二度目の恋の話をしよう 54
本日も『二度目』です!
慌ててご帰宅のようです。(笑)
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~🌙🌃
コメントありがとうございます。😊
ハイ!みなさん、おっとこまえさんです!❤(^^♪
すっかり日も暮れて
司の帰りを飲みながら待っていた
夜も9時を過ぎてやっと執事が
”旦那様がお戻りになられます”
と告げに来て
牧野が出迎えに出て行ったのを
ぞろぞろと付いていく仲間達
若干のニヤニヤが気になるが
まぁ、牧野は流石に表情は固い
恒例のメイド総出のお出迎えに混じって
司のリムジンが入ってくるのを待っている
やがて司のリムジンが車寄せに到着し
執事がドアを開けようと待機しているのを弾き飛ばすように
中から司自らドアを押し開け
奴が転がるように出て来て
もつれるように牧野の前まで来ると
”つくし!俺が愛しているのはお前だけだ!”と叫びながら
出迎えの先頭にいた牧野に抱きついた
隠し子ってパワーワードにテンパっているのかもしれないが
今はそれじゃねぇ感が半端なくて
類なんて壁に手を付いて笑ってやがるが
俺は笑えねぇ!
牧野は抱きついたまま離れない司の背中を
まるで宥めるようにポンポンと
ニ、三回優しく叩くとそのまま司の腕を取り中へと促した
サロンの中には愛が使っていたベビーベッドが置かれていて
その中に赤ん坊が寝かされている
牧野は司の手を引いたまま
そのベッドに近付き中を覗き込むと
牧野の姿を見つけた赤ん坊が笑い声を出して
牧野に抱いて欲しいアピールをしている
牧野はそんな赤ん坊をそっと抱き上げると
赤ん坊の顔が司に見えるようにしっかりと胸に抱き直した
その光景に司は若干・・
いや・・
かなり引き気味だけど
それでもさっきよりは幾分はっきりとした声色で
“俺の子供じゃねぇ”
と言った
まぁ、そう言うわな
ってのが俺の感想
もし俺が司の立場だったとしても
ますば同じセリフを吐いたと思う
だけど
それだけで全てが解決するわけじゃない
司だってそんな事は思っていないだろうし
「あなた?」
「お、おぅ・・」
「この子が誰の子供だとしても
今は正式な保護者がいない状況には変わりがないのですから
とりあえずDNA鑑定を受けて下さい」
「お、俺のガキじゃねぇんだから
そ、そんなもん受ける必要ねぇだろ!?」
若干、声は上ずっていたが
はっきりとそう言った司
男として夫として父親として
司の信じたくない気持ち
浮気を認めていたとしても
その浮気相手との間に子供がなんて・・
信じたくないし
認めたくない気持ちも分かる
分かるけれど
それじゃ済まないって事も分かる
司だって分かってはいるだろうけれど・・
やっぱり認めたくない気持ちの方が勝っているのと
自己保身だけじゃなくて
牧野の反応と言うか・・
まぁ、早い話
今度こそ牧野に捨てられんじゃねぇかって
その恐怖の方が大きくて
冷静な判断が出来ていないのだろう
そんな司に
「親父!グダグダ言ってねぇーで
さっさと検査受けろよ!」
と後ろから優が怒鳴った
「うるせぇ!ガキは黙ってろ!」
「黙らねぇーよ!
もしかしたらその子は俺の妹かもしれねぇーんだぞ!」
「そんなわけねぇだろうが!」
「確証があんのかよ?
ねぇだろ?!寧ろ妹だって可能性の方が高いだろーが!」
ふぎゃー
司と優の怒鳴り合いに驚いた赤ん坊が泣き出した
「司も優もいい加減にしろ!
とにかく司はさっさと検査受けろ!
どのみち必要になるんだから
さっさと終わらせろ!
それからこの赤ん坊の母親は見つかったのか?」
DNA検査など無かった時代なら
司の言い分だって通ったかもしれない
だけど現代では無理だ
しっかりと検査をして結果を出す
そうしておかないと後々
争いのタネになりかねない
特に相続問題に関しては
残された者は災難でしかないのだから
今のうちにはっきりとさせておくべきだ
司もそれは分かっているから
渋々ながら・・
本当に渋々ながら赤ん坊との間の親子鑑定を受け入れた
主治医が呼ばれ
綿棒で口の粘膜を擦り取り
最優先で回された検査
最優先と言っても結果が判明するまでには
2日ほど掛かるから
その間は母親探しを優先させることになったが
俺が気になっていたのは牧野の表情だった
ずっと牧野の表情を観察しているが
その表情に大きな変化は無い
怒っている風じゃない
でも何も思っていないってわけじゃなくて
強いて言うなら呆れている感じがした
まぁ、ここにいる全員が呆れてはいるが・・
牧野の場合、それだけじゃないような気もしている
とにかく今は母親探しを優先させる
司の秘書が持ってきた報告書によると
女の身元はあっさりと判明したようだったが・・
案の定・・?
予想通り・・?
司と関係のあった女だった
秘書からの報告書をわざわざ声に出して読む
悪趣味な優
詳らかになる司の悪行
その声を聞きながら顔の神経が壊れた司と
ドン引きしている女達
俺は・・
俺と総二郎は・・
そんな司にちょっとだけ同情している
類だけは楽しそうだけどな・・
女は嘗て司がよく利用していた
高級エスコートクラブの女だったらしい
まぁ、俺は世の中にはそんなクラブがあるって事は承知しているし
女達にしても口にはしないが知っている
世の中の裏も表も
今さらカマトトぶるつもりないけれど
優が読み上げている報告書の内容に
今さらながらショックを受けている
そしてすっごくムカついている
もう少し若ければきっと彼を張り倒していたと思う
そしてすぐに離婚していたと思う
なら今からでも遅くないから離婚すればいいじゃないって?
確かにそうよね
私も流石に今回は考えている
でも一番の理由は浮気がどうのこうのじゃなくて
もしこの子が本当に彼の子供だったら・・
やっぱり両親が揃っていた方がいいでしょ?
幸い・・
なのかどうかは分からないけれど
優と愛はもう大人だから
私が居なくても大丈夫だと思うし
優の声を聞きながら
そんな風に考えていた

応援ありがとうございます。