130億とちょっとの女 7 -30億の女-
本日も『130億とちょっとの女』です❣(^^♪
遭遇です!(笑)
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます。(^▽^)/
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ムフフ♥つくしちゃんレーダーがビンビンなんです!(笑)
ヨシ!
帰って仕切り直し!
っと!
・・・・え????
・・・えっ???
・・えっ??
え〜ぇ〜ぇ〜!!!
ぎゃあ〜〜〜!!!!
何故か一団を引き連れてこちらへと向かって突進してくるクルクル頭
思わず逃げ出すあたし
逃げるわよね?
当然よね?
追いかけられてるんですけど?!
な、なんで?
訳分かんないんですけど〜!
ま、待ちやがれ?
誰が待つか!
待つわけないでしょ!
い〜やぁ〜〜!!!!
追いかけて来ないでよ〜!!
なんだかよく分からないんだけど
道明寺HD日本支社の玄関ロビーで
迫りくるクルクル頭から逃げているあたし
沢山の人が行き交うロビーで
あっちこっちへ
右往左往
何事かと立ち止まり
見守る人達の間を縫うように逃げ回るあたしと
それを追いかける道明寺
ハァハァハァ
パンプスで走り難いし
床が滑る〜
キャッ!
方向転換しようとして足元が滑り
転ぶのを回避しようとした瞬間
後ろから掬い上げるように腕が
お腹の辺りに伸びてきて
転ぶのを回避出来たんだけど・・
捕まった・・
捕まってしまいました・・
フワリと掬い上げるように
まるで重力など存在しないかのように
軽々と抱え上げられて米俵みたく肩に担がれて
回れ右・・
あっという間に道明寺のオフィスへ・・
あまりの展開に唖然としているあたしを丁寧に来客用のソファーへと降ろすと
すかさず横に座り抱きついてくる道明寺
“会いたかった”
なんて抱き寄せられて
耳元で囁かれて
色々とパニック中のあたし
玄関ロビーで見つけたあいつの姿
久々のナマ牧野に足がひとりでに動き出していた
それなのにこの女はちょこまかと動き回り
俺から逃げようとしてやがる
無駄なんだよ!
絶対に逃がすかよ!
諦めろ!
抱え上げた牧野をそのままにオフィスへと逆戻り
来客用のソファーにそっと降ろすと
状況が飲み込めずキョトンとした表情のままの牧野を抱き寄せる
マジ5年と2ヶ月と17日ぶりの牧野
柔らかなその感触とシャンプーの匂いが懐かしくて
色々と刺激されまくりでヤバい
“会いたかった”
心の底から自然に出た言葉
会いたかった・・
ハァ〜
マジで会いたかった
会って抱きしめたかった
俺の全て
それなのに
夕べの事を思い出したてまたムカついてきた!
状況が理解出来ていない牧野は
俺の腕の中で大人しいまま
「・・・え〜っと・・どう、みょうじ?」
状況が理解出来なくてされるがままで
やっと絞り出した言葉がコレ
色々と突っ込み所が満載の今の状況なんだけど
何から話せばいいのか分からなくて
道明寺に抱きしめられながら
見渡したオフィスがあの頃と変わってなくて
あたしは
“ここって変わってないなぁ〜”
なんて呑気なことを考えていたんだけどね
西田さんの姿を見て
ハッと我に返って慌てて道明寺を引き離した
「ちょ、ちょっと、道明寺!」
強引に身体を離すと道明寺は不服そうな声を上げたけれど
それには構わずにソファーから立ち上がり西田さんに頭を下げた
「ご、ご無沙汰しております、西田さん」
「こちらこそご無沙汰しております、牧野様。
お元気そうでなによりでございます」
「ありがとうございます。
お騒がせして申し訳ありません」
「いいえ、牧野様でございましたらいつでも結構でございますよ。
すぐにお飲み物をお持ちいたしますのでお座りになってお待ち下さい」
「え、いいえ、大丈夫です!すぐに帰りますので!」
そう言った途端
「誰が帰すか!」
と下から道明寺に腕を引っ張られ
ストンとソファーへと逆戻りしてしまったあたし
「ちょ、ちょっと!離してよ!あたしは・・」
アレ?
あたし
なにしに来たんだっけ?
話し合い?
交渉?
いやいや!
話し合う事も交渉する事も何も無いでしょ?
そもそもがこの訴え自体が無効なんだから!
あっ!
そうだ!
殴りに来たんだ!
一発ぶん殴ってやる!って
勢い込んでここまで来たけど
怖気づいて?
いや!
怖気づいてなんていないわよ!
ただ社会人として弁護士として
間違ってると思ったから出直そうとしてただけよ!
決して怖気づいてなんていないから!
「なに一人でごちゃごちゃ言ってんだよ!?
あたしは?なんなんだよ?!」
「あっ!あたしはコレが無効だって言いに来ただけよ!」
「何が無効なんだよ?!」
「そもそもの前提がおかしいでしょ?!」
「前提ってなんだよ?」
「婚約者って前提よ!」
「な〜んもおかしくねぇだろ?!
なぁ、西田?」
「はい、おかしくはございませんが」
ちょうどコーヒーを運んで来た西田さんは
道明寺の問いかけにコーヒーカップを
ソファーの前に置かれていたテーブルの上に置きながらそう答えたんだけど・・
淀みなく返ってきたその答えに
この人もまた・・
「西田さんもこいつとグルだったんですね」
「グルなどと人聞きの悪い言い方はご遠慮願います。
わたくしは司様から牧野様との婚約を解消したと報告を受けておりませんでしたので
わたくしの認識では今でも牧野様は司様のご婚約者でございます」
「婚約者じゃありません!!」
思わず大きな声が出てしまい
ハッとして口元を押さえたあたしに対して道明寺は
ちょっとバカにしたような笑みを浮かべながら
「証拠はあんのかよ?」
と言った
ムカつく!
余裕ぶったその笑みがムカつく!
んだけどね・・
「証拠?」
「あぁ、お前と俺が婚約を解消したって証拠だ。
弁護士なんだから当然、その証拠は持ってるんだよな?」
確かに!
って!
感心してる場合じゃない!
だって
証拠なんて無いんだもの・・
あたしが婚約解消を申し出て
道明寺が了承した
それだけ
謂わば口約束だけ
だけどね
それを言ったら
婚約をしていたって証拠もないはず
だって婚約したって言っても
あたしと道明寺との間に何かしらの書面を交わしたわけじゃないんだから
「だったら婚約をしてたって証拠も無いんじゃない?」
「婚約してたって証拠はあるぞ!」
「書面を交わしてたわけじゃないんだから何も無いはずよ」
「いいや、ある」
「だったら見せなさいよ!」
些かムキになってそう言ったあたしに対して
道明寺はゆっくりとソファーから立ち上がると
デスクの引き出しから一枚の写真を取り
あたしの前に置いた
「何よコレ?」
「俺達が婚約した時にあいつらとパーティーしただろ?
そん時の写真だ!」
忘れてた・・
すっかり忘れてました・・
確か婚約してすぐ後
みんながパーティーを開いてくれて
ご丁寧にも美作さんのお母様手作りのケーキの上には
”司くん、つくしちゃん婚約おめでとう!”
って書かれたプレートが乗っかっている・・
「その写真、十分、証拠になんだろ?
で、お前の証拠は?」
「う゛~~百歩譲って!百歩譲ってよ!
お互いに見解の相違があったとしてよ!
あの時、あんたは分かったって言ったわよね?好きにしろ!とも言ったわよね?
あれって婚約解消をOKしたって事よね?」
「違ぇーよ!分かった、好きにしろっつたのは
お前が留学したいって言ったからそれをOKしただけだ!」
負けるな、つくし!
頑張るのよ、つくし!
「そんなの詭弁でしょ!?
あの時は婚約解消の話し合いをしてたんだから!」
「どう解釈しようとお前の勝手だけど
とにかく証拠もねぇしお前の負けだ!
だけど俺も鬼じゃねぇーからな譲歩してやってもいいぞ!」
「・・・・譲歩って・・なによ?」
「訴えは取り下げてやってもいい
ただし俺の条件を飲めばって話だけどな!」
そもそもの前提がおかしいんだけど
その話しをするためにはまずこの訳の分からない
損害賠償の訴えは取り下げてもらわないと
話しが進まないから・・
苦渋の決断なのよ
なんであいつが譲歩とか言ってるのか分からないんだけど
寧ろ譲歩してるのはあたしの方なんだけど!
仕方がない・・
「・・・条件って何よ?」
「それはこっちから追って連絡する。
それまで楽しみに待ってろ!」
そう言うと道明寺はニヤリと笑い
あたしの頬は引き攣っている
ムカつく!!!

応援ありがとうございます。