二度目の恋の話をしよう 63
本日は『二度目』です!
それではどうぞ~❤
私信です。
☆様
こんにちは~😊
コメントありがとうございます。🎵
返事が遅くなってごめんなさい。m(__)m
はい!なんとか収まるべきところに収まって
一件落着?です!❤
えっ!?あのドレスが!?あっ・・でも胸元の宝石は司君自らが買い付けた一級品なので
もしかしたら?・・怖すぎて着れない・・💦(笑)
ったく!
面倒な奴が口を挟んできやがった!
俺の努力を一瞬で水の泡にし
尚且、大炎上中のバカに更に燃料を投下しやがって!
ここ数日の俺の努力を返しやがれ!
ドイツ滞在最終日
明日には俺はロンドンへ
司はNYへと向かう予定になっていた
そんな最終日の夜
なんとか司を説得し・・
司は全く納得はしていないが
とりあえずは俺の別居案を渋々ながら
本当に渋々ながら受け入れて
秘書にも牧野側の弁護士にそう連絡を入れるよう指示を出したばかりだった
そこへ乗り込んで来たのが愛
この娘
ある意味、司よりトラブルメーカーで厄介だ
なんせあの牧野と司のハイブリッドで
俺は密かに愛が道明寺家で最強で最悪だと思っている
これは単に性格が悪いとか気が強いとかってんじゃねぇーぞ!
確かに気は強いが性格は悪くは無い・・
寧ろ根っこの部分は牧野に似て愛情豊かで
一度でも懐に入れた相手ならどこまでも優しく
守ろうとするこんなところは司にそっくりだ
ただ司と牧野の厄介な部分も引き継いでいるのと
生まれながらのお嬢様という環境が
愛を更に厄介な性質にしてしまっている
牧野に似て頑固者
こうと決めたら梃子でも動かない
そしてそれが思い通りにならなければ途端に発揮されるのが司の性質
普通の女のように感情的に泣いたり喚いたりはしない
しない代わりに躊躇なく相手の息の根を止めにかかる
昔、夢花が英徳の中等部の頃ほんの些細な事かがきっかけで
同級生から嫌がらせを受けた事があった
夢花も良くも悪くもお嬢様育ちで天然といえば聞こえがいいかもしれないが
他人の感情に関して少し疎い部分がある
所謂、空気が読めないってやつだ
夢花にしてみれば悪気は無いのだが素直に思った事を口にして
それが相手の感情を逆なでしたって出来事があった
ほんの些細な出来事
だけど年頃の女の子にとっては大問題だったのだろう
そんな時に夢花を庇い
嫌がらせに立ち向かい
蹴散らしてしまったのが愛で
その時の蹴散らし方が牧野ではなく司にそっくりで・・
それ以来、愛は勿論だが
夢花も学園内で一目置かれる存在となった
まぁ、元々、F4の娘ってだけで学園内では特別な存在ではあったが
それ以降は益々、特別な存在となってしまっていた
そんな愛は今では一見するとお嬢様の道楽とも思えるような生活をしているが
決して道楽などでは無く
着々とモデルとしての自分の地位を築きつつある
だが本人は真剣にモデルをしているわけじゃない
誤解のないように言っておくが
モデルの仕事は真剣にやっている
だけどモデルの仕事はあくまでもバイト感覚だから
野心むき出しで何が何でもってわけじゃない
なら愛の将来の目標はなんなんだ?と問われれば
分からない
愛本人も今はまだ明確なビジョンが見えているわけじゃないようで
とりあえず道明寺譲りのビジュアルを活かしてモデルとして活動中
そうしている内に何か愛のアンテナに引っ掛かる物が出てくるんじゃないかと探している
って感じ
だけどそんな緩い感じなクセに
そんな所が逆にいいのか・・
持って生まれた素養も手伝って
今やショーなどには引っ張りだこのトップモデルにまで登りつめている
そして司を凹ませる天才
辛辣な言葉で司を凹ませ
司以上のぶっ飛んだ言動で
周囲をパニックに陥れる
そんな愛がまた・・
ドイツにいきなり現れたと思ったら
“あたし、パパの隠し子引き取ることにしたからよろしくね!”
と宣わった
何がよろしくなのかサッパリだが・・
とりあえず司は隠し子というパワーワードにフリーズしてやがる
“パパ〜〜お〜い!聞いてる?
