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遥か 28

こんばんは~🎵
本日も『遥か』です。
今日はあの方のご登場です❣
それではどうぞ~😊






私信です。
☆様
こんばんは~(≧▽≦)
コメントありがとうございます!
ムフフ♥流石に飲みすぎたようです!(笑)
もしスカウトなんてしちゃったら司君に抹殺されちゃいますよね❣(笑)
















20年前のあの出来事は鉄の女と呼ばれていた
わたくしにも大きな衝撃を与えた

間違えるはずなどなかった

失敗などという言葉とは無縁の
全てが完璧な人生のはずだった

世間では鉄の女と呼ばれ

自分でもそう振舞うことが正しいことだと思っていた

だから思い上がっていたのかもしれない

だけどあの頃のわたくしはビジネスに於いても
司に於いても自らの信念に従い間違っているとは夢にも思っていなかった

そしてその結果がこれだ

この20年

司だけではなく

椿にも司の友人達にもあの出来事は大きな影を落とし
その人生に多大な影響を与えてしまった

そしてこのわたくしにも・・

少なからずその後の生き方に於いて影響を受けている

あの少女の事は虫けらだと思っていた

道明寺にたかるコバエぐらいにしか考えていなかった

司にとってあの少女は害悪でしかなく

恋だの愛だのと言っていたけれど所詮は世間知らずの子供の戯言

そう決めつけて排除することが司のため

そして道明寺のためだと本気で思っていた

そしてまだ10代の子供

引き離してしまえば自然と司の目も覚めると思っていた


だけど・・

結果は・・

この20年

後悔ばかりだった

あの時、くだらないプライドを優先させたばかりに
彼女の命を奪う結果になってしまった

だからこの20年

わたくしはその罪を受け入れることから始めた

すっかり牙を失くしてしまった司も心配しながらも
見守るしか出来なかった20年

今でも司の幸せを願っている

いつまでも彼女だけを心に住まわせ
彼女だけを生きる拠りどころとしている司

そんな息子を見守ることしか出来ないわたくし

数年前に司に全てを譲り日本へと帰国したけれど
常に司の動向には意識をはらってきた

例年、年末には帰国し屋敷には立ち寄らず
彼女の墓参りだけを済ませるとその足でNYへと戻っていた司

その司が今年は違う動きをした

彼女の墓参りに行かなかった

秘書からそう報告を受けその心境の変化に戸惑いを覚えていたところに
思いがけない情報が入ってきた


司はNYへ戻らなかったばかりか年末年始のスケジュールも全てキャンセルし
それまで見向きもしなかったマンションの自室に滞在し始めた

その行動の変化に驚き戸惑いながらも
一時期は体調を崩し静養していたが回復し
NYでまだ現役で頑張っている主人から

”いい大人の息子の行動を逐一監視するようなことは控えろ”

と言われた事もあり気になりつつも静観していた


椿も司の行動に気が付き探しているようだったが
わたくしは敢えて何も行動しなかった


わたくしが引退してからの道明寺邸のお正月は静かなものだ

昔のように元日から取引先の者が大挙して押しかけ列を作るということもない

ただ昔から懇意にしている本当に親しい付き合いのあった数名だけが
新年の挨拶に訪れるだけ

それも元日の数時間で終わってしまい後はいつも通り
穏やかな時間が流れているだけ

そして訪問客が一段落すると
主人のいるNYへと向かうのが
わたくしのここ数年のルーティン




今年も例年通り新年の訪問客を終え
NYへと旅立った

NYの屋敷で主人と過ごす予定だったが
司がスケジュールをキャンセルしたしわ寄せが主人に来ていて
例年のように二人で屋敷でのんびりとはいかない状況になっていた

そんな日々が数日続いていたある日

少し慌てた様子の秘書が書斎へと飛び込んできた

珍しいこともあるものだ

決して慌てず騒がず

常に二手三手先を読み

どんな局面でも冷静沈着

わたくしが鉄の女と呼ばれていた頃
この秘書は道明寺が密かに開発したアンドロイドなどと噂されていた

秘書の西田

彼もわたくしが引退したのと同時に
司の第一秘書を自らが育て上げた有能な若手秘書に譲り
共に帰国しそれ以降はわたくしの私設秘書をしている

昔からは考えられないような穏やかな時間を過ごすうちに
西田の表情も以前の物とは違い
最近では少し穏やかになり時折、感情をその顔に乗せるようにはなっていたが
長年培ってきた主従関係は崩れることなく西田は西田のままだった

