Day Light 8
こんにちは。
本日のDayLightです。🎶
本日はジャックの告白? & ちょっとだけ謎が…✨
俺の母親・・・?!
ジャックの口から出た言葉に今度は俺の体から力が抜け落ちるような感覚を覚え
掴んでいたジャックの腕から手を離し近くにあったソファーに座りこんだ
俺が腕を離した事で再び床にへたりこむような体制になったジャックは
俯いたまま涙を拭う事もせず拳をきつく握り締めた
「・・・俺が生まれたのはブルックリンで物心ついた時から周囲の環境は最悪だった
・・・母親はストリッパーをしてて生活はいつも苦しくて俺と弟はいつも腹をすかせてた・・・
周囲には暴力が溢れてたけど母親はいい人間だったんだ
俺と弟の事は可愛がってくれてただから貧しくてもそれなりに幸せだった・・・
だけどその母親が死んで俺達の人生は一変した・・・
人によってはいい里親に巡り会えてあの貧乏暮らしからも抜け出せて
ラッキーだったって感じる人もいるだろうけど
俺はそうは思っていない・・・里親には感謝しているけど
たった一人の弟も刑務所暮らしで
どこまで行っても一人ぼっちだって事には変わりがないんだから・・・」
「テメェのその生い立ちと今回の牧野の事にどんな関係があるってんだよ?!」
「司!」
あきらが俺を制し視線だけでジャックに続きを促した
「里親は本当にいい人だった・・・
俺が間違った道に進まないように心を尽くしてくれたし
大学に進学が決まった時には自分の事のように喜んでくれた・・・
けど大学に入ってすぐにその里親も亡くなって・・・
弟は十代の頃から少年刑務所を出たり入ったりを繰り返していて
俺は本当に一人ぼっちになってしまったんだ・・・
そんな時だったんだゼウスが現れたのは・・・」
ジャックの口から出るゼウスという名前
「さっきから言ってるゼウスって何だ?」
「ゼウスは本名じゃないと思う・・・
一番最初に本人がそう名乗ったからずっとそう呼んでいるだけだ・・・」
「そのゼウスって奴はお前に何を言ったんだ?」
「もうすぐ日本人の留学生が来るからそいつに近付いて行動を報告しろって・・・」
「その日本人留学生ってのが牧野だったのか?」
「そうだ・・・」
「その見返りが奨学金の乗り換えだったわけ?」
「あぁ・・・つくしの行動を監視して報告したら
全額返済が必要の無い奨学金に変えてやるって言われて・・・」
「それに乗ったってわけだ」
「あぁ・・・奨学金の話しは魅力的だったし会うたびに小遣いくれて・・・
ラッキーだって思ってた・・・」
「そのゼウスって奴とは毎回顔を合わせてたのか?」
「あぁ・・・毎月、たいてい月末の金曜か土曜に
シカゴ市内にあるホテルのバーで会ってた・・・」
「ゼウスって奴はいつも一人か?」
「あぁ・・・他に誰か連れて来た事はなかったし
いつも会うのはせいぜい10分程で俺からの報告を聞いたら
ゼウスは何も言わずに金だけ置いてバーから出て行ってた・・・」
「報告って具体的になんか指示はあったのか?」
「特には・・・ただつくしが誰と付き合ってるだとか
どこに行っただとか・・・ごく日常的な事ばかりで・・・」
「テメェは怪しいとは思わなかったのかよ?!
なんの為に牧野の事を調べてるのか疑問に思わなかったのかよ?!
お前は牧野を愛してたんだろーが?!あの言葉は嘘か?!」
「嘘なんがじゃない!俺は本気でつくしを愛している!
愛しているから・・・だから止めたいって思ったんだ!
彼女を騙し続けるような事止めたいって言ったけど・・・
もう引き返せないところまで来てしまってたんだ・・・」
「最初は簡単に金が手に入る楽な仕事だって思ってた
けどつくしと一緒に居るうちに彼女を愛しているって事に気付いて・・・
つくしも俺を受け入れてくれた・・・
将来を一緒に過ごしたいと思って卒業後は出身地のNYに戻ってデザイン会社を
立ち上げたいって夢を話したらつくしもOKしてくれて・・・」
「くれて?あんたはどうしたわけ?」
「ゼウスにもう終わりにしたいって話した・・・」
「それをゼウスはOKしなかったんでしょ?」
ジャックの口から語られる言葉が見えない刃となって俺に深く深く突き刺さり
体からは力が抜け落ちたままの俺に代わり類がジャックの言葉を繋いでくれている
「あぁ・・・止めるなら今までの事を全部つくしに話すって・・・
そのかわりつくしと結婚して今まで通り報告するなら
会社を立ち上げる資金を出してやるって・・・」
「それでお前はOKしたのか?!」
「抵抗したさ!
