彼女が結婚しない理由 1
気がついたら一週間過ぎてしまっておりました・・😢
お待たせしてしまってごめんなさい。m(__)m
本日は『彼女が結婚しない理由』です。❤
このお話し一応つかつくですがつくしちゃんがメインで
司君はオマケ程度にしか登場しておりません。
甘々でも無いし司君あんまり出て来てないしでしばらく寝かせていたお話しですが
今週は妄想する時間が取れず『二度目』が全く進んでおりませんので倉庫から
引っ張り出してきました!(^^♪
色々書きましたがいつものように生暖かい目でよろしくお願いいたします。
それではどうぞ~❤
私信です。
丸○様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます。🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
お久しぶりです~❣(^^♪
お元気そうでなによりです。
分岐物ですか?う~ん・・ちょっと考えてみますね。
つくしちゃんの中にはその選択しもあるようなので
司君に反省していただく意味も込めていいかもですね!(笑)
☆様
こんばんは~😊
コメントありがとうございます。🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ですよね~罪深いのでお仕置きですね!(笑)
ハァ〜〜
今日は疲れた〜
社内に設置されている自販機で
お気に入りのミルクティーを買い近くのソファーに
腰をおろしてやっと一息
午後の8時過ぎ
流石にこの時間になると残業で残っている人は少なくて
あたしが働く第一営業部も閑散としている
現在、30歳
独身特定の彼は無し
部屋に戻っても一人待っている人どころか
犬も猫もいない
即ち残業し放題
道明寺とは5年・・
もう6年になるけど
彼との仲は・・
降ってわいたような
彼の政略結婚であっけなく幕を閉じた
当時のあたしは入社して間もないこの会社で
一人前になる事に必死だった
だからあんまり時間は取れなかったけれど
道明寺とは上手くいっていた・・
いや・・
上手くいっていたって思っていたのはあたしだけで
道明寺は違ったのかもしれない・・
まぁ、過程はどうであれ結果は変わらない
道明寺はあたし以外の人と結婚して
あたし達の関係は終わった
ただそれだけ
今はもうそう思っている
だけど別れた当初は違う
突然砕け散った心の破片を拾い集め
自分でもどうすることも出来ない感情を抱えながら
一人過ごした夜
そんな夜を一つ超えるごとに
何かを一つ諦め
また何かを一つ手に入れて
今のあたしがある
道明寺の事はもうすっかり振り切った街中で
突然彼の名前に出くわしても動揺しないくらいに・・
もうあたしの中に彼はいない
そんなあたしの今の悩みは
同じ部署の後輩の女性社員
この子・・
って表現は社会人として適切じゃないかもしれないけれど
まぁ、あたしより歳が7つも下だから
そんな感じなんだけど
この子がね常務の娘さんでゴリゴリのコネ入社
別にコネ入社が悪いって言ってるんじゃないのよ
コネだろうがなんだろうが
仕事が出来るんならあたし的にはOKなんだから
そんなお嬢様だから当然、お仕事は腰掛け
営業部で営業補佐の仕事をしてるけど
はっきり言って補佐にはなっていない
部署内では完全なるお荷物だけど
常務のお嬢様さんだから無下に扱えない
所謂、触らぬ神に祟りなし状態
彼女にしてもそんな自分の立場が分かっているのか
分かっていないのか・・
微妙だけど
とにかく彼女
空気が読めない上にミスも多い
遊ばせとくわけにもいかないからと
仕事を振ってもミスは当たり前だし
定時になれば一番に帰って行く
そして何故か周囲の女性社員に対して
マウントを取るような言動が多い
それは女性社員に対してだけで
男性社員には全くそんなところは見せないから
騙されている男性社員も多い
そんな彼女の最近のマウントの標的はどうやらあたしらしい