パパ〜〜!そういうことだから!”
なにがそういうことなのか・・?
さっぱりだが
当の愛は言うだけ言ったらすっきりしたのか
あっさりと部屋から出て行こうとしているところを慌てて引き止めた
「あ、愛!ちょ、ちょっと待て!」
思わず伸ばした手で愛のスカートの裾を掴んだ俺
「ん?やだ!スカート掴まないでよエッチ!」
思わず掴んでしまったってだけなのに・・
そんな睨む事じゃねぇだろ!
「そ、そんなんじゃねぇよ!」
慌ててスカートから手を離し
とりあえずもう一度、座るよう促す
「とにかく座れ!
でもってちゃんと説明しろ!」
「説明って・・今、話した通りなんだけど?」
「だから!それをもっとちゃんと説明しろって!」
「え〜面倒くさいなぁ〜」
面倒くさいって・・
お前は類か!?
って頭に浮かんだ突っ込みはとりあえず声には出さず
本気だって事を分からせる為に睨むような視線を向けると
観念したのか再び司の横に腰を下ろした愛
「だからパパの隠し子の」
「隠し子じゃねぇ!」
再びのパワーワードに
今度は言い終わる前に否定の言葉を被せた司
「・・まぁ、正確には隠し子ではなかったけど・・
それは結果論であってその可能性もあったわけでしょ?」
「ねぇーよ!あるかそんなもん!」
愛の言葉を全力で全く説得力の無いで否定しているが・・
まぁ・・
今のところは
愛の言う通り
確かに結果論だし
現に司は相当、肝を冷やしたはずだが
そんな司の焦りを伴った怒りはとりあえずスルーして
「それは分かったからそれがどうしてお前が引き取るって話しになるんだよ?
俺達はそこをちゃんと説明しろって言ってんだよ」
「あの子をママが引き取ろうとしてるからじゃない」
やっぱり・・
これは俺の感想
だけど司にとっては初出しの重要な情報で
尚且、到底受け入れられないであろう展開
「ハァ?!そんな話し聞いてねぇーぞ!」
「でしょうね。
ってか、ママがパパに話すわけないじゃん!」
「んだと!」
おおよそ話し合いとは程遠い怒鳴り合い
このままだと話しが進展どころか
取り返しのつかないところまで行きそうなので
ため息を隠し二人に割って入る
「二人とも落ち着けって!」
「あたしは落ち着いてるけど?
興奮してるのはパパだけでしょ?
自分が知らなかったからってあたしに八つ当たりしないでよね!」
「八つ当たりなんてしてねぇ!」
「してるじゃん!」
「分かったから!
とにかく二人とも落ち着いて話せ!」
「うるせぇーよ!これが落ち着いてられるか?!
あいつが俺に黙って勝手なことしようとしてんだぞ!
俺は絶対に許さねぇからな!」
「ねぇ、パパ?そもそも前提がおかしくない?
パパが許さないんじゃなくて許してもらうほうなんじゃないの?
それにママは許してもらおなんて思ってないから離婚って話しになってるんでしょ?
ん?違うか・・元を正せばパパの自業自得じゃん!
そもそもがパパがママを裏切ってきたからこうなってるんだよね?
だいたい浮気なんてしなければ隠し子騒動だってなかったんじゃない?
それなのに」
「愛!その辺で止めとけ!」
どこまでも続く愛からの口撃を止めに入った
確かに愛の言う通りだ・・
元を正せば
司の自業自得だ
百人いれば百人が愛の言っている事が正論だと答えるだろうけれど
この年まで世間の常識なんて全てぶっ飛ばしてきた司には通用しないし
何よりこの正論で納得するようなら
既に離婚が成立している
「愛、お前はここに司とケンカするために来たのか?
そうじゃねぇだろ?」
「そうだけど・・」
「それにお前がここで司とケンカしたら余計に離婚話が拗れて困るのは牧野じゃねぇのか?
そうなったらあの赤ん坊も宙ぶらりんのままなんだぞ」
愛に言い聞かせるように話す俺に
「そんなもんさっさと役所に引き取らせろ!」
そう被せてくる司
「お前はちょっと黙ってろ!
なぁ、愛?お前があの赤ん坊を引き取るのは単に牧野が大変だからか?
そんな理由ならお前、子育てをナメすぎだぞ」
「別にママが大変だからって理由だけじゃないわよ!
