遥か 37
こんばんは~😊
本日も『遥か』です。❤
ダラダラと中だるみな展開ですが
もう少しお付き合いください。
それではどうぞ~🎵
私信です。
☆様
こんばんは~(^O^)/
コメントありがとうございます❣
ハイ!今の楓さんは息子の幸せを願う一人の母親なんです。❤
なので反対はしていませんがやっぱり信じられないようです・・
椿お姉さんとはるちゃんママは同じタイプですよね~😊
きっと気が合うと思います!(笑)
PJのタラップから降り立った地は
今まで過ごしてきたLAとは全く違う風が吹いていた
西と東
その違いだけで同じアメリカ
だけど気候も文化も全く違う
あっちは良く言えばおおらか
抜けるような青い空と温暖な気候で
どこかみんなのんびりとしている
だけどここは違う
圧倒されるビル群の間を人も車も縫うように移動していて
寒さに肩をすくませながら速足でみんな忙しそうで
同じなのはうんざりする渋滞だけ
そんなNYへ予定より一日早く道明寺とやって来た
あの日、ママからの電話で春まで道明寺と一緒にいられることになってすぐ
彼はお休みにしていたスケジュールを変更しこちらに戻ることを決めた
急な予定変更だったからやっと再会出来たみんなにも
ちゃんと挨拶が出来ないままだったけれど
出発直前に立ち寄ったお屋敷でタマさんにはちゃんと行ってきます!と
言うことが出来た
あたしが道明寺と一緒にNYに行くと聞いたタマさんが
自分も一緒にNYに来ると言ったのには驚いたけど
流石に歳だから大人しく春までこっちで待ってろ!と道明寺に言われて
渋々諦めたタマさん
色々あったけど楽しかった日本での思い出を胸に
これから数カ月を過ごすNYの地に降り立った
二度目のNY
あの時は今思い返してみてもほんと無謀だったと思う
なけなしの生活費を叩いて一人で
こんなところまで道明寺を追いかけて来た
ただあの時も彼に会いたい一心だった
心のままに行動しただけ
まぁ、予想とは違う展開であの後
心配した花沢類が迎えに来てくれたから
なんとかなったけれど・・
花沢類がいなかったらと想像しただけで
身震いがする
やっぱり花沢類は頼りになるし
あたしのソウルメイトだ
そんな事を思い返しながら
真冬のNYの街をリムジンはゆっくりと走り抜けていく
あのお屋敷へと向かって・・
遥をLAに送り届ける必要がなくなってすぐ
スケジュールを変更し一日前倒しでNYへと戻ってきた
俺達が帰ると聞いたタマが自分も行くと言い出した時には
流石、止めたが
あの様子だとすぐに追いかけてきそうだ
俺には見慣れたNYの街並み
だけど遥にとっては20年ぶり2度目のNY
同じ国だが西と東ではかなり空気感が違っていて
遥にとっては新鮮に感じられるのだろうずっとリムジンの窓にへばりついて
外の景色を眺めている
そんな遥を横目に俺は仕事を片付けていた
スケジュールを変更しろとは言ったが
仕事をするとは言ってねぇ!
秘書にはそう凄んでみたが実際、いきなりのスケジュールを変更で
かなり仕事が溜まっているのは事実だが
俺がこっちに居なくても仕事は回っていたし
親父だってまだまだ元気なのだから
ここは思い切って春まで休んだっていいんじゃねぇ?
なんて思ってしまうぐらいはいいだろ?
