司 4 -不易-
本日も『怜』の司君編です。🎵
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます。(^▽^)/
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
はい・・着けていたと思います。←その辺の描写はしておりませんが・・💦
つくしちゃんにはデフォルトなので!🎵
大河原なんて
こちらが何もしなくても滅びゆくだけ
カリスマ性のあった滋の親父さんが亡くなってから
跡を継いだ奴は普通の男
そんな奴に財閥を率いる技量などあるわけがなく
屋台骨は既に傾き始めていた
そこに滋がとどめを刺しただけ
娘にとどめを刺されて
地獄の底で親父さんも本望だっただろう
すぐに地獄で家族再会させて
やるからもう少し待っていろ
滋に続く全ての血筋をこの世から消し去り
もう誰も残っていない
これが罪だと言うのならば
俺は喜んでその罰を受け入れてやる
地獄で再会出来るその日を楽しみにしとけよ
蝉の声が聞こえる
姉ちゃんの息子を後継に指名し
この別宅に引っ込んでもう5年になる
ここに訪ねてくるのはほんの一握りの人間だけ
秘書だった西田が引退後は
奴の甥っ子が後を引き継ぎ
この別宅に住み込んでいる
後は屋敷から来た古参の使用人が数名だけ
静かな別宅で唯一、生命を謳歌しているのは蝉ぐらい
そんな別宅にある日
突然
進が訪ねてきた
玄関先で出迎えた進は
白髪交じりで
少し草臥れた表情を浮かべていた
その進を応接室へと招き入れるとすぐに
肩に掛けていたバッグから
小さな骨壷を二つ
俺の前に並べ置いた
“姉ちゃんと暖人です。
二人をお返しします”
そう言って頭を下げた進
突然の事に意味が分からなかった
頭を下げるべきなのは俺の方で進じゃない
それなのに
俺に返すと言った進は続けて
“二年前に親父が三ヶ月前にお袋も亡くなりました。
俺には娘しかいません。娘には引き継がせたくないんです。
この負の連鎖は俺で終わりにしたいんです”
“俺にとっては姉ちゃんも暖人も大切な家族です。
でも俺と妻が死んだら娘は一人です。
あの子にはあの子の家族がいます。
牧野は俺の代で終わります。
だから貴方にと思って今日はここまで来ました”
“正直言って親父とお袋は・・俺もそうですが・・
姉ちゃんと暖人をあんな目に合わせたあの人達を
許せませんし恨んでいます。そして貴方も同罪だと思っています”
それならどうして?と問うた俺に進は
“姉ちゃんは誰も恨んでなんていないと思うからです・・
姉ちゃんはきっと俺にも・・俺だけじゃなくて・・
貴方にもそんな感情を持ったまま生きて欲しく無いと思っていると思います。
それに姉ちゃんも暖人も・・貴方の所に帰りたがっていると思ったんです・・
きっと貴方なら姉ちゃんと暖人を大切にしてくれるだろうから・・
だからもう終わりにしてください。
これからは家族として姉ちゃんと暖人を守ってやって下さい。
それがこの二人の願いだろうから・・”
最後に進は玄関先で
“きっともうお会いすることは無いと思います。
どうかお元気で二人をよろしくお願いします”
と頭を下げ帰って行った
蝉が鳴く夏の日の出来事
その日以来、二人はここにいる
俺は別宅の隣に二人の為に小さな家を建てた
あいつが好きそうなこぢんまりとした小さな赤い屋根の家
リビングにダイニングキッチンに寝室は二部屋だけ
一つは俺と牧野の寝室でもう一つは暖人の部屋
俺は一日のほとんどをそこで過ごしている
そして何処から聞きつけたのか
あいつらが頻繁にここを訪ねてくるようになった
俺の予定など確かめもせず
いつも突然、フラリと姿を現す
いきなり来るな!と文句を言うと
皆一様に呆れたような表情を浮かべ
“お前に会いに来たんじゃねぇから気にするな!”
と言いやがる
桜が咲けば花見だと言い
真夏の日差しが強ければ避暑だと言い
虫の音が響く夜には月見だと言い
雪が降れば雪見だと言って
あいつが好きそうな
甘い物を大量に持ちここに居座るあいつら
罪を忘れたわけじゃない
だけど
今、やっと
少しだけ
穏やかな時間が流れ始めている
あきらが逝き
総二郎も逝き
類もまた・・
逝ってしまった
俺ももうすぐ
もう時間はそんなに残ってはいないだろう
だから俺は最後の旅に出た

応援ありがとうございます。