼飯は食ったのか?」

「ううん、まだだけどあんたもまだでしょ?
そろそろお腹空いてきた?」

「あぁ、ペコペコだ!
なんか食いに行こうぜ!」

「うん!」


昼飯を食うために彼女を連れて来たのは
再会した夜にも来たメープルの部屋

そこでホテル内のイタリアンレストランからランチを持ってこさせ
二人でイチャつきながら食べる

「なんかバカップルみたい・・」

「バカップル上等じゃねぇーか!
前はこんな風に出来なかったんだし
誰も見てねぇーんだからいいだろ?」


「・・いいけど・・あんたさっきからずっとその手が・・」


「この手がどうしたんだ?」


「なんかイヤらしいのよ!
もぅ!くすぐったいし食べられないからあっち行ってよね!」


「ちょっとぐらいいいだろ?
触らせろよ!」


「ダメだってば!もう!食べられないから離れてってば!」


ってな具合でこのままの流れでベッドへと思ったりもするが
この後も予定があるので今はここまでで我慢

グッと堪えてランチを食べ終えた頃に部屋のチャイムが鳴った

部屋に入って来たのは昔、彼女に土星のネックレスをプレゼントしたブランドの人間

彼女と再会した夜

18歳の誕生日を一緒に過ごし

もう一度

彼女に俺の気持ちがあの時から一ミリも変わっていないことを証明するために

あの時に渡した土星のネックレスを再び特注していた

昔、渡したネックレスは事件の時にチェーンが切れてしまい
それを修復して牧野の棺に入れていた

牧野の形見として手元に残しておく選択肢もあったけれど
あのネックレスは高価な物を受け取らなかった彼女が唯一
受け取ってくれて大切にしてくれていた物で俺の彼女への
真心がこもっている物だったから彼女に持って行って欲しかった

だからあの時、最後に牧野が眠っている棺の中にそっと納めていた


それに遥には新しい物を渡したかった

新たな俺達の人生の門出にふさわしい

あの頃と変わらない俺の真心がこもった

土星のネックレスを渡したかった



土星のネックレスを見せられ涙ぐむ彼女

「これって・・」

「あぁ、あの時のは棺に入れてしまったから
新しく作り直させた。俺達の新しい始まりにはやっぱこれが必要だろ?」


「・・うん、うん・・ありが、とう・・
すっごく嬉しいよ・・」

涙声でそう話す彼女が愛おしい


「あぁ、喜んでもらえて良かった」


「うん・・」


「それからこれもだ!」


今回は土星のネックレスい使っている石と同じ石を使って
指輪とピアスとブレスレットも作らせ一緒にプレゼントした

「・・・これ全部、同じ石?」

「あぁ、気に入ったか?」

「・・うん、気に入ったけど・・」

「けど?」

「あんた、やりすぎだよ・・」

「いいだろ?
20年分なんだから黙って受け取れよ」

「・・分かった、ありがと・・でももういいからね!」

「おぉ、とりあえずはな!
でも次は婚約指輪と結婚指輪だ!
この二つは絶対に譲れないからな!
今、世界中で俺たちにふさわしい最高の石を探させてるから
楽しみにしてろよ!」


「う~ん・・分かったけど・・ほどほどにね」


最後に釘を刺すことことを忘れなかった彼女

ほどほどにって

俺を誰だと思ってんだよ!?

道明寺司だぞ!

その俺様が婚約者に贈る婚約指輪なんだぞ!

世界一

いや!

宇宙一に決まってんだろ!

それでもまだ足りないぐらいなんだぞ!

俺を幸せに出来る唯一の女なんだから

それにふさわしい指輪を準備するのは当たり前の事だろ?

