fc2ブログ

Untouchable 3

こんばんは~🌙🌃
本日も『Untouchable』です!
今夜は更にブラックです❣(^^♪
それではどうぞ~❤






私信です。
葉◯様
こんばんは~😊
お久しぶりです❣(^^♪
コメントありがとうございます。🎵
今回は坊ちゃんだけじゃなくて西田さんまでかなりブラックなんですぅ~!
もしかしたら西田さんの方がブラックかも?(笑)
記憶の戻った司君はつくしちゃん一筋ですが・・
つくしちゃんには既に・・って事で色々と自分の事は置いといて
奪還作戦が遂行中です❣(^^♪
今回はどんな手段で奪還するのか?楽しんでいただければと思っておりま~す!❤






























それはまだ夏の始まりだった



今年は例年になく短った梅雨が明け


湿気を帯びた南風が肌をしっとりと滲ませる



そんなある日



都内のホテルで若い男女の変死体が発見されたとのニュースが流れた



夕方のニュース番組でも取り上げられたが

その時間はほんの二、三分



“都内のホテルの一室で三十代男女の変死体が発見され
現在、警察が事件と事故の両面で捜査している”



伝えられたのはそれだけ



男女の氏名もその他の詳しい状況説明も無いまま

ニュースはすぐに人々の記憶から消えた



もう分かってるよな?




都内のホテルで発見されたのは


男の方は牧野の旦那で女の方は・・



まぁ



運が悪かった



ってやつだな





警察の正式な見解は不倫カップルの無理心中



多少、不自然な点があったとしても

事件に繋がる証拠が一切出てこない以上

警察はそれ以上は動かない




遺族である牧野が警察に呼ばれ上京し

連日、何度も警察に足を運び

夫は不倫なんてしていないし

心中するような人間ではないと訴えていたが

世間一般では夫の不倫に気づいていない妻なんて

そこらじゅうにいる



記憶が戻ってから牧野にはSPを付けてある


そのSPから逐一報告が入る



旦那の死体発見後すぐに上京した牧野は

病院の遺体安置所で変わり果てた旦那と対面した




旦那が運び込まれていたのはホテルから一番近かった


道明寺記念病院




信じられないといった面持ちで

旦那に近付いた牧野はやがて

無機質なスチール製の台の上に横たわる旦那の頬に触れると

両手で口元を押さえ嗚咽を漏らしながらしゃがみ込んだらしい



俺以外の男の為に涙を流す牧野


その姿に無機質のスチール製の台に横たわる男に対して

猛烈な嫉妬心が湧き上がる


牧野を笑顔にするのも


牧野を泣かせるのも


牧野を怒らせるのも


牧野の喜怒哀楽の全ては俺のもの


俺以外の奴なんて認めない



自身の中に

ドロドロとした感情が渦巻き

全ての物をぶち壊したい衝動に駆られるのをグッと堪える



俺にとっては一番苦手で苦痛な時間を

苦々しい感情と共に過ごしていた





その後、牧野は警察から遺体発見時の状況を説明され

軽く事情聴取を受けた牧野は

放心したように診療時間も過ぎ

暗くなった病院のロビーの椅子に座り込んでいた




俺はちょうどその日


偶然にも


人間ドックを受ける為に病院を訪れていた








運命だと思わないか?


思うだろ?


俺と牧野は結ばれる運命だったんだ


遠回りはしてしまったが


この先の人生は二人で手をたずさえ

幸せな人生が送れる



ロビーの端に俯いたまま座り込んでいる牧野に声を掛ける瞬間


俺の心は歓喜に震えていた





“牧野?牧野つくしか?”




自身を呼ぶ俺の声に反応して顔を上げた牧野は

俺の姿を確認すると苦悩と哀しみを貼り付けていたその顔を

驚きと戸惑いの表情へと変えた




“・・・ど、うみょう、じ?
どうして・・?”




その先の言葉は続かなかったが

聞かなくても分かる


12年ぶりの再会



写真では見ていたが


すっかり大人の女になった牧野



変わらない艶やかな黒髪にスレンダーなボディラインに白い肌



嘗て俺を魅了しこいつ以外


他には何も要らないと思わせた存在



今また


あの頃の


あの感覚が蘇り


俺を捉えて離さない



今はあの頃のような眩しい程の生命力は鳴りを潜めているが


だがそれも今だけだ



すぐにあの頃の太陽が輝きを放つような


生命力を俺が取り戻させてやる



“俺は人間ドックだったんだ・・
牧野の・・俺、記憶が戻った・・あの時はごめんな”




隣に腰を下ろしながら

そう言った俺に対して牧野は

少し戸惑いながら小さく首を横に振った



“お前はこんな所でどうしたんだ?
具合でも悪いのか?”



“ううん・・違うの・・どこも悪くないの・・”


“だったらどうして?”



