続・月夜に… 4
おはようございます。
予約投稿第一弾です!
上手く行ったかしら?💕
本日は『続・月夜に…』です🎶
それではどうぞ~✴
雛がOKするわけないのに
どうして分からないのかしら?
正直言って私は雛が道明寺の名前を隠して仕事をしているのが意外だった
雛は私と違って産まれた時から何不自由なく育ってきた正真正銘のお嬢様だから
彼女がモデルという仕事を始めた時も単なる好奇心からだと思っていた
だから仕事を始めた時に自分で決めた事なら最後まで責任を持って
やりなさいと釘を刺しておいたんだけど
私の予想に反して彼女は道明寺の名前を隠し
自分の実力だけで勝負しようとしている
私はそんな雛を常日頃から応援したいと思っている
あの我がままし放題だった雛が自分で働いてお金を稼いでいる
最近では自分で働いて得た収入で自分の欲しい物を買っている
私は彼女に一切現金を渡していないし
雛も道明寺の名前を使って買い物をしていない
いい傾向だと思う
社会に出て働くことでお金を稼ぐという大変さを知り
お金の大切さを知ってくれれば彼女はもっと素敵な女性になれる
だけど司はそれが気に入らないみたいで
相変わらず雛が一人暮らしをするのを反対しているし
本当はモデルの仕事をするのも反対なのだから
司は自分の娘がアルバイトをするのがイヤみたい
どうやら昔、私がバイトに忙しく司よりもバイトを優先させていた事が
今でもトラウマになっていてアルバイトと聞くだけで拒否反応をおこす
翌日、司は本当に雛に電話したらしく
予想どおりあっさり拒否されて機嫌最悪のまま帰ってきた
昼間、雛から電話が掛かってきていた
「Hello?」
「ママ!」
電話に出るなり雛の怒鳴り声が耳に飛び込んでくる
「ちょっと何よ!いきなり怒鳴らないでよ!
耳が痛いでしょ!」
どうしてみんな私に怒鳴るのかしら?
「ママ!聞いてよ!」
「聞いてるわよ。どうしたの?」
聞かなくてもだいたい分かるけど
司でしょ?
「今ね、パパから電話があったんだけど
私にメープルに泊まれって言ってきたの。
ねぇ?パパも日本に帰ってくるの?!」
雛には私達が日本に帰る事をまだ話していなかった
「パパだけじゃないわよみんな帰るわよ」
「どうしてよ?まさか!ショーに来るって言うんじゃないわよね?
それにどうして私だけメープルに泊まらなきゃいけないの?
パパったらメープルがイヤなら屋敷に帰って来いって言ってるし。
どういう事よ!?」
「その、まさかよ!
パパはあなたから電話が掛かってきてすぐスケジュールを調整して
日本に帰る事を決めちゃったの。パパはあなたに会いたいのよ!」
「もう!どうしてママ止めてくれなかったのよ?!」
「止められるわけないでしょ!諦めなさい!
メープルに泊まるって話はママが話しておいてあげるからそれでいいでしょ?
それにね、一度は屋敷に帰ってきなさいよ。久しぶりにみんなで食事しましょ!」
「え~~!」
「え~じゃないわよ!
お休みぐらいあるんでしょ?」
「あるけど・・・」
「あるけど、何?
あなた全然N.Yに帰ってこないからパパは寂しいのよ。
たまにはパパの相手もしてあげなさい!」
「パパが寂しい?まさか・・パパはママがいればいいんでしょ?」
「バカね!いい加減にしとかないといきなりパリに押しかけられる事になるわよ!
それでもいいの?」
「・・・それはヤダ!
・・分かったわ」
「ねぇあなた日本でホテル暮らしって不便じゃないの?
パパの言うとおりお屋敷から通う事って出来ないの?
ママもその方がうれしいし」
「う~ん・・・出来るとは思うけど・・考えとく」
「そう、それじゃあ考えておいてね」
「分かった。
あっ・・それからパパ電話ですっごく怒ってたからママよろしくね!」
「じゃあ、またね~!」
また言いたい事だけ言って電話が切られた
それがつい数時間前の事
そして今
屋敷に帰りついたとたん玄関先で私が出迎えに出てこないと怒鳴っている
ガキみたいに玄関先で私の名前を怒鳴っているみたいで
メイドさんが私を呼びに来た
どうやら私が出て行かないかぎり中には入ってこないつもりらしい
ったく・・!
いい加減にしてよ!
一体、いつまで怒ってるつもりなのだろうか?
「奥様、旦那様がお呼びでございます。」
「いいわよ。怒鳴らせておいて」
「はい、ですが・・・」
ハァ~
彼女の言いたい事は分かる
迷惑よね、あんなのが玄関先でいつまでも怒鳴ってたら
もう!あのバカ、まだ怒鳴っている!
