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こんばんは。

このブログは更新情報を…なんて言っておきながら❗
早速、お話しを一つをば…と思っております。

実はこのブログを開設したのに自分の不手際で
以前よりHPの方でいつかUpしようと思っていたお話しを
3本!無くしてしまったからです…(涙)
自分の責任なのですがめちゃめちゃ凹みました⤵

私の妄想の方法はとにかく書く!なので
最初からきっちりとしたプロットがありません。
なので再度書き直す事が出来ません。

そんな事態を回避するためにブログをメモ代わりにしちゃおう!
と軽い気持ちでブログを開設してしまいました。

メモ第一弾はつかつくの短編~光~です♪


興味のある方はどうぞ🎶


~光~





「ん・・・」

腕の中の小さな存在が軽く声を上げて寝返りを打った事で
目が醒めた
まだぼんやりとする意識の中で隣に眠る小さな存在を
抱き寄せ腕の中に納める
しばらくそのままでぼんやりとしていると
俺の胸に顔を埋めて眠っていた存在が目を覚ましたようだ
「・・・パパ・・?」

閉じたままだった目を開けると
下から俺を見上げている小さくて可愛い瞳

「ん?起きたのか?」

「う~ん・・」

腕の中で小さく伸びをしながら答えたのは
来月で4歳になる俺の娘・光(ひかる)

4年のNY修行を終えて日本に戻ったのが7年前
そして結婚したのが5年前
俺は日本に戻ってすぐにでも結婚したかったのに・・
あの女はまだ学生だとか卒業したら一度ぐらい社会に出て
働きたいとかご託を並べて俺様を2年も待たせやがった!!
社会人になり周りの信頼を得始めだんだんと仕事を任されるようになり
活き活きと仕事を楽しんでいるつくしに危機感を覚えた俺は
結婚後も仕事を続けていいからと何とか説き伏せ
やっと結婚したのが5年前で
結婚後は道明寺財閥で俺の秘書として仕事を始めた
俺にとっては夢のような毎日で
そりゃ~寝ても醒めてもあいつがすぐ近くにいるわけで
甘甘の新婚生活の末
授かったのが可愛い可愛い一人娘
もう目に入れても痛くないって
マジでそう思ってる
総二郎達はそんな俺を見て親ばかだって言いやがるけど
何とでも言えってんだ!
やっと手に入れたつくしと俺の分身なんだぞ!
顔のパーツは俺に似てるけど
輪郭や雰囲気はあいつに似ていて
大きな黒目がちな瞳と道明寺譲りの茶色がかった髪
髪は俺よりもゆるやかなウェーブがかかっていて
ふわふわしているその髪を毎日、つくしに結ってもらっている
つくしに似て表情豊かで言葉を覚え初めてからは
息つく暇もないくらいによくしゃべっている
このまま真っ直ぐに育って欲しいと思っている

「パパ~?」

「どうした?」

「ママはきょう かえってくる?」

「ああ、夜には帰ってくるって言ってたぞ。」

「ほんと?」

「ああ、本当だよ。
 光はまだ眠いか?」

サイドボードに置かれているデジタルの時計は午前9時を指している
久々にゆっくりとした穏やかな朝
今日は土曜日・・これまた俺にとっては久しぶりの休日

普段なら俺の腕の中で目を醒ますのは愛おしい妻のはずだけど
夕べは妻ではなく一人娘の光が俺の一緒に眠っている
ほんのついこの間まで俺とあいつの間で眠っていた光だったが
3歳になったのを機に一人で眠るようになっていた
最近ではなんにでも興味を示し好奇心旺盛で
なんでも自分でやりたがり口癖は"イーヤッ!"だ・・・


初めてつくしのいない二人だけの朝
いつもはママべったりの光だからつくしが居ない事を
不安がるだろうと思っていたのに
仕事から戻った俺をタマとエントランスまで出迎え
ママと電話でパパとタマちゃんの言う事聞いていい子にしてるってお約束したの~とご機嫌だった

