fc2ブログ

遥か 38

こんばんは~😊
本日も『遥か』です❣
それではどうぞ~🎵





私信です。
☆様
こんばんは~(^O^)/
コメントありがとうございます。❤
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
とうとうラスボス?(笑)の登場です!
楓さんとりあえず今回は反対はしていないので
一安心ですが・・自分の目で確かめたいんだと思います。(^^♪























ババァに会うのは一年ぶり

それまでだって頻繁に顔を合わせていたわけではないが
ここ数年は特に年に一度顔を合わせるかどうかだった


一応、紹介するために遥を連れてはきたが
もし反対したりあの頃のように暴言を吐くようなら
すぐに帰るつもりだった

許可も賛成も必要ない

ただ事実を報告するだけ


自分でも少し前のめりになっているのは自覚していたが
ババァの口から不穏な言葉が出る前にこちらから畳みかけた


流石に俺の誕生日に入籍の話にはまだ何も聞いていなかった
遥も驚いて声を上げていたが
俺の中では決定事項で変更するつもりはない


そんな俺の態度に何がおかしいのか笑ったババァ

それにガキのように噛みつく俺

余裕がないのは百も承知

そんな俺を落ち着かせようとするかのように
隣に座る遥が繋いだままだった手に少しだけ力を入れてきた

反対する気はないと言ったババァ

そして聞きたいことがあると続けた


「西田の報告書では遥さんが牧野さんの生まれ変わりだと記されていましたが
わたくしは信じてはいません。生まれ変わりなどと馬鹿げていると思っていますし
先程、反対はしませんと言いましたが一つだけ条件があります」

はっきり言ってこのやり取りは面倒くせぇだけ

あきら達には説明して納得してもらうのは
遥の希望だったし俺も後々の事を考えて
話すなら早いほうがいいと思ったが
ババァに関してはそんな必要はない

さっきも言ったがババァに許可も賛成も求めていない

当然、納得も理解も必要ない


「さっきもいっただろーが!そんなもん関係ねぇーんだよ!
あんたが反対しようが俺達は結婚する!条件なんて関係ねぇ!」


「ちょっと!道明寺!
あたしにも話させてよ!」







NYのお屋敷はあの頃と変わらず・・

というか道明寺家のお屋敷はどこも豪華で
現実離れしていて20年経っても落ち着かない

だってね

必ず執事さんが出迎えに出てきて

メイドさんがずらりと勢揃いしてるんだもん

慣れなくていつもギョッとして道明寺の後ろに隠れちゃう

当たり前なんだけど道明寺は平然としていて

出迎えの執事さんにもメイドさんにも目もくれてなくて
眼中にないって感じだけど
あたしはそうは出来ないから彼の後ろに隠れるようにしながら
ペコペコと頭を下げながらメイドさん達の前を通り抜ける

執事さんに案内されのは道明寺のお母さんの書斎で
なぜだか彼はずっとけんか腰で話していて

隣で聞いていてヒヤヒヤしている


そんなけんか腰で話さなくてもいいのにと思いながらも
黙って二人の会話を聞いてたんだけどね


俺の誕生日に入籍って話には流石に驚いて声が出ちゃった


だって何も聞いてなかったんだもん!

そりゃあねぇ

いつかは結婚って考えていたし
道明寺との年齢差なんかも考えると
早い方はいいんだろうなぁって考えていて
近いうちにとは思っていたけど
まさか今月末だとは思っていなかった

流石に早すぎでしょ?