今までは利便性を考え会社近くのアパートで独り暮らしをしていた俺
そのままその部屋でも良かったが心機一転
二人だけの新生活をスタートさせるために投機目的で購入したまま
使っていなかった部屋を大急ぎで住めるように準備させ今夜からそこに
住む予定にしているがまずは屋敷へと向かう
面倒くせぇけど
西田にババァに会いに行くと言っておけと言った手前・・
とりあえずアポだけ取った
西田は反対はしていないと言っていたが
その言葉を信じるほど俺はお人好しじゃねぇし
そもそもババァを信じてねぇ
今さら親子関係がどうだとか振り返るつもりもないけれど
ずっと変わらない
あの頃から
なにも変わっていない
ババァはババァで俺は俺
ただそれだけ
リムジンが屋敷に近づくにつれ少し緊張したような様子の遥の手をそっと握り
大丈夫だと言い聞かせるように優しく微笑むと同じように大丈夫だよとでも
言うように微笑み返した彼女
やがて屋敷に到着し出迎えた執事の案内でババァの書斎へと入った
親父は仕事で不在のようで待っていたのはババァだけ
俺達が書斎に入って来たのを確認するとすぐに
目を通していた書類から顔を上げ視線をこちらへと向けたが
その視線は俺が予想していたよりは穏やかなもので
掛けていた眼鏡を外しながら
”お掛けになって”とソファーを指し示すと
自分も前にあった一人掛けのソファーへと腰を下ろした
司から会いたいと連絡が入ったのは昨晩
予定を変更してこちらへと戻ってくるようだった
報告書の答えはまだ出ていない
朝から珍しく緊張している
そんな自分が少し可笑しくてフッと自嘲気味な笑みが零れる
執事の案内で書斎へと入って来た二人
彼女を見た第一の感想は若いということだけ
取り立てて美人でもなくどこにでもいる普通の女性・・
女性というようりはまだ少女のような風貌が当てはまる
印象的なのは意志の強そうな大きな瞳と艶のあるストレートな黒髪
確かに一見するとそれほどでもないがよく観察してみると
一つ一つのパーツは牧野つくしによく似ている
そして彼女が身に纏っている雰囲気もよく似ている
彼女を前にすると何故かどことなく懐かしい感じがする
だけどそこまで
先入観で物事を判断すると見誤る
ビジネスの世界で嫌というほど身に染みている
だから先入観を捨てて司と彼女の話しを聞いてみることにした
自己紹介した彼女は
瀬戸口遥だと名乗った
その表情は緊張しているようだが
しっかりと前を向いて口調もはっきりとしている
逆に司の方が表情が硬く
わたくしを警戒している様子が感じ取れた
「婚約したと聞きましたが事実ですか」
「あぁ、事実だ!
それから俺の誕生日には入籍する」
畳み掛けるようにそう言った司に
何をそんなに焦っているのかと少し可笑しくなる
「そう、遥さんは驚かれているようだけど
それはお二人の意見なのよね?」
「あぁ、そうだ!」
「ちょ、ちょっと!道明寺!」
二人の声が重なった
が、わたくしが驚いたのは二人の意見が一致していないとい事ではなくて
彼女が息子を呼んだ
その呼び方だった
道明寺!
嘗てあの少女も息子の事をそう呼んでいた
後にも先にも司の事を苗字で
それも呼び捨てにしている少女など・・
あの子しかいなかった
そこでわたくしの中から自然と予期せね笑いが零れ落ちた
自分でも何がそんなに可笑しいのかは分からないが
その小さな笑いを見逃さなかった司の眼光が鋭くなる
「なにがおかしいんだ?!」
「あなたはおかしくないのかしら?」
「あぁ、なんもおかしくねぇな!
とにかく反対したところで無駄だからな!