そんな光と二人で晩飯を食べ一緒にお風呂で遊び絵本を読み

いつもより少し夜更かしをして同じベッドで眠りについた


久しぶりに・・いや・・こんなにものんびりと時間を過ごしたのは光が生まれてから初めての事だ

つくしは昨日から実家に帰っている

ちょうど一週間前、つくしのお袋さんが自宅アパートの階段を踏み外し

大腿骨を骨折する重傷を負い入院してしまった

昨日は光を幼稚舎に送り届けその足で病院へ寄り洗濯物を受け取り
実家に帰っていたつくしから電話があったのは午後3時過ぎ

「もしもし?パパ?」

「おぅ!どうしたんだ?」

「今、実家に居るんだけどね、今夜遅くなりそうなの。」

「どうしたんだ?お袋さんになんかあったのか?」

「ううん、ママは病院だから大丈夫なんだけどね。
 実家がパパと進の男だけでしょ・・来てみると冷蔵庫は空っぽだし
 掃除だってしてないし洗濯物は溜まってるし・・
 これ全部片付けたいから少し遅くなると思うの。」

「分かった。俺は今日早く帰れそうだから光は俺が見てるよ。
 なんなら今夜はそっちでのんびりしてきていいぞ。」

「こっちに居たってのんびり出来ないわよ。」

「まぁ、俺は光と二人で仲良くやっとくからお前は久々に親父さん孝行して来いよ。」

「う~ん・・それは嬉しいんだけど・・光と二人で本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ!二人で仲良くやるから心配しねぇーで
 今夜は親父さんの世話して来いよ。」

「分かった。それじゃあそうさせてもらうね。
 光には電話しておくからなるべく早く帰ってあげてね。」

「ああ、分かったよ。」

そう言って電話終えていた


「ねぇ、パパ?」
「ん?」

「ママはいつ かえってくる?」

「夕方には帰ってくると思うぞ。
 今日はパパがお休みだから二人で遊ぼうな。」

「うん!ひーちゃんパパとあそぶぅ~♪」

光と一緒に朝食を食べ終え
リビングで今日一日、何して遊ぶのか相談していると光が
今日はママとお弁当を作って公園に遊びに行く約束をしていたと言い出した

「じゃあパパと公園に行くか?」

「うん、パパといく~♪」

そう言った光は"あっ!"と何かを思い出したようにソファーから勢いよく飛び降りると

つくし専用のキッチンへ走って行ってしまった

光の後を慌てて追いかけキッチンへ入って行くと
光は椅子に登りカウンターの上に置かれている

炊飯器の中を覗き込んでいる

「光?どうした?」

「パパ・・ごはんがないの・・」

そう言った光の瞳には薄っすらと涙が浮かんでいる

「ご飯は今、食べたばっかりだろ?」

「ちがうよ・・おべんとうのおにぎりが つくれないの・・」

「弁当作るのか?」

「ママとおやくそくしたの・・こうえんに いくから
 ママといっしょに おべんとう つくるって・・
 おやくそくしたのに・・」

光の瞳からはポロポロと涙が零れ落ちた

慌てて泣いている光を抱き上げて

「シェフに弁当作ってもらおうな!
 だからもう泣くな!」

「ヤーダッ!ママとひーちゃんがつくるの!」

光お得意のヤーダ!が出た・・
これが出ると梃でも動かない頑固娘だ・・

きっと光はつくしと弁当を作るまで納得しねぇだろうから
ここはタマを呼ぶ

タマはキッチンへ入ってくると泣いている光から訳を聞くと
ご飯を持ってこさせた

こうして光と俺とタマの三人での弁当作りが始まった

俺が弁当なんて作れるわけねぇーから
光がタマに手伝ってもらいながらつくしお得意の甘いタマゴ焼きと
いそぎんちゃくを作りソーセージをタコの形に切り
プチトマトを冷蔵庫から出し小さな手でおにぎりを握っている

俺は光の後ろで子供用だという包丁を使っている光が怪我をしないかハラハラしていただけ


光はタマと1時間ほどで3人分のお弁当を作ってしまった

「光?ママの分も作ったのか?」

「うん、ママにもひーちゃんが作ったお弁当あげるの~!」

「そうか、じゃあ公園に行く前にママのばあちゃんとこ寄って行くか?」

「うん!ママのばあばの ところ いく~!」

いざ出かける段階になって光は車ではなく

いつもつくしが使っている自転車で行きたいと言い出した

つくしと光はいつもハンドルの所に子供用の椅子が付けられている自転車に乗って

近所の公園やスーパーに出かけている

その自転車に俺が乗んのか?

「光?マジでこれで行くのか?」

「うん!いつも自転車でママとお出かけするの~」

「今日はママが居ないから車にしないか?
 ママのばあちゃんの所、遠いぞ。」

「ヤーダ!ひーちゃんはこれがいいの!」

ハァ~マジかよ・・

屋敷からお袋さんの病院まで自転車だと軽~く1時間ほど掛かるぞ!

