続・月夜に… 6
おはようございます。
予約投稿第二弾です❗
本日は『続・月夜に…』です🎶
それではどうぞ~✴
その夜はみんなでディナーを食べただけで早々にお開きとなった
みんな学生の頃と違ってそれぞれが親の跡を継いで忙しい身なのだから
翌日、司は朝一番からの会議に出席するため早くから出社して行ったんだけどね
もう!さっきから何度も電話をしてくる
用件は"雛はまだか?"それだけ
まだ連絡が無いと言うと何も言わずに電話を切ってしまう
もう!何なのよ!
10分程前にも電話が掛かってきたところ
やっと少し落ち着いて
蓮と鈴を同行させた家庭教師にまかせて
私はタマさんとお茶を飲んでいた時に
雛から電話が掛かってきた
「Hello~?ママ?」
「雛?着いたの?」
「うん、今成田なんだ。
タクシーで帰ろうと思ってるんだけど
ねぇママ?どこかでランチしない?出て来れる?」
「いいわよ。」
「じゃぁ どこで待ち合わせる?」
「メープルのロビーにあるティーラウンジでどうかしら?」
「分かった。じゃぁメープルでね。」
「気をつけるのよ。」
「分かってる!じゃぁね~」
電話を切るとタマさんが
「雛お嬢様からですか?」
「ええ、今成田らしいんだけどどこかでお昼食べようって。
ちょっと出かけ てきますから蓮と鈴をお願いできますか?」
「もちろんですよ。
若奥様もお嬢様とは久しぶりなんですから
ゆっくりしてきてください。」
「そうね、久しぶりだけど・・
さっさとここに戻ってくればいいのに!」
「いいじゃないですか。
雛お嬢様も久しぶりの日本を楽しみたいんですよ。」
「そうかもね。じゃぁ私、支度してきますから
車呼んでおいて頂けますか?」
「分かりましたよ。」
タマさんはヨッコイショ!と掛け声を掛けてイスから立ち上がり
リビングから出て行った
さぁ!私も支度しなきゃ!
私は司と共に年に数回日本に帰ってきているが
パリで生活している雛は数年ぶりの日本だった
メープ ルに着くと雛はまだ来ていなくて
しばらくラウンジから見えるロビーを眺めていたら
私が来ていると連絡が入ったのだろう
メープルの総支配人が慌てて駆けてくるのが見えた
「お久しぶりでございます、櫻様。」
「お久しぶりです、境さん。
お元気でしたか?」
彼の名前は境 友章、メープルホテル東京の総支配人さんだ
「ありがとうございます。
櫻様こそお元気そうで何よりでございます。」
「ありがとう。」
「お越しいただけるのでしたらご連絡いただければお迎えにあがりましたのに。」
「いいのよ、今日は雛と待ち合わせてるだけだから。
他のお客様にもご迷惑にもなるし。」
「左様でございましたか。
雛お嬢様とお待ち合わせでしたか。」
「雛とランチの約束をしてるから
お部屋を用意していただけるかしら?」
「かしこまりました。
いつものお部屋でよろしいでしょうか?」
「ええ、お願いします。」
「それではさっそくご用意させていただきます。」
境さんは後ろに控えていた自分の秘書に部屋の準備をしておくよう指示を出す
彼の秘書さんが行ったのと入れ替わるように
雛がラウンジへと入ってくるのが見えた
彼女はすぐに私に気付いたようで
笑顔で私の方へと向って歩いてくる
雛は丈の短いオフホワイトのサマーニットにローライズのジーンズに
ミュールといういでたちで、お化粧をしていなくても充分綺麗
若い雛にその格好はよく似合っている
身長もまた伸びているし
私より10cm.は高い
やはり彼女は人目を惹く
すれ違う人がみな振り返っている
本当に私が産んだ子なのかしら?
時々分からなくなってしまうほど彼女は私に似ていない…
でも…その格好…
司が見たら…
きっと…
確かに雛の格好はよく似合っている
だけど肌の露出が多いような気がする
きっと司が今の雛の格好を見たら
確実に怒り出すだろう
いつから私、司の先回りばかりして
物事を考えるようになったんだろう?
そんな事を考えていると雛が私の前まで辿り着き
前に座った
「お待たせ~!ママ早かったのね?」
「ママも今来たところよ。」
「そっか、よかった!
境さん、こんにちは。」
「雛お嬢様、お久しぶりでございます。
益々、お美しくなられて見違えてしまいました。」
「ありがとう。」
「あなた、荷物はこれだけなの?」
雛が手にしているのは少し大きめのボストンバッグだけ
「うん、別に持ってこなくてもこっちに全部揃ってるしね。」
「そう。」
「ねぇパパはまだ?」
「へっ…?
パパも呼んだの?」
「うん、ママに電話した後パパにも電話したの。
ママとお昼食べるって言ったらパパも来るって。」
「来るって…ってそんな簡単に…パパお仕事中なのよ。」
「 そんなの分かってるわよ!
でもパパが来るって言うんだもん!」
私と雛の会話を聞いていた境さんが慌てている…
「ごめんなさいね、境さん。
余計なお仕事増やしてしまって。
どうやら主人もこちらに向っているようなのでよろしくお願いします。」
「かしこまりました。
それでは失礼いたします。」
「ありがとう。」
境さんが慌てているのがよく分かる…
そりゃぁそうよね…
私達だけじゃなく司まで来るんだもの…
「まったく!もう!
でも、パパ喜んでたでしょ?雛から電話が掛かってきて。」
「そう?いつもと変わらない感じだったけど。」
パパはいつもあなたから電話があると上機嫌なのよ!
やっぱり鈍感なところは私に似たのかしら?