お母さんの反対はしませんって言葉には安心したんだけど
条件がありますなんて言われちゃって増々けんか腰になるから
このままじゃダメだと思ってそんな彼を遮った

何よりあたしがお母さんと話しがしたかった

あの頃は全く会話なんて成り立たなくて
ただただ罵られるか蔑まれてただけだったから

まぁね

あたしも常に今の彼みたいに構えてて
なに言われるんだろうってドキドキしてたし
結構、失礼な事を言ってたって自覚もある

だからちゃんと話しをしたかったの


「条件ってなんでしょうか?」


「あなたが牧野さんの生まれ変わりだって言うのならば
それを証明してちょうだい。出来るわよね?」


証明と言われて悩む


だってあたしが牧野つくしの生まれ変わりだって
物理的に証明する手段なんて何もないんだもの


あたしの唯一の手段は記憶だけだから
それを正直に伝えてみる


「証明と言われてもあたしには記憶があるとしか言えません」


「それでよろしくてよ。
貴方が覚えている事を話してちょうだい」


「分かりました・・」


そう答えて一呼吸置いてから
覚えている事を道明寺のお母さんに話した


交際を反対されていた事

パーティーで爆弾発言した道明寺

無理やりピアノを弾かされて
破れかぶれでめちゃくちゃな演奏をした事

誕生日プレゼントがフェラーリなんてバカげてて
道明寺にそのフェラーリで拉致られた事


西田さんと家に来て別れさせようとした事


優紀の家にまで圧力を掛けて別れるように迫った事


ムカついて紅茶をぶっかけちゃった事

これはとりあえず謝っておいた・・

一度は諦めようとしたけど無理で
一人でNYのこのお屋敷にまで来て
彼に追い返された事


最後の約束を果たす為に帰国した彼とお鍋を食べている時に
滋さん達に島に連れて行かれて
帰った港で刺された事

そして最後に思ったことは
刺されたのが自分で良かったったって事

道明寺じゃなくて良かった

他の誰でもなくて良かった

みんなが無事で良かったって事




それにしてもよくよく考えてみれば凄くない?

あの頃のあたしってこれらに加えて
パパの失業やらなんやらかんやらで
引っ越しだけでも2回?3回?


まさにジェットコースター

たった一年足らずの間によくもまぁこんなにもって

自分でもよく乗り切ったなって感心しちゃうもの


あっ!

最後の最後で乗り切れなかったから
こんな面倒くさい事になってるんだけどね

とにかく道明寺に振り回されまくった一年だった


けれどあたしは何一つ後悔はしていない

死んじゃったのは予想外だったけれど

あの頃、道明寺があたしに言った


“地獄の底まで追いかけてやる!”


って言葉


あたしの場合、地獄じゃなくて天国だし
追いかけられたんじゃなくて
舞い戻っちゃったんだけど

天国でも地獄でも関係なく
また一緒にいる

あの頃の道明寺の執着心には引いてたけど
あたしも大概だなぁって笑っちゃうほど


記憶の中にある

あの頃の出来事を話していると
段々とあの頃が鮮明に思い出されてきて

あっ!あんな事や

あんな事も!

なんてツラツラと口から飛び出してきて
気付けば目の前のお母さんも笑っていた








覚えている事を話してちょうだいと言ったけれど
これほどだとは思っていなかったから
正直、驚いている


パーティーでの出来事はあの当時
パーティーに出席していた人なら
記憶している人もいるだろう

だけどその後の事は決して表には出ない事ばかり

あの頃のわたくしは司が貧乏人の娘にうつつを抜かしているなど
耐えられない屈辱だと感じていたし
親であるわたくしに対する反抗心の裏返しで
多少は抵抗しても引き離してしまえば
すぐに熱も冷めるだろうと思っていただけ

それぐらいにしか考えていなかった


今、思えばなんて傲慢だったのだろう

だけどあの頃のわたくしは道明寺という化け物のような家を守る事しか考えておらず

それが正しい事なのだと信じていた


多少の犠牲は仕方がない


そう考え

そう行動した結果が

あの事件だった

起こってしまってから後悔してももう遅いのに・・


そうなるまで

分かっていなかった


結局、何一つ守れなかった

あの頃の過ちを繰り返すわけにはいかない


だからずっと決めていた

もし司が人生の伴侶として誰を連れて来ても
受け入れると・・


まさか

それがまた彼女だとは夢にも思っていなかったけれど


また彼女だった

その事が嬉しくて

彼女の話しを聞きながら
自然と笑っていた














応援ありがとうございます。
スポンサーサイト



kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

There are no comments yet.

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2021/11/22 (Mon) 01:06 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬◯様

こんばんは~(^O^)/
コメントありがとうございます。❤
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m

今日は寒かったですね~🥶
一雨ごとにの・・言葉通りですね。(>_<)
今年もあっという間にもうクリスマスですね・・早いです💦
でも今年はちょっとだけ気分が軽くてクリスマスを楽しめそうですね❤

クリスマスのプレゼント素敵です!🎵
お花ってセンスが出るので・・私、好きなのですが全くセンスが無くて( ;∀;)
自分でも玄関に飾るリースを作ったりはしていますがとても人様にお見せできる物ではなくて
完全なる自己満足です!(笑)お花を使ってセンスよく色々と作れる人って憧れちゃいます❣
絶望的にセンス0なので!(笑)
でも誰かのために時間を掛けてプレゼントを準備するのって楽しいですよね。
作りながら喜んでくれるかなぁ~とか色々と妄想して私ならニヤニヤしちゃいます!(笑)

さてさて楓さんとも和解出来てこれで障害は無いも無いので
後は一直線です!❤(笑)

2021/11/23 (Tue) 20:43 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply