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遥か 36

こんばんは~😊
本日も『遥か』です。❤
それではどうぞ~🎵




私信です。
☆様
こんばんは~(^O^)/
コメントありがとうございます❣
ハイ!高校生のまま?・・いや
20年もお預け状態だったのでそれ以上かも?(笑)



















お袋さんからの電話に出た遥が慌てている

その様子が気になって遥を注視していると
戸惑いながらも

”ママがあんたと話したいって”

と俺にスマホを差し出してきた


それを受け取り電話に出る


「道明寺さん?」


「あぁ」


「私たちは今日の便で先に向こうに戻ることにしたので
娘をよろしくお願いしますね。
あ!それから二人の事は二人で決めてもらって大丈夫だけど
はるちゃんに時々パパに電話してあげてって言っといてください。
それじゃぁ、また春に日本で!」


「あぁ、分かった」


姉ちゃんと同じで自分の言いたい事だけを早口で告げたお袋さん


春に日本でって事は・・

そういうことだよな?

このまま春まで遥と一緒だってことだよな?

まぁ、春までの3カ月間

そう長く離れているつもりはなかったが
それでも遥の気持ちを尊重してと思っていたから
無理やりNYに連れて行くような事は出来ないと考えていた

だけど

これって

遥をこのままNYへ連れ帰っていいってことだよな?

やべぇ

すっげぇ嬉しい!




「そんなに嬉しい?」


電話を終えた遥が少し怒った口調で聞いてから
彼女を抱き寄せながら


「あぁ、お前には悪いけど
すっげぇ嬉しい」


そう言うと遥も俺の身体に腕を回してきて


「あたしも嬉しい・・でも
ちょっと淋しい・・」

と言った

「あぁ、分かってる。
だから俺がずっと側に居てやる。
これからは淋しいなんて感じる暇なんてねぇぐらい
俺が側に居てやる。
だからお前も俺の側から離れるなんて考えるなよ」


「・・うん、分かった」


「じゃあ、ベッド行くか?」


「行かないわよ!
映画観るの!もう!バカ!」


「んでだよ!
行くだろ?」


「行かない!
もうちょっと離れて座ってよ!」


イチャイチャしながら彼女が選んだのは
昔流行った恋愛映画

俺にすればどこが面白いのかさっぱりだけど
嘘くさいストーリー展開に一喜一憂して
最後には涙まで流している彼女


なんてことのない休日の午後がゆっくりと過ぎて行く






突然のママからの電話でまた置いてけぼり食らっちゃった・・

予想外の展開でびっくり

でもちょっと嬉しくて

ちょっと淋しい

道明寺といられるのは嬉しい

でもパパとママがいないのは淋しい

そんな矛盾した気持ちを感じている心が道明寺が言ってくれた

”俺が側にいるから”って言葉に癒されてホンワカしてくる

ホンワカする心を道明寺にも知ってもらいたくて
彼に巻き付けている腕に力を込めたんだけどね

またもやな展開になりそうだったから
慌てて流れを引き戻す!

二人で一緒に観た映画はあの頃に流行っていた物で
道明寺が苦手な恋愛もの

彼は全く興味なさそうだけど
ずっと付き合ってくれて
映画の主人公に感情移入して
一喜一憂しているあたしに呆れながらも
ずっと側に居てくれている

彼の体温をすぐ横で感じられる距離

手を絡め

足を絡め

ゆっくりと時間が過ぎていく

なんてことのない休日の午後












これはどう判断すればいいのだろうか?

今朝一番で届けられた西田からの報告書


週刊誌側から持ち込まれた例の写真は差し止めたけれども
この報告書は写真の中で笑っている司以上に不可解で
理解に苦しい


デスクの上に並んで置かれている報告書と西田からの辞職届

その両方を睨みつけたところで
納得出来る答えに辿り着けないのは分かっている

分かってはいるが

考えることを止められない


鉄の女と呼ばれながら
世界中の一癖も二癖もある人物達と渡り合ってきた

幽霊や亡霊の類いなど怖いと思ったことは無く
寧ろ怖いのは生きている人間だと思ってきた

オカルトの世界とは無縁だったが
これはオカルト以上

西田の事は誰よりもよく知っている

現実的な人間だ

そしてわたくしも同じ


その西田が書いたとは思えない内容の報告書に
目を通し終えたばかり


司の相手が牧野つくしの生まれ変わり?


報告書には本人の証言や周囲の反応からそう判断したと書かれていた

そして最後にはこの判断に至った経緯を説明する事は難しく
このような非現実的な内容の報告書を提出するにあたり
自身の進退をかけると記されてあった



西田がいい加減な気持ちでは無い事は
辞表など出されなくても分かっている

だけどこの報告書の内容は信じがたく
理解に苦しんでいる


報告書には瀬戸口遥が牧野つくしの生まれ変わりだということを
司は勿論のこと椿を始め周囲の人間も信じていると書かれていた

そしてあのタマまで・・

タマがいきなり屋敷に戻ってきた本当の理由はこれだったのか

昨年末に彼女を伴いタマが暮らしていたホームを訪れていた司

いくら司が恋人を伴い面会に来たとしても
加齢を理由に隠居したあのタマが
たった数日で強引にメイド頭に復帰するなんて
不思議に思っていた


タマも信じているということね


そして椿も・・


司の友人達も・・

西田までもが信じている


この事実をどう判断すればいいのだろうか


堂々巡りが続いているが

今、一つだけ言える事は

わたくしは今さら司の結婚相手について
口出しするつもりはないということ


司が幸せになれるのであれば
相手が誰であろうと問題はない

それぐらいこの20年という年月は
わたくしにとっても長かった



静かな書斎で一人

ゆっくりと考えを巡らせ

やがて目の前の辞表を手に取り
破り捨てると受話器を持ち上げた
















応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

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2021/11/17 (Wed) 23:51 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬◯様

こんばんは~😊
コメントありがとうございます❣

お疲れ様です!(^O^)/
予防接種ばかりで忙しいですよね・・( ;∀;)
私も先週、息子さんと一緒にうけてきました!
毎年のことですが予約開始と同時に申し込んで
毎年、今年はワクチンの数が少ないので~という説明を受けているような気がしています・・
なんだかその言葉で追い立てられているようですが
毎年の事なので注射嫌いの息子さんを引っ張って病院に行っています!(笑)

さてさて楓さんにも伝わったようですが
困惑しますよね・・"(-""-)"
でも楓さんもこの20年で変わって
今は息子の幸せを願っている一人の母親として
はるちゃんに対面することになると思います。
周囲の状況が段々と整ってきたので後は猪突猛進の司君が
走り抜けると思います!❤(笑)

2021/11/18 (Thu) 20:01 | EDIT | REPLY |   

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