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遥か 27

こんにちは~(^▽^)/
本日も『遥か』です❣
あの方が・・!!
それではどうぞ~🎶




私信です。
☆様
こんにちは~😊
コメントありがとうございます。❤
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!絶対帰国決定です!(笑)




テ〇ス〇好き様
こんにちは~!(^^)!
コメントありがとうございます!♪
お話を楽しんでいただけて嬉しいです。❤
特にキリ番などは設定しておりませんでしたが
狙っていてくれて嬉しかったです。(* ´ ▽ ` *)
よければまたキリのいい数字を狙ってみてくださいませ。
で、その時はご連絡いただければ何かご希望に添えるかも?
などとちょっと思ったりもしております。\(^o^)/




















初詣から戻ったら椿お姉さんからの電話でお屋敷に呼び出され

不機嫌になってしまった道明寺と20年ぶり訪れたお屋敷

外観は全然変わっていなくて豪華でまるで宮殿か美術館のよう

正面の車寄せに駐車した車から道明寺のエスコートで一歩を踏み出すと

測ったように正面の大きな扉が開き中から執事さんが出てきて・・

そして大きく開かれたドアの向こうもあの頃と変わらず

豪華で煌びやかで本当にここが個人の邸宅?って感じで
勢揃いしての出迎えもあの頃のまま

道明寺は堂々としているけれどあたしはやっぱり慣れてなくて
ちょっとおっかなびっくりって感じのまま案内された部屋へと
道明寺と入っていくとそこには懐かしい顔がズラリ



道明寺に会いたいと思っていたのと同じように
みんなにも会いたいと思っていた

信じてくれないかもしれないけれど
またあの頃のようにはいかないとしても

でも伝えたいと思っていた

あたしはここにいるよって伝えたいと思っていた


だから部屋に入ってみんなの顔を見た瞬間
今までの思いがこみ上げてきて本当に嬉しかった

いきなりでびっくりはしたし
部屋に入った途端にみんなの驚いたような視線がいっせいにこちらに向いていて
道明寺とつないだままだった手に思わず力が入ってしまったりもしたけれど

でも

すぐに

窓辺のカウチに座っていた彼が気が付いてくれたみたい


ゆっくりと近づいてくる彼から目が離せなくて

目の前で立ち止まった彼と至近距離でぶつかる視線に
顔が赤くなっているのが分かるけれど瞬きしたら涙が零れちゃいそうで

泣きたくなくて

彼に泣き顔を見せたくなくて

彼には笑顔を見てほしくて

必死で涙を堪えていた

フワリと真綿で包まれるように優しく抱き寄せられて

懐かしい彼の匂いに包まれて

耳元に響くのは彼の声

囁くように

”お帰り、牧野”

と言われて笑顔で

”ただいま、花沢類”

と返した

それだけで十分

欠けたままだった魂がまぁるく

まぁるく

ポワンと綺麗な玉になって

あたしの中へと戻ってきた




桜子は相変わらず

あたしを凹ませる術を熟知している

でもね

目を見れば分かるの

彼女の目を見れば

涙を堪え精一杯の虚勢を張って
ゆっくり一歩ずつ近付いてくる彼女


胸の大きさなんて大した問題じゃないでしょ!

失礼な!

そりゃね

あんたよりは小さいかもしれないけれど
あたしだって一応ちゃんとあるわよ!

色が白いだけが取り柄って酷くない!?

あるでしょ他にも取り柄

沢山あるわよ!

探しなさいよね!

まったく!

言いたいこと言ってくれちゃって!

でもね

大好き

大好きで大好きな可愛いい後輩


滋さんも・・・


相変わらずの猪突猛進型だけど
あたしに抱きつきながら滋さんが発した言葉に
あの事件がみんなに与えていた傷を改めて思い知った


何度も謝る滋さんの背中を無意識に撫でていた

滋さんのせいじゃない

あたしは誰も恨んでなんていない

寧ろ、あの時

刺されたのがあたしで良かったと思っている

道明寺も他のみんなも無事で良かったと思っている

それを伝えられて良かった

抱きつかれる力があの頃と同じで
泣きたくないのに勝手に涙が溢れ出してきて

涙が過去を洗い流してくれる







抱きしめたまま眠っていた彼女が少し動いた気配で目が覚めた

まだ夜明け前

夕べ、姉ちゃんによって集められていたあいつらと思いがけず再会を果たし
久しぶりに賑やかな時間を過した

こいつも最初の内は未成年だからと
酒は飲んでいなかったが時間が進むうちに段々とそんなことも忘れ
結局、酔い潰れて眠ってしまっていた

まぁ、夕べはこいつだけじゃなく
酒には強いはずの姉ちゃんも滋も早々に酔い潰れていて

最終的に最後まで起きていたのは俺とあきらだけだった



胸元でモゾモゾと動き出した彼女のまだ閉じられたままの瞼にキスを落とし
再びしっかりと抱き込み俺も再び目を閉じた


次に目が覚めたのはすっかり夜も開けきっていて
抱きしめていたはずの彼女はいなかった

ベッドから起き上がり無造作に床に脱ぎ捨てられていたガウンを拾い上げ
袖を通しながら彼女の姿を探すが部屋にはいなかった

部屋中の全ての扉を開けて探したけれど彼女の姿は見つけられず
朝っぱらから何処をウロウロしてんだと自室から廊下へと出る

静かな廊下にはメイドの気配も無く
誰かに彼女の行方を確かめる事も出来なくて
イライラしながらダイニングに向かって歩いていると
信じられない奴が目の前から歩いてきた