それにしても…司も雛の事になるとフットワークが軽いというか
また秘書さんが迷惑してるだろう

応援ありがとうございます。
予約投稿第二弾です❗
本日は『続・月夜に…』です🎶
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その夜はみんなでディナーを食べただけで早々にお開きとなった
みんな学生の頃と違ってそれぞれが親の跡を継いで忙しい身なのだから
翌日、司は朝一番からの会議に出席するため早くから出社して行ったんだけどね
もう!さっきから何度も電話をしてくる
用件は"雛はまだか?"それだけ
まだ連絡が無いと言うと何も言わずに電話を切ってしまう
もう!何なのよ!
10分程前にも電話が掛かってきたところ
やっと少し落ち着いて
蓮と鈴を同行させた家庭教師にまかせて
私はタマさんとお茶を飲んでいた時に
雛から電話が掛かってきた
「Hello~?ママ?」
「雛?着いたの?」
「うん、今成田なんだ。
タクシーで帰ろうと思ってるんだけど
ねぇママ?どこかでランチしない?出て来れる?」
「いいわよ。」
「じゃぁ どこで待ち合わせる?」
「メープルのロビーにあるティーラウンジでどうかしら?」
「分かった。じゃぁメープルでね。」
「気をつけるのよ。」
「分かってる!じゃぁね~」
電話を切るとタマさんが
「雛お嬢様からですか?」
「ええ、今成田らしいんだけどどこかでお昼食べようって。
ちょっと出かけ てきますから蓮と鈴をお願いできますか?」
「もちろんですよ。
若奥様もお嬢様とは久しぶりなんですから
ゆっくりしてきてください。」
「そうね、久しぶりだけど・・
さっさとここに戻ってくればいいのに!」
「いいじゃないですか。
雛お嬢様も久しぶりの日本を楽しみたいんですよ。」
「そうかもね。じゃぁ私、支度してきますから
車呼んでおいて頂けますか?」
「分かりましたよ。」
タマさんはヨッコイショ!と掛け声を掛けてイスから立ち上がり
リビングから出て行った
さぁ!私も支度しなきゃ!
私は司と共に年に数回日本に帰ってきているが
パリで生活している雛は数年ぶりの日本だった
メープ ルに着くと雛はまだ来ていなくて
しばらくラウンジから見えるロビーを眺めていたら
私が来ていると連絡が入ったのだろう
メープルの総支配人が慌てて駆けてくるのが見えた
「お久しぶりでございます、櫻様。」
「お久しぶりです、境さん。
お元気でしたか?」
彼の名前は境 友章、メープルホテル東京の総支配人さんだ
「ありがとうございます。
櫻様こそお元気そうで何よりでございます。」
「ありがとう。」
「お越しいただけるのでしたらご連絡いただければお迎えにあがりましたのに。」
「いいのよ、今日は雛と待ち合わせてるだけだから。
他のお客様にもご迷惑にもなるし。」
「左様でございましたか。
雛お嬢様とお待ち合わせでしたか。」
「雛とランチの約束をしてるから
お部屋を用意していただけるかしら?」
「かしこまりました。
いつものお部屋でよろしいでしょうか?」
「ええ、お願いします。」
「それではさっそくご用意させていただきます。」
境さんは後ろに控えていた自分の秘書に部屋の準備をしておくよう指示を出す
彼の秘書さんが行ったのと入れ替わるように
雛がラウンジへと入ってくるのが見えた
彼女はすぐに私に気付いたようで
笑顔で私の方へと向って歩いてくる
雛は丈の短いオフホワイトのサマーニットにローライズのジーンズに
ミュールといういでたちで、お化粧をしていなくても充分綺麗
若い雛にその格好はよく似合っている
身長もまた伸びているし
私より10cm.は高い
やはり彼女は人目を惹く
すれ違う人がみな振り返っている
本当に私が産んだ子なのかしら?
時々分からなくなってしまうほど彼女は私に似ていない…
でも…その格好…
司が見たら…
きっと…
確かに雛の格好はよく似合っている
だけど肌の露出が多いような気がする
きっと司が今の雛の格好を見たら
確実に怒り出すだろう
いつから私、司の先回りばかりして
物事を考えるようになったんだろう?
そんな事を考えていると雛が私の前まで辿り着き
前に座った
「お待たせ~!ママ早かったのね?」
「ママも今来たところよ。」
「そっか、よかった!
境さん、こんにちは。」
「雛お嬢様、お久しぶりでございます。
益々、お美しくなられて見違えてしまいました。」
「ありがとう。」
「あなた、荷物はこれだけなの?」
雛が手にしているのは少し大きめのボストンバッグだけ
「うん、別に持ってこなくてもこっちに全部揃ってるしね。」
「そう。」
「ねぇパパはまだ?」
「へっ…?
パパも呼んだの?」
「うん、ママに電話した後パパにも電話したの。
ママとお昼食べるって言ったらパパも来るって。」
「来るって…ってそんな簡単に…パパお仕事中なのよ。」
「 そんなの分かってるわよ!
でもパパが来るって言うんだもん!」
私と雛の会話を聞いていた境さんが慌てている…
「ごめんなさいね、境さん。
余計なお仕事増やしてしまって。
どうやら主人もこちらに向っているようなのでよろしくお願いします。」
「かしこまりました。
それでは失礼いたします。」
「ありがとう。」
境さんが慌てているのがよく分かる…
そりゃぁそうよね…
私達だけじゃなく司まで来るんだもの…
「まったく!もう!
でも、パパ喜んでたでしょ?雛から電話が掛かってきて。」
「そう?いつもと変わらない感じだったけど。」
パパはいつもあなたから電話があると上機嫌なのよ!
やっぱり鈍感なところは私に似たのかしら?
それにしても…司も雛の事になるとフットワークが軽いというか
また秘書さんが迷惑してるだろう

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