ドアが開いているから大理石のお屋敷中に反響してこんな所まで聞こえてくる
「ごめんね、鈴ちゃん、
ママはパパが呼んでるからちょっと行って来るわね!」
「オッケィ~!
ママ、がんばってね~!」
7歳の娘に 応援されるって・・どうなのよ?
メイドに鈴を頼み、玄関へと向う
玄関に出ると司は仁王立ちでこちらを睨んでいる
どうして私を睨むのよ?
私何もしてないわよ!
そう言いたい気持ちをグッと抑え、笑顔で司の元へ歩み寄る
昔の私なら間違いなくここで怒鳴っていただろう
だが今は少しは大人になったのかもしれない
こんな時、怒鳴り返しても逆効果なだけだ
「お帰りなさい。
ごめんね。鈴の所に居たから気付かなくて」
「遅せぇんだよ!」
「ごめんなさい」
グッとこらえてもう一度笑顔で言う
司の機嫌はそれでも直らない
手にしていた上着を私に投げるように渡すと
ズンズンと大股で寝室へと歩 いていく
司の後について寝室に入ると
喉元に指を差し入れネクタイを緩めると一気に引き抜き
私の方へと投げつけると機嫌の悪さをそのまま表したように
ドカッとソファーに腰を下ろした
そんな司にコーヒーを淹れ
手渡すと私も彼の隣に腰を下ろす
「どうしたの?」
一応聞いてみる
「雛だよ!」
「雛がどうしたの?」
「あいつ、メープルに泊まるのイヤだって言って
勝手に電話切りやがった!」
「ねぇ?どうしてもメープルに泊まらなきゃダメなの?
さっきね雛から電話が掛かってきて、邸に帰ってくるかもしれないって
言ってたわよ」
私の言葉を聞いた途端
分かりやすく司の機嫌が治った
どころか一転して上機嫌
単純なんだから!もう!
「そ、そうか、だったら別にいいんだ!」
そう言って今度は鼻歌まで飛び出しそうな程の上機嫌でバスルームへと消えていく
その後ろ姿を見送りながら
私はため息をついた
何が別にいいわけ・・?
本当に司と雛は噛み合わない
似たもの親子なのよね
しばらくソファーに座りぼんやりと考えているとバスルームのインターホンが鳴って
受話器を取ると
“お前も入ってこい!”
の一言で切られた
何なのよ一体!
お風呂ぐらい一人でゆっくり入りたいのに!
でもここで入っていかないとせっかく治った
機嫌がまた悪くなる
出会った頃と変わらぬ愛情を私に向けてくれるのは
嬉しいんだけどね…
横暴な所も変わらない
ため息をつきながらバスルームへ向う
今夜も寝不足決定…?

応援ありがとうございます。
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それではどうぞ~✴
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雛は私と違って産まれた時から何不自由なく育ってきた正真正銘のお嬢様だから
彼女がモデルという仕事を始めた時も単なる好奇心からだと思っていた
だから仕事を始めた時に自分で決めた事なら最後まで責任を持って
やりなさいと釘を刺しておいたんだけど
私の予想に反して彼女は道明寺の名前を隠し
自分の実力だけで勝負しようとしている
私はそんな雛を常日頃から応援したいと思っている
あの我がままし放題だった雛が自分で働いてお金を稼いでいる
最近では自分で働いて得た収入で自分の欲しい物を買っている
私は彼女に一切現金を渡していないし
雛も道明寺の名前を使って買い物をしていない
いい傾向だと思う
社会に出て働くことでお金を稼ぐという大変さを知り
お金の大切さを知ってくれれば彼女はもっと素敵な女性になれる
だけど司はそれが気に入らないみたいで
相変わらず雛が一人暮らしをするのを反対しているし
本当はモデルの仕事をするのも反対なのだから
司は自分の娘がアルバイトをするのがイヤみたい
どうやら昔、私がバイトに忙しく司よりもバイトを優先させていた事が
今でもトラウマになっていてアルバイトと聞くだけで拒否反応をおこす
翌日、司は本当に雛に電話したらしく
予想どおりあっさり拒否されて機嫌最悪のまま帰ってきた
昼間、雛から電話が掛かってきていた
「Hello?」
「ママ!」
電話に出るなり雛の怒鳴り声が耳に飛び込んでくる
「ちょっと何よ!いきなり怒鳴らないでよ!
耳が痛いでしょ!」
どうしてみんな私に怒鳴るのかしら?
「ママ!聞いてよ!」
「聞いてるわよ。どうしたの?」
聞かなくてもだいたい分かるけど
司でしょ?
「今ね、パパから電話があったんだけど
私にメープルに泊まれって言ってきたの。
ねぇ?パパも日本に帰ってくるの?!」
雛には私達が日本に帰る事をまだ話していなかった
「パパだけじゃないわよみんな帰るわよ」
「どうしてよ?まさか!ショーに来るって言うんじゃないわよね?
