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吾亦紅 1

こんばんは~(^^♪
本日は総つく話です!
ここ数日、このお話しがバァ~ッと出てきて一気に書き上げてしまったお話しです。
以前の総つくの時にもお伝えしましたが私は司君推しです。
ですがこのお話しの司君はかなり残念な奴に仕上がってしまっております。
なのでそんな司君は嫌だぁ~と思われる方はスルーしてくださいね。🎵
大丈夫よ!なんでもコイ!な方はお楽しみいただければと思います。
色々と書きましたがいつものように生暖かい目でよろしくお願いいたします。❤

それではどうぞ~(#^.^#)





私信です。
☆様
こんばんは~😊
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ご心配いただきありがとうございました!
もうすっかり復活しております。❤
雄一郎君も大人なので司君が実の父親だと分かっていますが
その関係性はどこか他人行儀な部分があってもどかしいですよね・・




















「あぁ、分かってる。
気を付けて帰ってくるんだぞ」


”うん、分かった。それじゃぁ、夜にね!
じゃぁね!”


「あぁ」







       ~吾亦紅~










北の大地

白樺の林を抜けた先

湖畔に建つログハウス

ここに流れ着いてもう20年になる

まさに言葉の通り

俺達はここに流れ着いた


もう23年も前のこと

当時、世間を賑わせていたのは
世界にその名を轟かせていた道明寺財閥の御曹司の電撃結婚の話題だった

秘書だった女とのデキ婚が発表され
連日ワイドショーを賑わせていたが
司は牧野と順調に交際を続けていたはず
それなのに何故?という思いはあったが
当時の俺は牧野の事にかまってやれる状況じゃなかった

それに牧野に関してなら類やあきらの方が適任だと
連絡さえ取ってはいなかった

いや

俺自身が連絡など取れる状況じゃなかったってのが正しい

当時、俺は西門流から破門され
行く宛もなくただ日本を放浪中の身だった


なんで破門されたかって?


これは全くの自業自得

身から出た錆


27歳になりそろそろ周囲の状況が騒がしくなり始め
俺も覚悟を決めていた


在るがままに全てを飲み込み


在るがままに目の前に続く道を歩くはずだった



お前の伴侶だと連れてこられた相手は
古くからの後援会有力者の孫娘



西門に嫁ぐ為に大切に育てられてきた生粋のお嬢様


相手に不満があったわけじゃない


なんの感慨も浮かばない代わりに
不満もなにも感じない


俺はただそこにいただけ


ある意味、順風満帆


波風など皆無


婚約が正式に承認され


式の日取りを決めているお袋達を横目に
不思議と俺の心は凪いでいた



そんなある日


正確には婚約発表の記者会見の為に訪れていたメープルホテルで
俺がかつて遊んだ女に襲われた


それも女が狙ったのが俺ではなく
婚約者だった女


記者会見の為、集まっていた多くの報道陣の前で
俺が過去に関係した女が婚約者だった女を襲った


幸いケガは大したことはなく
少し擦り傷を負った程度だったが

その事がニュースとなり次々に現れる
過去の遊び相手だった女達


私も私もと我先に有る事無い事を話し始め
収集がつかなくなっていたが

西門としても婚約者側にしても
俺の素行の悪さは織り込み済みだったから
一切反論はせず静観していた


そんな時、一人の女が


俺の子供を妊娠したが堕ろすように
俺に強要されたと証言したことで事態は一気に動いた


俺としては全くのデマ


見に覚えが無いどころか
女の顔さえ見覚えが無い


だけどここにきてのこの証言は
もはや本当か嘘かは問題では無かった


そもそも論で


相手側からの申し出で婚約は破棄され
結果、俺は西門流を破門となった


西門流にしても今回の騒動はダメージが大きすぎた
幸いもう一人跡継ぎとなりうる男子がいる

それからいっそのことって具合だったのだろうが
あっさりと破門となり自由の身となった俺は
破門を言い渡された翌朝
誰にも何も告げず一人で愛車に跨がり屋敷を出た



それ以降、一度も西門には戻っていない


屋敷を出た俺は気の向くままに単車を転がし
日本中を放浪していた


途中、何度かあきらから連絡が入っていたが
応えないまま根無し草のような生活をしていた


あの時の俺は確かに人生の目標を失い
心にぽっかりと穴が空いたような状態だったが
それだけでも無かった・・


どこか心の片隅でホッとしている自分を感じてもいた


放浪の途中で耳にした司の結婚


牧野と婚約し上手くいっていたはずの司が
どうして秘書だった女と結婚することになったのかは分からなかったが

デキ婚だってことは司も魔が差したんだろうと思っただけで
連絡も取らず相変わらずの生活を続けていた


そんな俺がつくしと思いがけず再会したのは
司の結婚が発表された数ヶ月後だった


当時、山陰地方を放浪していた俺が
昼食を取ろうとフラリと立ち寄った峠の茶屋


そこでつくしはデッカイ腹を抱えながら働いていた


目が合い互いに固まった俺達



一目瞭然の状況


腹の子供の父親はと聞くまでも無い


そしてその日から俺は放浪を止め
つくしのアパートに転がり込んだ


今、思い返しても当時の心境は何だったのだろうか?


