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園ちゃんシリーズ 2008年クリスマスVer 9

園ちゃんシリーズ2008年クリスマスVerの第9話です。


それではどうぞ🎶




「パパ、嘘ついてごめんなさい。
 本当の事を正直に全部話すから・・・聞いてくれる?」


「ああ」

「三ヶ月前からお付き合いしてる人がいるの。
 大学の先輩で優しくていい人なの・・・ その人と今夜デートする約束してて・・・」

「だったらくだらない嘘つかないで
 最初っから正直にそう言えばよかったんじゃないのか?」


ごもっともです・・・

パパの言う通りなんだけどね・・・

正直に言い出せない複雑で微妙な乙女心なの・・・

「ごめんなさい・・・何度もパパにも話そうと思ったんだけどね・ ・・
 なんとなく言い出せなくて・・・」


「パパはそんなに話しにくいか?」


「そういうんじゃなくて・・・ただなんとなく・・・」

「ダメだって言われると思ったのか?」


「う、うん・・・心配掛けたくなかったし・・・
 賛成してくれないとも思った・・・」


「ハァ~」


私の言葉を聞いたパパは大きく息を吐き出すと


「 園子の気持ちは分かったけど俺はそんなに理解の無い父親じゃない ぞ!」


「ごめんなさい・・・」


あ~あ・・・これでクリスマスデートもパァ・・・

クリスマスデートをドタキャンなんて泣けてきちゃう

自然と零れ落ちそうになる涙を見られたくなくて

ずっと俯いたままの私


「ハァ~もういい!
 待ち合わせは何時に何処だ?」


エッ?!


「・・・・・・」

パパの言ってる言葉の意味がよく分からなくて顔を上げた

「何処に何時なんだ?」


パパの顔はまだ険しいままだったけど

声からは少し怒気が消えている


「・・・えっと・・・7時に○△×駅のツリーの前だけど・・・」


そう告げるとパパは自分の腕時計を確認して


「もう時間が無いな。
 園子、急いで行くぞ!」

「エッ?!行っていいの?」


「ああ、俺が送っててやる!」


パパが送ってくれるの・・・?

予想外の展開に戸惑ってしまう


「ほら!早くしろ!」


「あっ!?パパ!待って!
 本当にいいの?」


「当たり前だ!
 俺は娘をクリスマスに家に監禁しとくような器の小さい男じゃない !」


「ありがとう!」


「ほら!早くしろ!遅れるぞ!」

「う、うん!」

パパの運転する車の助手席に座り

運転しているパパの横顔をチラチラと盗み見ている私

ママ達の乗った総二郎おじさんの車も後ろから着いてきている

パパの運転で彼とのクリスマスデートの待ち合わせ場所に向かって いる娘って

世界中にどれくらい居るんだろう?

きっと私ぐらいよね・・・?

運転しているパパはずっと前を見たままで私の方は見てくれない

見て欲しいわけじゃないんだけど

車内の沈黙が息苦しい


こんな時、ママが一緒だったらなんとかしてくれるんだろうけど

ママは後ろだし

どうしてママはこっちに乗ってきてくれなかったんだろう?


普段のママなら一番にパパの隣に乗ってくるはずなのに・・・


疑問を感じつつ車内の沈黙に堪えていた私


この時の私はママがどうしてこっちの車に乗って来なかったのかま だ分かっていなかった


私がクリスマスデートと同時進行で

パパとママに大変な事態が持ち上がっていた事を知るのはもう少し 後の話し















応援ありがとうございます。♪
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kirakira
Posted bykirakira

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