チャッピー 2
こんばんは。
ペンギン部屋です。
それではどうぞ~✴
俺様の額に青筋が浮かぶ
これを見ると大抵の奴は一歩後ずさりし前言を撤回するけど
妻は気にしない‥
気にしないどころか俺様の額に浮かぶ青筋を見ると
妻の眉間にすんげぇ皺が寄る
その皺を見ると惚れた弱味なのか?
はたまたこの2年で身体に叩き込まれた条件反射なのか?
とにかく戦意喪失してしまう俺様
零れ落ちる溜息を隠しながらソファーから立ち上がり出掛ける仕度をする
シャンプーされてすっきりしたのか
先程までの灰色から真っ白に変身したチャッピーは
病院へ向かう車中もず~っと妻の腕の中で眠っている
俺様の運転する車で4ブロックほど離れた動物病院へと連れて行った
診察の結果は単なる擦過傷だったが
野良生活のため栄養状態は悪く
傷口からばい菌が侵入し少し化膿していた
傷口を舐めないようにと大げさに包帯を巻かれたチャッピーは
獣医の話しによるとかなり高齢で推定8~9歳のオス
しつけはきちんと出来ているようで捨てられたのか?
妻が言うように迷子になったのかは定かではないが
野良になってまだそれほど経っていないらしい
まぁ‥俺様にとってはそんな事どうでもよくて
元々、犬嫌いのところへきて
当たり前のように妻の腕に抱かれ安心しきった顔をしているこいつがムカつく!
病院の後は部屋に戻るのかと思っていたら
妻の命令で今度は動物病院から2ブロック離れたペットショップへ
この辺りでは一番規模がでかくここは妻の行きつけらしく
ヤギと鴨のえさもこの店が独自で契約している
農家から無農薬の牧草を注文しているらしい
あいつら無農薬の牧草なんて喰ってたんかよ?
初めて知ったぞ!!
妻はそのペットショップで犬用の物を大量に買い込み
ご機嫌で部屋へと戻ってきた
妻の買った物は首輪にリードにエサ入れに犬用のベッドにトイレ
それにプレミアムと書かれたドッグフード
こいつの好みが分からないからとハードな物からソフトな物まで
いろんな種類を買い込んでいる
新しく青い首輪をされたチャッピーは妻からミルクを貰い飲み干すと
自分用にと買ってもらったベッドの中で丸くなり昼寝を始めた
鴨もヤギも犬も惰眠を貪る休日の昼下がり
やっと妻と俺様だけの二人っきりのひと時が始まる
はずだったのに‥
俺様が座るソファーの横をポンポンと叩くのだけど
妻はそれを軽~く無視するとパソコンを持ち出してきて
"チャッピー預かってます!"
と写真入りのチラシを作り始めた
けどよ‥
チャッピー預かってますはおかしいだろう?
本気で飼い主探す気あんのかよ?
「ねぇ、司?こんな感じでどうかな?」
「チャッピー預かってますじゃ・・何の事か分かんねぇーだろ?!
犬を預かってますにしろよ。」
「そうだね‥じゃあ‥犬に変えて‥う~ん‥こんな感じかな?」
「お前、それだったら何処の誰が預かってんのか分かんねぇーだろ!?
本気で飼い主探す気あんのかよ?!」
「もう!うるさいな~!探す気あるわよ!
後ろから文句ばっか言うんだったら司がやってよ!」
逆切れもいいとこだぞ!!
お前がどうかな?って聞いてきたんだろ?!
それをうるさいって何だよ!?
「逆切れしてんじゃねぇーよ!
なんで俺様がそんなもん作らねぇーといけねぇーんだよ!?」
「逆切れなんてしてないわよ!あんたと一緒にしないでよね!」
「俺はぜってぇーそんなもん作んねぇーぞ!」
「あんた、私の事、愛してるのよね?」
この流れでなんの確認だよ?
「チラシと関係ねぇーだろ?!」
「どうなのよ?愛してるの?愛してないの?」
「愛してるよ!」
「私が困ってたら助けてやろうって思うでしょ?」
「お前が困ってるんだったらな!
だけど今、チラシと何の関係あんだって聞いてんだよ?!」
「関係あるわよ。だって私、今、困ってるんだもん!
だからあんたが助けて!」
意味分かんねぇーよ!
それに困ってるように見えねぇーよ!
「ほら?!助けてあげたくなってきたでしょ?」
「なんねぇーよ!」
「ケチ!」
「ケチとか言うな!」
「ねぇ、お願い。」
卑怯者!
結局、最後はこの言葉だよ
「卑怯だぞ!」
「卑怯でもなんでもいいから早くやってよ!
司には不可能な事なんてこの世に存在しないんでしょ?
だったらこんなチラシ作るのなんて簡単な事でしょ?」
卑怯でもいいってどういう事だよ?
勝手に決めてんじゃねぇーよ!
「それとも出来ないの?」
ムカつくな!!
「俺様に不可能はねぇーんだよ!」
「だったらお願いね。私、のど渇いたからお茶淹れてくる!」
そう言うと俺を残しキッチンへと消えていく妻
しょうーがねぇーな‥
と思ってしまう俺はどうしちまったんだろう?