どうやらお嬢様はあたしと仲が良い同期の男性の事を狙っているらしいの
確かに仲は良いかもしれないけど
ただの同期だし
それに彼にはずっと付き合っている同期の彼女がいる
だから同期の彼にとってはお嬢様はアウトオブ眼中なんだけどね
同期の彼に彼女が居るってことは
女性社員ならみんな知ってるんだけど
それをわざわざお嬢様に教えてさしあげるなんて
差し出がましい社員はいない
彼にしてもお嬢様からの熱烈なアプローチには気がついていて
それとなく断っているようだけど
それを彼と仲が良いあたしのせいだと勘違いしてるみたい
なんか最近特に酷いなぁ〜なんて思ってはいたんだけどね
あたしにすればこんなお嬢様
英徳にはウヨウヨいたから全く気にしてなくて
またなんか言ってんなぁ~
ってぐらいで無視してたんだけど
それが彼女の癇に障ったみたいで
どうやらとうとうあたしはどこか地方に飛ばされる事になるらしい
って情報を同期の常務秘書から聞いた
彼女は今や数少ない女性の同期で
曲がった事が大嫌いなバリバリの江戸っ子
美人だし仕事は出来る
当然、社内ではモテるんだけど
彼女は男にも結婚にも興味は無くて
ずっと大学時代からの同性の恋人と同棲中
これを知っているのは社内ではあたしぐらい
そしてあたしの元カレ話を知っているのも彼女だけ
そんな彼女からもたらされた飛ばされる情報なんだけどね
どんなに口撃しても全く気にしていないあたしに
お嬢様は大層ムカつかれているようで
お父様である常務に進言?告げ口?したらしいの・・
話しを聞いた時は娘可愛さに社員を飛ばしちゃう重役がいる会社ってどうなの?って
一瞬だけ思ったわよ
でもねすぐに思い直したの
辞めるのはいつだって出来る
常務にしたってあたしより歳が30も上
いつまでもここには居ないでしょ
それに結婚の予定どころか願望すら無い今のあたしにとっては
安定した収入源は不可欠
地方でのんびりって生活もいいんじゃないかって思っていて
今は何処に飛ばされるんだろうなぁ〜ってちょっと楽しみにしている
出来れば空気が良くて食べ物が美味しい所がいいなぁ~
ピロン
スマホに届いたメッセージ
”いつもの所にいるよ”
仕事もそろそろ終わりに近づいたグッドタイミングでのメッセージに
PCの電源を落としビルを出た
ビルから駅へと向かって歩く道すがら
”今から行くね”
と返信を返した
向かった先は駅近くのバー
少し奥まった場所に建つビルの地下にある小さなバーのドアを押し開け
カウンターに座る人の横に座った
彼の名前は圭吾さん
歳はあたしより一回り上
職業は外資系製薬会社の営業マン
二年ほど前、偶然このバーで知り合った
彼と付き合っているわけじゃない
だからといってお友達ってわけじゃない
約束があるわけじゃない
むしろ約束なんてしたことが無い
時間が合えばってだけの関係
今のあたしにはそんな関係が一番心地よかったりする
彼にしても昔・・20代の頃に一度結婚した事があったらしいんだけど
上手く行かなくて2年足らずで離婚して以来
自分は結婚には向いていないと思ったらしく
結婚願望は全く無いと話していた
だからお互い様
なんとなくのこの関係が
ちょうど良い
深夜3時過ぎ
タクシーで帰宅
彼とは今まで一度も
朝まで一緒に居た事は無い
だから会った時は大抵この時間に帰宅する
はふぅと小さくあくびを一つ
マンションの少し手前でタクシーを降りて自宅へと向かう
一応、最新式のオートロックマンション
お家賃は決して安くは無いけれど
治安は良いし駅近だし近所にコンビニもスーパーもあるから
便利で気に入っている
そんなマンションのエントランスを抜けてエレベーターに乗り込み
8階で降りてすぐ右に曲がって廊下の突き当りがあたしの部屋
こんな時間だからマンション内は静かで
廊下を歩く自分の足音が夜の闇に吸い込まれていく
エレベーターを降りて右に曲がり
すぐに部屋の前に誰かが居るのに気が付いた
こんなド深夜に誰・・?
