２００７ハロウィン ６
こんばんは。
ペンギン部屋です。🎶
それではどうぞ～✴
ハロウィンから１週間
妻の興味もハロウィンからクリスマスへと移り
ハロウィン仕様から一気にクリスマス仕様へと変わるＮＹの街を
しっくりとくるツリーを探して彷徨っている
そしてこの時期は妻が大好きなバーゲンが始まる
１１月１２月の２ヶ月間はＮＹ中のあらゆる店が
いっせいにバーゲンを開始する
街中にはクリスマスイルミネーションと共に
２０％ＯＦＦ３０％ＯＦＦというＰＯＰが溢れかえっている
実際、妻だけでなくリムジンの中から道行く人を眺めていると
両手一杯に持ちきれない程のショッピングバックを抱えて歩いている人も多い
妻だって負けていない‥
毎日のように今日はあそこのデパートへ
明日はあっちのショッピングセンターへと鼻息も荒い
まぁ俺の仕事が忙しくてどうしても一人にしてしまう時間が長いから
妻の機嫌をとってくれるなら例えそれがバーゲンだって構わない
とにかくこの１週間、妻はご機嫌で夫婦喧嘩をする事もなく過ごしていた
今夜だって仕事から戻り一緒に食事をとっていた
妻が食事の後片付けをしている間、
俺は少し残ったワインを持ちリビングのソファーへと移動して最近
妻が飽きる事なく眺めているクリスマスツリーの
パンフレットをパラパラと捲ってみる
足元ではフルーツとグラタンが俺の履くスリッパを突突いて遊んでいる
片付けを終え捲っていた袖を下ろしながらリビングへ入ってきた妻が
俺に１枚のＤＶＤを見せた
「司、これ見ない？」
「なんだそれ？映画かなんかか？」
妻の手の中にあるのはタイトルも何も印刷されていない普通のディスク
「なにが入ってるのか分からないんだけど今日、美作さんから届いたの」
「あきらから？」
「うん、一緒に入ってたメモには面白いから司と一緒に見ろって書いてあったの」
「ふ～ん…」
あきらの奴、一体なに送ってきたんだ？
「ねぇ！だからこれ一緒に見ようよ！」
「ああ、いいぞ」
妻からディスクを受け取りＴＶの下に備え付けられている
ＤＶＤデッキの電源を入れディスクをセットした
しばらくして始まったのは映画ではなくて日本のＴＶ番組
「あっ！この番組知ってる！」
横に座っている妻が身を乗り出し声をあげた
「ん？」
「日本で朝やってる番組だよ！」
あきらはなんでそんなもん送ってきたんだ？
ムクムクといや～な疑問が湧き上がってくる俺をよそに
妻は久しぶりに見る日本の番組に大喜びしている
けどよ…番組は日本のだけど内容はＮＹからの中継だぞ…！
ん…！？
“続いて今日の話題はＮＹで昨夜開催されました
ハロウィンのパレードの模様です”
画面の中の女性キャスターの言葉に嫌な汗が俺の背中を伝う
“きゃ～！この前のパレードが放送されてる～！”
頼むから耳元で叫ばないでくれ！
確かに画面に映し出されているのはＮＹの街角
ティンカーベルの格好に仮装した女性キャスターの後ろを
仮装した大勢の人間が次々と通り過ぎて行く
それぞれがハイテンションでパレードを楽しんでいる光景が映し出されて行く中に
俺は見つけてしまった…
ヤギを連れた大男のバニーガールと鴨を肩に乗せた小さなパイレーツを…
俺様と妻の姿がバッチリ日本のＴＶ番組に映っていた…
マ、マジかよ！？
リポーターの影になっていて顔ははっきりと見えないが
明らかにバニーガールとパイレーツだ…
妻も自分の姿を画面の中に見つけたみたいでＴＶに顔を近付けて大喜びしている
「ねぇ！ねぇ！司！」
視線はＴＶに向けたまま手だけで俺を呼ぶ妻
「な、なんだよ？！」
「これって私と司だよね？」
認めたくねぇけど‥
「ああ‥そうみたいだな‥」
「凄～い！私、日本のＴＶに出ちゃった！」
全然凄くねぇーよ！
ふざけんな！
俺ってバレバレじゃねぇかよ！！
「美作さんこれ見つけてわざわざ送ってくれたんだね？！お礼の電話しなきゃ！
ねぇ！司！美作さんに電話して！」
ＴＶの中に自分の姿を見つけた妻は大喜びしているが俺様は猛烈に怒ってんだよ！
「ヤダね！あいつがこんなもん親切で送ってきたわけねぇだろーが！」
突然怒り始めた俺に妻はキョトンとしてやがる！
「どうしたの？急に怒り出して？」
「別にお前に怒ってんじゃねぇーよ！」
「じゃあ誰に怒ってるの？」
「あきらにだよ！
クソッ！来年はあいつらもパレードに参加させてやるからな！！」
思わず勢いで口走ってしまった一言に妻が食い付いてきた
「ほんと？来年はみんなで参加するの？」