まぁ‥考えたところで妻に口では勝てないのだから
諦めて大人しくパソコンの前に座る

応援ありがとうございます。
ペンギン部屋です。
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俺様の額に青筋が浮かぶ
これを見ると大抵の奴は一歩後ずさりし前言を撤回するけど
妻は気にしない‥
気にしないどころか俺様の額に浮かぶ青筋を見ると
妻の眉間にすんげぇ皺が寄る
その皺を見ると惚れた弱味なのか?
はたまたこの2年で身体に叩き込まれた条件反射なのか?
とにかく戦意喪失してしまう俺様
零れ落ちる溜息を隠しながらソファーから立ち上がり出掛ける仕度をする
シャンプーされてすっきりしたのか
先程までの灰色から真っ白に変身したチャッピーは
病院へ向かう車中もず~っと妻の腕の中で眠っている
俺様の運転する車で4ブロックほど離れた動物病院へと連れて行った
診察の結果は単なる擦過傷だったが
野良生活のため栄養状態は悪く
傷口からばい菌が侵入し少し化膿していた
傷口を舐めないようにと大げさに包帯を巻かれたチャッピーは
獣医の話しによるとかなり高齢で推定8~9歳のオス
しつけはきちんと出来ているようで捨てられたのか?
妻が言うように迷子になったのかは定かではないが
野良になってまだそれほど経っていないらしい
まぁ‥俺様にとってはそんな事どうでもよくて
元々、犬嫌いのところへきて
当たり前のように妻の腕に抱かれ安心しきった顔をしているこいつがムカつく!
病院の後は部屋に戻るのかと思っていたら
妻の命令で今度は動物病院から2ブロック離れたペットショップへ
この辺りでは一番規模がでかくここは妻の行きつけらしく
ヤギと鴨のえさもこの店が独自で契約している
農家から無農薬の牧草を注文しているらしい
あいつら無農薬の牧草なんて喰ってたんかよ?
初めて知ったぞ!!
妻はそのペットショップで犬用の物を大量に買い込み
ご機嫌で部屋へと戻ってきた
妻の買った物は首輪にリードにエサ入れに犬用のベッドにトイレ
それにプレミアムと書かれたドッグフード
こいつの好みが分からないからとハードな物からソフトな物まで
いろんな種類を買い込んでいる
新しく青い首輪をされたチャッピーは妻からミルクを貰い飲み干すと
自分用にと買ってもらったベッドの中で丸くなり昼寝を始めた
鴨もヤギも犬も惰眠を貪る休日の昼下がり
やっと妻と俺様だけの二人っきりのひと時が始まる
はずだったのに‥
俺様が座るソファーの横をポンポンと叩くのだけど
妻はそれを軽~く無視するとパソコンを持ち出してきて
"チャッピー預かってます!"
と写真入りのチラシを作り始めた
けどよ‥
チャッピー預かってますはおかしいだろう?
本気で飼い主探す気あんのかよ?
「ねぇ、司?こんな感じでどうかな?」
「チャッピー預かってますじゃ・・何の事か分かんねぇーだろ?!
犬を預かってますにしろよ。」
「そうだね‥じゃあ‥犬に変えて‥う~ん‥こんな感じかな?」
「お前、それだったら何処の誰が預かってんのか分かんねぇーだろ!?
本気で飼い主探す気あんのかよ?!」
「もう!うるさいな~!探す気あるわよ!
後ろから文句ばっか言うんだったら司がやってよ!」
逆切れもいいとこだぞ!!
お前がどうかな?って聞いてきたんだろ?!
それをうるさいって何だよ!?
「逆切れしてんじゃねぇーよ!
なんで俺様がそんなもん作らねぇーといけねぇーんだよ!?」
「逆切れなんてしてないわよ!あんたと一緒にしないでよね!」
「俺はぜってぇーそんなもん作んねぇーぞ!」
「あんた、私の事、愛してるのよね?」
この流れでなんの確認だよ?
「チラシと関係ねぇーだろ?!」
「どうなのよ?愛してるの?愛してないの?」
「愛してるよ!」
「私が困ってたら助けてやろうって思うでしょ?」
「お前が困ってるんだったらな!
だけど今、チラシと何の関係あんだって聞いてんだよ?!」
「関係あるわよ。だって私、今、困ってるんだもん!
だからあんたが助けて!」
意味分かんねぇーよ!
それに困ってるように見えねぇーよ!
「ほら?!助けてあげたくなってきたでしょ?」
「なんねぇーよ!」
「ケチ!」
「ケチとか言うな!」
「ねぇ、お願い。」
卑怯者!
結局、最後はこの言葉だよ
「卑怯だぞ!」
「卑怯でもなんでもいいから早くやってよ!
司には不可能な事なんてこの世に存在しないんでしょ?
だったらこんなチラシ作るのなんて簡単な事でしょ?」
卑怯でもいいってどういう事だよ?
勝手に決めてんじゃねぇーよ!
「それとも出来ないの?」
ムカつくな!!
「俺様に不可能はねぇーんだよ!」
「だったらお願いね。私、のど渇いたからお茶淹れてくる!」
そう言うと俺を残しキッチンへと消えていく妻
しょうーがねぇーな‥
と思ってしまう俺はどうしちまったんだろう?
まぁ‥考えたところで妻に口では勝てないのだから
諦めて大人しくパソコンの前に座る

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