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Baby baby baby 2

こんばんは。

ペンギン部屋です。🎶

それではどうぞ~✴









全てが順調だった

驚くほど全てが上手く行っていた


まず7時にメープルのラウンジで待ち合わせをして

軽く一杯飲んだ後、レストランへと向かう

レストランへ向かう車中も鴨が話題にのぼること無くつくしは終始ご機嫌で

セントラルパークで見かけたバックでしか歩かない変な犬だとか

亀を散歩させてるじいさんの話しだとか

どこそこに美味しいアイスクリーム屋を見つけただとか

俺にしたらどうでもいい事ばっかりだけど

今までの俺にはどれも縁の無いものばかり

彼女を思い出さなければ

彼女がNYへ来てくれなければ

知ることの無かったNY

つくしが教えてくれる新しいNYに心の中では突っ込みをいれながらも


楽しそうに話す彼女の表情に俺も笑顔になる

レストランについて食事の間も美味しい料理とワインで益々ご機嫌になる彼女

自分でも驚くほど全てが順調だったのに

やっぱり俺は呪われてるんじゃねぇーかって思う


料理も進み

いよいよメイン料理が運ばれてきた


目の前に置かれたのは綺麗に盛り付けされた皿


"こちらはメインの鴨のオレンジ×■○△×・・・"


鴨‥??

鴨と聞いた瞬間、一気に嫌~な汗が背中を伝い

それ以上、料理を運んできたボーイの説明は耳に入ってこなかった


慌てて前に座るつくしを見たが彼女にはボーイの言葉が耳に届いてなかったようで

"美味しそう"なんて云いながらフォークを手にしている

彼女のフォークが鴨に刺さる‥


フォークがゆっくりと口へと運ばれる‥


だ、大丈夫か‥?


「ん?どうしたの?司?
 食べないの?」


「あっ‥いいや‥食べるよ。
 それより‥美味いか?」


「うん、美味しいよ!
 このオレンジのソースって結構美味しいね。」

「ああ‥そうだな‥」


まぁ‥彼女がこの肉がなんの肉なのか気がついてないのなら


わざわざ教える必要はねぇか

なんて思い俺もメインの皿にフォークをつけたのに


ちょうどタイミングよくボーイが彼女のグラスにワインを注ぎに来てしまった


「あの、このお肉は何のお肉ですか?」


「鴨肉でございます。」


あっさりと彼女にバレてしまった


鴨肉だと聞いた途端、動きが止まった彼女

目を思いっきり見開いて俺を見ている


「つ、つつつ、つつ、つつつ、つ、つつ‥」


俺はモールス信号か?!


「オイ!落ち着け!」

「つ、つつつつかさ?!これって鴨なの?」

「あ、ああ‥」

「し、知ってたの‥?」

「あ、ああ‥」

「わ、わわたし‥鴨食べちゃったの‥?」

「あ、ああ‥」


答えた途端、大きく見開かれていた彼女の瞳から

ボロボロと大粒の涙が零れ落ちた

ハァ~

泣くほどの事かよ?


「オイ!泣くなよ!鴨って言ってもうちにいる奴とは種類が違うし、
 これは食用に飼育されてた奴だから。」


「そんな問題じゃない!!私、花沢類の仲間達を食べちゃったのね‥」

なんだよ?類の仲間達って??

「ウゥゥ‥ヒック‥ごめんねぇ~~花沢類の仲間達~~ヒック‥」

勘弁してくれよ‥


「泣くなっていってんだろ!」

「司は悲しくないの?薄情者!!」

ハァ~‥

薄情者って言いながらも喰ってんじゃねぇーかよ!?

その後は一口食べるごとに"ごめんね~花沢類の仲間達ぃ~"と

言いながらも完食してしまった彼女

結局、全部喰ってんじゃねぇーかよ!


泣くなよな!

恥ずかしいんだから!!

俺が泣かしてるみたいじゃねぇーかよ!?

勘弁してくれよ‥


いつまで泣いてんだよ!?


食事を終えレストランを後にした車の中でもまだ涙が止まらない彼女


オイ!俺のスーツで拭くな!!

ごめんね~美作さんの仲間達~!

おっ!変わったぞ?!


なぁ?やっぱ俺って呪われてるだろ?











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kirakira
Posted bykirakira

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