彼女が結婚しない理由 6
こんばんは~🎵
本日は『彼女が結婚しない理由』です!
ある意味、一番の問題作なんじゃないかと思っておりますが・・💦
楽しんでいただければ幸いです。<(_ _)>
それではどうぞ~❤
私信です。
葉◯様
こんばんは~🌙🌃
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
はい!最後はなんとか丸~く収まってくれて
ほっこりと終わらせる事が出来ました!
司君が幸せならそれでも全てOKです!(笑)
☆様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます。❤
ハイ!バッチリ正夢でした!
れんれん!私もそろそろ会いたいです❣(^^♪
あの日から一週間
あたしは再び東京へと足を運んだ
F3の立て続けの訪問に
あたしだって
流石に考えさせられた
だってね
類にしても美作さんにしても西門さんにしても
暇なわけじゃない
それなのに
あの三人がわざわざこんな所まで
会いに来てくれるって事は・・
きっとそういう事なんだと思った
どちらの味方をしてるわけじゃなくて
あたしにきちんと話しをしろって事なんだと思った
だからね週末を利用して
再びあたしは東京へとやって来た
但しアポは取っていない
話しをしに来たのは事実なんだけど
あたしは賭けをした
普段はNYの道明寺
そして富山のあたし
普通に暮らしていれば接点なんて無い二人が
もしも
偶然
ここで会えたら
もしかしたら
何かが変わるかもしれないと思ったから
あの日以来初めて足を踏み入れたメープルホテル東京
ここは思い出に溢れ過ぎていて
エントランスから一歩足を踏み入れた途端に
まるで亡霊のようにあの頃の事が蘇ってくる
大袈裟じゃなくて今のあたしには
あの頃の日々は亡霊のようで
思い出というには今はもう時間が経ちすぎて
ただの記憶
だけどそのただの記憶があたしの足を止める
道明寺がNY留学を終えて帰国した時会ったのもここ
初めての夜と朝を過ごしたのもここ
クリスマスも誕生日もここ
その全てが幸せだった
今も幸せなんだけど
あの頃のあたしが予想していた幸せとは違う
見渡すロビーは変わっていないのに
あの頃のあたしは何処を探しても
もういない
そんなあたしに声を掛けてきたのは
ここの支配人さん
「牧野様、ご無沙汰しております。
本日はどのようなご用件で」
支配人さんはあたしを覚えていてくれたようで
そう声を掛けてきてくれたのだけど
ん〜
なんて言えばいいのか?
賭けをしていますなんて言えないし
道明寺を待ってます
なんて
約束もしていないし
支配人さんはあたしが何年も前に
彼と別れた事は知っているから
アポも無しになんて
痛いストーカー女だと勘違いされかねないから
部屋を取ることにした
「ご無沙汰しております。
あの・・急で申し訳ないのですが
お部屋は空いてますか?」
そう聞くと支配人さんはニッコリと笑って
「はい、勿論でございます。
準備してまいりますのでこちらで
少々お待ち下さいませ」
そう言ってロビーに置かれているソファーへと案内された
そこで待つこと二、三分
支配人さんはすぐに戻ってきて
彼自ら案内をしてくれた
でね
案内された部屋は・・
道明寺の部屋
戸惑うあたしに対して支配人さんは
当たり前のように中へと促す
「どうぞお入り下さいませ」
「あの・・あたしは・・」
「存じ上げております。
ですが司様より牧野様が当ホテルをお使いの際には
必ずこのお部屋をお使いいただくようにとに言付かっておりますので」
支配人さんの言葉に戸惑う
もし道明寺がそう言っていたとしても
それは過去の話しだと思う
彼と別れてもう何年も経つ
「ですが・・あたしはもう・・」
「牧野様、司様がわたくしにそうおっしゃられた時に
こう付け加えられておられました。
この先、未来永劫なにがあったとしても
この命令は絶対だとおっしゃられておられました。
でございますのでどうかご遠慮などなされませず
このお部屋をお使い下さいませ。
すぐに執事の坂下もご挨拶に参りますので」
そう言うと部屋から出て行ってしまった支配人さん
一人取り残された部屋をぐるりと見回してみる
あの頃のままの部屋
何もかもがあの頃のままで
落ち着かない気持ちのまま
ソファーへと近づく
背の高い道明寺が悠々と足を伸ばして座れる大きなソファーは
