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怜 6 -残響-

こんばんは~🌙
本日も『怜』です!
それではどうぞ~❤




お知らせです。
明日12日と明後日13日は更新が出来そうにないので
予約投稿をしておきます。(^^♪
投稿時間はお昼の12時です。






私信です。
☆様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます!(^▽^)/
ハイ!ここでタイトル登場です!



















暖人はほとんど学校へと通った事が無かった

だけど学力が低かったわけじゃない


寧ろその逆で同世代の子供達よりIQが高く
普通の学校では物足りなかった


運動神経も良く


何をやらせてもすぐに頭角を表してしまう


こんな環境じゃなければ


存分にその才能を伸ばし


世界に羽ばたいていけるのに


何度そう思ったことか・・


だけど


せめてあの子が成人するまでは
危険を犯したくなかった


あの当時のわたくしは


とにかくあの子を隠すことばかりに
神経を使っていた


隠すこと=守ることだと思っていた


だけど大人になったあの子の考えは違っていて


わたくしにはそれを止める術が無かった


だから


あの当時、出来る限りの事をした

新たな戸籍を用意し

新たな名前と経歴

そして年齢までもを偽り

完璧な状態であの子を生まれ故郷へと送り出した



ある意味


それが功を奏し


ある意味


それが彼の命を奪ってしまった


今でも分からない


あの時


わたくしがした事が正しかったのか・・


間違いだったのか・・


今でも分からないまま


間違いならば


何処で間違えてしまったのか・・


「暖人さんは自分の出自について
どれぐらい知っていたのですか?
貴方は暖人さんにどう説明されていたのですか?」



「詳しい事はほとんど話しては無かったのよ・・
ただ日本に行くにあたってわたくしが余りにも動揺してしまったの事と
何もかもを新しくして別人として日本へ行かなければならない状況になってしまったでしょ・・
だからその時にあの子の両親の事と
どうしてこんな所でわたくしに育てられたのかの話しはしたわ」


「その時の暖人さんの反応は?」


「驚いていたわ・・
当然よね・・母親が行方不明のままなんて・・」


「その当時、貴方は伯母はまだ生きていると思っていましたか?」


「・・難しい質問ね・・
しいて言えば・・生きていると信じたかった・・
先輩はきっと何処かで元気にやっていると
思いたかったんだと思うの・・
でもね、わたくしは先輩という人を知っているの・・
あの人が生きていて元気に過ごしているのなら
絶対に暖人を探しているはず
優紀さんを探しているはず
そしてわたくしに連絡をしてくるはず・・
なのになんの音沙汰もなくて・・
だから信じていた反面・・」


三条さんは私の問いかけに
まるであの頃に戻ってしまったかのように
苦るしそうに表情を歪め言葉を選びながら話してくれている


その姿があの日


骨壷を抱きしめながら肩を震わせていた父の姿と重なり


私はまだ話している途中の三条さんの言葉を遮った



「辛い事を思い出させてしまって申し訳ありません。
お疲れのようなので少し休憩されますか?」



「いいえ、大丈夫よ・・
ありがとう、話しを続けましょう」


「ありがとうございます。
では、続けさせていただきます。
三条さんにはお辛い質問だと思いますが・・
どうしても聞きたかった事なのでお聞きします。
三条さんは彼の計画をご存知だったのですか?」


「いいえ・・と言うのは正しくは無いわね・・
あの子から何をしようとしているのかは聞いていなかったの・・
これは本当のことよ・・でもねわたくしは薄々勘づいていたの・・
あの子が母親を探していることを・・
そして危ない橋を渡ろうとしていることを・・」


「新しい戸籍まで準備した貴方は
どうして止めなかったのですか?
暖人さんのビジュアルはモデルにスカウトされるぐらい目立つ物で
実際、彼はモデルとしてあっという間に大成功しましたよね。
父親の道明寺さんにそっくりなビジュアルで
あちらに勘付かれる可能性があったのに
貴方は彼を止めなかったのは何故なんですか?」


「先程も話したけれど大人になったあの子の意志が固かったのと・・もう一つ
わたくしも知りたかったの・・
先輩がいなくなってしまった真相を・・
見つけてあげたかったの・・
そして会いたかったのよ・
会って話しをしたかったの・・」



「貴方は彼の計画を知らなかったとおっしゃいましたが
どうして彼は母親とも呼べる貴方に何も話さなかったのでしょうか?」


「それは本人に確かめてみないと分からないけれど
きっとあの子のことだから・・
わたくしを巻き込みたくないと思ったのかもしれないわね・・」


「そんな優しい暖人さんがどうして
あそこまで残酷な事が出来たのでしょうか?
私はモデルとして活動していた暖人さんを
媒体を通してしか知りませんが
インタビュー記事などを読んでいて感じていたのは
ありきたりですが誠実な人という印象でした
だからあの時の彼の行動は衝撃的で
同一人物とは思えなかったんです」


「そうね・・でも人には誰しも
他人には知られたくない部分があるし
あの子のあんなところは父親にそっくりだったのよ」














応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

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2022/05/11 (Wed) 22:28 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

パ○ちゃん様

こんばんは~🌙
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m

楽しんでいただけているようで管理人はムフフフフ❤となっております!(笑)

謎ですよね・・特に司君が・・💦
このお話しあまりにも司君の動きが見えないので
皆さんにはストレスだと思っております・・💦

実は私もストレスです!(笑)
自分で妄想していてどうして司君はここまで無関心に
全てを放置していたんだ?と疑問に思う事ばかりですが
お話しの進行上やむを得ず省きながら進めております。
(そこまで広げてしまうと話しの流れがブレ過ぎるので・・)

なので今は一段落したら司君の心情編みたいのを書いた方がいいのかなぁ~
それともいつものように皆さんに丸投げ?でそれぞれの考える結末でいいのかなぁ~
などなどちょっと色々と考えながら迷っております!

今回のお話しは司君が全くダークじゃなくて
存在感も薄いですがもう少し最後までお付き合いよろしくお願いします!🎵

2022/05/13 (Fri) 19:37 | EDIT | REPLY |   

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