2006クリスマス 3
こんにちは。
本日のペンギン部屋です。🎶
それではどうぞ~✴
強まってきた風が雲と雪を運んできて夜が小屋を包み込み始めた頃
俺の胸に顔を埋めたままだった妻がゆっくりと顔を上げた
「ねぇ?」
「ん?」
「あの時ね・・」
「あの時?」
「うん‥遭難して死にかけた時‥」
「あぁ、あの時はマジでヤバかったからな」
「そうだね‥あの時はね‥なんか色々あってちゃんと考えてなかったんだけど‥
幾ら騙されてたからってあんな吹雪の中を一人で出て行って無茶って言うか‥」
「今頃気がついたのかよ?!」
「五月蝿いわね!
最後までちゃんと聞いてよ!」
「聞いてるよ!」
「だけどね‥あんたも同じように私を探して吹雪の中飛び出しちゃって‥バカだよね‥」
「おめぇーは命の恩人に向かって喧嘩売ってんのか?!」
「違うわよ!あの時、司が見つけてくれてよかったって言いたいのよ!」
「だったらそう言えばいいだろ!
おめぇーは一言余計なんだよ!」
「クスッ‥」
「俺様は怒ってんだよ!笑うな!」
「クスッ‥ごめん!でもね今は本当に司で良かったって思ってる。
他の誰でもなくて私を探して吹雪の中飛び出してくれたのが司で良かった‥」
「やっと俺様の愛情の偉大さに気がついたか?」
「ハハハ‥やっぱりちっちゃい~」
このまま押し倒してやろうか?!
楽しそうにケラケラと笑う妻の鼻を摘む
「痛~ぃ!なにすんのよ!?」
「おめぇーが笑うからだろ!」
「いいじゃん!楽しいんだもん!
ねぇ!ねぇ!あの時って抱き合って寝たよね?」
「ああ‥そうだったな‥」
あ~あ~嫌なこと思い出した‥
あの時はほとんど裸のこいつを抱きしめるだけで一晩過ごしたんだった
俺って忍耐強いよな‥?
高校生だぜ!
もう体力なんて有り余ってて‥
目の前には惚れた女が‥
お~お~!俺ってすげぇ!
って‥
待てよ‥!
まさか‥?今夜もか‥??
「私ね‥あの時って司の事をどう思ってるのかよく分かってなかったけど‥
何もしないって約束通り抱き合って眠るだけで‥司の事、意外といい人だって思ったのよね‥」
「嬉しくねぇーよ!一言余計だし‥」
「私ね‥もう一度、あの頃の司に会いたくて‥」
「だからここに来たのか?」
「うん‥私ね昨日よりも今日の方が司の事を愛してるの‥
怖いくらいに毎日毎日、司ばっかりでね‥最近特に変なの‥」
酔ってんな!?
最近特に変だってのは認めるぞ!
けどよ‥卑怯だ‥
そんな話しされたら‥
押し倒せねぇーじゃねぇーかよ!
「私達って付き合ってた期間ってほとんど無いでしょ?
だから私にとってはどんなにハチャメチャでも司と一緒に過ごした時間は大切なの」
「だから別荘には何も無いって言ったのか?」
「うん‥私達の思い出はこっちなの」
せっかくの休日にカナダの山奥で
寒みぃ~しムカつくけど
なんかすんげぇ嬉しい気もする
俺と妻の間には大抵のカップルに存在する交際期間というものが存在しない
しいて言えば高等部の事の数ヶ月とNYに来てから式を挙げるまでの半年間だけだ
1年にも満たないその時間の中に妻が大切にしてくれている二人の思い出が詰まっている
高等部の頃なんて特に楽しい事なんて数えるほどで傷つけてばかりで
泣かせてばっかりだったのに
あの頃の俺に会いたくなると言った妻を抱きしめている腕に力がこもる
「どうしたの?司?」
「ん?俺も昨日より今日の方がお前を愛してるんだよ!」
「よかった‥司も私と同じで」
「当たりめぇーだろーが!」
「そうだね‥でも当たり前の事が当たり前になるまで長かったけどね‥」
「そーだな‥でもこれからはずっと一緒だからな!」
パズルを組み立てるように少しずつ
二人でゆっくりと一枚の絵を描くような人生を送って行こう
今夜はあの夜のように互いの温もりを分け合いながら眠りにつこう

応援ありがとうございます。
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それではどうぞ~✴
強まってきた風が雲と雪を運んできて夜が小屋を包み込み始めた頃
俺の胸に顔を埋めたままだった妻がゆっくりと顔を上げた
「ねぇ?」
「ん?」
「あの時ね・・」
「あの時?」
「うん‥遭難して死にかけた時‥」
「あぁ、あの時はマジでヤバかったからな」
「そうだね‥あの時はね‥なんか色々あってちゃんと考えてなかったんだけど‥
幾ら騙されてたからってあんな吹雪の中を一人で出て行って無茶って言うか‥」
「今頃気がついたのかよ?!」
「五月蝿いわね!