あたしのお気に入りだった
革張りのソファーは座った時の
冷たい感触が苦手だから嫌いだと言ったら
次に来た時には布張りのソファーに変わっていた
色はあたしの好きなブルー
落ち着いた濃紺で
少しザラッとした布の感触が好きだった
あのソファーが・・
あの時のままに置かれていた
ソファーの背凭れに指を滑らせ
あの頃の感触を確認してから
前へと回り込みゆっくりと腰を下ろした
そのタイミングで執事の坂下さんが入って来た
坂下に会うのも別れて以来
坂下さんは歳はもう六十歳を超えていると思うんだけど
あの頃と変わらない穏やかな笑みを浮かべている
「牧野様、ご無沙汰しております。
お元気そうで何よりでございます」
「こちらこそご無沙汰しております。
坂下さんもお変わりなくて」
「はい、お陰さまで。
まずはお飲み物でいかがでございますか?」
「は、はい」
「いつものでよろしいでしょうか?」
「は、はい・・お願いします」
いつもの・・
まるでブランクなんて感じさせないセリフに戸惑うあたし
そして坂下さんが持ってきてくれたのは
ミルクたっぷりのカフェ・オレ
ブラックコーヒーが定番だった道明寺
ブラックコーヒーが苦手だったあたし
そのあたしがいつも飲んでいたのが
ミルクたっぷりのカフェ・オレ
あの頃のまま
カップまで・・
何もかもが
あの頃のままで・・
あたしを包み込む
周囲の優しさが
あたしを否応なしにあの頃に引き戻す
「あの坂下さん?」
「はい、なんでございますか?」
「このお部屋・・あの頃のままなんですね・・」
「はい、司様のご指示であの頃のまま
調度品の配置もなに一つ変更されてはおりません」
「どうして・・そこまで?」
「わたくしには司様のお気持ちは分かりませんが
一つお伝え出来る事は司様はずっとこのお部屋を大切にされてこられておりましたし
東京にご滞在の時には必ずこのお部屋で
お一人でお過ごしでございました」
坂下さんの言葉に何も返せず
黙り込んでしまったあたし
そんなあたしに坂下さんは
「牧野様、差し出がましいようでございますが」
と言って
あたしをクローゼットへと誘った
クローゼットと言っても今あたしが住んでいる部屋よりも広い
そのクローゼットには当然だけど
道明寺の着替えや時計などの宝飾品が
綺麗に整頓されて置かれている
そして道明寺の物の向かい側には女性物も・・
かつてここにはあたしの物だと言って
道明寺が世界中から買い漁ってきていた
洋服や宝石などの一部が置かれていた
そして今も・・
あの頃と同じように
道明寺の物の向かい側には女性物が並んでいる
そしてその一部には見覚えがあった
洋服なんか着る物は変わっていたが
宝石類はあの頃
道明寺があたしにプレゼントしてくれた物が
そのまま置かれていた・・
「坂下さん・・コレって・・」
「はい、牧野様の物でございます。
お召し物などは季節ごとに入れ替えておりますが
宝石類はそのままでございます。
それにこちらの物などは昨年、司様がロシアで手に入れられた物でございます」
「あいつは・・これを・・ずっと続けてたんですか?」
「はい、司様はお仕事でお訪ねになられた国々で
必ず牧野様へのプレゼントをお買い求めになっておられました。
こちらにあるのはその一部でございます。
お屋敷にはこれの数倍は保管されております」
坂下さんの言葉に心が悲鳴を上げている
あたしは今、猛烈に後悔している
否応なしにあたしを包み込もうとする道明寺の想いに抗いきれず
ここに来た事を猛烈に後悔している
心が重い
知りたくなかった
知らなければそのままやり過ごせたのに・・
重たい心を抱えたまま
週末をその部屋から一歩も出ずに過ごしたけれど
あたし達の時間は交わる事は無かった
そろそろタイムリミット
沢山の宝石が並んでいる一角に
唯一、あたしの手元に残されたままだった
あの土星のネックレスを並べ部屋を後にした
夕焼けに染まる空の元
自分の居場所へと車を発進させる
幸せかと問われれば
幸せだと答えられる
一人で寂しくないのかと問われれば
寂しいし
寂しくないと答えると思う
ただ一つ言える事は
あたしは一人じゃない
沢山の知り合いも出来たし
気にかけてくれる友人達もいる
この先も絶対に一人なんて決めているわけじゃない
先の事なんて分からない
分からないからこそ
あたしはこの先
悩みながら
迷いながら
歩いて行くだろう
これがあたしの結婚しない理由
なんとなくFin?