足を止めて部屋の前にいる人物を確かめようとするんだけど
明かりがついているとはいえ真夜中の薄暗い廊下だから
はっきりと見えなくて足を止めたままのあたしに向こうから近付いてきた
一歩近付く度にシルエットが大きくなり
やがて特徴的なクルクル頭が見えた
そしてあたしの口から出たのは大きなため息
やがてあたしの元までたどり着いた彼はあたしの前に立ち止まると
徐にあたしの腕を引っ張り寄せ抱きしめた
真夜中のマンションの廊下で元カレに抱きしめられているアラサー女
全く感情が動かない自分に気がついて
あたしってやっぱ終わってんな〜
って思った
そんな事を考えながら抵抗もせず
大人しく抱きしめられたままのあたしに元カレは勘違いしたのか
「こんな時間まで何処行ってたんだよ?!」
って耳元で囁かれたんだけどね
その時、あたしの中に浮かんできた答えは
大きなお世話って言葉だけ
でもそれを声に出して伝えるのもなんだか億劫で
あたしは無言で抱きついている元カレの胸元を押し返しただけ
「話しがある」
あたしには無い
今さら話す事は何も無い
あんたの話しを聞く義務も無い
何も答えないあたしには構わず一人言葉を続ける元カレ
「離婚した」
そう
残念だったわね
「お前とやり直したい」
あたしはやり直したくない
「もう一度チャンスをくれないか?」
あげない
声には出していないけれどあたしの頭の中は饒舌だった
何も答えないあたしに元カレは
「なんとか言ってくれよ」
真夜中のマンションの廊下でする話しじゃないとは思うんだけどね
元カレを部屋に入れる気は無いし
疲れていたのもあるし何より何度もこんな話しをしたくなかったから
「あたしはやり直すつもりは無い」
「分かってる・・お前に新しい男がいるってことは・・
だけどもう一度だけ俺にもチャンスをくれないか?
俺は今度こそお前と結婚したいと思っている」
「誰の事を言ってるのか知らないけれど
あたしは結婚願望とか無いし
もし結婚するとしてもあたし初婚だから相手も初婚の人がいいのよね
だからあんたとはもう無理だから帰ってくれない?
それから二度と突然訪ねてきたり待ち伏せするようなことは止めてね」
そう告げてあたしの言葉にショックを受けて立ち尽くしている
元カレの横をすり抜けて部屋へと入った
さっきの言葉
考えて言った言葉じゃないのよね
咄嗟に出た言葉
初婚じゃなきゃなんて・・
我ながらどこから出たんだ?
って感じだけど・・
結婚出来ない理由としては最強じゃない?と思ったりもする
そして気が付いた・・
あ〜そうだ・・
あたし
きっと
彼が
あたし以外の人と結婚したのが許せなかったんだ
なんか
長年のモヤモヤが解決
すっきりしたけれど・・
今さらながらに思うのは
初婚じゃなきゃって・・
なんだそれ?
寝室の扉を開け
持っていたバッグを床に落としベッドへと倒れ込む
バフッと音を立てて倒れ込んだベッド
まだ鼻の奥に微かに残ったままの懐かしい元カレの香水の匂いが
あたしの眠りの邪魔をする
あの夜から三ヶ月
あれ以来、元カレからの連絡は無いし
部屋の前で待ち伏せされることも無くていつもの毎日が続いている
そんな中であたしの移動が正式に決まった
移動先は富山県の立山
立山連峰を望む自然豊かなその場所に
あたしは内心ニンマリしている
「わざわざありがとうね」
「ううん、私も一度来たかった場所だから全然!」
東京の部屋から富山の引越し先まで
大きな荷物は引越屋さんにお願いして
身の回りのこまごました物は同期の秘書課の彼女が
車を出してくれてあたしをここまで送ってくれていた
「でもさハイスペックな元カレからの復縁を断ってあんたが選んだのってコレなのね」
「そう、最高でしょ?」
部屋の窓から見える景色は
高い空にまだ雪を被ったまま聳え立つように広がる立山連峰
「うん、最高だね。
あ~あ、私もここに転勤にならないかなぁ~」
空気は綺麗だし
食べ物だって美味しい
最高だと思わない?
思うでしょ?
~ Fin ~
なんだこれ?な内容に最後までお付き合いありがとうございました。
この続きはいつも通り皆様に丸投げです❣(^^♪(笑)

応援ありがとうございます。