「ああ、来年はあいつらも呼んで参加させてやる！」
「きゃ～！楽しみ～！！
じゃあ来年は美作さん達も仮装するんだよね？」
「ああ」
「ねぇねぇ！私がみんなの衣裳考えてもいい？」
「ああ、いいぞ！
金なら幾ら掛かっても構わねぇから売ってなかったら作らせろ！」
「うふっ！今から楽しみだね～！頑張っちゃお！
あっ！それからねこのＤＶＤってダビング出来る？」
ハァ？！
「んなもんダビングしてどうすんだよ！？」
「日本のＴＶをみんなにも見せてあげようと思って！」
俺の額に浮かぶこの青筋が見えてねぇーのか？！
すんげぇ嬉しそうにみんなにもとか言ってけどよ
俺様も映ってんだぞ！
俺様のバニーガール姿をこれ以上世間に広めんじゃねぇ！！
「ふざけんな！そんなもん配る必要なんかねぇーんだよ！」
「どうして？楽しいのに？」
楽しくねぇーよ！
俺の怒りに全く動じない妻に怒りの矛先がＤＶＤへと向かう
怒りに任せてデッキから取り出したディスクを叩き割り
“風呂入ってくる！”と短く言い残し
妻の表情を確認する事なくリビングを後にした
クソッ！あんなもん送ってきやがって！
あきらのヤロー！
ぜってぇ許さねぇからな！！
“風呂入ってくる！”だって…
あんなに怒る事ないのにね…？
相変わらず短気なんだから！
あの性格は幾つになっても治らないのね！？
結構、気使うんだよ
ちょっとした事ですぐに怒っちゃうから
すぐに機嫌悪くなっちゃうから
すっご～く気を使ってるの！
私って凄いと思わない？
だってあの我が儘で自分勝手な男と一緒に暮らしてるんだもん！
やっぱり私って凄い！！
でもってね…一年半も一緒に生活してるとね
いろいろ分かってくる事もあるのよ！ご主人様！
日本から届けられた封筒に手を入れる
実はね、同じディスクがもう一枚あったりするのよね
同封されてた美作さんからのメモには続きがあるの
“ＰＳ：同じディスクをもう一枚入れておく！
こっちは司には見せるなよ！”
美作さん！Ｇｏｏｄ Ｊｏｂ！！
あっ！それともう一つ！
司は来年もハロウィン参加決定ね！
だってさっき“あいつらも”って宣言してたでしょ？
来年はどんな衣装がいい？
～Ｆｉｎ～
応援ありがとうございます。
ペンギン部屋です。🎶
それではどうぞ～✴
ハロウィンから１週間
妻の興味もハロウィンからクリスマスへと移り
ハロウィン仕様から一気にクリスマス仕様へと変わるＮＹの街を
しっくりとくるツリーを探して彷徨っている
そしてこの時期は妻が大好きなバーゲンが始まる
１１月１２月の２ヶ月間はＮＹ中のあらゆる店が
いっせいにバーゲンを開始する
街中にはクリスマスイルミネーションと共に
２０％ＯＦＦ３０％ＯＦＦというＰＯＰが溢れかえっている
実際、妻だけでなくリムジンの中から道行く人を眺めていると
両手一杯に持ちきれない程のショッピングバックを抱えて歩いている人も多い
妻だって負けていない‥
毎日のように今日はあそこのデパートへ
明日はあっちのショッピングセンターへと鼻息も荒い
まぁ俺の仕事が忙しくてどうしても一人にしてしまう時間が長いから
妻の機嫌をとってくれるなら例えそれがバーゲンだって構わない
とにかくこの１週間、妻はご機嫌で夫婦喧嘩をする事もなく過ごしていた
今夜だって仕事から戻り一緒に食事をとっていた
妻が食事の後片付けをしている間、
俺は少し残ったワインを持ちリビングのソファーへと移動して最近
妻が飽きる事なく眺めているクリスマスツリーの
パンフレットをパラパラと捲ってみる
足元ではフルーツとグラタンが俺の履くスリッパを突突いて遊んでいる
片付けを終え捲っていた袖を下ろしながらリビングへ入ってきた妻が
俺に１枚のＤＶＤを見せた
「司、これ見ない？」
「なんだそれ？映画かなんかか？」
妻の手の中にあるのはタイトルも何も印刷されていない普通のディスク
「なにが入ってるのか分からないんだけど今日、美作さんから届いたの」
「あきらから？」
「うん、一緒に入ってたメモには面白いから司と一緒に見ろって書いてあったの」
「ふ～ん…」
あきらの奴、一体なに送ってきたんだ？
「ねぇ！だからこれ一緒に見ようよ！」
「ああ、いいぞ」
妻からディスクを受け取りＴＶの下に備え付けられている
ＤＶＤデッキの電源を入れディスクをセットした
しばらくして始まったのは映画ではなくて日本のＴＶ番組
「あっ！この番組知ってる！」
横に座っている妻が身を乗り出し声をあげた
「ん？」
「日本で朝やってる番組だよ！」
