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彼女が結婚しない理由 2

こんにちは~🎵
本日は短編です。❤
以前Upした『彼女が結婚しない理由』の続編になります。
ふと思いついただけなので本当にくっだらない内容で
読後なんだこれ?ってなること間違いなしなので
お暇な時にでも楽しんでいただければと思っております。
それではどうぞ~❤





私信です。
☆様
こんにちは~🎵
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!とってもいい子なんですが・・
司君をからかって遊ぶのが好きなようです!(笑)





















“あんた、司になに言ったの?”




うふふ



目の前に置かれた寿司下駄の上には
日本海の海の幸で握られた握りが並べられている


ノドグロにトロに富山名物の白エビにと・・


美味しそうな握り寿司に思わず生つばゴックン


どれから食べようかな〜なんて

視線は寿司下駄の上を縦横無尽に動き回り

流行る気持ちを抑えつつ小さくいただきますをして

白エビを口に放り込もうとした瞬間に

目の前に座っていた彼が唐突に発した言葉に

白エビを持つ手が大きく開いた口の数センチ手前で止まった


富山市内にある有名な寿司割烹屋さん


富山湾で水揚げされる新鮮な魚介類を使ったお寿司が有名で

当然、お値段もお高いからただの会社員には敷居が高くて

一度行ってみたいなぁ〜って前から思っていただけのお店に

連れて来てくれたのは永遠の王子様



薄茶色の髪が雪にキラキラと反射していてまるで後光を背負ったような神々しさで

フラリとあたしの働く営業所に現れた王子様は

そのビジュアルに度肝を抜かれている営業所の人達を尻目に

破壊力抜群の笑顔と名刺一枚で所長を黙らせると

終業時間2時間前にあたしをこのお店へと連れてきた



寿司割烹屋さんの個室

目の前にエサを並べられてからの待て!に

恨めしすぎて思わず王子様を睨むけど

王子様の方はそんなあたしの睨みなんてお構いなしで

どこまでもマイペース




「それってどういう意味?」



「あんた、司に会ったんでしょ?」



「道明寺から聞いたの?」



「聞いてないよ。
司とはずっと会ってないし」



「そうなんだ・・でもそれならどうして?
確かに道明寺にはこっちに来る前に会ったけど
マンションの廊下で立ち話ししただけだし5分も話してないわよ」



「ふ〜ん、で、その時、なんて言ったの?」



「別に・・もう一度的な事を言われたから断って・・
いきなり訪ねて来ないでって言ったぐらいだけど・・
それがどうかした?」


「ん・・司がさ向こうで婚姻無効の裁判起こしたから
あんたが何か言ったのかなって思っただけ」



ん?



婚姻無効?


ってなに?



あたしの頭の中に浮かんだ疑問に気が付いたのだろう


王子様が少し楽しそうに教えてくれたのは・・



「婚姻無効・・言葉のままだよ」


「・・結婚を無かったことにするってこと?」


「そう」


「なんのために?
そもそも・・そんなこと出来るの?」




「さぁ?知らないけどそもそもが結婚制度自体が
アメリカと日本じゃ違うし過去には司と同じような訴えを起こした人はいたみたいだけど
司の場合はすでに離婚が成立した後だからね今さら結婚も離婚も無効だって認められるかは
微妙なんじゃない?まぁ、でも司だからさ力業でやっちゃうんじゃない」



楽しそうに告げられた言葉


普段は無口な彼が珍しく今日は饒舌で



「だから、あんたが司になにか言ったんじゃないかって思ったんだけど
当たってるでしょ?」




なんて言われるんだけど・・


あの夜の


っていうか


あのド深夜の会話は

はっきり言ってちゃんと覚えていない


う~ん


なに話したっけ?




「当たってるかどうか・・
そもそも何話したのかよく覚えてないんだけど・・」



「そっ、じゃあ思い出してみて」



思い出してみて

なんて言われて困る

う〜ん

何話したっけ?



ゆっくりと声に出しながらあの夜を遡ってみる



「あの日は・・夜中の3時ぐらいに帰って来て・・」


夜中の3時

ってところで類の視線が一瞬だけ険しくなったけど

そこは気付いてないフリでスルーして



「えっ〜っと・・マンションに帰ったら廊下に道明寺がいて・・
びっくりして・・」


「びっくりしただけなの?」



「ん?・・びっくりして・・こんな時間までなにやってたんだ的なこと言われて・・
ウザって・・思った・・かな」



「それで?」



「それから・・やり直したいみたいな事を言われたから・・
きっぱり断った・・そう!はっきり言ったよ。私はムリだって!」



言い切ってから気がついた・・


「あっ!」


「思い出したんだ?」



「ん?・・・う〜ん・・思い出したと言うか・・
なんて言ったらいいのか・・」



「なんて言ったの?」



「う〜ん・・深く考えて話したわけじゃなくて・・面倒臭くて・・
早く話しを終わらせたくて・・次はお前と結婚がとか言ってたから・・
あたしには結婚願望は無いって話して・・もし結婚するなら初婚の人がいいって・・
言ったような気がする・・」



