恋猫
本日はバレンタインデーなので短編をUpいたします。
あんまり甘くは無いですが・・坊ちゃんは甘いの嫌いなので・・(笑)
カテゴリーでお分かりだと思いますが・・
猛獣と珍獣カップルの観察日記となっております❣
まずはその第一弾として類君の観察日記となっております。
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~(^^♪
コメントありがとうございます❣
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!繋がってます!愛ですよね~❤
穏やかな陽射しが差し込む午後
お気に入りのお昼寝場所に向かう途中で
司と牧野を見かけた
この二人
紆余曲折
波乱万丈
その他諸々
色々を乗り越え
晴れて誰にも邪魔されずに付き合いだした
港で司が刺され牧野の事だけを忘れちゃうってミラクルから
無事に生還した後
あれほど反対して妨害していた司のお袋さんの態度が軟化し
とりあえず司のNY行きは延期となりそのまま英徳の大学部へと進級し
牧野の両親もなんとか職を得て生活が落ち着きそのまま英徳に通い続けていた
まぁ、司のお袋さんの態度が軟化したとは言っても
牧野の性格からして一足飛びに司の思惑通りにとはいかず
一進一退を繰り返しあきら達を呆れさせてはいたけれど
それでも牧野も大学部へと進級してきた頃から二人の様子に
チラホラと変化が見られるようになっていた
でもそこは牧野
ほら、分かるでしょ?
いつでもどこでもベタベタしたい司と
大学内では近付くな触るなの牧野
学内で猛獣が珍獣を追いかけまわしているのをよく見る
でも今はそんな二人が揃って図書室の窓際の席に座っている
去年、司んちが新しい図書館を寄付したから
みんなそっちに行っちゃって
前からあるこっちの図書館はいつも空いている
むしろがら空き
ゆっくりと昼寝するにはもってこいの場所
そして牧野もまたこの人の少ない図書館がお気に入り
司が邪魔なんだけど
お気に入りのお昼寝場所を取られちゃった悔しさと
まだ胸に残るほんの少しの想いの欠片がいたずら心を刺激する
二人はまだ俺に気が付いていない
二人が見える位置にあるベンチに腰を下ろし
窓際でいちゃつく二人を眺める
最近の司は真面目に学校に来ている
だけじゃなくて真面目に講義を受けたりもしている
その理由は牧野に勉強を教えるためってところが
笑っちゃうんだけど
とにかく真面目に講義を受けている司なんて初めて見た
今日もどうやら司が牧野に勉強を教えてるみたいで
テキストを開き何やら話している司の横では
牧野が難しい顔をして聞いている
顔を寄せ合い話す二人を眺めながら
アクビが一つ
なかなか面白い展開にはならなくて
はっきり言って退屈かも
ゆっくりと瞼が落ちそうになってきた時
気が付いたんだけど
司、説明するフリして牧野に近付いて
髪の匂い嗅いでない?
牧野が真剣に何かをメモしてるときに
気付かれないようにそっと顔を頭に近付けて
匂い嗅いでいる司
プッ
クンクンと犬みたいで
変態チックなその行動に吹き出す
牧野も違和感は感じているみたいで
司が近付くと無意識に少し頭を反対側へと傾けてはいるけれど
それを追いかけるように顔を近付ける司
あっ
やっと牧野も気が付いたみたい
バッと勢いよく仰け反るように司から身体を離すと
真っ赤な顔をして左手で司の頭を押し返している
でもそれに負けじと司も牧野の頭を長い腕で捕まえると
今度は本格的に牧野の髪の匂いを嗅ぎだした
常日頃から髪の毛一本
他の男が触れることは許さないと公言している司だからこその行動だろうけれど
犬のようなその行動はやっぱりどこか変態チックで
長い付き合いだけど司ってこんな奴だったっけ?って感じ
今度はほら牧野の頭を抱え込み
つむじにキスをして
耳を噛んで
ジタバタと暴れる牧野を押さえ込みながら・・
司が笑っている
な~んだ
司ってこんな風に笑えるんだ
ポケットからスマホを取り出して
窓際でイチャつく二人へと向ける・・
パシャリ
グループラインを呼び出して
送信っと
立ち上がりもう一つのお気に入りのお昼寝場所を目指して歩く俺の後ろを
恋煩いの猫が付いてくる
穏やかな陽射しの中
今日のお昼寝の相棒は恋猫
~Fin~
『恋猫』 初春の季語

応援ありがとうございます。