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修羅場ってる? 7

こんにちは。

本日は『修羅場ってる?』です🎶

う~ん…司君…(*_*)



それではどうぞ~✴





私信です
☆様
こんにちは。
コメントありがとうございます。😆
総ちゃん…この先、きっと何があってもつくしちゃんの味方してくれると思います♥
『Family』司パパは『修羅場』とは正反対で超~いいパパさんです🎶











パーティー後、屋敷に戻った俺に届けられたのは牧野に関する調査書類


俺が渡米した直後から始まる報告書には
17歳から26歳までの彼女がいた

高等部を卒業後、LAの姉ちゃんの元から大学に通い
その後はNYのババァの元で秘書として勤務していた
大学の成績はオールA+
道明寺での人事評価でも同じ

常にババァの後ろに影のように寄り添い
いつの間にかババァの懐刀だとまで噂された彼女

25歳で俺と結婚後は秘書を辞め
NYのペントハウスで独り暮らし

俺が置き去りにしてしまった彼女の歩いてきた道が
文字として鮮やかに目の前に写し出されている

この時、俺は何をしていた?

彼女がNYで一人

俺に寄り添おうと努力を続けていた時…

俺は…

何をしていた…

名前さえ興味がなく

日常から彼女の存在を排除し

俺は…

何をしていた…


彼女は独り…


ん…?


報告書のページを捲った拍子にファイルからこぼれ落ちた数枚の写真


その写真を拾い上げようとした手が止まる

写真の中に居たのは…


牧野と…

見覚えのある男

隠し撮りされたような写真の中で

牧野は

男に笑顔を向けている

テイクアウトのコーヒーを買う二人

スーパーらしき場所で仲良くカートを押しながら買い物をする二人


どこかのビーチだろう…

水着姿の牧野を背後から抱きしめ首筋にキスをする男


無意識の内に写真を握り潰していた


「この男は誰だ!?」


分かっている…


例えどんな現実を目の当たりにしても
俺には声を荒げる資格はない事を…


分かっている…


だけど


内から込み上げてくる言葉には出来ない激情を
上手く押さえ込む事が出来ない

報告書には当時、牧野と付き合っていたと書かれているだけで
パーソナルな情報は一切記されていない

だが俺はこの男に見覚えがある

「司様…」

「誰だ!?教えろ!西田!」

「当時、つくし様がお付き合いされていた方でございます」

「そんな事、聞いてんじゃねぇ!」


「司様、その写真はあの当時、離婚を模索されていた司様のご命令で撮られた物でございますが
楓社長のご判断で司様には伏せていた物です」


そうだった…


あの当時の俺は牧野をババァが押し付けてきた監視役ぐらいにしか考えていなかった

一秒でも早く離婚をする為に弱点を探れと西田に指示を出していた

「ババァも知ってたのか?!」

「はい、ご存知でございます。
司様、楓様は心より司様が牧野様とお幸せになられる事を願っておられました。
お相手の男性については私の口からはお伝えする事は出来ませんが
つくし様は司様と離婚後、この男性とはお別れになられております」

「理由は?理由はなんだ?!」


「存じ上げません。それはつくし様から直接お聞き下さい」


あいつは簡単に誰かに身体を委ねるような女じゃない

そのあいつが…

受け入れたって事は…


本気だって証だ


本気でこの男を…

愛していたって事だ

そこには俺は存在していない…

もう俺は彼女に愛されていない

解りきっていた現実に溺れているような息苦しさを感じる


だけど何故だ?


どうして別れた?


俺との事が原因か?

なら今はどうなんだ?

お前は今、誰を愛しているんだ?

総二郎との事は本気なのか?

お前は総二郎と一緒にいて幸せなのか?

総二郎はお前を幸せにしてくれているのか?

