小話を一つ＆お礼

「なんだこれ？」


牧野の部屋の小さなちゃぶ台の上に置かれていたのは市販されている栄養ドリンク


「あっ！それあんたへのバレンタインチョコの代わりに買ったんだけど…」



「これがバレンタインチョコの代わり？」



「うん、あんた甘いの嫌いでしょ？
いろいろ考えたんだけど仕事忙しいから疲れてるだろうなぁって思ってドリンク買ってみたんだけど…
やっぱりこんなの嫌いだった？」



「いや…飲んだ事ねぇーけど
何が入ってんだ？ほんとにこんなんで元気になんのか？」



ちゃぶ台に置かれていた小さな瓶を手に取ってみる


「う～ん…どうなんだろう？
私も飲んだ事無いからよく分からないんだけど奮発して一番高いの買ってきたの」



ＮＹ修業から戻って２年
忙しくてなかなかデートする時間が取れないって事を除けば牧野との関係も順調で
来年の春頃には結婚したいと考えている



滋養強壮、高麗エキス配合などと書かれている小さな瓶

これを飲んで元気になれって意味だな！


日頃、忙しくてなかなか相手してやれない俺に
牧野は不満を口にしたりしないけど
こんなもん買ってきて可愛いじゃねぇかよ！


期待には応えてやらねぇーとな！



「司？ニヤニヤして気持ち悪いんだけど？！
ど、どうしたの？」



「いや、わざわざこんなもん買ってきてお前も可愛いとこあるんだなって思ったんだよ。
期待にはちゃんと応えてやるからな！」



「な、なんの期待よ？」



「寂しかったんだろ？今夜は泊まってってやるからそう焦るな！」



「あ、焦ってないし…ってか！
あんたなんか勘違いしてない？！」



「大丈夫だ！ちゃんと分かってるから
時間なら朝までたっぷりあるから！」


「いや…だから、そ、そんなつもりでコレ買ったんじゃないから！」



「照れるな！照れるな！」



いつまで経っても甘い雰囲気に慣れない牧野は
ドリンクを飲み干しゆっくりと近付く俺に
顔を真っ赤にしながら後退りしている



「て、照れてないし！
ちょ、ちょっと待ってってば！ギャ！服脱ぐな～！！」



「うるせぇーな！色気無い声出すな」


時間はたっぷりある
朝までじっくり時間を掛けて期待に応えてやるから…



～Fin～











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