最後までちゃんと聞いてよ!」
「聞いてるよ!」
「だけどね‥あんたも同じように私を探して吹雪の中飛び出しちゃって‥バカだよね‥」
「おめぇーは命の恩人に向かって喧嘩売ってんのか?!」
「違うわよ!あの時、司が見つけてくれてよかったって言いたいのよ!」
「だったらそう言えばいいだろ!
おめぇーは一言余計なんだよ!」
「クスッ‥」
「俺様は怒ってんだよ!笑うな!」
「クスッ‥ごめん!でもね今は本当に司で良かったって思ってる。
他の誰でもなくて私を探して吹雪の中飛び出してくれたのが司で良かった‥」
「やっと俺様の愛情の偉大さに気がついたか?」
「ハハハ‥やっぱりちっちゃい~」
このまま押し倒してやろうか?!
楽しそうにケラケラと笑う妻の鼻を摘む
「痛~ぃ!なにすんのよ!?」
「おめぇーが笑うからだろ!」
「いいじゃん!楽しいんだもん!
ねぇ!ねぇ!あの時って抱き合って寝たよね?」
「ああ‥そうだったな‥」
あ~あ~嫌なこと思い出した‥
あの時はほとんど裸のこいつを抱きしめるだけで一晩過ごしたんだった
俺って忍耐強いよな‥?
高校生だぜ!
もう体力なんて有り余ってて‥
目の前には惚れた女が‥
お~お~!俺ってすげぇ!
って‥
待てよ‥!
まさか‥?今夜もか‥??
「私ね‥あの時って司の事をどう思ってるのかよく分かってなかったけど‥
何もしないって約束通り抱き合って眠るだけで‥司の事、意外といい人だって思ったのよね‥」
「嬉しくねぇーよ!一言余計だし‥」
「私ね‥もう一度、あの頃の司に会いたくて‥」
「だからここに来たのか?」
「うん‥私ね昨日よりも今日の方が司の事を愛してるの‥
怖いくらいに毎日毎日、司ばっかりでね‥最近特に変なの‥」
酔ってんな!?
最近特に変だってのは認めるぞ!
けどよ‥卑怯だ‥
そんな話しされたら‥
押し倒せねぇーじゃねぇーかよ!
「私達って付き合ってた期間ってほとんど無いでしょ?
だから私にとってはどんなにハチャメチャでも司と一緒に過ごした時間は大切なの」
「だから別荘には何も無いって言ったのか?」
「うん‥私達の思い出はこっちなの」
せっかくの休日にカナダの山奥で
寒みぃ~しムカつくけど
なんかすんげぇ嬉しい気もする
俺と妻の間には大抵のカップルに存在する交際期間というものが存在しない
しいて言えば高等部の事の数ヶ月とNYに来てから式を挙げるまでの半年間だけだ
1年にも満たないその時間の中に妻が大切にしてくれている二人の思い出が詰まっている
高等部の頃なんて特に楽しい事なんて数えるほどで傷つけてばかりで
泣かせてばっかりだったのに
あの頃の俺に会いたくなると言った妻を抱きしめている腕に力がこもる
「どうしたの?司?」
「ん?俺も昨日より今日の方がお前を愛してるんだよ!」
「よかった‥司も私と同じで」
「当たりめぇーだろーが!」
「そうだね‥でも当たり前の事が当たり前になるまで長かったけどね‥」
「そーだな‥でもこれからはずっと一緒だからな!」
パズルを組み立てるように少しずつ
二人でゆっくりと一枚の絵を描くような人生を送って行こう
今夜はあの夜のように互いの温もりを分け合いながら眠りにつこう

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