「パパ~はやく~!」

光には自転車以外の選択肢は無いようで

いつも持っているお気に入りのリュックを背負い自ら自転車に乗り込もうと

椅子の背凭れ部分に手を掛けている


しょーがねぇーな・・

覚悟を決め光を抱き上げハンドルの間に付けられている子供用の椅子に

座らせるとしっかりとベルトを締めヘルメットも被せると
俺は自転車のペダルを踏み込んだ


自転車なんて何時以来だ?

いや・・乗れるけど屋敷の庭を走り回っていただけで

それも小等部の頃のはずだから・・

公道を自転車で走るなんて生まれて初めての経験だ・・

漕ぎ出した初めてづくしの自転車が街を駆け抜ける

光はずっと幼稚舎の事だとかいつもママと行くスーパーの事だとか

思いつくままに話しをしてくれる

春の爽やかな風を背に自転車は順調に病院へと向かって進んで行く

屋敷から5分ほど走ったところで光が"パパ~そこまがってぇ~"と
急に進路を変えた

光の言葉通り角を曲がると見えてきたのは大通りから一本入った所にある地元のスーパー

店の前まで沢山の商品が並べられ絶えず人が出入りしている

「パパ~ ここに とめてぇ~」

「スーパーに行くのか?」

「うん!いつもママとここで おかいものしてるの~!」

大きくない普通のスーパーで置いてある商品も決して高級品じゃない店の

小さな駐輪スペースへ自転車を止め光を降ろしてやると

慣れた様子で店内に入って行った光

その背中を追いかけ店内へ入って行くと
光はすれ違う人全てに"こんにちは"と挨拶している

中には顔見知りの人もいるようで嬉しそうに会話している

そんな光が迷わず辿りついたのがお菓子売り場

すっかり俺の事なんて眼中になくお菓子に夢中で

両手に一つづつお菓子を持ちどちらにしようか迷っている

「光?両方買えばいいだろ?」

「ダメだよパパ!いつもママが おかしは 一つにしなさいっていってるもん!」

光は右手にビスケット左手にはチョコレートの箱を持っている

両方合わせても数百円の物だけど光は真剣に悩んでいる

俺がガキの時は親とスーパーなんてもちろん行った事ねぇーし

欲しいと思わなくても既に目の前にあったからどちらか一つで
悩んだ事も無かったけどつくしは光に俺がガキの時には体験できなかった

いろんな事を教えている
だから俺はこんな時、つくしの考えには逆らわない事にしている

昔の俺ならスーパーごと買い取ってたかもしんねぇーけど

今の俺は買うお菓子の数ではなく

光がつくしの言いつけをきちんと守ろうとしている事の方が大切だと思える

「光、決まらないなら大きい方にすればいいんじゃないか?」

「おっきいほう?」

「そうだ、大きい方はどっちだ?」

大きい、小さい
多い、少ない
高い、低い

当たり前の事を判断できる能力を少しづつ養っている光は
手にしている二つの箱を見比べてビスケットの箱の方を俺に差し出した

「こっち~!」

「正解!」

「パパ~これもって!」

チョコレートの箱を棚に戻すと俺にビスケットの箱を預け

光は背中に背負っていたリュックを下ろし中から小さな財布を取り出した
床にリュックを置き小さな財布の中から50円玉を一枚取り出すと

「パパ?これでたりる?」

「それじゃ少し足りないんじゃないか?」

そう答えてやると再び小さな指で硬貨を取り出した

「これは?」

光が取り出したのは100円玉

光にはまだお金の種類をきちんと理解していない

つくしは光にお金の種類や買い物の仕方を教えるために
小さな財布を持たせ硬貨を数枚入れて持たせてやっている

ビスケットの値段は148円と書いてある

「それとその穴が開いてるので足りるぞ。」

「これと・・これ?」

「そうだ。」

「ありがとうパパ!」

弾けるような笑顔を向けられて親バカかもしんねぇーけど光が世界で一番・・
いや・・宇宙で一番可愛いと思ってしまう俺・・

レジでお金を払い2円のおつりを受け取った光は2枚渡して2枚貰ったと喜んでいる

まだまだお金の種類や違いを区別するのは難しいみたいだけれど
少しづつゆっくりと大人になって欲しいと思っている

出来ればずーっと俺だけの光でいて欲しいと願ってしまう・・・


再び自転車で街へと漕ぎ出す

もう寄り道する事なく屋敷を出てきっかり1時間

軽く汗ばみながら病院に到着

土曜日で普段より人気の少ない病院

聞いていた病室は4階だという事だけだったので
エレベーターで4階へと上がりナースステーションで部屋番号を聞いた

お袋さんの病室は406号室だと教えてもらい

駆け出しそうになる光の手を掴みゆっくり進む

406号室をプレートのはめ込まれた病室の前まで来ると
扉は開いていて先にちょこんと顔だけを差し入れた光が

"あっ!ばぁば!"と声を上げ俺の手を振りほどきベッドへと駆け寄った

お袋さんは6人部屋の真ん中のベッドで隣のベッドの人と会話をしていたが
光の声に気付きこちらへ向いた

「ばぁば!」

「あらまぁ?!ひーちゃん!」

光を見つけて驚いた声を上げたお袋さんは後ろに俺の姿を見つけ
慌てて居住まいを正そうとしている

「あら!これはこれは道明寺様まで!」

未だ俺の事を道明寺様と呼ぶお袋さんに苦笑してしまう

「ご無沙汰しております、お義母さん。
 お加減はいかがですか?」
「はい、お陰様で大分良くなりました。ありがとうございます。
 それに夕べはパパと進までつくしに世話になってしまって本当にありがとうございました。」

「いえ、つくしも久しぶりにお義父や進君と過ごせて良かったと思っています。
 ところでつくしは?」

「つくしは今、下の売店まで買い物に行ってくれてます。
 もう戻ると思うんですけど。」

「そうですか、では待たせていただきます。」

勧められた小さな椅子に腰を下ろすと光はお袋さんの足を固定しているギブスが気になるようで

「ばぁば?これなぁに?
 ばぁばの あし いたい?」

などしきりに話している

お袋さんと光は光が産まれてすぐの頃にはよく会っていたが
光が幼稚舎に通うようになってからは会う機会が極端に減っていた

久しぶりに会えて光も嬉しいのだろう

5分ほどしてつくしが売店から買い物を終えて戻って来た

「あれ?パパ?」

「よお!」

「来てくれたの?ありがとう。」

「おう!ちょうど休みだったしな。」

「そっか、夕べはありがとうね。
 光はいい子にしてた?」

「ああ、ママと約束したからってすっげぇいい子だったぞ!
 なっ光?」


「うん!ひーちゃん パパとおふろに はいって いっしょに ねて・・
 それから・・え~っと・・タマちゃんとパパといっしょに おべんとうもつくったの~♪」

「お弁当を作ったの?」

「うん!ママとおやくそく してたでしょ?
 だから ママのもあるよ~!」
「そっか・・そうだったねお約束してたね・・
 ありがとう、ママのも作ってくれて。」

「どういたしましてぇ~♪」



あまり長居すると他の患者さんの迷惑にもなるので
30分程でつくしと共に病院を後にした

病院を出て前に止めておいた自転車を見て驚いているつくし・・

「二人でこれで来たの?」

「ああ、光がこれで行くって聞かなかったからな・・
 1時間掛かったぞ!」

「パパって自転車に乗れたんだね?」

「自転車ぐらい乗れるよ!」

「知らなかった・・じゃあ私は後ろに乗せてね!」

前には光を乗せ後ろにはつくしを乗せ
三人乗りの自転車が少しふらつきながら街へと走り出す

「お前、重いな。」

「失礼ね!」

笑いながら俺の背中を軽く叩いたつくし

一つの自転車で一列で会話しながら進んで行く

「ねぇパパ?今度、パパ用の自転車買いに行かない?」

「いく~♪」

俺の代わりに答えた光

春の風が木々を揺らし

どこからとも無く風に舞い散る花びらが俺達を包み込む

どれだけ季節が変わろうとも

変わらないものがある

この先、きっといろんな困難が待ち受けている
だけど一瞬一瞬を大切に家族で一緒に乗り越えて行こうと思う

きっと俺達になら出来るはずだから・・・


~Fin~









応援ありがとうございます。♪
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kirakira
Posted bykirakira

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2018/04/06 (Fri) 08:38 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

悠○様

こんにちは。
キュンとしました?♥
ありがとうございます。♪
そう言っていただけるとすっごく嬉しいです🎵😍🎵
長いお話しはどうしても暗い展開になりがちなので
短いお話しはなるべくホッコリ幸せな二人を目指しています❗

悠○様もサイトを運営されているんですね😆
読むのも大好きなので是非、悠○様のお話しを読んでみたいと思っています。
よろしければ悠○様のサイトを教えていただけませんか?

よろしくお願いします。♪

2018/04/06 (Fri) 12:07 | EDIT | REPLY |   

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