金なんて要らないしつくしには自分から真実を話すって・・・
だけど・・・」
「だけど?」
「そしたらゼウスは俺の仲間は刑務所にも居るんだぞって・・・
弟がどうなってもいいのかって・・・
お前が断ったら電話一本でお前の弟は二度と刑務所から出てこられないって・・・
けどこのまま続けるなら弟を模範囚として警備の緩い医療刑務所に移して
薬物中毒の治療を受けさせてやるって・・・」
「そんなのハッタリだとは思わなかったのかよ?!」
「ゼウスが嘘を言ってるようには思えなかったし
一か八かで弟の命を危険に晒すわけにはいかなかったんだ・・・」
「ゼウスって奴の言った事が本当かどうかは本人を捕まえて聞き出せば済む事だけど
最近はどうだったの?まだ牧野の事を報告し続けてたわけ?」
「してた・・・つくしと結婚してた期間は以前と同じ月一回のペースだったけど
離婚したって話してからは月に二回に増えて
あんた達と再会したって話してからは毎週のように連絡が来てた・・・」
「テメェは俺達の事も全部話してたのかよ?!」
「つくしは俺が心配してるの知ってたから・・・
あんた達と会ったら正直に話してくれてた・・・」
「ざけんな!結局テメェは牧野のバカ正直な性格利用して金を手に入れたかっただけだろ!?
牧野を愛しているなんて大嘘ついてんじゃねぇよ!」
「愛している気持ちに嘘は無い!
あんた達こそいきなり現れて俺達の生活を引っ掻き回してどういうつもりだったんだよ!?」
「俺達のせいだって言いてぇのかよ!」
ざけんな!
むしょうに腹が立った
何に対してなのか分からないけれど
とにかく腹が立った
その怒りと同様に言い表す事の出来ない恐怖に似た感情も沸き上がってきていた
ジャックの告白の中に見え隠れしているババァの存在
さっきの俺が牧野と再会したからと言う類の言葉・・・
そして自分の中にも確かに存在していた実の母親に対する不信感
それらが全て混ざり合って俺の中に恐怖にも似た感情を生み出している

応援ありがとうございます。♪
本日のDayLightです。🎶
本日はジャックの告白? & ちょっとだけ謎が…✨
俺の母親・・・?!
ジャックの口から出た言葉に今度は俺の体から力が抜け落ちるような感覚を覚え
掴んでいたジャックの腕から手を離し近くにあったソファーに座りこんだ
俺が腕を離した事で再び床にへたりこむような体制になったジャックは
俯いたまま涙を拭う事もせず拳をきつく握り締めた
「・・・俺が生まれたのはブルックリンで物心ついた時から周囲の環境は最悪だった
・・・母親はストリッパーをしてて生活はいつも苦しくて俺と弟はいつも腹をすかせてた・・・
周囲には暴力が溢れてたけど母親はいい人間だったんだ
俺と弟の事は可愛がってくれてただから貧しくてもそれなりに幸せだった・・・
だけどその母親が死んで俺達の人生は一変した・・・
人によってはいい里親に巡り会えてあの貧乏暮らしからも抜け出せて
ラッキーだったって感じる人もいるだろうけど
俺はそうは思っていない・・・里親には感謝しているけど
たった一人の弟も刑務所暮らしで
どこまで行っても一人ぼっちだって事には変わりがないんだから・・・」
「テメェのその生い立ちと今回の牧野の事にどんな関係があるってんだよ?!」
「司!」
あきらが俺を制し視線だけでジャックに続きを促した
「里親は本当にいい人だった・・・
俺が間違った道に進まないように心を尽くしてくれたし
大学に進学が決まった時には自分の事のように喜んでくれた・・・
けど大学に入ってすぐにその里親も亡くなって・・・
弟は十代の頃から少年刑務所を出たり入ったりを繰り返していて
俺は本当に一人ぼっちになってしまったんだ・・・
そんな時だったんだゼウスが現れたのは・・・」
ジャックの口から出るゼウスという名前
「さっきから言ってるゼウスって何だ?」
「ゼウスは本名じゃないと思う・・・
一番最初に本人がそう名乗ったからずっとそう呼んでいるだけだ・・・」
「そのゼウスって奴はお前に何を言ったんだ?」
「もうすぐ日本人の留学生が来るからそいつに近付いて行動を報告しろって・・・」
「その日本人留学生ってのが牧野だったのか?」
「そうだ・・・」
「その見返りが奨学金の乗り換えだったわけ?」
「あぁ・・・つくしの行動を監視して報告したら
全額返済が必要の無い奨学金に変えてやるって言われて・・・」
「それに乗ったってわけだ」
「あぁ・・・奨学金の話しは魅力的だったし会うたびに小遣いくれて・・・
ラッキーだって思ってた・・・」
「そのゼウスって奴とは毎回顔を合わせてたのか?」
「あぁ・・・毎月、たいてい月末の金曜か土曜に
シカゴ市内にあるホテルのバーで会ってた・・・」
「ゼウスって奴はいつも一人か?」
「あぁ・・・他に誰か連れて来た事はなかったし
いつも会うのはせいぜい10分程で俺からの報告を聞いたら
ゼウスは何も言わずに金だけ置いてバーから出て行ってた・・・」
「報告って具体的になんか指示はあったのか?」
「特には・・・ただつくしが誰と付き合ってるだとか
どこに行っただとか・・・ごく日常的な事ばかりで・・・」
「テメェは怪しいとは思わなかったのかよ?!
なんの為に牧野の事を調べてるのか疑問に思わなかったのかよ?!
お前は牧野を愛してたんだろーが?!あの言葉は嘘か?!」
「嘘なんがじゃない!俺は本気でつくしを愛している!
愛しているから・・・だから止めたいって思ったんだ!
彼女を騙し続けるような事止めたいって言ったけど・・・
もう引き返せないところまで来てしまってたんだ・・・」
「最初は簡単に金が手に入る楽な仕事だって思ってた
けどつくしと一緒に居るうちに彼女を愛しているって事に気付いて・・・
つくしも俺を受け入れてくれた・・・
将来を一緒に過ごしたいと思って卒業後は出身地のNYに戻ってデザイン会社を
立ち上げたいって夢を話したらつくしもOKしてくれて・・・」
「くれて?あんたはどうしたわけ?」
「ゼウスにもう終わりにしたいって話した・・・」
「それをゼウスはOKしなかったんでしょ?」
ジャックの口から語られる言葉が見えない刃となって俺に深く深く突き刺さり
体からは力が抜け落ちたままの俺に代わり類がジャックの言葉を繋いでくれている
「あぁ・・・止めるなら今までの事を全部つくしに話すって・・・
そのかわりつくしと結婚して今まで通り報告するなら
会社を立ち上げる資金を出してやるって・・・」
「それでお前はOKしたのか?!」
「抵抗したさ!
金なんて要らないしつくしには自分から真実を話すって・・・
だけど・・・」
「だけど?」
「そしたらゼウスは俺の仲間は刑務所にも居るんだぞって・・・
弟がどうなってもいいのかって・・・
お前が断ったら電話一本でお前の弟は二度と刑務所から出てこられないって・・・
けどこのまま続けるなら弟を模範囚として警備の緩い医療刑務所に移して
薬物中毒の治療を受けさせてやるって・・・」
「そんなのハッタリだとは思わなかったのかよ?!」
「ゼウスが嘘を言ってるようには思えなかったし
一か八かで弟の命を危険に晒すわけにはいかなかったんだ・・・」
「ゼウスって奴の言った事が本当かどうかは本人を捕まえて聞き出せば済む事だけど
最近はどうだったの?まだ牧野の事を報告し続けてたわけ?」
「してた・・・つくしと結婚してた期間は以前と同じ月一回のペースだったけど
離婚したって話してからは月に二回に増えて
あんた達と再会したって話してからは毎週のように連絡が来てた・・・」
「テメェは俺達の事も全部話してたのかよ?!」
「つくしは俺が心配してるの知ってたから・・・
あんた達と会ったら正直に話してくれてた・・・」
「ざけんな!結局テメェは牧野のバカ正直な性格利用して金を手に入れたかっただけだろ!?
牧野を愛しているなんて大嘘ついてんじゃねぇよ!」
「愛している気持ちに嘘は無い!
あんた達こそいきなり現れて俺達の生活を引っ掻き回してどういうつもりだったんだよ!?」
「俺達のせいだって言いてぇのかよ!」
ざけんな!
むしょうに腹が立った
何に対してなのか分からないけれど
とにかく腹が立った
その怒りと同様に言い表す事の出来ない恐怖に似た感情も沸き上がってきていた
ジャックの告白の中に見え隠れしているババァの存在
さっきの俺が牧野と再会したからと言う類の言葉・・・
そして自分の中にも確かに存在していた実の母親に対する不信感
それらが全て混ざり合って俺の中に恐怖にも似た感情を生み出している

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