怜 15 -残響-
本日も『怜』です。
皆さん・・もう少しだけご辛抱くださいませ・・💦
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます!
はい・・生きてたのにです・・😢
ア◯ティーチョーク様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます。
全てが滋ちゃんの我が儘から始まった事で
結局、全てが悪い方へ悪い方へと進んでしまった結果です。
引き返せる場面はあったと思うのですがそのチャンスも逃してしまい
司君にしても何としてでもつくしちゃんを選んでおけばと思うのですが
結局は道明寺家の為に生きる事を選んでしまって・・😢
つくしちゃんと暖人君は本当に可哀想ですよね・・(´;ω;`)
この記録を読んだ時
私は吐き気を覚え
手にしていたファイルを投げ出し
近くのトイレへと駆け込んだ
どうして
ここまで
酷い事が出来たのだろうか?
SPだった男性は二言目には
滋お嬢様が不憫でと言う言葉を口にする
私に言わせれば
どこが不憫なのだろうか?
彼女のどこにその憐憫さを感じる事が出来るのだろうか?
全てが自業自得
人の気持ちを弄び
愛を弄び
我がまま
自分勝手という単純な言葉では
言い表わせない程の悪意に満ちた
その言動のどこに憐憫さを感じられるのだろうか?
私は伯母のような優しい人間じゃない
そして父のように忍耐強い人間でもない
もっと言えば
私はこの出来事の関係者でも無い
確かに親族ではあるけれど
あの瞬間まで存在さえ知らなかった
限りなく赤の他人に近い場所から
被害者家族の一人として客観的に
この出来事について調べてきた
その私がこの調書を読んだ時
ジャーナリストとしての立場も客観性も何もかも無視して
滋さんとSPだった男性を憎いと思った
そしてあの時の母の言葉を思い出した
八つ裂きにしてやる
その鋭い言葉の意味を
身を以って実感した
そしてこの時
私は
ほんの少しだけ
暖人さんの
心の激憤に触れられたように感じた
いつまでも心の中に晴れない霧のように
燻り続けている感情
きっと三条さんも道明寺氏も
ずっと心の中のこの得体の知れない感情と戦ってこられたのだろう
そして調書の続きにはこう記されていた
貴方は今、ご自分が何を言っているのか理解されていますか?
という検察官の問に対してSPだった男性は
はい、理解しています
では何故、今になって証言を決めたのですか?
ずっと後悔していたからです
私はずっと後悔していました
まだ微かに息のあった牧野様をそのまま放置してしまいました
その事をずっと後悔していました
調書の中で後悔という言葉を何度も何度も繰り返していた男性
謝罪ではなく後悔
その事に調書を持つ手が震える程の怒りが湧き上がる
ではその時の事を詳しく話してくださいとの検察官の言葉に
男性はこう証言している
はい、滋お嬢様を先にお屋敷へと送り出した後
私は牧野様を毛布に包み車のトランクへと運びました
その時に牧野様が微かに呻き声のような物を上げられました
そこで牧野様がまだ生きていらっしゃる事に気が付きました・・
でも・・
でも?どうしたのですか?
私は恐怖を感じました
とてつもない恐怖でした
走ってその場から逃げ出したほどの恐怖でした
頭の中では色々な事が物凄いスピードで
浮かんできました
それはどういった事だったのですか?
滋お嬢様のこと
大河原家のこと
自身のこと
家族のこと
色々です・・
つまり保身の感情ですか?
はい、このことが世間にバレたらどうなるか?
滋お嬢様も罪に問われてしまう
いや、罪に問われないとしても
道義的な責任は問われてしまう
そうなればせっかくの努力が水の泡になってしまう
その恐怖と
自分が今
まさに
人を殺めようとしている
その恐怖とが
相まって
私から冷静な判断力を奪ってしまいました
呻き声を上げられ牧野様をそのままに
私は恐怖から逃れる為にトランクを閉めてしまいました
その後、別荘に付き
少し落ち着きを取り戻した私は
自分がしでかしてしまった事の重大さに気付き
急いでトランクの中の牧野様を確認しましたが
すでに手遅れでした・・
調書の中の言葉が淡々と私の中を通り過ぎていく
色と匂いを伴わない文字の羅列が
抑えきれない強烈な怒りを放っていた
調書の中には最後まで伯母や暖人さんに対する
謝罪の言葉は記されていなかった
あったのは
ただの後悔と
ただの恐怖だけ
そして最後に
この男性も
結局は罪に問われる事はなかった
最後に殺人を自供しているのにも関わらず
伯母の死亡原因を明確に解明出来なかった為
殺人罪は立証出来なかったから
馬鹿げいている
そう思った
本人が自供しているのにも関わらず
立件されないなんて
ずっとそう思っていた
当然、当時のマスコミもその部分に疑問を呈していたが
結局、司法の判断は変わる事はなかった

応援ありがとうございます。