遥か 42(完)
本日も『遥か』です。
そして最終話です❣
最初は良かったのですが段々と中だるみし始め
最後には尻すぼみな感じになってしまい・・💦
もっと濃く書ければいいのになぁ~などと反省しながらでしたが
最終話も楽しんでいただければと思っています。
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~(^O^)/
コメントありがとうございます❣
最後までお付き合いありがとうございます。❤
ハイ!その後のあきら君たちの様子など
(みんなで婚姻届けを出しに行くところとか・・)
また番外編として妄想出来たらいいなぁと思っています。🎵
道明寺に連れて来られたのはあの港
ここに来ると否が応でも思い出される
あの時の光景
大勢の報道陣
無数に光るカメラのフラッシュに右も左も分からず
もみくちゃにされる中で振り向いた彼があたしに向かって差し出した手
その手を掴もうとした瞬間
フラッシュの光に反射した男の顔を見た
何かを考えての行動じゃなかった
ただ咄嗟に彼が危ないと思っただけ
身体が勝手に動き
伸ばした手が寸での所で空を切り
背中に何かが激しくぶつかった
それだけだった
それだけだけど
燃えるように熱い背中と道明寺の叫び声で
自分の身に何が起こったのか分かった
あの時のあたしは自分が死ぬかもしれないということに
全く恐怖は感じていなかった
そして痛みもそれほど感じてはなかった
ただ背中が熱い
それだけ
少しずつ遠くなっていく意識の中で彼が無事で良かったと思った
最後にあたしが聞いたのは彼が必死であたしの名前を呼ぶ声
すぐに戻るから・・
まさか生まれ変わってくるなんて
あの時は本気でそんなこと考えていたわけじゃなかったけれど
道明寺を安心させたく咄嗟に出た言葉だった
岸壁近くに車を停めた彼
「ここってあの時の?」
「あぁ、あの港だ」
あの船着き場まで二人で歩く道すがら
ここに来た理由を尋ねる
「どうしてここに来たの?」
「ここから始まるはずだっただろ・・」
「そうだね・・ここから新しい未来が始まるんだって思ってた・・」
「だからまたここから始める。
そのためにあいつらも呼んだ」
そう言って前方へと視線を促した彼
その視線の先に居たのは
美作さんに西門さんに花沢類
そして滋さんと桜子
あの時ここに居たメンバーが勢揃いしていた
近付くとまず滋さんに突進されて
あまりの勢いに仰け反りながら滋さんを受け止めていると
呆れ顔の桜子が後ろから引き剥がしてくれて
「滋さん、いい加減に手加減するって事を覚えて下さい!」
なんて叱られてて
滋さんが
「ごめん、ごめん!」
と謝っているのを笑っていたら次は
花沢類に真綿で包まれるようにフワリと抱き寄せられて耳元で
「久しぶり、まきの」
なんて囁かれて
その中毒性のある柔らかな声に
顔からボンって音して耳まで真っ赤になったあたしを
怒鳴りながら引き剥がして自分の腕の中に閉じ込めるように奪い返しながら
花沢類に蹴りを入れている道明寺
そしてその一連の流れを笑いながら見ている西門さんと
ため息をつきながらも道明寺から花沢類を引き離している美作さん
みなそれぞれが笑顔でここにいる
そのことが嬉しかった
怒った道明寺にギュウギュウに抱きしめられているあたしを助けてくれたのは桜子で
「道明寺さん、そろそろ離れて下さい!
予定も詰まってるんですからちゃっちゃと済ませますよ!」
そう言うと持っていた大きな紙袋の中から
彼女が取り出したのは繊細なレースで出来たベールと
色とりどりの花で作られた小さなブーケ
それをあたしに被せてくれて
ブーケを持たせてくれた
「・・えっ・と・・ここでなにするの?」
横に立つ道明寺の上着の胸元にも
あたしが持つブーケと同じお花で作られたコサージュが付けられている
「簡単だけど式を挙げる」
「・・こ、ここで?今から?」
「あぁ、けど心配すんな!
ちゃんとした式は日本に戻って落ち着いてから
俺達に相応しい世界一の式を挙げてやるから!」
「えっ!?そういう意味じゃないんだけど・・
みんなわざわざこの為に集まってくれたの?」
「あぁ、やっぱ俺達の門出には
こいつらが必要だろ?」
「うん・・ありがとう・・
みんな・・ありがとう・・」
わざわざこの為に集まってくれた仲間たち
きっとまた道明寺が無理言ったんだろうけど・・
いつもなんだかんだと文句を言いながらも
率先して楽しんじゃってるみんな
いつの間にか簡易的な祭壇みたいな物まで準備されていて
神父様みたいな法衣を着た西門さんが照れくさそうに立っていた
「西門さんが神父様役なの?」
「あぁ、ジャンケンに負けたからな!」
「プッ!総二郎はやりたくてわざと負けたクセに」
「うるせぇーよ!類!