あきらはなんでそんなもん送ってきたんだ？
ムクムクといや～な疑問が湧き上がってくる俺をよそに
妻は久しぶりに見る日本の番組に大喜びしている
けどよ…番組は日本のだけど内容はＮＹからの中継だぞ…！
ん…！？
“続いて今日の話題はＮＹで昨夜開催されました
ハロウィンのパレードの模様です”
画面の中の女性キャスターの言葉に嫌な汗が俺の背中を伝う
“きゃ～！この前のパレードが放送されてる～！”
頼むから耳元で叫ばないでくれ！
確かに画面に映し出されているのはＮＹの街角
ティンカーベルの格好に仮装した女性キャスターの後ろを
仮装した大勢の人間が次々と通り過ぎて行く
それぞれがハイテンションでパレードを楽しんでいる光景が映し出されて行く中に
俺は見つけてしまった…
ヤギを連れた大男のバニーガールと鴨を肩に乗せた小さなパイレーツを…
俺様と妻の姿がバッチリ日本のＴＶ番組に映っていた…
マ、マジかよ！？
リポーターの影になっていて顔ははっきりと見えないが
明らかにバニーガールとパイレーツだ…
妻も自分の姿を画面の中に見つけたみたいでＴＶに顔を近付けて大喜びしている
「ねぇ！ねぇ！司！」
視線はＴＶに向けたまま手だけで俺を呼ぶ妻
「な、なんだよ？！」
「これって私と司だよね？」
認めたくねぇけど‥
「ああ‥そうみたいだな‥」
「凄～い！私、日本のＴＶに出ちゃった！」
全然凄くねぇーよ！
ふざけんな！
俺ってバレバレじゃねぇかよ！！
「美作さんこれ見つけてわざわざ送ってくれたんだね？！お礼の電話しなきゃ！
ねぇ！司！美作さんに電話して！」
ＴＶの中に自分の姿を見つけた妻は大喜びしているが俺様は猛烈に怒ってんだよ！
「ヤダね！あいつがこんなもん親切で送ってきたわけねぇだろーが！」
突然怒り始めた俺に妻はキョトンとしてやがる！
「どうしたの？急に怒り出して？」
「別にお前に怒ってんじゃねぇーよ！」
「じゃあ誰に怒ってるの？」
「あきらにだよ！
クソッ！来年はあいつらもパレードに参加させてやるからな！！」
思わず勢いで口走ってしまった一言に妻が食い付いてきた
「ほんと？来年はみんなで参加するの？」
「ああ、来年はあいつらも呼んで参加させてやる！」
「きゃ～！楽しみ～！！
じゃあ来年は美作さん達も仮装するんだよね？」
「ああ」
「ねぇねぇ！私がみんなの衣裳考えてもいい？」
「ああ、いいぞ！
金なら幾ら掛かっても構わねぇから売ってなかったら作らせろ！」
「うふっ！今から楽しみだね～！頑張っちゃお！
あっ！それからねこのＤＶＤってダビング出来る？」
ハァ？！
「んなもんダビングしてどうすんだよ！？」
「日本のＴＶをみんなにも見せてあげようと思って！」
俺の額に浮かぶこの青筋が見えてねぇーのか？！
すんげぇ嬉しそうにみんなにもとか言ってけどよ
俺様も映ってんだぞ！
俺様のバニーガール姿をこれ以上世間に広めんじゃねぇ！！
「ふざけんな！そんなもん配る必要なんかねぇーんだよ！」
「どうして？楽しいのに？」
楽しくねぇーよ！
俺の怒りに全く動じない妻に怒りの矛先がＤＶＤへと向かう
怒りに任せてデッキから取り出したディスクを叩き割り
“風呂入ってくる！”と短く言い残し
妻の表情を確認する事なくリビングを後にした
クソッ！あんなもん送ってきやがって！
あきらのヤロー！
ぜってぇ許さねぇからな！！
“風呂入ってくる！”だって…
あんなに怒る事ないのにね…？
相変わらず短気なんだから！
あの性格は幾つになっても治らないのね！？
結構、気使うんだよ
ちょっとした事ですぐに怒っちゃうから
すぐに機嫌悪くなっちゃうから
すっご～く気を使ってるの！
私って凄いと思わない？
だってあの我が儘で自分勝手な男と一緒に暮らしてるんだもん！
やっぱり私って凄い！！
でもってね…一年半も一緒に生活してるとね
いろいろ分かってくる事もあるのよ！ご主人様！
日本から届けられた封筒に手を入れる
実はね、同じディスクがもう一枚あったりするのよね
同封されてた美作さんからのメモには続きがあるの
“ＰＳ：同じディスクをもう一枚入れておく！
こっちは司には見せるなよ！”
美作さん！Ｇｏｏｄ Ｊｏｂ！！
あっ！それともう一つ！
司は来年もハロウィン参加決定ね！
だってさっき“あいつらも”って宣言してたでしょ？
来年はどんな衣装がいい？
～Ｆｉｎ～
応援ありがとうございます。
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