指輪だけじゃない

着るものだって食べるものだって

彼女を構成する全ての物が最高であるべきなんだから

俺はその為の努力なら惜しまない



土星のネックレスをケースから取り出した彼女が
”つけて”と俺に手渡してくる

彼女の背後に回り込みあの時と同じように首に掛けてやると
土星を指で摘まみ上げライトに照らされキラキラ光る石を
嬉しそうに眺めている彼女

俺はそんな彼女を背後から抱きしめ
一緒にキラキラと光る土星を見つめていた





で、パターンとしてこのままの流れでベッドへと・・

俺的にはその流れを希望していたが

今日の彼女は違っていた

一頻り土星を眺めた後は振り返り急に

”初詣に行きたい!”と言いだした

確かに

行ってはいない

でも俺は生まれてこの方、初詣なんて行った記憶がない

道明寺の屋敷の正月と言えば

以前は親父とババァは正月・・

それも元日だけ日本に帰国してきていたから

元日の朝から親父やババァに新年の挨拶にくる奴らが列をなしていて

その行列は夜まで途絶えることがなかった

そして夜になると二人揃って再び海外へと旅立ってしまう

そんな繰り返しだったから

家族で正月なんてのを体験した事は無かったし

俺も物心ついてからはあいつらと過ごす時間が多くなり

正月といえば大抵、年末から海外のどこかの別荘で過ごすってのが定番になっていた

だから初詣なんてのはこの歳になって初体験だと話すと
あたしは毎年行ってるから一緒に行こうと笑った彼女


そんな彼女と手を繋ぎ徒歩でホテルからほど近い神社へと向かった

5日の神社にはまだ初詣客も多く

彼女を惑わせる屋台も数多く出ていて
そのトラップにいちいち引っかかり

なかなか前へと進まない彼女


「あっ!たこ焼き!あっちはイカ焼きだ!
あ~りんご飴に綿あめ~!どれも美味しそう~!」


「さっき昼飯食ったばっかりだろ!?」


「そうだけど・・屋台は別腹なのよ!」

「屋台は別腹って・・なんだそれ?!」

「いいから!いいから!
ねっ?どれからにする?たこ焼き?
あっ!あんたの好きなお好み焼きもあるよ!」

「分かったから、食うのはお参りしてからにしようぜ!」


「そうだね。
その方が後でゆっくり食べれるもんね!」


初詣に来ているのか屋台の食べ歩きに来ているのか
分からないけれど彼女が楽しそうだから俺も楽しいけれど
衛生状態もさることながら何が入ってるのか分かんねぇ
食いもんばかりでさすがに彼女が言う通り美味しそうには
到底見えない


でも彼女が楽しいのならそれに付き合う

彼女の幸せが俺の幸せなのだから

本殿で二人並んで祈ることは

再び出会えたことの感謝と

この幸せが永遠に続くようにと

もう決して離れ離れにならないように

手と手を強く握り

この先の人生を一緒に歩んでいけるように

普段、神も仏も信じちゃいないが

今日だけは祈る

お賽銭奮発してやったんだから
ちゃんと叶えろよ!



歩きながらずっと手を繋いだままの俺達
二人でおみくじを引き

二人とも中吉で

お互い顔を見合わせて

”微妙だね”なんて笑い合う

そんな普通の幸せ

あの頃、出来なかったことをこれから少しづつ
二人で一緒に叶えていこう

彼女の希望でたこ焼きとりんご飴と綿あめを買い
再び徒歩でホテルへと戻って来たタイミングで
姉ちゃんから屋敷に遥を連れて戻ってくるようにと連絡が入った

最後に”心配しなくて大丈夫よ!
お母様なら昨日NYのお父様のところに行かれてしまわれたから
お屋敷には誰もいないわよ”と言っていた

面倒臭ぇ

詳しい理由の説明もないまま

用件だけで切られてしまった電話

無視する事だって出来るが姉ちゃんに遥の事がバレている以上
この先、もっと面倒なことにもなりえるからとりあえず行くことは了承したが
遥に関しては彼女の意見を聞いてから

彼女が行きたくないと言ったら連れて行かないと返事をしていたのに

姉ちゃんが先手を打ちやがった!

俺との電話を終えて間髪入れず遥のスマホが鳴った

画面に表示されている名前は姉ちゃん

電話に出た遥に俺と屋敷に来るように行っていて
遥の返事は当然、”分かりました”

彼女が姉ちゃんに逆らえるはずはない

何が目的なのかは分からないが
とりあえず彼女を連れて屋敷へと戻ることにした








応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 4

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2021/10/31 (Sun) 22:47 | EDIT | REPLY |   

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2021/11/01 (Mon) 09:32 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬◯様

こんばんは~😃
コメントありがとうございます❣

大きな事件でびっくりしました!
最近はこんな事件ばっかりで電車に乗るのも怖いですよね・・😢
不特定多数の人が密室に集まっている電車内だから逃げようがないですし
事件を起こす目的で電車に乗っている人がいたって避けようがないので
本当に怖いです。
昨日は日曜日でハロウィンだったので外に出ている人も多くて
テレビで逃げている人を見てこれってトラウマになるなぁと思っていました。

さてさて遥かですが今回のつくしちゃんは肉体年齢は18歳ですが
精神年齢は37歳なので以前のつくしちゃんより許容範囲というか
考え方なんかはちょっと違っていて中身は大人なつくしちゃんです。
そして最後に椿さんに呼び出されてましたね!
さて椿さんが呼び出したのは司君たちだけなのでしょうか?❤(笑)
続きも楽しみにしていてくださいね。🎵

2021/11/01 (Mon) 19:45 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

オ〇カミ様

こんばんは~😊
コメントありがとうございます。🎵

う~ん❤キュンキュンさせちゃいました?(≧▽≦)
そう言っていただけると嬉しいです❣
司君もすっかり10代のあの頃に戻って楽しんでます。

遥かでは難しいので別のお話しで登場していただこうかなぁと
ちょっとだけ妄想が走り出してたりします!
まだどうなるか分かりませんが気長にお待ちいただけれと思っております。(^▽^)/

2021/11/01 (Mon) 19:49 | EDIT | REPLY |   

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