ほら!二人とも俺の前に立て!」
照れくさいのか少し顔を赤くしながら
そう言った西門さん
そんな西門さんの顔を見ていたら
段々と視界が滲んできて
ポロポロと涙が溢れ出てきて止まらない
隣に立つ道明寺の腕を持つ手に力が入り
思わず手にしていたブーケで顔を隠した
「こら!泣くな!
笑え!
笑って誓え!俺達の前で司を幸せにするって誓え!」
乱暴な神父様に促されて顔を上げる
「うん!誓います!」
「ヨシ!司は?」
「誓うに決まってんだろ!」
「おぅ!ここにいる全員が証人だからな!」
「え〜異議ありとか無いわけ?」
「ねぇーよ!
ややこしいから入ってくんな類!」
西門さんの怒鳴り声に不服そうな花沢類と
その光景に笑っている仲間たち
こんなに素敵な式はきっと他には無いと思う
道明寺は俺達に相応しい世界一の式はとか言ってたけど
あたしにとっては今この瞬間が
世界一で世界最高!
涙が止まらないあたしを優しく抱きしめてくれる彼の温もり
西門さんに急かされてした誓いのキスは
最高に甘くて少し塩っぱかった・・
最後に婚姻届にサインをして
お終いだと思ってたんだけど・・
お終いじゃなかった
サインした婚姻届を綺麗にたたみ
上着の内ポケットにしまったのは美作さんで
「婚姻届は俺達が責任を持って
日付が変わったら役所に出してきてやる!
今夜だけ二人っきりにしてやるぞ!行ってこい!」
そう言って押し出された先には
あの時の豪華客船
乗り込んだのはあたしと道明寺だけ
桟橋で手を振りながら
「船は明日には着くからな!」
「俺達は先に行って待っててやるよ!」
「パーティーの準備して待ってるからね〜!」
なんてみんな手を振りながら口々に叫んでいて
道明寺はそんな彼らに
「邪魔すんじゃねぇ!」
と笑顔で手を振りながら怒鳴り返していた
ボーンと大きな音を響かせて港を出る船の上
あの時と同じで船上にはあたし達以外の人の気配がしない
「もしかしてまた自動操縦?」
「かもな」
「プッ!なにからなにまで一緒だね」
「そうだな。
ったくあいつら!
パーティって何だよ?」
「そんな怒んないでよ。
みんなあたし達のために準備してくれたんだから!」
「俺達の為じゃねぇーよ!
あいつらが騒ぎたいだけだ!
ったく!邪魔ばっかしやがって!」
「嬉しいくせに」
「あぁ?!」
「なんでもない!!
もう!凄まないでよ!」
少しずつ港から離れていく船上で
東京の夜景を眺めながらの会話
道明寺はあんな風に言ってたけど
本当はみんなだって忙しいはず
道明寺にしたって本当は忙しいはずなのに
呼ばれたらすぐに集まってきちゃうメンバー達と
都合も考えずに呼び出しちゃう彼
口では喧嘩しながらも楽しそうに笑っていて
「ねぇ?」
「ん?」
「美作さんが言ってたけど
婚姻届けみんなで出しに行くのかな?」
「さぁな?
あいつら暇だから揃って行くんじゃねぇーか?」
「暇って・・そんなわけないでしょ?」
「暇なんだよ!
あー!とにかく今夜しかねぇーんだぞ!
明日にはあいつらが邪魔しに来るんだぞ!」
「そう言ってたね・・でもみんな忙しいし
あんただって仕事でしょ?
何日、島にいるつもりなの?」
「俺達は1週間だ!」
「へっ?!1週間も?!」
「あぁ、短ぇぐらいだ!」
「いやいや、また秘書さん泣いてるんじゃない?」
「泣かせとけ!」
「またそんな・・」
「いいんだよ!
とにかく明日の朝には俺が結婚した事が発表されるから
しばらくは騒がしいだろ?だからちょうどいいんだよ!」
「えっ?!発表されるの?」
「あぁ、一応な!
でも心配すんな!お前の名前も顔も年齢も全部非公開にしてあるから大丈夫だ!」
「あ、ありがとう・・
ねぇ?もうあたしに黙ってることない?
これで全部?」
「あぁ、全部だ!」
「分かった・・」
びっくりすることばっかりだけど
これから一週間もあの島で・・
「あっ!今度は沼にはまらないように気を付けないとね!」
「当たり前だ!
何回もはまるな!」
「もしはまったらまた助けてね!」
「あぁ、任せとけ!
何度だって助けてやる!」
これから先
どんな未来が待ち受けているかは分からない
分からないから
ドキドキするし
不安にもなるし
きっと喧嘩だってするし
そのたびに仲直りして
いつか家族も増えて
また人生を大きく左右する出来事にだって遭遇するかもしれない
だけどね
大丈夫
二人が一緒なら
どこにだって行ける
だってそう思うでしょ?
二人一緒ならば
それだけで
パーフェクト!
~Fin~
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
楽しんでいただけたのであれば幸いです。❤

応援ありがとうございます。