つくしに同情した?


違うな・・


事情を知って放っておけなかった?


それも違うな・・


疲れていた俺がお人好しにつけ込んだ?


多分、これだ・・


つくしにとってはただただ迷惑だっただろう


だけど俺はこれ幸いとばかりに
お人好しの女につけ込んで今に至る



現在、この湖畔のカフェでイケオジマスターをしながら暮らしている


長女の明日香が生まれたと同時に俺はつくしには内緒のまま
明日香の出生届を出す直前につくしとの婚姻届けを提出し
戸籍上、明日香は正式に俺の子供として登録されている



婚姻届け云々は弁護士だったつくしは公文書偽造だとかなんだとか
色々と言っていたが結局はそのままで俺とつくしの間には
長女の明日香以外に二人の子供がいる



子供が産まれて暫くしてからつくしが話してくれた
司との顛末は俺が言える筋合いじゃねぇけど
酷いものだった



俺達は司と牧野は上手くいっていると思っていたが
実は司が結婚する半年前程から
司の様子がおかしくなっていたと話したつくし


それでも別れ話などは出ていなかったが
つくしは司に避けられているように感じていたようだった


そして突然現れたのは秘書だった女


牧野に自分は司と付き合っているから婚約を解消しろと言いに来たと言っていた


当時の牧野は司を本当に愛していた


だから司から直接別れ話があるまでは別れるつもりも
婚約を解消するつもりも無いと追い返したらしいが

それからしばらくして司と連絡が取れなくなったと話した


牧野は妊娠に気が付いてた


だから司にその事実を告げようとしていた


そうすれば司を取り戻すことが出来ると思っていた・・


だけど司に何度連絡を入れても返事が返ってくる事はなく


最後には西田に連絡を入れたがそれさえも無視されたと言っていた


そして司のデキ婚が発表され司に連絡を取ろうと
ダイヤルした番号は既に解約されていて

それと同時に道明寺家の弁護士だと言う人物が訪ねてきて
婚約解消と慰謝料を提示されたと言っていた


つくしは婚約解消を受け入れ


慰謝料は一切受け取らず


今後一切、連絡を取らないとの誓約書にサインをし
仕事を辞めアパートを引き払い一人で姿を消していた


誰も知らない場所で


誰にも知られず


一人で子供を産んで育てるつもりだったと話し


それなのに俺と再会してしまったと笑っていたつくし


この女は強い


きっと俺と再会しなくても


一人で子供を産み育てるくらい出来ただろう


つくしにとって俺は邪魔者だっただろうに


それでも今も笑顔で側に居てくれている


あの当時の俺にとってつくしは救世主だったんだ


鈍感なフリして


自由を謳歌して


なんて言いながら


どうしようもない虚無感を抱えていた


茶道を離れた事は納得しているが

納得していない・・


それまでずっと茶道の世界しか知らず過ごしてきた俺にとっては
茶道が全てだった


他の世界で生きていく術なんて知らなかった

















応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

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2022/04/04 (Mon) 21:50 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬◯様

こんばんは~🌙
そしてお久しぶりです。❤
コメントありがとうございます。🎵

なんだか気温が安定しない毎日ですね・・
今日は暖かったけど・・日曜日は雨で寒いくらいで
毎日、着るものに迷います・・😢
(毎年この時期には同じ事を言っているような気もしますが・・(笑))

こちらでは今日明日辺りが入学式の所が多くて
なんとか桜も残っていてお天気も良くて良かったなぁ~なんて
入学式とか全く関係の無いおばちゃんがしみじみ思っています!(笑)

こちらも久しぶりの総つくですが・・不穏な出だしで・・💦
司君推しのはずなのに・・(笑)
まだまだこれからもっと残念な司君が登場します!(笑)
ので最後までお楽しみいただければと思っております。❤

2022/04/05 (Tue) 21:26 | EDIT | REPLY |   

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