暁 14
お待たせしてしまってごめんなさいm(__)m
現在、夏休み中なのとこの暑さで思考停止状態に陥ってしまっていて
思うように妄想が捗っておりません・・😢
『130億ちょっとの女』をお待ちいただいている皆さんに申し訳ないのですが
もうしばらくお待ちいただければと思っております。<(_ _)>
本日はストックの中から『暁』を引っ張り出してきました!
こちらもあまり進んではおりませんがお楽しみいただければ幸いです。🎵
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんばんは~🌙🌃
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!やっと合流です!
本当に暑い毎日が続いておりますが☆様も
体調には気を付けてお過ごしくださいませ!
その為の準備を開始する
水面下でジワジワと天草を追い詰める
天草の後援会には道明寺と取り引きしている企業も多い
もし取り引きが無くても美作や花沢とは
というように何かしら繋がっている
少しずつ天草から距離を置き始める企業
数週間もすれば天草は経済界から完全にそっぽを向かれる
企業からの献金が入らなくなり
選挙前に身動きが取れなくなる
兵糧攻めを続けながら銀行に圧力をかける
調べてみると意外にも例の屋敷は抵当に入っていた
爺さんほどの政治家なら金に困っていた事などなかっただろうが
十数年前にメインバンクから数億円を借り入れる際に
例の屋敷に抵当権が設定されていた
爺さんが生きていた頃なら多少支払いが滞ったとしても
銀行側がアクションを起こす事は無い
一応、抵当には入っているが
それは書類上の建前だけで
銀行側も天草から取り立てようなんて気は無い
実際、この借り入れの返済をしていたのは
爺さんの地元のある企業で借り入れ額の半分ほどは既に返済されていた
天草にしても長年の慣習で
銀行側とはツーカーの仲だから完全に油断している
天草の弟は屋敷の庭に何が埋まっているのか知っている
絶対に世間に露見してはいけない爺さんの置土産
あの屋敷には現在は誰も住んでいない
流石の弟も相続はしたが
庭に埋まっている物を考えたら気持ち悪くて住めないのだろう
近くの不動産会社に管理を任せ自身もほとんど立ち寄ってはいない
今はあの屋敷には月に数回
警備を請け負っている警備会社の人間が
見回りの為に立ち入るだけで
人の出入りはほとんど無い
時期はちょうどGW
来週から天草の弟は議員特権の一つである
海外視察団と称した海外旅行へと出る予定になっている
行き先はアメリカ
こんな好都合な事は無い
このタイミングで天草の息の根を止めるべく動く
まず手始めとしてつくし達をロンドンのあきらの所へ避難させる
理由付けなら簡単
ちょうどGW
学校は休みだから子供達を連れて家族旅行だと言えば
つくしも疑問には思わない
俺はNYで仕事が終わったら合流するから
先にあきらの所に行っておいてくれと告げ
一足先にNYへと向かった
当然、雄一郎も誘ったがまだ修行中の身
サービス業でGWは休み無しだと断わられていたので
雄一郎の身辺警護の数を増やし万全の体制で日本を離れた
今さら天草が何か仕掛けてくるとは考え難かったが念には念を入れておいた
天草が視察旅行に出発した
まずはワシントンDCで政府系シンクタンクの人間との懇談会や
地元の政治家なんかとの会談が入っているらしい
奴の動きは逐一入ってくる
今夜、ワシントンDCのメープルで日本大使館主催のパーティが開催される
そのパーティ自体は以前より予定されていたものだった
招待されているのはアメリカ上院下院の国会議員に
州知事や地方議員そしてシンクタンクの人間や
地元の企業経営者などが多数出席する予定になっていて
当然、視察旅行中の議員団も出席する予定になっている
そのパーティに俺と類も出席する
こいつらとの関係も俺がつくしと結婚した辺りから少しずつ改善していて
今では昔のような関係に戻っている
特に類はつくしが俺と結婚したのを知ると
アポも取らずにフラリと散歩の途中のような顔で
俺のオフィスに現れると
“司にしては上出来だね”
と褒めているのかバカにしているのか分からない言葉を吐き出て行った
オフィスでの滞在時間は数分
なにしに来たんだ?と首を捻る俺だったが
その夜、屋敷に帰ると奴がいやがった
どうやら俺のオフィスを出たその足で屋敷に出向き
俺が屋敷に帰るまでの数時間
ずっとつくしと過ごしていやがった
額に浮かぶ青筋
類にそんな俺を気にする様子は無く
それ以降は頻繁に屋敷を訪れてやがる
いつか出禁にしてやる!
「ん?何か言った、司?」
思わず口走ってしまった言葉に反応する類
「プッ!なんでもいいけどそろそろなんじゃない?」
類のその言葉に腕にはめている時計を確認する
「あぁ、そうだな」
天草の弟が視察旅行に出たタイミングで
銀行が動く手筈となっている
数ヶ月前からそれまで爺さんの借金の肩代わりをしていた企業が
返済を止めている
その企業にしても二年程前に先代が亡くなり長男が跡を継いでいた
長年の慣習で肩代わりは続けてはいたが
跡を継いだ長男は以前よりその肩代わりを苦々しく思っていたらしい
だが爺さんが存命中はまだ地元での権力が絶大な為
メリットはあると判断して返済を続けていたが
爺さんが亡くなってからはそのメリットも感じなくなり
ただただ経営を圧迫するだけの負の遺産だった
そのタイミングで道明寺側から取引を持ちかけられ
跡を継いで長男はあっさりと天草を裏切った
このパーティの最中に天草の弟に銀行側が動いたと連絡が入るはず
わざわざこんな退屈なパーティに出席してやっているのは
その瞬間を見るため
大勢の招待客で賑わうパーティ会場
類と二人
視線は地元の政治家と談笑している天草の弟に向けていた
その時、天草の弟の秘書が慌てた様子で
何やら天草の弟に耳打ちすると
天草の弟は談笑を止め
慌てた様子でパーティ会場から出て行った
ゆっくりと後を追うと
ロビーの端の方で電話をしている天草の弟
その姿を横目に俺専用の部屋へと入った
この後の展開はすでに決まっている
天草の弟は視察を切り上げて早急に帰国しようとするだろう
あの屋敷が人手に渡るなど天草の弟にとっては言語道断
例え自身に関わりが無いとしても政治家としては終わり
なんとしても屋敷を取り返そうと動くだろうが全ては後の祭り
天草の弟と秘書の男は日本へと帰国する事は出来ない
空港では匿名の情報提供を受けた
FBIの捜査官が二人を待ち受けている
留学時代の飲酒ひき逃げの罪で逮捕され
続けざまに屋敷の庭からは二体の死体が発見される
全てが白日の下に晒らされ
跡継ぎなんて
もう
必要ねぇだろ?

応援ありがとうございます。