あたしだってちゃんと考えてるもん!」
「考えてるもんじゃねぇよ!
独身でまだ若いお前に一人の人間の人生を背負っていく覚悟があんのかって聞いてるんだよ?!
モデルの仕事だって今はとりあえずだろーが?
その仕事で世界中周ってるお前のどこに子供を育てる余裕があるんだ?!」
「あたしだってそれぐらい・・」
「愛、止めとけ」
「なによ!?あきらおじさんもあたしにはムリだって思ってるの?!」
「あぁ、思ってる。
お前は年齢的に牧野じゃキツいだろうって考えたんだろうけど
あいつにはそれを凌駕する経験があるし
もし引き取ることを司が認めたとしても
牧野は許さないと思うぞ」
「そんな!ママにはちゃんと話したわよ!」
「賛成したか?」
「・・それは・・まだだけど・・
あたしが引き取ってアメリカでママと一緒に暮らせばいいだけじゃない?!」
「そうだな。
でも離婚が成立しない限りムリだぞ」
「あきら、お前ぇはどっちの味方なんだよ!
さっきから黙って聞いてれば勝手なことばっかり言ってんじゃねぇーぞ!」
離婚が成立しなければって話しが出た途端に割り込んできた司に
流石にちょっとだけキレ掛かっていた俺はさっきまでとは違い語気を強めて
「俺は一応、お前の味方のつもりだけどな
でも今の状況じゃお前の言う通り赤ん坊を役所に引き渡したら終わりって話しでもねぇだろ?
それにもし無理やりに引き渡したりしたらそれこそ離婚は決定的だぞ!
こうなった以上はあの赤ん坊の事は避けて通れないだろ?
離婚にテンパってるのは理解するけどいい加減、その短絡的な思考を切り替えろ!」
司にそう言ってから続け様に次は愛に対して
「愛、お前もだ!
あの赤ん坊の事や牧野の事を心配してるお前の優しい気持ちは理解してるけど
今回ばかりは口を挟むな!
赤ん坊の事も離婚の事も決めるのは司と牧野なんだから
お前は黙って見守っててやれ!」
「・・でもいつまでも宙ぶらりんだと赤ちゃんが・・」
「赤ん坊の事は心配すんな!
考えてみろよ今、面倒見てるのは牧野だぞ
それに側には鉄の女もいるしあの滋までいるんだぞ!
道明寺に大河原って日本を代表する財閥が面倒見てるんだぞ
ある意味、あの赤ん坊が最強じゃねぇーか?だから心配すんな!
それでも心配だったら暫くは日本で牧野の側にいてやれ!分かったか?」
俺がそう言った後、少しだけ考え込むような仕草を見せたけれど
それも本当に一瞬だけで
「・・・・ん・・分かった!
あたしもママ達が心配だから暫く日本にいる事にする!」
「おぅ!でも暴走すんなよ!」
「分かってるって!
それじゃあ、あたしは日本に帰るから!
パパ!またね!日本で会いましょう!」
「お、おぅ!あっ!ちょっと待て!
ママになるべく早く帰るから戻ったらちゃんと話しがしたいって伝えとけ!」
「ハァ〜・・とけ!ってそれが人にものを頼む態度なわけ?
そんなんだからパパはダメだって言われるのよ!
分かってる?ママに伝えて欲しいんだったらちゃんとお願いしなさいよね!」
「・・・・・・」
「ほら!なんて言うのか分かってるでしょ?」
「・・・お、お願い・・」
「お願い?」
「・・・・します・・」
「はい!良くできました!
気が向いたらママに伝えといてあげる!それじゃあね!」
慌ただしく愛が行ってしまった後
俺の口からこぼれ落ちたのは
大きな大きなため息
司は変わらず不機嫌なままでグラスに残っていたスコッチを飲み干している
一見すると分かりにくいけれど
これでも司はかなり凹んでいて
尚且つ
かなり真剣に考えてもいる
長い付き合いの俺だから分かる
なんとか離婚を回避したいってのは本心だが
本気でそれを勢いだけで跳ねのけようとは思っていないし
そうしようとも思ってはいない
司は司なりに真剣に離婚の事を考えているし
その根底にあるのはやっぱり牧野への愛情なのだと思う
まぁ、今さらだけどな・・

応援ありがとうございます。