怜 9 -残響-
本日も『怜』です。
予約投稿です。
短いですが・・
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんにちは~🎵
コメントありがとうございます。(^▽^)/
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!あの暖人君が・・
なんです・・😢
自身に詰め寄る滋さんの両手を掴んだ怜は
笑いながら彼女の耳元に顔を寄せると
小声で何かを囁いたように見えた
その瞬間
滋さんの顔色が赤から青に変わり
怜に掴まれたままの両手を振り払うようと
壇上から飛び降り
招待客の間を足がもつれたように
ジグザグに歩き始めた
その光景はまるで怜から逃げているようだったと先輩記者は話していた
もつれる足を必死で前へと押し出し
会場内を逃げる回る滋さん
そしてそんな彼女を笑みを浮かべながら
まるで獲物を追い詰めるように
ゆっくりと後を追う怜
異様な光景が目の前で展開していて
視覚から入って来る情報を脳が上手く処理出来ず
ただただ
目の前で繰り広げられている光景を目で追うことしか出来なかった
誰もが立ちすくみ
誰もが息を呑み
ただただ
驚愕するしかなかった光景の中
再び滋さんの腕を掴んだ怜は
今度は周囲にもはっきりと聞こえる大きな声で
”牧野つくし”
と言った
その名前を聞いた瞬間
彼女は怜に掴まれたままの腕を振り払い
自身の耳を塞いだ
まるで自身の身体から湧き上がるような悲鳴から逃れるように
耳を塞ぎ
”私じゃない!
私は悪くない!
悪いのはつくしなのよ!
私が何度もお願いしてるのに!
逃げようとするから!
だから!私のせいじゃないの!
つくしが勝手に階段から落ちたのよ!”
その言葉を聞いた時
先輩記者は意味が分からなかったと言っていた
だけど怜の表情が・・
滋さんの
その言葉を聞いた怜の表情が
大きく歪んでいたのを覚えていると語っていた
その場に居合わせた全員が
何か尋常では無い事態が目の前で起こっている事は分かっていたが
その時はまだこの尋常ではない出来事の
本質を理解出来ている者は少なかった
そして
この人も
理解出来ていなかった一人
「どういうことだ!?」
会場に響いた鋭い声
その声の主は他でもない
道明寺氏だった
そして道明寺氏のその問いかけに答えたのは怜だった
「僕が答えてあげますよ。
僕の本当の名前は牧野暖人です。
母親は牧野つくし。
そして僕は貴方の息子ですよ、お父さん」
振り向きハッキリとした声で
そう告げた怜に対して
道明寺氏はまるで時が止まってしまったように
息子だと名乗った怜の顔を見ていただけだった
「母はどこですか?」
「し、知らない!
私は何も知らない!」
「知らないはずはありませんよね?」
「ほ、本当よ!
わ、私は知らない!
河野が全部やったのよ!
わ、私は河野の指示に従っただけよ!」
「河野とは誰なんですか?」
「わ、私のSPだった男よ!
河野がつくしを車に乗せて何処かに連れて行ったのよ!
だからつくしを殺して何処かに埋めたのは河野なのよ!
私は何もしてない!」
異様な静寂の中
滋さんの叫ぶような暴露の言葉が木霊していた
耳を塞ぎたくなる程の醜悪
果たして目の前で起こっているのは現実なのだろうか?
それとも悪い夢なのだろうか?
「貴方は何もしていない?」
「そ、そうよ!
私は何もしていないわ!
つくしが勝手に階段から落ちて死んだだけよ!
あれは事故よ!事故なのよ!
私に責任は無いわ!」
「救護しなかったんですよね?
貴方は階段から落ちた母を助けようとはしなかったんですよね?
そしてその事を隠蔽したんですよね?
なら殺したも同然では?」
「ふざけんな!よくもあいつを!
あいつがお前に何をした?!
牧野は何処だ?!あいつを何処に隠した?!
答えろ!滋!」
突然、魔法が解けたように滋さんに詰め寄り
その胸ぐらを掴んだ道明寺氏

応援ありがとうございます。