130億とちょっとの女 15 -30億の女-
お待たせしました~(^▽^)/
本日も『130億とちょっとの女』です❣(^^♪
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます。😊
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!桜子ちゃんの事なのできっと何か考えていると思います!(笑)
何度も
何度も
秘書の立場といたしましては
上司の指示に対して
何度も何度もしつこいぐらいに確認を取るなど
あってはならない事だと思っておりますが
今回ばかりは
確認せざるを得ませんでした
長い秘書生活で初めての事でございます
わたくしもまだまだだという事でしょうか・・
それはさて置き
月曜日の朝一で司様より指示されたのは
まず牧野様に対する訴えを取り下げるとのこと
これに関しては本当に良かったと思っております
ハッキリと申しまして
ムダな仕事だったからでございます!
日本に於いて個人間での慰謝料の請求額が130億など
まともな裁判官なら一笑に付しておしまいでございます
道明寺の名を使い通ったところで
現実的な慰謝料の額は
億を取り除いた金額が妥当でございます
それも司様の言い分が全て認められたらの話しでございます
お相手はあの牧野様でございます
NYとカリフォルニア州の弁護士資格を有する
非常に優秀な弁護士さんでございます
流石に今回ばかりは
司法の場に於いて道明寺の意向を発揮するわけにはいきません
牧野様には通用しないからでございます
敵には回したくない数少ない弁護士さんであると同時に
まず司様が牧野様に勝てるはずが無いのですから
これは道明寺の弁護士が不出来だと
言っているのではございませんので誤解無きよう
法律がどうとか言う問題では無いのです
司様の頭の中には・・
頭だけではありませんが
18歳の頃より司様の頭の中は牧野様の事しか無いのです
勿論、お仕事に関する事も多少はあるとは思いますが
本当に多少なのでございます
だからハッキリ言って時間と弁護士の無駄遣いです
司様にしても本気で慰謝料を請求する気など
さらさら無いのですから
ただ単に牧野様に対し正攻法でぶつかるのが怖くて
こんな子供じみた手をお使いになっただけなのですから
どこかで折り合いを付けられるのだろうと考えてはおりましたが
まさか・・
こんな折り合いの付け方だとは思ってもおりませんでした
訴えを取り下げるとおっしゃられた直後に
“会見を開くから準備しとけ!”
と申された司様
”会見とはどのような?”
と問うわたくしに対して司様は
“結婚発表の会見に決まってんだろ!”
と宣われました
長年の経験上から
牧野様とのご結婚の事だとは思うのですが・・
これまた長年の経験上
単純な話しでは無い事は簡単に予想がつきました
“ご結婚でございますか?”
“そうだっつてんだろ!”
“失礼いたしました。
まずはおめでとうございます。
お相手は牧野様でよろしいのでしょうか?”
“当たり前ぇだろーが!”
“重ね重ね失礼いたしました。
ですが牧野様はこの事はご存知なのでございますよね?”
一番重要な部分を確認しておかなければと考えて
お聞きしたのですが・・
“あいつには内緒だ!
それからマスコミにあいつの情報を解禁させろ!
世界中に(特に類に・・)あいつは俺のもんだって知らせてやれ!”
秘書たる者
上司の命令は絶対です
どんな理不尽な要求であっても
最善の策を講じるのが
秘書たる者の仕事だと自負しておりますが
流石に戸惑われます
“確認でございますが・・
牧野様はご結婚に関してはご了承されているのですよね?
内緒なのは発表する事に関してだけでございますよね?”
一番重要な部分でございます
牧野様が司様とのご結婚に関してはご了承されているのであれば
会見に関してはサプライズで済みますが・・
もしご結婚そのものをご了承されていないのであれば
サプライズでは済みません
恐らく司様は会見を開き発表してしまえば・・
などとお考えなのでしょうが・・
お相手はあの牧野様
そう上手く行くでしょうか?