「プッ!クククククッ」



初婚って聞いた途端


吹き出すように笑い始めた類は

やがてお腹を押さえ身体を二つに折り曲げて笑い続けている

そんな彼を眺めながらあたしの口からこぼれ落ちたのは

大きな大きなため息



「もぅ!そんなに笑わなくってもいいでしょ!?」



「ん、ごめん。
でもあんた結婚願望は無いくせに初婚じゃないと嫌なんだ?」



「だから!深く考えて話したわけじゃないって言ったでしょ!
後になってあたしも何だそれ?って思ったんだから!」



「でもそれが原因なんじゃない?」



「・・やっぱり?ハァ〜・・マジか・・」



「うん、マジ」



「楽しそうに言わないでよ・・」



「だって楽しいんだから仕方ないじゃん」



「楽しくないって!ハァ〜・・食欲無くなったじゃん!
もぅ!類のせいだからね!」



「ん、ごめん、プッ!」



「もぅ!笑うな!」



「ん、俺のも食べていいよ」



「食欲無くなったって言ったじゃん!」



「じゃあ、お持ち帰りしてもらう?」



類を睨みながら頷いただけのあたし



結局、類の分までお寿司をお持ち帰りしたあたし

美味しいはずのお寿司を日本酒で押し流す夜

お寿司が苦かったのはきっと日本酒のせいだけじゃない






苦いお寿司を心の廃品回収置き場に放り投げ

ついでにその他諸々も放り投げてから一週間


類から宅配便が届いた



箱の中にはあたしが好きな物が沢山


フランスのチョコにイギリスの紅茶にクッキー類のワイナリーで出来たワインと

色とりどりのイタリアのお菓子そして宝箱のようなその箱の中で

異彩を放っていたのが底に隠すように入れられていた分厚いファイル

ファイルには付箋が貼られていて見慣れた類の字で


“面白い物が手に入ったから入れておくね”


と書かれていた



面白い物?

なんの気無しにファイルを手に取り

なんの気無しにペラペラと分厚いファイルを捲って

思わずファイルをゴミ箱へ投げ入れた



だってね・・


中身はね・・



道明寺の婚姻無効訴訟の公判記録なんだもん!



これの何が面白いのよ!



ファイルが突き刺さっているゴミ箱の写真をパシャリ


その写真を類のスマホへ転送し

スマホの電源を落としベッドへと放り投げ

箱の中から取り出したチョコとワインでエネルギーを補給







「なに捨ててるの?」


ゴミ箱に突き刺さったままのファイルに気づいたのは
週末を利用して遊びに来てくれた同期の常務秘書の彼女



「あっ、それゴミだから」


そう言ったあたしに対して彼女は一言



「でしょうね」



と答えるとゴミ箱からファイルを拾い上げ


「見てもいい?」


と聞いてきた



「いいけど、大した事書いてないわよ」



そう返しただけ


ペラペラと中身を確認し始めた彼女



「ねぇ、つくし?
あんた、これ読んだの?」



「読んでない」



「どうして読まない物をわざわざ手に入れたわけ?」



「あたしが手に入れたわけじゃないわよ。
類が面白い物が手に入ったからって送ってきたのよ」



「へぇ~、王子様って意外にお節介だったんだね。
でもあんたの周りの男ってほんと・・変なのばっかりだね・・
この元カレさんは特別なんだろうけど・・あんたが思ってる以上にこの元カレさんに愛されてるんだね・・」



「愛じゃないでしょ?
単なる執着なんじゃない?」



「執着もある意味、愛なのよ。
とにかくコレ・・ちゃんと読んでみたら?」



帰国子女の彼女はファイルをペラペラとめくりながらそう言った


そして帰り際にもう一度・・



「ちゃんと読んでみなよ。
あの中には元カレさんのあんたに対する愛が一杯詰まってるからさ。
とにかく元カレさんがここまでした思いをちゃんと受け止めてあげたら?
王子様もそう思ったからわざわざ送ってきたんじゃない?」



「ん~・・受け止めきれなかったら?」



「その時には燃えるゴミにでも出しちゃえばいいじゃない!」



「・・・・・」



燃えるゴミ云々は比喩だろうけど


あたしはあの男の事をよく知っている


知りすぎている


だからこそ


読めない


あたしに出来ることは・・


なんだろう?


分からないまま


夜が明ける


愛って難しい












なんだこれ?(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。<(_ _)>


応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 6

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2022/05/01 (Sun) 21:08 | EDIT | REPLY |   

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2022/05/02 (Mon) 10:12 | EDIT | REPLY |   

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2022/05/04 (Wed) 06:06 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

き〇粉様

こんにちは~🎵
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m

ハイ!モヤモヤするでしょ?
私もです!(笑)
きっとつくしちゃんも同じ気持ちだからこその反応なんだと思います!

モヤモヤ・・解消出来るかしら?❤

2022/05/05 (Thu) 17:36 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬◯様

こんにちは~(^▽^)/
コメントありがとうございます!🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m

GWいかがお過ごし?
この3日ほどはお天気も良くて
日中は暑いくらいですね!☀

ムフフ♥続くと思ってました?
なんだか消化不良で気持ち悪くて・・(笑)
続きを妄想してみました!❤
きっと彼はジッとしてられないと思うので
早いうちに目的を果たすために動くんじゃないかなぁ~と思っていますが
つくしちゃんが・・どうなんでしょう?
一筋縄ではいかないかも・・です❣(^^♪

2022/05/05 (Thu) 17:40 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

パ○ちゃん様

こんにちは~😊
コメントありがとうございます!🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m

ウフフ❤気に入っていただけて嬉しいです。❤
モヤモヤ感が残ったままなので何か浮かんでくるかもしれません!

2022/05/05 (Thu) 17:42 | EDIT | REPLY |   

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