それにどうして私だけメープルに泊まらなきゃいけないの?
パパったらメープルがイヤなら屋敷に帰って来いって言ってるし。
どういう事よ!?」
「その、まさかよ!
パパはあなたから電話が掛かってきてすぐスケジュールを調整して
日本に帰る事を決めちゃったの。パパはあなたに会いたいのよ!」
「もう!どうしてママ止めてくれなかったのよ?!」
「止められるわけないでしょ!諦めなさい!
メープルに泊まるって話はママが話しておいてあげるからそれでいいでしょ?
それにね、一度は屋敷に帰ってきなさいよ。久しぶりにみんなで食事しましょ!」
「え~~!」
「え~じゃないわよ!
お休みぐらいあるんでしょ?」
「あるけど・・・」
「あるけど、何?
あなた全然N.Yに帰ってこないからパパは寂しいのよ。
たまにはパパの相手もしてあげなさい!」
「パパが寂しい?まさか・・パパはママがいればいいんでしょ?」
「バカね!いい加減にしとかないといきなりパリに押しかけられる事になるわよ!
それでもいいの?」
「・・・それはヤダ!
・・分かったわ」
「ねぇあなた日本でホテル暮らしって不便じゃないの?
パパの言うとおりお屋敷から通う事って出来ないの?
ママもその方がうれしいし」
「う~ん・・・出来るとは思うけど・・考えとく」
「そう、それじゃあ考えておいてね」
「分かった。
あっ・・それからパパ電話ですっごく怒ってたからママよろしくね!」
「じゃあ、またね~!」
また言いたい事だけ言って電話が切られた
それがつい数時間前の事
そして今
屋敷に帰りついたとたん玄関先で私が出迎えに出てこないと怒鳴っている
ガキみたいに玄関先で私の名前を怒鳴っているみたいで
メイドさんが私を呼びに来た
どうやら私が出て行かないかぎり中には入ってこないつもりらしい
ったく・・!
いい加減にしてよ!
一体、いつまで怒ってるつもりなのだろうか?
「奥様、旦那様がお呼びでございます。」
「いいわよ。怒鳴らせておいて」
「はい、ですが・・・」
ハァ~
彼女の言いたい事は分かる
迷惑よね、あんなのが玄関先でいつまでも怒鳴ってたら
もう!あのバカ、まだ怒鳴っている!
ドアが開いているから大理石のお屋敷中に反響してこんな所まで聞こえてくる
「ごめんね、鈴ちゃん、
ママはパパが呼んでるからちょっと行って来るわね!」
「オッケィ~!
ママ、がんばってね~!」
7歳の娘に 応援されるって・・どうなのよ?
メイドに鈴を頼み、玄関へと向う
玄関に出ると司は仁王立ちでこちらを睨んでいる
どうして私を睨むのよ?
私何もしてないわよ!
そう言いたい気持ちをグッと抑え、笑顔で司の元へ歩み寄る
昔の私なら間違いなくここで怒鳴っていただろう
だが今は少しは大人になったのかもしれない
こんな時、怒鳴り返しても逆効果なだけだ
「お帰りなさい。
ごめんね。鈴の所に居たから気付かなくて」
「遅せぇんだよ!」
「ごめんなさい」
グッとこらえてもう一度笑顔で言う
司の機嫌はそれでも直らない
手にしていた上着を私に投げるように渡すと
ズンズンと大股で寝室へと歩 いていく
司の後について寝室に入ると
喉元に指を差し入れネクタイを緩めると一気に引き抜き
私の方へと投げつけると機嫌の悪さをそのまま表したように
ドカッとソファーに腰を下ろした
そんな司にコーヒーを淹れ
手渡すと私も彼の隣に腰を下ろす
「どうしたの?」
一応聞いてみる
「雛だよ!」
「雛がどうしたの?」
「あいつ、メープルに泊まるのイヤだって言って
勝手に電話切りやがった!」
「ねぇ?どうしてもメープルに泊まらなきゃダメなの?
さっきね雛から電話が掛かってきて、邸に帰ってくるかもしれないって
言ってたわよ」
私の言葉を聞いた途端
分かりやすく司の機嫌が治った
どころか一転して上機嫌
単純なんだから!もう!
「そ、そうか、だったら別にいいんだ!」
そう言って今度は鼻歌まで飛び出しそうな程の上機嫌でバスルームへと消えていく
その後ろ姿を見送りながら
私はため息をついた
何が別にいいわけ・・?
本当に司と雛は噛み合わない
似たもの親子なのよね
しばらくソファーに座りぼんやりと考えているとバスルームのインターホンが鳴って
受話器を取ると
“お前も入ってこい!”
の一言で切られた
何なのよ一体!
お風呂ぐらい一人でゆっくり入りたいのに!
でもここで入っていかないとせっかく治った
機嫌がまた悪くなる
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応援ありがとうございます。
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