「出て行け!」

「司様」

「出て行ってくれ!
頼む、一人にしてくれ!」

報告書から顔を上げないままの俺に
西田は何も言わず一礼だけして部屋から出て行った

一人になった部屋は恐ろしい程に静かで
この世界で俺は一人なのだと思い知らされているようで
テーブルの上に置かれたままだったグラスを壁へと投げつけた


壁に叩き付けられたグラスは粉々に砕け散り足元に散らばる


ライトに反射してキラキラ光る欠片がまるで牧野の心のように思えて自分で自分を殴り殺したい衝動に駆られ

目につく物を片っ端から投げつけていた


どれぐらいの時間が過ぎたのだろうか?

部屋にある物を片っ端から投げつけて
投げる物が無くなっても尚、衝動は収まらず

床に転がっていたサイドボードを窓ガラス目掛けて投げつけた


大きな音を立てガラスが割れ庭へと転がるサイドボード

肩で息をしながら割れ落ちた窓ガラスの破片を拾い上げた

鋭角に割れ落ちた窓ガラス

それを手に取るとゆっくりと自らの首筋へと押し当てる

目を閉じたままゆっくりと…


「坊っちゃん!!」

突然、背後から響いたタマが俺を呼ぶ鋭い声


「坊っちゃん!何してんだい!」


ゆっくりと振り向く俺に慌てて駆け寄るタマ


「坊っちゃん!あぁ…なんてバカな事を!」


今にも泣きそうな顔をしたタマが首筋に当てられたままの俺の腕を掴むと
ゆっくりと手を開かせる

ガラスの破片を握りしめていた掌は傷つき血が出ている


痛みは感じない

まるで全ての感覚が麻痺してしまったかのように
何も感じない

「坊っちゃん!」

タマの声にビクッと体は反応したが
それだけで…


もう…


何も感じられない…


タマによって医者が呼ばれ
怪我した手の手当てをされている時だって
何も感じられずただ他人事のように包帯が巻かれていくのを眺めていただけ

立ち上がる事さえ億劫で

物が散乱する床に座り込む俺


手当てを終えた医者が部屋から出て行った後もそのまま動かない俺の横にタマが腰を降ろしてきた

「坊っちゃん?
何がそんなに悲しいんですか?」


「タマには坊っちゃんが悲しんでいる理由がさっぱりなんだけどねぇ」

「きっと、つくしは坊っちゃんの数百倍も悲しかっただろうに…
つくしはちゃんと前を向いて歩いていますよ」

「死にたいならタマを先に殺してからにしてくれないかい?
坊っちゃんの育て方を間違えたのはこのタマの責任だからね」


タマの言葉と声が俺を素通りしてゆく

何も感じない


生きたいのか?

死にたいのか?

逃げたいのか?

何から?

終わらせたいのか?

何を?

何を終わらせる?

もうとっくに終わっているじゃねぇのか?


いや!

まだだ!

まだ、終わってねぇ!

本当か?


本当に終わってねぇか?


悲しい?

辛い?

悲しいって何だ?

辛いって何をだ?

何も感じない心

裏腹に頭だけがぐるぐると堂々巡りの思考を繰り返すだけで答えなんて見つからない


「坊っちゃん?許されようなんて都合のいい事、考えるんじゃないよ。
だけど坊っちゃんがこの先、生きていく為にあの子が必要なら諦めちゃダメだ」

諦めちゃダメだ…

俺は諦めたのか?

牧野を諦められるのか?

いや…

諦めてなんていねぇ

諦められるはずなんてねぇんだ

記憶を取り戻した俺は目の前に横たわる現実に絶望していただけ

ただただ絶望していただけ

許されるなんて考えてちゃいねぇ!

許されなくたって構わねぇ!

ただ諦めるなんて死んだって無理な話だ

なら向かう道は一つしかねぇはずだ!









応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 3

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2018/10/10 (Wed) 18:43 | EDIT | REPLY |   

kirakira  

ゆ○○○う様

こんばんは😃🌃
コメントありがとうございます。😆

記憶が戻った司君はやっとエンジンが掛かってきたようなので
これからぶっちぎってくれると思います❗\(^-^)/

2018/10/11 (Thu) 18:02 | EDIT | REPLY |   

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2018/10/12 (Fri) 22:17 | EDIT | REPLY |   

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