「なにやってんだ?!」


思わず足を止めた俺の前まで来て同じように足を止めたのは
腰が90度に曲った妖怪・・

じゃなくてタマだった


「おはようございます、坊ちゃま。
皆様、ダイニングでお待ちでございますよ」


「・・・あっ、あぁ・・って!お前、なにやってんだよ!?」

目の前にいるのはメイド服に身を包み杖を付いたタマ

「本日よりこのタマはメイド頭として復帰いたしました」

「・・マジか?!」

驚いてそう返した俺にタマは手にしていた杖をドンッと床に一突きすると
90度に曲がっていた腰をグッと伸ばし

「マジだよ!
ったく!戻ってみたらサロンにはいい歳した酔っ払いが何人も転がってるし
一体あんた達はどうなってんだい!?」

「あぁ、悪ぃ・・でもホームはいいのかよ?」

「いいんだよ!あんなとこに居たら一日中ボーッとしてボケちまうからね!
あたしゃ、坊ちゃんとつくしのお子を抱くまでは絶対に死ねないんだよ!」

タマがホームに入ると言い出した時、俺も姉ちゃんも
ババァまでもが止めていた

迷惑だなんて事はないから好きなだけ屋敷にいろと
何度も引き留めたにも関わらずさっさとホームに行ってしまっていたのに・・

自ら望んで行ったホームをあんな所と・・

タマの物言いに呆れてしまうが
牧野が戻った途端、今までの何もかもをぶっ飛ばして
メイド頭に復帰してしまうタマに呆れる

「だからってメイド頭に復帰することねぇだろ?」


「なに言ってんだい!戻ってみたらメイドも新しいもんが増えていて
掃除一つとってみてもなってないじゃないかい!」


なんだかんだ言っているが要はジッとしていられなくなったんだろうが・・

だからってメイド頭に復帰することねぇのに

何か理由を付けなきゃ戻って来られなかったのだろう

タマの復帰は予想外だったが


「まぁ、ほどほどにしとけよ!」

と笑いながら告げると

「なにニヤニヤしてんだい!
さっさとダイニングにおいき!」


と杖で俺を追い立てやがる


「危ねぇだろ!無理すんな!俺がおぶってやろうか?」


「年寄り扱いするんじゃないよ!」

「実際、年寄りだろーが!」

「ったく!口の減らない子だね!」

「お前こそ俺をガキ扱いしてんじゃねぇーかよ!」

「タマに比べれば坊ちゃまもつくしもその他の坊ちゃん方もまだまだみ〜んなひよっ子だよ!
ほら!こんな所で無駄話してないでさっさと行きな!」


タマに追い立てられてダイニングに入って行くと
夕べの面子がまだ全員いやがった

入ってきた俺へといっせいに視線を向けている奴ら

若干一名

類だけはテーブルに突っ伏したままだったが

いっせいに向けられた視線

流石にあの頃とは違い

みなテーブルに着いてはいるが顔には疲労の色が滲み出ている

そんな中でも一人元気だったのは遥で俺を見てすぐに駆け寄ってきた
その身体を抱き寄せる


「おはよ、やっと起きたね」


「俺を置いて勝手に行くなよな」

「ごめんね、起こしたけどあんた全然起きないんだもん」

「だからって置いて行くな!」

「だから、ごめんねって謝ってるじゃん。ほら!みんな待ってるから早く座って」


そう言って俺の手を引き自分の隣へと座らせた

俺が座ったタイミングで運ばれてくる朝食

と言っても

ちゃんと食ってるのは遥だけで

あきらも総二郎も俺も珈琲だけで

類に至っては突っ伏したままだし

桜子は

“夕べの不摂生を取り戻すのに三日はかかるんですよ!”

だとか

“わたくし今日はテレビの生放送があるんですよ!
こんなんじゃ出られないじゃないですか!?”

だとか

“先輩はいいですよね。お肌もピチピチだし!”

だとか

ずっと文句を言いながらもフルーツを食べてやがるし

流石に滋も二日酔いみたいで

“あんまり食欲が無い”とか言いながらも

俺からすれば結構がっつり食っている

で、姉ちゃんはいつもと同じ・・

いや
ちょっとだけいつもより静かだから

姉ちゃんも酒の影響が残っているのだろう

それぞれが朝食を食べ終わった頃には
図ったようにそれぞれ迎えが来てそれぞれが秘書に・・・

特に類なんてマジで寝たまま車に放り込まれていた

で、

姉ちゃんはとりあえず一旦・・

一旦ってなんだよ!?

とは思ったが口には出さず

またすぐに戻ってくるわね!とか
言い残しLAへと帰って行き

俺も休みだったはずなのに
当たり前のように秘書が迎えに来て遥によってリムジンに押し込まれ

遥は桜子に付いてテレビ局見学だとかに行ってしまった











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kirakira
Posted bykirakira

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