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レモン水

こんばんは~(^^♪
本日は短編『観察日記』のあきら君編になります。❤
それではどうぞ~(#^.^#)






私信です。
☆様
こんばんは~(^O^)/
コメントありがとうございます。
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
真っ黒な司君から正反対の位置にいる司パパです!(笑)
英徳の授業参観風景でしたが・・司パパだけじゃなくて
じーちゃんとばあちゃんにもご登場いただいて学園がパニックです!(笑)
蓮君は全く気にしていませんが・・(#^.^#)


ゆ〇様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます。
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
英徳の授業参観に出かけた司パパですが
授業参観にあんなイケメンパパが現れたら
きっと子供そっちのけでず~っと見ちゃいますよね~❤
イケメンが赤ちゃんを抱いているなんて・・想像しただけでヨダレが!(笑)
蒼君もいい子にしていてくれているし蓮君もちゃんと作文を読めて
司パパとしては百点満点の授業参観だと思います!
つむちゃんがちょっとまだ冷たいですけど・・パパの愛情はそんな事ぐらいじゃ揺らがないので!(笑)
蓮君の初恋のマリちゃんはこれからも登場してもらう予定なので続きも楽しみにしていただければと思っております❣(^^♪






















う゛~ん・・・

猛獣使いが難しい顔で唸っている

さっきからずっと

かなり長い時間

スマホの画面を睨みつけながら唸っている

大学のカフェテリアのF4専用ラウンジ

穏やかな陽射しが降り注ぐ昼下がり

「まだ決まんねぇのか?」


「・・・・・・・」


「オイ!無視すんなって!」


「・・ん?なんか言った?」


「だから!まだ決まんねぇのかって聞いたんだよ!?」


「あっ・・うん、まだ・・手頃の物件が無くて・・」

「そんなもん司に言えば一発で解決だろ?
司に言えよ!」


「それだけはぜーーったいに嫌!
ムリ!バカ!美作さんなんて禿げちゃえ!」


唸りながら暴言を吐く猛獣使い


「お前っ!俺にそんな口聞いていいと思ってんのか!?」


生意気な猛獣使いにヘッドロックをかける


「うぎゃ!いたーぃ!」


何やってんだって?


気にすんな


これは毎度の恒例だ


マジでケンカしてるわけじゃねぇ


最近、特に生意気な口をきくようになってきた猛獣使い

司と類が甘やかすから調子に乗ってやがる

「こら!いつからそんな生意気な口聞くようになったんだ!」

ヘッドロックを掛けたまま髪を掻き回す


「うぎゃ!あっ!道明寺!」

その言葉に慌てて猛獣使いから離れる俺


「えっ?!」


「ハハハ!引っかかった!
ウソだよ〜ん!」


「お前っ!」


今まで俺達の周りにはいなかったタイプの女

全くの守備範囲外の小動物系の珍獣

例えるならタスマニアデビルのような感じ

可愛くもなんともねぇ

超凶暴でよく食う

なんでも旨そうにめっちゃ食う

だからよく仲間たちに餌付けされている


食わしときゃご機嫌だから

で、こいつがなんで唸ってたかっていうと

どうやらこいつが今、住んでいるアパートが立ち退きになったらしい

元々、築年数を聞いただけで
ゾッとするようなボロアパート

こいつにとっては家賃が安いって事だけが
全てを凌駕するようでボロいって言葉以外に
表現のしようが無いようなアパート

司にしてみればこのセキュリティもへったくれも無い
このボロアパートは論外でことあるごとに
もう少しマシな部屋に引っ越しさせようとしていて

あわよくば同棲に持ち込もうとしていたが
そこはほら・・

頑固が服着て歩いてるような奴だから

猛獣の懇願?脅し?に頑として首を縦に振らなくて
未だに猛獣が思い描く夢の同棲生活には持ち込めていない

そして今回、いよいよそのアパートの取り壊しが決まって
立ち退きを勧告され慌てて新しい部屋を探してやがる


それも司には内緒で・・


奴は今、お袋さんに拉致られて・・

じゃなくて

呼ばれてNYにいる


帰国は早くても3週間後

だからこの珍獣は猛獣のいぬ間に引っ越してしまおうと画策中で
手頃ないい物件が無いかと日夜スマホで物色中

無駄なことを・・


俺たち全員がそう思っている

だってよ

よ〜く考えてみろよ

あの司だぞ

世の中の大抵の事は思い通りになる男だぞ

そんな奴と付き合ってるのに
気が付かないのはこいつぐらいだ!


まず幾らボロいからといっても
前置き無しにいきなり立ち退きになるか?

それも周辺の地区を含めた再開発なんて・・

普通、そんな計画があれば数年前から
噂になるし何かしらの動きがあるはずなのに


突然、降って湧いたような再開発計画なんて・・


有り得ねぇだろ?!

なのに

立ち退きになる!→大変!同棲とか言われる!→司にバレない内に引っ越さなきゃ!

で脳内が一杯になっている珍獣は気付かない


でも教えてやんない

教えてやるもんか!

さっき

禿げろ!とか言ったから

絶対ぇ

教えてやらねぇ!

お前なんて猛獣に頭からバリバリっと食われちまえ!



汗をかいたグラスの向こうには相変わらず難しい顔をして
スマホとにらめっこ中の珍獣


持ち上げたグラスからカラリと氷の溶ける音がして
飲み干したレモン水


喉の奥に広がるほろ苦いレモンの薫りを感じながら
自分のスマホを手に取りカメラをオンにして
しかめっ面の珍獣をカシャリ

グループラインを呼び出して

送信

っと

俺の動きに全く気付いていない珍獣の髪をもう一度くしゃくしゃと
撫で回してから席を立った

ラウンジを出た途端に身体に纏わりつくのは夏の気配


喉元にまだ残るレモン水のほろ苦さを感じながら
モクモクと湧き上がるような雲を背に歩き出した








『レモン水』 初夏の季語

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kirakira
Posted bykirakira

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