“・・どうして?
どうしてだろう?あたしも・・分からないの・・”



そこまで話して牧野の限界だったのだろう

牧野の大きな瞳からは大粒の涙をポロポロとこぼれ落ちた


涙を流し旦那の死を哀しむ牧野



その姿にムカつきながら


そんな心情を悟られないように


牧野を抱き寄せた子供をあやすように背中を擦る


抱き寄せられても抵抗しなかった牧野は

暫く俺の腕の中で泣いていたが

やがて少し落ち着いたのだろう

俺の胸元から顔を上げた




“大丈夫か?
何があったんだ?
俺に話してみろ”



“ん・・なんて言ったらいいのか分からないんだけど・・
主人が亡くなったの・・”



“主人ってお前、結婚してんのか?”



“うん・・二年前にね・・職場の先輩だった人と・・”



“で、そいつが死んだのか?”


“うん・・出張だって言ってこっちに来てたんだけど・・
警察から連絡が来て・・あたし・・”



“そうか・・大変だったんだな。
事故だったのか?”



”う・・ううん・・事故じゃないの・・”


”事故じゃないのか?
だったらどうして?
持病でもあったのか?”



”ううん・・健康体だった・・
彼・・一人じゃなかったの・・”



”は?
なら事件か?”



”・・警察の人は・・自殺だって・・
女の人と・・無理心中したんじゃないかって・・
でも・・あたし・・信じられなくて・・”



”警察がそう言ったのか?”


”うん・・ホテルの部屋でって・・”



そこまで話した牧野の目に涙が浮かび

嗚咽で話せなくなってしまった




ホテルの部屋で女と一緒に死んでいるのを発見された牧野の旦那


部屋には争った形跡は無く


部屋に第三者が入った形跡も無い


遺書は無かったが室内には二人が飲んだと思われる

酒と青酸カリが残されていて


司法解剖の結果


二人の体内から青酸カリの成分が検出されている


その事から警察は早々に牧野の旦那と身元不明の女が

無理心中を図ったと結論付けていた


全てシナリオ通り


ここまでは順調だ




だが問題はこの後


警察から連絡を受け取る物もとりあえず北海道から上京してきた牧野が


今夜泊まるためのホテルを準備していないのは確認済み


今夜は自分の事には頭が回っていない牧野をとりあえず連れ帰るのが目的



”そうか・・大変だったんだな・・
だけどこのままここに座っててもお前が参っちまうだけだろうから
ホテルまで送ってやる。どこのホテルに泊まってるんだ?”



”えっ・・ホテル?
警察から連絡が来て・・すぐにこっちに来たから・・
まだ何も決めてないの・・”



”そうか・・だったら俺が準備するから”



”えっ?・・そんな・・道明寺に迷惑かけられないから・・
あたしの事はいいから・・”


ほっといて・・


牧野の口からその言葉が出る前に


言葉を被せる


”よくねぇーよ!こんなお前を一人になんて出来るわけねぇーだろ!
いいから!俺に迷惑とか考えんな!
ほら!行くぞ!”



そう言って


ちょっと強引に牧野の腕を掴み立ち上がらせると


玄関前に待機していたリムジンへと乗せた



















応援ありがとうございます。
スポンサーサイト



kirakira
Posted bykirakira

Comments 6

There are no comments yet.

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2022/08/22 (Mon) 20:52 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2022/08/22 (Mon) 21:35 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2022/08/23 (Tue) 17:52 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

き〇粉様

こんばんは~(^▽^)/
コメントありがとうございます。❤
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m

ムフフ♥今回の坊ちゃんはとっても自己中で
この後の展開はS気満載になると思います!

邪魔者はいなくなったので後は心置きなくです!

2022/08/24 (Wed) 18:20 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

ク○ゲ様

こんばんは~🌙🌃
コメントありがとうございます。🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m

西田さん・・消去しちゃいました・・
すっごくブラックです!
手段は問わないとは言われて殺しちゃう?とも思ったのですが
きっと司君は自分以外のオトコが生きているのは許せないと思うので・・

さて邪魔者はいなくなっての後は・・❤(笑)

2022/08/24 (Wed) 18:22 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

パ○ちゃん様

こんばんは~😊
コメントありがとうございます❣(^^♪

毎日、まだまだ暑いですよね・・
私も毎日、汗だくで軽く記憶喪失です!←記憶喪失は暑さに関係なく年中かもですが・・(笑)


坊ちゃんの意を最大限に汲んだ西田さんの案で
坊ちゃんも了承したのですが・・
司君・・自分以外のオトコは許せなかったんだと思います。

まずは邪魔者を排除してその後は・・え~結構、暴走気味なので
要所要所は西田さんがブレーキを踏んでおります!(笑)

2022/08/24 (Wed) 18:26 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply