司 3 -不易-
本日も『怜』の司君編です。
う~ん・・ちょっと表現が抽象的すぎるかもしれないですが・・
皆さんの想像力にお任せします!←丸投げです!(笑)
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます。🎵
はい・・それはそれはとっても・・😢
つくしちゃんがいないとダメなんです。
事件のすぐ後
長い手術に耐え
戻ってきてくれたはずだった
出血が多く危険な状態だった暖人は
俺の血を輸血し
なんとか命を繋いでくれていた
医師の話しでは
なんとか一命は取り留めたが
まだ予断は許さない
だけど暖人はまだ若く体力もある
だから奇跡に掛けましょう
そんな風に話していた
俺はずっと暖人に付き添いながら
牧野に祈っていた
暖人を連れて行かないでくれと
暖人を奪わないでくれと
俺達の息子を守ってくれと
それがどれほど自分勝手な願いかも
分かっていた
だけど
祈るしかなかった長くて短い時間だった
願いは届かなかった
俺の願いを牧野は聞き入れてはくれなかった
暖人を俺なんかには任せる事は出来なかったのか?
お前・・怒ってんだよな・・
こんな不甲斐ない父親に大切な息子を任せる事なんて出来なかったんだよな・・
そうだよな・・
俺はこうなるまで
何も知ろうとはせず
全てに蓋をして
自身の人生さえ諦めてしまっていたんだからな・・
無知は罪だ
ごめんな・・牧野
今はもうお前に謝ることすら出来ないバカな俺
お前に何もしてやれない
暖人にも・・
だけど
俺が出来る事はまだ残ってるよな・・
暖人が命を掛けて暴いてくれたおかげで
お前に会えたんだから
次は俺の番だな
俺は絶対に許さない
お前と暖人を奪った
あいちらを
絶対に許さない
暖人の死後
俺は検視官の立ち会いのもと
証言通りの場所から掘り出された
牧野と対面した
時間の経過と共に遺体は既に白骨化していて
検視台の上に並べられていた牧野の骨
その生々しい光景は今でも頭から離れない
抱きしめたいのに
それすらも出来ない
連れ帰りたいけれど
それも出来ない
俺は家族じゃない
その現実が俺に対する罰なのならば
甘んじてそれを受け入れるしかない
淡々と時間だけが過ぎてゆく
検察の事情聴取で牧野と暖人の遺骨は
弟の進に引き取られたと聞いた
病院で数十年ぶりに再会した牧野の家族
牧野の両親も進も土下座する俺に対し
何も言わなかった
それがあの家族の答えなのだと思った
牧野の両親や進からすれば
俺も同罪
滋と同じ穴のムジナ
俺と関わらなければ
牧野はきっと幸せな人生を送っていただろう
それこそ滋が捏造したあの情報のように・・
結婚し子供が生まれ幸せに暮らせていただろう
だけど現実は・・
俺がこちらの世界に引き込んだせいで・・
牧野の家族に背負わなくていい荷物を背負わせる事になってしまった
事情聴取で事故だったと答えた滋
俺は事故だなんて思っていない
牧野は滋とSPだった男に殺されたんだ
俺が望んだ事はただ一つ
俺だけじゃなく
類もあきらも総二郎も・・
そして三条も・・
望みは一つだけ
司法での解決は望んでいない
あいつらとは全く交流がなかったわけじゃない
ただ昔ほど頻繁に顔を合わせていたわけじゃないが
最低限、互いの状況は理解していた
そして事件の発覚後
数十年ぶりに4人が揃った
重苦しい空気の中
誰も何も発しない
言葉にするのは簡単だ
ただ情念を言葉に変え
声に出せばいいだけ
だけどそれになんの意味がある?
ただの言葉だ
それぞれが抱えている
心の内を適切に表現する言葉など
この世には存在しない
それに俺だけではなく
類もあきらも総二郎も知っている
自分の罪を・・
あの頃の未熟さを・・
だからこそ許さない
全てを・・
自身の罪さえ
絶対に許さない
静かな情念はやがて精神の奥深くまで巣くい
青い焰が神経まで灼き尽くす
自らが掘った穴が地獄への入口となったSPだった男
恐怖に歪むその顔を・・
ゆっくりと朽ち果てるがいい
永遠に
誰にも見つけてもらえないこの場所で・・
彷徨い続ければいい
吹き荒ぶ風が堅牢な楼閣に当たり
まるで獣の遠吠えのように空を切り裂く
最果てのこの世の地獄
俺がお前達のために準備してやった
この世の地獄だ
気に入ったか?
誰も訪ねてこない
誰も知らない
生きる事も
死ぬ事も
許されない
この世の地獄で
見届けてやる
その時が来るまで
お前達の罪と罰を・・

応援ありがとうございます。