プリズム 19(完)
本日は『プリズム』最終話です!
最後はほのぼのです!🎵
それではどうぞ~❤
私信です。
葉◯様
こんばんは~🌙
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ウフフ❤あきら君は相変わらず巻き込まれているようですが
離婚したくない司君にとっては数少ない味方なので
これからも巻き込まれ続けると思います!(笑)
プリズムの司君は野生の勘?冴えまくりです!❤
☆様
こんばんは~❤
コメントありがとうございます。🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
ハイ!凛ちゃんだけでなく駿君と暖君にも会えますね❣(^^♪
開け放たれた窓から爽やかな風が吹き込んでくる
そしてその風に乗って微かに聞こえてくる声が
まだ微睡みの中を漂っている俺の神経を優しく刺激してくる
耳に心地よいその声は妻と子供達のもの
”ママ〜トマトも取る〜?”
”ママ〜ぼくもとる〜!”
屋敷の庭の一角に作られた家庭菜園の方から聞こえてくる
凛と駿の声にまだ目は閉じたままだが頬が緩む
毎朝、つくしは家庭菜園で育てている野菜を収穫し
その野菜達が食卓に並ぶ
あの正夢から六年
あの後すぐに入籍し翌年には予定通り凛(りん)が産まれ
その二年後には長男の駿(しゅん)が産まれ
そして去年、次男の暖(はる)が誕生した
その暖も後一ヶ月程で一歳になる
記憶が戻ってからあっという間の展開で
今や賑やかな五人家族
なっ!言った通り
正夢だっただろ!
フギャ〜〜
俺達の寝室に置かれているベビーベッドから聞こえてきたのは暖の泣き声
ゆっくりとベッドから起き上がり
ベビーベッドの中を覗き込むと
俺を見つけて手足をバタつかせ
抱いてくれとアピールしている暖を抱き上げて
リビングへと入って行く
腕に感じるのは柔らかな重み
抱き上げられる事になんの疑問も感じず
当たり前のように柔らかな身体を俺に預けてくる暖
そしてリビングの開け放たれたままの窓の向こうから聞こえてくる楽しそうな声
その声に気がついた暖が
そっちへ行けと偉そうに俺に指示してきやがるから
望み通り抱き上げたまま庭に出てやると
俺の姿を見つけた凛が駆け寄ってくる
「パパ〜!見て〜トマトがたくさん!」
収穫用の小さなカゴ一杯に入れられているのはミニトマト
「すっげぇな」
キラッキラした瞳で俺を見上げながら
カゴの中を見せてくる凛の頭を撫でながら
そう言ってやると嬉しそうに
「うん!」
と答えた凛
そしてそれに続いて駿も
小さな身体には少し持て余し気味のカゴを抱えながら
収穫した物を俺に見せている
「パパ、ぼくもとったよ!」
「おぅ!お前は何を取ったんだ?」
そう聞いてやるとカゴを下に置き
中の物を取り出し一つ一つ説明してくれる
「え〜っとね・・これがキュウリのはっぱでぇ〜
こっちがトマトのはっぱ〜!」
「葉っぱだけか?」
「うん!
あっ!あとは はたけのいしころも とった〜!」
「そうか、良かったな」
「うん!
パパ!ぼくも だっこ!」
カゴは下に置いたまま
抱っこをせがんできた駿を暖の反対側の腕で抱き上げる
「あっ!しゅん達だけズル〜イ!
凛もパパに抱っこして欲しい!」
嬉しい申し出だが流石に三人同時はムリがある
どうしようかと迷っていると収穫を終えたつくしが
「クスッ、パパ、モテモテだね」
なんて笑いながら近づいてきて
俺の腕から暖を受け取った
「ほら!凛」
空いた腕で凛を抱き上げつくしに続いて部屋へと入る
足元やソファーの上にはオモチャが転がったままで
まさにあの時、見た夢の通りの俺の日常
あれから怒涛の展開だった
妊娠が分かってすぐまず道明寺はNYへ飛び
ご両親に結婚の了承を取り付け・・
彼曰く
一応、筋を通しただけらしいんだけど・・
後から椿お姉さんに聞いた当時の状況は
とても了承を取り付けるなんて優しいものじゃなくて
ほぼ脅迫に近かったらしい
お義父様にしてもお義母様にしても
今さら道明寺の結婚についてとやかく口を出すおつもりは全く無くて
寧ろ孫が産まれる事を心待ちにしてくださっていたんだけど
彼だけは今でも心を許していないというか・・
未だにお義父様達との間には目に見えない結界が張られている
あたしは全くそんな事は無くて
寧ろ昔からは考えられないくらい仲良しだし
子供達もみんな懐いているんだけど
彼だけは未だにあの頃のまま
まぁ、それでも以前よりは少しマシになってきている
あの後ね
請求されていた慰謝料に関しては
知らなかったというあたしの主張が通ったのと
相手側のお父様が急にお亡くなりなったっていうのも重なり
当初の請求額から大幅に減額された
30万円をあたしが支払う事と
今後一切関わりを持たないという誓約書にサインして終わった
あたしとしては痛い出費ではあったけど
区切りをつける為には必要なお金だったと思っているから
納得している
あれ以来、例の彼とは会っていないし連絡も無い
あたしの中では完全に過去のことで
三人の子供達に囲まれた慌ただしい生活の中で
思い出す事も無い
仕事の事も道明寺から連絡を受けた滋さんから
“退職の手続きはしておいたから!”
って連絡があっただけで
あっという間に退職が決まってしまった
そんなあたし達は結婚を機にお屋敷に移り
あの時の道明寺の言葉通り
三人の子供達に囲まれて賑やかな毎日を過ごしている
キッチンのシンクに張られた水に
収穫したばかりのお野菜達を入れると
凛が台を持ってきて洗ってくれている
小さな手で一つずつ丁寧に洗われていくトマト達
そしてその横では駿も自身が収穫した葉っぱ達を洗っている
「しゅん!葉っぱは食べられないんだから洗わないでよ!」
「え〜ぼくもあらいたい〜!
ママ〜おねえちゃんがじゃましてくる〜!」
「二人ともケンカしないで
順番に洗ってね」
小さな台に二人並んで上り
押し合いながら洗っている二人を横目に
卵焼きを焼く準備をしていると
二人の真似ならなんでもやりたい暖まで参戦してきて
自分も小さな台に上ろうとして足元でもがいている
そしてその光景を眺めながら水を飲んでいるパパ
広いキッチンなんだけど
全員集まったら流石に狭いんだけどね
これが毎朝の恒例の風景
シンクに張られた水の中でキラキラ光るトマト達
小さな手で一つ摘み上げ
朝日に翳す凛
「ねぇ、ママ〜見て〜!
トマトがキラキラしててガラスみたいだよ!」
「キレイだね」
「うん!キレイ!」
性格も個性もそれぞれ違う
大切な三人の子供達
これからこの子達はどんな輝きを放つのだろう
~ Fin ~

応援ありがとうございます。