Oh～！ 4

被害届にサインし終わりやっと刑事さんから

『今夜はこれでお帰りいただいて結構です。』

なんて言われてソファーから立ち上がりかけた時、再び廊下にバタバタと走る足音が響いてきた

それも大人数が一度にこちらに向かって突進してくるような足音


その足音に横に座る美作さんが小さくため息を漏らしたのが分かった


「つくし！」

「牧野！」

呼ばれて振り返れば…


ゲッ！？


ギャ？！


そこに居たのは…

道明寺と花沢類

それに西田さんに道明寺と花沢類のＳＰさんがワンサカ…

変な表現だって？

でもね…道明寺には普段から６人のＳＰさんが付いていて
花沢類にも常時３人のＳＰさんが付いているから
ＳＰさんだけでも合わせて９人

サッカー出来ちゃうわよ

合計１２名が足音と共に雪崩込んで来ちゃった



ハァ～～

真夜中の警察署にＦ４が集合しちゃってる有り得ない展開


あ～あ～だから嫌だったのに！

今では余程、大きなパーティーじゃない限りこの４人が一同に介するなんて事もないのに…


私の姿を確認した途端、ソファーの後ろに立った道明寺は
後ろから私の両脇に手を入れると
そのままグイッと身体ごと引き上げた


まるで西門さんと美作さんから引き離すように

後ろからズボッと引き上げられて身体が宙に浮く

えっ？！ギャ？！

声を発する間も無く

そのまま縦抱きに道明寺に抱え込まれ至近距離で
優しい声で『大丈夫か？』なんて言われて
とうとう私の心はオーバーフロー

怒鳴られると思ってたのに…
優しい声で…

片腕だけで私を軽々と抱え
もう片方の手が私の背中を優しく上下している

そんな状況に此処は警察署で周りに沢山の人が居るのに
思わず私は道明寺の首に両腕を巻き付けて彼の首元に顔を埋めた


２週間ぶりの道明寺に

涙が止まらないの

悲しいの？
嬉しいの？
悔しいの？
ムカつくの？

自分でもよく分からない感情のまま道明寺に抱きついて泣いていた

「大丈夫だから、もう泣くな。」

優しい声でそっと囁くように言われて
余計に涙が止まらなくて

鼻水ズルズルの泣き声のまま

「ごめんなさい」

と呟いていた


「もういいから、顔見せろ！」


顔見せろだなんて！

ムリ！

鏡見なくても自分の顔が今とんでもない状態だって分かるもん！

だから、絶対にムリ！

そう思って無視してたのに

「いいから、顔見せてくれ。」

なんて…

優しい声で囁かれて

少しだけ首元から顔を離すと
すぐ横からプッと吹き出すような笑い声


「もう！笑うな！花沢類！」


「だって、あんたすっごい顔してるよ！可愛い。」


そう言って私の目尻に浮かぶ涙を綺麗な指先で拭ってくれた花沢類


「こいつに触んな！類！
ぶっ殺すぞ！」


なんて、警察署で物騒な言葉を吐く道明寺


いつもの光景に笑いを隠さない美作さんと西門さん

二人も順番に私の顔を覗き込んで笑っている

「もう！やだ…！」


再び顔を道明寺の首元に埋めるように隠すと


「牧野、大丈夫だ！いつも通りですっげぇブスだぞ！」


なんて…


いつものからかう調子の西門さんの手が私の頭に置かれ
ぐしゃぐしゃと掻き回す


「五月蝿い！こっち見んな！」



「おっ！そんな可愛くねぇ口聞いてると、写真撮るぞ！ドブス！」


なんて…笑ってる


「ブスブス言うな！写真も撮るな！バカ！」











応援ありがとうございます。