応援ありがとうございます。
本日は『彼女が結婚しない理由』です!
ある意味、一番の問題作なんじゃないかと思っておりますが・・💦
楽しんでいただければ幸いです。<(_ _)>
それではどうぞ~❤
私信です。
葉◯様
こんばんは~🌙🌃
コメントありがとうございます❣(^^♪
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
はい!最後はなんとか丸~く収まってくれて
ほっこりと終わらせる事が出来ました!
司君が幸せならそれでも全てOKです!(笑)
☆様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます。❤
ハイ!バッチリ正夢でした!
れんれん!私もそろそろ会いたいです❣(^^♪
あの日から一週間
あたしは再び東京へと足を運んだ
F3の立て続けの訪問に
あたしだって
流石に考えさせられた
だってね
類にしても美作さんにしても西門さんにしても
暇なわけじゃない
それなのに
あの三人がわざわざこんな所まで
会いに来てくれるって事は・・
きっとそういう事なんだと思った
どちらの味方をしてるわけじゃなくて
あたしにきちんと話しをしろって事なんだと思った
だからね週末を利用して
再びあたしは東京へとやって来た
但しアポは取っていない
話しをしに来たのは事実なんだけど
あたしは賭けをした
普段はNYの道明寺
そして富山のあたし
普通に暮らしていれば接点なんて無い二人が
もしも
偶然
ここで会えたら
もしかしたら
何かが変わるかもしれないと思ったから
あの日以来初めて足を踏み入れたメープルホテル東京
ここは思い出に溢れ過ぎていて
エントランスから一歩足を踏み入れた途端に
まるで亡霊のようにあの頃の事が蘇ってくる
大袈裟じゃなくて今のあたしには
あの頃の日々は亡霊のようで
思い出というには今はもう時間が経ちすぎて
ただの記憶
だけどそのただの記憶があたしの足を止める
道明寺がNY留学を終えて帰国した時会ったのもここ
初めての夜と朝を過ごしたのもここ
クリスマスも誕生日もここ
その全てが幸せだった
今も幸せなんだけど
あの頃のあたしが予想していた幸せとは違う
見渡すロビーは変わっていないのに
あの頃のあたしは何処を探しても
もういない
そんなあたしに声を掛けてきたのは
ここの支配人さん
「牧野様、ご無沙汰しております。
本日はどのようなご用件で」
支配人さんはあたしを覚えていてくれたようで
そう声を掛けてきてくれたのだけど
ん〜
なんて言えばいいのか?
賭けをしていますなんて言えないし
道明寺を待ってます
なんて
約束もしていないし
支配人さんはあたしが何年も前に
彼と別れた事は知っているから
アポも無しになんて
痛いストーカー女だと勘違いされかねないから
部屋を取ることにした
「ご無沙汰しております。
あの・・急で申し訳ないのですが
お部屋は空いてますか?」
そう聞くと支配人さんはニッコリと笑って
「はい、勿論でございます。
準備してまいりますのでこちらで
少々お待ち下さいませ」
そう言ってロビーに置かれているソファーへと案内された
そこで待つこと二、三分
支配人さんはすぐに戻ってきて
彼自ら案内をしてくれた
でね
案内された部屋は・・
道明寺の部屋
戸惑うあたしに対して支配人さんは
当たり前のように中へと促す
「どうぞお入り下さいませ」
「あの・・あたしは・・」
「存じ上げております。
ですが司様より牧野様が当ホテルをお使いの際には
必ずこのお部屋をお使いいただくようにとに言付かっておりますので」
支配人さんの言葉に戸惑う
もし道明寺がそう言っていたとしても
それは過去の話しだと思う
彼と別れてもう何年も経つ
「ですが・・あたしはもう・・」
「牧野様、司様がわたくしにそうおっしゃられた時に
こう付け加えられておられました。
この先、未来永劫なにがあったとしても
この命令は絶対だとおっしゃられておられました。
でございますのでどうかご遠慮などなされませず
このお部屋をお使い下さいませ。
すぐに執事の坂下もご挨拶に参りますので」
そう言うと部屋から出て行ってしまった支配人さん
一人取り残された部屋をぐるりと見回してみる
あの頃のままの部屋
何もかもがあの頃のままで
落ち着かない気持ちのまま
ソファーへと近づく
背の高い道明寺が悠々と足を伸ばして座れる大きなソファーは
あたしのお気に入りだった
革張りのソファーは座った時の