いつもならノックをし返事の後数秒置いてゆっくりと入室してくる西田が
ノックの後、返事も待たずに部屋へと入ってきて
勢いよく一気にわたくしのデスクの前までやってきて
少し焦った様子でファイルから取り出した封筒を手渡した

その早急な動きに違和感と多少の不快感を感じつつも
条件反射で差し出された物を受け取り
中を確認すると数枚の写真が入っていた


「これはどういうことなの?」

「先程、司様の秘書より連絡がありました。
どうやら出版社より持ち込まれた物のようでございます」

その写真に写っていたのは司と・・

見覚えのない少女

司と少女は仲良さげに手を繋ぎ笑っていた

二人の関係が親密なのは写真の司の表情を見れば一目瞭然

司の笑っている顔なんてわたくしも忘れるほど見ていない

それなのに写真の中の司は少女に笑顔を向けている

かつてあの少女に向けていたような笑顔を・・


今でも司を始めかつてF4花の四人組などと
ふざけたネーミングで呼ばれていた友人達の
世間での注目度は高い


その為、以前ほどではないにしても
常に週刊誌などのターゲットとなっている

だけど司がそうだったように他の三人も同じようにあの出来事以降
自らの生き方を大きく変えていた


そんなあの子たちも気が付けがもう40手前

そろそろ自身の事だけではなく跡取りの事も真剣に考えなくてはならない時期に入っているが
司同様にあの三人も全くその気配はなく

そのことが尚更、世間の注目を引き今でも想像の域を出ない下世話な話題で
定期的に週刊誌を賑わせている


「この少女の事は分かっているの?」

「はい、司様の秘書に確認いたしましたところ
秘書は先日、司様ご本人より婚約者だと伝えられた申しておりました」


「婚約者?司本人がそう言ったの?」

「はい、秘書はそのように申しておりました。
そしてこの春には司様は日本への帰国を希望されているようでございます」

「そう、それで。
このお嬢さんの身元は?」

「秘書の話しではお名前は瀬戸口遥様と申されまして
瀬戸口グループの経営者の一人娘でお歳は18歳になられたばかりのようでございます。」

「18歳?未成年とってことかしら?」

40手前の息子の交際相手について今さらとやかく言うつもりはないが
流石にその年齢には引っかかった

「いえ、法律や条例に引っかかるような状況ではなかったようですが
出会った経緯など不明な点が多く秘書も対処に困りこちらに連絡をしてきた模様です」


「あの子が今どこで何をしているかは把握しているのよね?」

「はい。
現在、司様は日本支社でお仕事を再開されております」

「そう、それで。
この写真について司自身はどう言っているのかしら?」

「はい、秘書には全て事実でなにも隠すことはないからとおっしゃり
特に対応は指示されておられません」


ただただ判で押したように毎日を淡々とこなしていた司

その司が通常とは違う行動を取った

それだけでもかなりの驚きなのに

街中で無防備に女性と手を繋ぎ
行く先々で写真を撮られている

そして撮られた写真の中で笑顔を見せている

当然、自身がパパラッチのターゲットとなっていることは
自覚しているはずの司がまるで撮られる事を望んでいるかのように
無防備に振る舞っている

何かが起こっている

新しい何かが・・

それが良いことなのか悪いことなのか
今はまだ判断は付かないが写真に一緒に写っている少女の身辺調査と
写真は差し止めるよう西田に指示を出した











応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

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2021/11/08 (Mon) 20:10 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

オ〇カミ様

こんばんは~(^▽^)/
コメントありがとうございます❣

楽しんでいただけて嬉しいです。🎵
楓さんにもご登場いただきました。❤
楓さんにしてみればもう年齢なんて関係ないのかもしれません!(笑)
息子が幸せになってくれるのが一番なんだと思います。

これからも順番に登場してもらおうと考えていますので
もうしばらくお付き合いよろしくお願いいたします!(≧▽≦)

2021/11/09 (Tue) 19:40 | EDIT | REPLY |   

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