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螺旋 2

こんばんは🌙😃❗


本日も『螺旋』です。🎶

昨日はさわりだけで謎だらけだったので少し進めます❗💕


それではどうぞ~✴




私信です
☆様
こんばんは🌙😃❗
コメントありがとうございます。😆
ギュ~なんです!でも司君にとっては今がドン底だと思うので
これからは浮上して行くだけだと思います❗
最後はモチロン!💕目指しますっ!\(^-^)/
急に寒くなりましたね…😅
☆様も気をつけてお過ごし下さいね。💕














道明寺が離婚したと知ったのはそれから4年後の事

子供達はすでに5歳になっていて地元の幼稚園に通っていた

道明寺が私の元をたずねてきたのはやっと真夏の暑さが
影を潜め始めた頃だった

朝、子供達を幼稚園へと送り出し私も仕事へと向かう準備をしていた時
いきなり彼から電話が掛かってきて近くの公園へと呼び出された

戸惑う私に彼は子供を連れて自分の元へ来てほしいと告げた

そして私はその申し出を断った…

「私、あの時もう引き返せなかったんです…」

「どうして?」

「あの時、私は結婚が決まってたんです。」

「つくしちゃん、結婚してるの…?」

「今は独身です。
 その人とは3年前に離婚しましたから。」

「そ、そうだったの…」

椿お姉さんは戸惑った表情を浮かべている…

「私、いい母親じゃなかったんです。」

「えっ?」

「伯母を頼ってこっちに来たけど、なるべく人に頼りたくなくて
伯母は屋敷に住めばいいって言ってくれたんですけど、それを断って
LA市内に借りたアパートで親子3人で生活を始めたんです。
仕事は伯母の会社を手伝って、昼はシッターさんに子供を預けて働いていました。
今となっては全て言い訳でしかないんですけど…
慣れない土地で初めての子育てに仕事にと全然余裕が無くておまけに駿は小さい頃体が弱くて
しょっちゅう夜中に熱を出してたんです。
仕事から帰って夜中に急に熱を出した駿と眠ってる莉緒を車に乗せてERに駆け込んでました…
私が結婚した相手の人ってその時のERの小児科のドクターなんです。
彼は子供を抱えて一杯一杯になっていた私を救ってくれた恩人だったんです…
いつもイライラして余裕がなくてそんな母親の精神状態を子供たちは敏感に感じ取っていて…
二人共いつの間にか笑わなくなっていました。
彼があの子達の笑顔を取り戻してくれて私に一人でがんばらなくていいからって言ってくれたんです…」

道明寺を嫌いになったわけじゃない

むしろその逆で愛していた

忘れたくても忘れられなくて

道明寺がLAまで来てくれた時は嬉しかった

だけど…

私を救ってくれた彼を裏切ることも出来なかった

何より彼に懐いていた子供達を混乱させたくなかった…

だから…

振り払ってしまった…

心の中で何度も何度も謝りながら

今でもはっきりと覚えている

あの時の彼の顔と声

苦しそうに搾り出された声に私は背を向けた…





椿お姉さんと話しながら涙が止まらない
そんな私に椿お姉さんはやさしく声を掛けてくれる

「つくしちゃんのせいじゃないわ・・
 つくしちゃんは何も悪くないもの‥
 だからそんな風に自分を責めないで」

「でも・・道明寺があんな風になったのって私のせいなんです…」

「ねぇ、今日起こった事を話してちょうだい。
 いつから司はつくしちゃんを訪ねてくるようになったの?」

「道明寺がLAに来るようになったのは半年程前からです‥」

道明寺とはあの時以来会っていなかったし連絡も無かった

なのに半年程前いきなり彼から電話が掛かってきた…

用件はただ“会いたい…”