俺はこいつと結婚する!もし邪魔しやがったらあんた達の大事なもん
全てぶっ壊してから道明寺を出て行くからな!」
司の物言いに呆れてしまう
40手前のいい大人の発言だとは思えない
だけどこんな司は久しぶりだった
ずっと暗い瞳のまま淡々と時間だけが過ぎるのを待っていた司
その司の目にあの頃のような輝きが戻っていて
良くも悪くも
何から何までわたくしに噛みついていたあの頃の司だった
それだけで彼女が何者であろうとも関係ない
反対する理由など何もない
司が生きる喜びを取り戻し幸せなら
彼女が誰の生まれ変わりでも関係ない
柄にもなくそう思ってしまうほど
わたくしにとってもこの20年は長かった
「少し落ち着きなさい。誰も反対だなどとは言ってません。
ですが結婚となると双方の家の問題でもあり貴方方が良ければという
わけにはいきません。それから一つだけ確認しておきたい事があります」

応援ありがとうございます。
本日も『遥か』です。❤
ダラダラと中だるみな展開ですが
もう少しお付き合いください。
それではどうぞ~🎵
私信です。
☆様
こんばんは~(^O^)/
コメントありがとうございます❣
ハイ!今の楓さんは息子の幸せを願う一人の母親なんです。❤
なので反対はしていませんがやっぱり信じられないようです・・
椿お姉さんとはるちゃんママは同じタイプですよね~😊
きっと気が合うと思います!(笑)
PJのタラップから降り立った地は
今まで過ごしてきたLAとは全く違う風が吹いていた
西と東
その違いだけで同じアメリカ
だけど気候も文化も全く違う
あっちは良く言えばおおらか
抜けるような青い空と温暖な気候で
どこかみんなのんびりとしている
だけどここは違う
圧倒されるビル群の間を人も車も縫うように移動していて
寒さに肩をすくませながら速足でみんな忙しそうで
同じなのはうんざりする渋滞だけ
そんなNYへ予定より一日早く道明寺とやって来た
あの日、ママからの電話で春まで道明寺と一緒にいられることになってすぐ
彼はお休みにしていたスケジュールを変更しこちらに戻ることを決めた
急な予定変更だったからやっと再会出来たみんなにも
ちゃんと挨拶が出来ないままだったけれど
出発直前に立ち寄ったお屋敷でタマさんにはちゃんと行ってきます!と
言うことが出来た
あたしが道明寺と一緒にNYに行くと聞いたタマさんが
自分も一緒にNYに来ると言ったのには驚いたけど
流石に歳だから大人しく春までこっちで待ってろ!と道明寺に言われて
渋々諦めたタマさん
色々あったけど楽しかった日本での思い出を胸に
これから数カ月を過ごすNYの地に降り立った
二度目のNY
あの時は今思い返してみてもほんと無謀だったと思う
なけなしの生活費を叩いて一人で
こんなところまで道明寺を追いかけて来た
ただあの時も彼に会いたい一心だった
心のままに行動しただけ
まぁ、予想とは違う展開であの後
心配した花沢類が迎えに来てくれたから
なんとかなったけれど・・
花沢類がいなかったらと想像しただけで
身震いがする
やっぱり花沢類は頼りになるし
あたしのソウルメイトだ
そんな事を思い返しながら
真冬のNYの街をリムジンはゆっくりと走り抜けていく
あのお屋敷へと向かって・・
遥をLAに送り届ける必要がなくなってすぐ
スケジュールを変更し一日前倒しでNYへと戻ってきた
俺達が帰ると聞いたタマが自分も行くと言い出した時には
流石、止めたが
あの様子だとすぐに追いかけてきそうだ
俺には見慣れたNYの街並み
だけど遥にとっては20年ぶり2度目のNY
同じ国だが西と東ではかなり空気感が違っていて
遥にとっては新鮮に感じられるのだろうずっとリムジンの窓にへばりついて
外の景色を眺めている
そんな遥を横目に俺は仕事を片付けていた
スケジュールを変更しろとは言ったが
仕事をするとは言ってねぇ!
秘書にはそう凄んでみたが実際、いきなりのスケジュールを変更で
かなり仕事が溜まっているのは事実だが
俺がこっちに居なくても仕事は回っていたし
親父だってまだまだ元気なのだから
ここは思い切って春まで休んだっていいんじゃねぇ?
なんて思ってしまうぐらいはいいだろ?
