プリズム 3
本日も『プリズム』です。🎵
それではどうぞ~❤
お知らせです。
『Untouchable』と『プリズム』をそれぞれ独立したカテゴリーへと移動しております。
私信です。
葉◯様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます。(^▽^)/
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ムフフ♥少しずつですが色んな謎が繋がってきております!
あの夜の事はきっとつくしちゃんが一番謎だったと思いますが・・(笑)
まだ色々と残っているので順次解決していきま~す❣(^^♪
☆様
こんばんは~🌙🌃
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ウフフ❤さて司君の記憶・・どうなってるのでしょうか?
謎って訳でもないのですぐに解明しております!(笑)
クソッ!
なんでこんな時に二週間もNYなんだよ!?
窓の向こうに広がっているのはマンハッタンのビル群
まるで空に手が届きそうな高層階のオフィスで
あの夜を思い出し身体が反応する
あの夜から一週間
潤んだ瞳と吐き出される吐息
白い肌が薄っすらと朱色に染まり
俺に絡みつくように回された細い手足
大きく身体を仰け反らせて絶頂を向かえ
快感に震える身体
その全てが俺を捉えて離さない
クソッ!
脇に置いてあったプライベート用のスマホを操作し
あの夜、眠ってしまった彼女の寝顔を写した写真を呼び出す
あの夜
あそこで会ったのも
類が先に帰ってしまったのも
何もかも全てが
運命だと思った
やっと思い出した女が失恋を癒すため親友を呼び出していたって
シチュエーションにはムカついたが
結果は
やっぱり俺と牧野はこうなる運命だったんだと確信した
あの夜、十数年ぶりに記憶が戻り混乱していた俺は
とにかく頭を整理する為に一杯飲もうと
メープルのラウンジへと足を踏み入れた
そこに居たのが類と牧野
類にもたれ掛かり
類が止めるのも聞かず
失恋しただとか
幸せになれると思ってたのに
だとか
聞き捨てならないセリフを連発しながら
自棄酒を煽っていた牧野は
かなり酔っ払っていた
頭を整理したくて出向いたラウンジで
感情を掻き乱され戸惑う俺の事なんて
あの時の牧野の眼中には入っていなかっただろうが
類が仕事で行ってしまい思いがけず二人っきり
俺が送っといてやる
咄嗟に出た言葉だったが
嘘はなかった
酔っ払いの牧野を類に任せるなんて出来なくて
だけど部屋に連れ込もうなんて気もなかった
ちゃんと自宅まで送り届けるつもりだったが
思いの外、牧野が酔っ払っていて
足元も覚束ない状況で仕方なく
メープルの俺の部屋へと運びベッドへと寝かせた
全く下心が無かったって訳じゃねぇけど
酔っ払って寝ている女を襲うなんて発想も持ち合わせていない
ただ彼女の寝顔を見られただけでも幸せだった
なのに
あの女は・・
寝室から出て行こうとした俺を引き止めた
“行かないで・・”
焦点の合っていない潤んだ瞳でそう言われて足を止めた俺
そんな俺を引き寄せ首に腕を回し耳元で・・
“一人にしないで・・”
なんて言われたら
好きで
好きで
おかしくなりそうなほど
好きな女にそう言われて
我慢出来る男なんて
いねぇだろ?
酔っ払っていて
俺だって気が付いてねぇって確率の方が高い気がするけど
そんなこと
もうどうでもよくて
寧ろ
明日の朝
俺だって気が付いて
どんな顔するのか
楽しみで
かなりセーブはしたつもりだったが
出来ていたのかは微妙
意識を飛ばしてしまった牧野の寝顔をスマホでパシャリと写真に撮り
しばらくその寝顔を眺めていたがいつの間にか俺も眠ってしまい
翌朝、目が覚めた時には
あいつの姿は無くて
決まっていたNY出張をキャンセル出来なくて
心と身体を持て余したまま
今に至る
そんな俺の元に
恐ろしく不機嫌な類が訪ねてきた
オフィスへと入って来た類は
俺のデスクの前に立つと
まるで俺を見下ろすように
「記憶、戻ってるんでしょ」
そう言った
別に隠すつもりはなかった
ただ話すつもりもなかった
今さら
いちいち報告する必要もねぇだろ?
それに記憶が戻った
その現実に俺自身が混乱していて
頭を整理する必要があった
なのに・・
整理する間も無く
あの夜
牧野と一晩を過ごして
やっぱり俺はあいつの事が好きで
この先の人生はあいつと共に歩んで行きたいと思った
心は決まったけれど
ここはNY
身動きが取れないでいる
類の問いかけに無言の俺
そんな俺を肯定の証と取ったのか
そもそも類は俺からの答えなんて求めていないのか
俺に構わず話しを続ける類
「いつ思い出したの?」
「あの日の朝だ」
きっかけ?
分からない
ただ前日の夜
久々にあきらとパーティで一緒になり
そのままの流れであきらと飲みに行き
結構、深酒だった
だがそれだけ
確かにいつもより酒量は多かったが
あの夜の牧野のように
何もかもをぶっ飛ばしてしまうほど酔っ払っていたわけじゃない
ただいつもは見ない夢を見た
それだけ
その夢は妙にリアルで
俺は牧野と結婚していて
俺達の間には三人のガキがいて
屋敷の俺の部屋の床にはガキ共のオモチャが転がっていたりして
それを牧野が叱りながら片付けていたり
家族五人で食卓を囲んでいたり
幸せで暖かで
心地よい空間だった
そして俺は牧野の
“司!そろそろ起きて!”
の声で目が覚めた
目が覚めて混乱する俺
夢なのか現実なのかが分からず
ベッドから飛び起きて
部屋中をあいつの姿を探して回り
夢だったんだと落胆する俺
それがあの日の朝で
俺は記憶が戻ったその夜に牧野と再会した
「ふ〜ん、だから自分が送って行くなんて言ったんだ」
「悪ぃーかよ?!」
「別に攻めてるわけじゃないけど
でも送って行くはずがどうして部屋に連れ込む事になるわけ?」
「・・それはあいつが歩けねぇぐらい酔っ払ってたからだ!」
「だからって抱く?」
「あいつの方から誘ってきたんだよ!」
そう答えると無言のまま
まるで睨みつけるような視線を向けてくる類
そもそもがなんでこいつがあの夜の事を知ってんだよ!?
牧野の奴
なんでもかんでも類に話してんのか?
「そもそもなんでお前が知ってんだよ?!」
「牧野に聞いた。
俺と牧野はソウルメイトだからね」
そんな事だろうとは思ったが
未だにソウルメイトだとか言う類にムカつく
そんな俺のムカつきに気付いている類は追い打ちを掛けるように
「牧野はあの夜、俺だと思ってたみたいだけど
朝、目が覚めたらお前だったからパニクってたよ」
俺を認識していない
予想していた事だったが
いざ
ハッキリと言われると
流石に凹む
クソッ!
挑発するように言いたい事だけ言うと
不敵な笑みを浮かべて類は帰って行った
その後
たった今
類が出て行ったばかりの扉を目掛けて
腹の虫が収まらない俺が投げつけたコーヒーカップが
派手な音を立てて砕け散った

応援ありがとうございます。