電話口で一言だけ告げると黙り込んでしまった彼を拒否出来なくてOKした

駿と莉緒には高校生になった時に
道明寺との事は話してあったけれど
いざ彼が尋ねてくるとなると莉緒はともかくとして
駿がどういう態度を示すかが心配だった‥

駿はいい意味でも悪い意味でも道明寺にそっくりだったから

自信家で気が強く運動神経抜群で短気
身長もクセのある髪もそして顔つきも
全てにおいて感心してしまうくらいそっくりだったから

電話が掛かってきた数日後LAに来た彼を私は自宅へと招待した

本当は彼を自宅へと連れて帰る事をぎりぎりまで迷っていた
だけど待ち合わせ場所の公園に現れた彼を見たとき
会っていなかった間の彼の変わり様に思わず息を呑んだ‥

彫りの深い端正な顔つきは変わっていなかったが
目つきは鋭くどこか鬼気迫るものを感じた

向こうから歩いてきた彼は私の姿を確認すると少し緊張した表情で
近付くと私の前で立ち止まった

真正面から捉えた彼の瞳は深い闇を湛えていて

知らず知らずの内に涙が溢れ出す‥

突然泣き出した私に彼は戸惑っているけど
どうしても涙が止まらない

「なんで泣くんだよ‥?」

「な、泣いてなんかないわよ!
 これは鼻水よ!鼻水!」

自分でも予想外の涙に上手く言葉を返せなくて
必要以上に大きな声が出てしまった

「お前、相変わらずだな‥」

そう言ってやさしく抱きしめられてさらに涙が溢れ出す

しばらくそうやって互いに抱きしめ合っていたが

近くにあったベンチに並んで腰を下ろした


「久しぶりだね?
 元気だった?」

「そうだな・・13年ぶりか?」

「それぐらいだね・・
ごめんね‥あの時は‥」

「分かってる。
お前が悪いんじゃないから‥
全部俺の責任だから気にするな。
今日はありがとな。
まさか会うのOKしてくれると思ってなかったから嬉しかった。」

「そりゃ‥あんな死にそうな声で会いたいなんて言われれば
誰だって断れないわよ。」

少しからかうような口調で言った言葉にてっきり怒り出すだろうと思っていた彼から返ってきたのは意外な反応だった

「そうか・・死にそうか‥」

俯いて少し自嘲気味に笑った彼の横顔に
寂しさが溢れているような気がして胸が締め付けられる思いがして

私はまた

自分でも予想外の言葉を吐いていた

「ねぇ・?今は一人なの?」

「ああ、あれから結婚はしてないし付き合ってる相手もいない。」

「そう、じゃぁウチに来る?」

「いいのか?」

「うん、家庭のある人を引っ張り込んだら問題だけど、
一人なんだったら問題ないでしょ?」

「ああ・・ありがとう。」

「もう!そんな顔しないでよ!
 私がいじめてるみたいでしょ!
 ホラ!行くわよ、さっさと立って!」

わざと明るく振る舞いながら
彼の腕を取り強引に立ち上がらせると近くに止めてあった私の車の助手席に押し込んだ

LA郊外の住宅地に立つ一戸建て
至って標準的な住宅だけど
庭もあって小さいけれどプールも付いているし
何よりLAの中でも比較的治安も良くて
テレビでよく見るようなギャングやドラッグ
強盗や殺人事件なんかはほとんど起こらない地域だから
年頃の子供を育てるのには最適な環境だった

この場所に伯母が生前贈与だと言って買ってくれた家で

離婚したのを機にここに移った

一番の心配だった子供達もこっちが拍子抜けするほどあっさりと
道明寺を受け入れてくれて

それから半年、彼は大抵週末になると私達の元へとやって来ていた

ヨリを戻したわけじゃなかった
彼は土曜か日曜に来てその日の内にNYに帰って行っていた

彼がヨリを戻したがっているのは何となく感じていたが
私はまだそこまでふんぎりがつかないでいた

問題は何も無い

確かに子供達は彼を父親として受け入れてくれている

だけどそれはまだ表面上だけの事のように感じていた

道明寺が訪ねてくる事には駿も莉緒も拒否反応は示していない

莉緒はあまり気にしていないみたいだけれど
駿はまだ道明寺の事を父親として認めていないというか‥

道明寺を父親として受け入れきれていないように感じていたから

どこか距離を取っていて

居てもいいけど俺に近付くな!って感じ


それに彼の立場上、私との事が表立てば子供達の事も知られてしまう

どんな未来が待ち受けているにしても
せめて駿と莉緒が自分の人生を自分の足でしっかりと歩き始めるまでは
何としても守りたかったから

だから敢えてその話題には触れなかった

時折何か言いたそうな彼に気付いていない振りをしていた

その事がいけなかったのかもしれない

曖昧なままで済ませていた彼との関係が一気に崩れてしまった

今日も午後から彼が来る予定になっていて


いつもと変わらない一日のはずだったのに‥








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kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

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2018/12/11 (Tue) 22:17 | EDIT | REPLY |   

kirakira  

ひ○○のあ○こ様

こんばんは🌙😃❗
コメントありがとうございます。😆

螺旋…出だしからハードで司君もドン底状態なので
後は登って行くだけです❗💕

急に寒くなりましたね‥⛄
そろそろインフルエンザも流行りだしているので
体調には気をつけてくださいね。💕

2018/12/12 (Wed) 19:36 | EDIT | REPLY |   

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