司様が強硬手段に出られる理由も分かっております
司様は来月より拠点を本格的にNYへと移される予定になっております
そうなれば今度は完全に生活の拠点はNY
東京に居ても接点は皆無なのに
日本とアメリカでは目に見えて明らか
だからこその焦りだとは思うのですが・
・
些かやり過ぎな感は否めず西田には不安しかございません
京都で久しぶりに一日あいつと過ごし確信した
俺には牧野が必要で
牧野は今でも俺に惚れている
それで十分だろ?
約束通り訴えは取り下げてやったし
西田がごちゃごちゃ言っているが関係ねぇ
あの女に考える時間を与えたところで
またグダグダと考え込んで碌でもねぇ答えを出して
逃げて行くだけだから
お!でも念の為に逃げ道は塞いでおくぞ!
言っただろ?
もう逃さねぇって
ピンポ〜ン
ピンポ〜ン
まだ鳴り続けているインターフォン
さっきから美作さん達に電話を掛け続けつるんだけど
こんな時に限って誰も出てくれなくて万事休す
どうしようか?と考えあぐねていると
フイに鳴り続けていたインターフォンが止み
立て続けにドアがノックされた
その音に驚いて桜子と二人顔を見合わせていると
外から声が聞こえてきた
“牧野様、斎藤です!
お迎えにあがりました!”
へっ!?
斎藤さん?
一瞬だけどうして斎藤さん?
なんて思ったんだけど
声は確かに斎藤さんの声だから
意を決してドアを開けたら
ドアの前にはやっぱり斎藤さんと・・
名前は知らないんだけど
見覚えのある道明寺のSPさん達
どうして斉藤さんが?
って疑問はあるけれど
とりあえず斉藤さん達を中に入れ急いでドアを閉めた
「司様のご命令で牧野様と三条様をお迎えにあがりました。
下にはマスコミがおりますのがわたくし達がガードいたしますのでご安心下さいませ」
そう言った斉藤さん
斉藤さん達が守ってくれるのは有り難いんだけど
そもそもなのよ
またここに逆戻り
そもそもなのよ!
どうしてあたしがマスコミに追いかけられなきゃいけないわけ?!
それ以前に結婚ってなに?!
あたしOKしてないし!
色々と洪水のように湧き上がっくる物はあるんだけど
桜子の一言があたしのモヤモヤした気持ちに蓋をさせた
「先輩、色々とおっしゃりたい事は分かりますが
とりあえずはここから出てからにしましょう」
「そ、そうよね・・?」
「はい、そうです。
とりあえずここから出ないと道明寺さんに抗議も出来ませんからね」
「わ、分かった!
あいつに会ってガツンと言ってやる!」
「是非そうして下さい」
「それでは行きますので
牧野様はわたくしに三条様はこちらの者に付いて来て下さい」
「わ、分かりました。
よろしくお願いします」
「はい、お任せ下さい」
こうして斉藤さん達と事務所を出たんだけどね・・
ビルの下では正面の入口も裏口にも
沢山のマスコミの人達が待ち受けていて
数は同じぐらいだからって正面の入口から出たんだけど
あたし達の姿を見つけた
途端ダーッと群がってくるマスコミの人達をかき分けながら
前へと進む斉藤さん達
あたしは向けらるカメラから逃れるように
下を向いたままただ足を前へと出していただけ
やっと迎えのリムジンに乗り込みホッと一息
そしてそれもつかの間
リムジンはすぐに走り始めたんだけどね
リムジンを取り囲むように追走してくるマスコミの車やバイクが数多くいて
あたしにとっては恐怖でしかない
そんな光景の中
あたしの中からさっきまでのモヤモヤは消えていて
代わりに怒りが湧き上がってきた
ガツンと言ってやるだけじゃ足りない!
あのバカ男!
ぶん殴ってやる!
覚悟して待ってなさいよ!

応援ありがとうございます。