今までは利便性を考え会社近くのアパートで独り暮らしをしていた俺
そのままその部屋でも良かったが心機一転
二人だけの新生活をスタートさせるために投機目的で購入したまま
使っていなかった部屋を大急ぎで住めるように準備させ今夜からそこに
住む予定にしているがまずは屋敷へと向かう
面倒くせぇけど
西田にババァに会いに行くと言っておけと言った手前・・
とりあえずアポだけ取った
西田は反対はしていないと言っていたが
その言葉を信じるほど俺はお人好しじゃねぇし
そもそもババァを信じてねぇ
今さら親子関係がどうだとか振り返るつもりもないけれど
ずっと変わらない
あの頃から
なにも変わっていない
ババァはババァで俺は俺
ただそれだけ
リムジンが屋敷に近づくにつれ少し緊張したような様子の遥の手をそっと握り
大丈夫だと言い聞かせるように優しく微笑むと同じように大丈夫だよとでも
言うように微笑み返した彼女
やがて屋敷に到着し出迎えた執事の案内でババァの書斎へと入った
親父は仕事で不在のようで待っていたのはババァだけ
俺達が書斎に入って来たのを確認するとすぐに
目を通していた書類から顔を上げ視線をこちらへと向けたが
その視線は俺が予想していたよりは穏やかなもので
掛けていた眼鏡を外しながら
”お掛けになって”とソファーを指し示すと
自分も前にあった一人掛けのソファーへと腰を下ろした
司から会いたいと連絡が入ったのは昨晩
予定を変更してこちらへと戻ってくるようだった
報告書の答えはまだ出ていない
朝から珍しく緊張している
そんな自分が少し可笑しくてフッと自嘲気味な笑みが零れる
執事の案内で書斎へと入って来た二人
彼女を見た第一の感想は若いということだけ
取り立てて美人でもなくどこにでもいる普通の女性・・
女性というようりはまだ少女のような風貌が当てはまる
印象的なのは意志の強そうな大きな瞳と艶のあるストレートな黒髪
確かに一見するとそれほどでもないがよく観察してみると
一つ一つのパーツは牧野つくしによく似ている
そして彼女が身に纏っている雰囲気もよく似ている
彼女を前にすると何故かどことなく懐かしい感じがする
だけどそこまで
先入観で物事を判断すると見誤る
ビジネスの世界で嫌というほど身に染みている
だから先入観を捨てて司と彼女の話しを聞いてみることにした
自己紹介した彼女は
瀬戸口遥だと名乗った
その表情は緊張しているようだが
しっかりと前を向いて口調もはっきりとしている
逆に司の方が表情が硬く
わたくしを警戒している様子が感じ取れた
「婚約したと聞きましたが事実ですか」
「あぁ、事実だ!
それから俺の誕生日には入籍する」
畳み掛けるようにそう言った司に
何をそんなに焦っているのかと少し可笑しくなる
「そう、遥さんは驚かれているようだけど
それはお二人の意見なのよね?」
「あぁ、そうだ!」
「ちょ、ちょっと!道明寺!」
二人の声が重なった
が、わたくしが驚いたのは二人の意見が一致していないとい事ではなくて
彼女が息子を呼んだ
その呼び方だった
道明寺!
嘗てあの少女も息子の事をそう呼んでいた
後にも先にも司の事を苗字で
それも呼び捨てにしている少女など・・
あの子しかいなかった
そこでわたくしの中から自然と予期せね笑いが零れ落ちた
自分でも何がそんなに可笑しいのかは分からないが
その小さな笑いを見逃さなかった司の眼光が鋭くなる
「なにがおかしいんだ?!」
「あなたはおかしくないのかしら?」
「あぁ、なんもおかしくねぇな!
とにかく反対したところで無駄だからな!
俺はこいつと結婚する!もし邪魔しやがったらあんた達の大事なもん
全てぶっ壊してから道明寺を出て行くからな!」
司の物言いに呆れてしまう
40手前のいい大人の発言だとは思えない
だけどこんな司は久しぶりだった
ずっと暗い瞳のまま淡々と時間だけが過ぎるのを待っていた司
その司の目にあの頃のような輝きが戻っていて
良くも悪くも
何から何までわたくしに噛みついていたあの頃の司だった
それだけで彼女が何者であろうとも関係ない
反対する理由など何もない
司が生きる喜びを取り戻し幸せなら
彼女が誰の生まれ変わりでも関係ない
柄にもなくそう思ってしまうほど
わたくしにとってもこの20年は長かった
「少し落ち着きなさい。誰も反対だなどとは言ってません。
ですが結婚となると双方の家の問題でもあり貴方方が良ければという
わけにはいきません。それから一つだけ確認しておきたい事があります」

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