冷たい感触が苦手だから嫌いだと言ったら
次に来た時には布張りのソファーに変わっていた
色はあたしの好きなブルー
落ち着いた濃紺で
少しザラッとした布の感触が好きだった
あのソファーが・・
あの時のままに置かれていた
ソファーの背凭れに指を滑らせ
あの頃の感触を確認してから
前へと回り込みゆっくりと腰を下ろした
そのタイミングで執事の坂下さんが入って来た
坂下に会うのも別れて以来
坂下さんは歳はもう六十歳を超えていると思うんだけど
あの頃と変わらない穏やかな笑みを浮かべている
「牧野様、ご無沙汰しております。
お元気そうで何よりでございます」
「こちらこそご無沙汰しております。
坂下さんもお変わりなくて」
「はい、お陰さまで。
まずはお飲み物でいかがでございますか?」
「は、はい」
「いつものでよろしいでしょうか?」
「は、はい・・お願いします」
いつもの・・
まるでブランクなんて感じさせないセリフに戸惑うあたし
そして坂下さんが持ってきてくれたのは
ミルクたっぷりのカフェ・オレ
ブラックコーヒーが定番だった道明寺
ブラックコーヒーが苦手だったあたし
そのあたしがいつも飲んでいたのが
ミルクたっぷりのカフェ・オレ
あの頃のまま
カップまで・・
何もかもが
あの頃のままで・・
あたしを包み込む
周囲の優しさが
あたしを否応なしにあの頃に引き戻す
「あの坂下さん?」
「はい、なんでございますか?」
「このお部屋・・あの頃のままなんですね・・」
「はい、司様のご指示であの頃のまま
調度品の配置もなに一つ変更されてはおりません」
「どうして・・そこまで?」
「わたくしには司様のお気持ちは分かりませんが
一つお伝え出来る事は司様はずっとこのお部屋を大切にされてこられておりましたし
東京にご滞在の時には必ずこのお部屋で
お一人でお過ごしでございました」
坂下さんの言葉に何も返せず
黙り込んでしまったあたし
そんなあたしに坂下さんは
「牧野様、差し出がましいようでございますが」
と言って
あたしをクローゼットへと誘った
クローゼットと言っても今あたしが住んでいる部屋よりも広い
そのクローゼットには当然だけど
道明寺の着替えや時計などの宝飾品が
綺麗に整頓されて置かれている
そして道明寺の物の向かい側には女性物も・・
かつてここにはあたしの物だと言って
道明寺が世界中から買い漁ってきていた
洋服や宝石などの一部が置かれていた
そして今も・・
あの頃と同じように
道明寺の物の向かい側には女性物が並んでいる
そしてその一部には見覚えがあった
洋服なんか着る物は変わっていたが
宝石類はあの頃
道明寺があたしにプレゼントしてくれた物が
そのまま置かれていた・・
「坂下さん・・コレって・・」
「はい、牧野様の物でございます。
お召し物などは季節ごとに入れ替えておりますが
宝石類はそのままでございます。
それにこちらの物などは昨年、司様がロシアで手に入れられた物でございます」
「あいつは・・これを・・ずっと続けてたんですか?」
「はい、司様はお仕事でお訪ねになられた国々で
必ず牧野様へのプレゼントをお買い求めになっておられました。
こちらにあるのはその一部でございます。
お屋敷にはこれの数倍は保管されております」
坂下さんの言葉に心が悲鳴を上げている
あたしは今、猛烈に後悔している
否応なしにあたしを包み込もうとする道明寺の想いに抗いきれず
ここに来た事を猛烈に後悔している
心が重い
知りたくなかった
知らなければそのままやり過ごせたのに・・
重たい心を抱えたまま
週末をその部屋から一歩も出ずに過ごしたけれど
あたし達の時間は交わる事は無かった
そろそろタイムリミット
沢山の宝石が並んでいる一角に
唯一、あたしの手元に残されたままだった
あの土星のネックレスを並べ部屋を後にした
夕焼けに染まる空の元
自分の居場所へと車を発進させる
幸せかと問われれば
幸せだと答えられる
一人で寂しくないのかと問われれば
寂しいし
寂しくないと答えると思う
ただ一つ言える事は
あたしは一人じゃない
沢山の知り合いも出来たし
気にかけてくれる友人達もいる
この先も絶対に一人なんて決めているわけじゃない
先の事なんて分からない
分からないからこそ
あたしはこの先
悩みながら
迷いながら
歩いて行くだろう
これがあたしの結婚しない理由
なんとなくFin?

応援ありがとうございます。
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