恋カモ?(続・ジョージ) 10
こんにちは。🎵
ペンギン部屋です。🎶
それではどうぞ~✴
すっかり二人だけの世界に入り込んでしまっている猛獣夫婦
猛獣は涙ぐんでいる猛獣妻を抱き寄せると
優しく髪を撫でている
猛獣妻の方も珍しく
されるがままに大人しく猛獣の腕の中に納まってやがる
酔っぱらってんな‥
じゃなきゃ有り得ない光景だ‥
「ごめんな疑うような事言って
信じてるからな!」
「うん、ありがとう。
私も司の事信じてるよ。」
「おう。」
「ねぇ、司?温泉に入りたいね‥」
どういう流れなんだよ?
なんでいきなり温泉が出てくんだよ?
猛獣の胸元から酒と涙で潤んだ瞳で猛獣を見上げている猛獣妻
その瞳を向けられた途端、猛獣の表情が今まで見た事ないぐらいに崩れ
長い付き合いの俺達でも聞いた事ないぐらいの優しい声で
「温泉に入りたいのか?」
「うん、久しぶりの日本だから‥温泉に入りたいの。」
「どこの温泉がいいんだ?」
「う~ん‥昔、行った滋さんちの別荘の温泉がいい!」
「滋んとこって‥あの別荘か?」
「うん、ダメ?」
「ダ、ダメじゃねぇーけど‥あそこは‥」
「ねぇねぇ、滋さんに電話して今から行ってもいいか聞いてみるね?!」
言葉を濁している猛獣にはお構いなしに勝手に話しを進めて行く牧野
言葉通りさっそく滋に連絡している牧野は
すぐに連絡がついたみたい電話を切った瞬間、俺達に向かって
「みんなで滋さんちの別荘に集合~だって♪」
ハァ~??
集合~って何だよ?!
なんで俺の方を見てんだよ?!
まさか?俺も仲間に入ってんのか?!
「ねぇ、司?今からだと時間も遅くなっちゃうからヘリ用意して!
滋さんもヘリで行くって言ってたから!」
別荘だけ借りてお前ら二人だけで行けばいいだろ!?
俺は温泉なんて入りたくねぇーし滋にも会いたくねぇぞ!!
なのに‥
牧野に絶対服従の忠実なる僕である猛獣が有無を言わせず俺を温泉へと誘う
類はいいんだ‥
類は牧野が行く所だったら例えそれが宇宙の果てでも喜んでついて行くだろうから
結局、屋上のヘリポートからヘリに乗せられ滋の別荘へと連行された俺と喜んでついて来た類
俺達が到着して5分しないうちに上空にパラパラとプロペラの音がして
到着したヘリから降りてきたのは滋と桜子と恐ろしく不機嫌な総二郎だった
なんかよく分かんねぇーけど
滋の別荘で全員集合してしまった
さっそくハイテンションな滋が仕切り始めている
「ねぇねぇ、つくし?
つくしは司と同じ部屋でいいよね?」
牧野がダメだっつってもきっと猛獣は何処まででもついて行くと思うから
その確認は要らねぇーぞ!!
「う~ん‥どうしようかなぁ?
とりあえずは司と同じでもいいけど‥」
悩むな!
そこ全然悩むとこじゃねぇ!
とりあえずもクソもあるかよ!
お前は司と同じ部屋だ!
猛獣を野放しにするな!!
ちゃんと責任持って見張ってろ!
「この前みたいに類君と同じ部屋がいい?」
「ふざけんな!つくしは俺様と同じ部屋以外認めねぇーからな!」
どこまでが冗談でどこから本気なのか判断つかねぇーから
いい加減やめてくれよ‥!
怒鳴った司は牧野を担ぎ上げるとそのまま部屋へと消えて行ってしまった
残った滋は
「前に来た時はつくしが類君と同じ部屋で私が司と一緒だったから‥
今回は滋ちゃんが類君と同じ部屋だね!」
滋がアホな事を言っているが
誰も相手にしていない
「夕飯の準備をしてるから一時間後に大広間に集合ね~!」
それぞれに部屋へと向かいかける俺達の後ろから追い掛けてきた滋の声
その声に軽く片手を上げただけで答え部屋へと向かった
この別荘に来たのは初めてだけど
外観も中も純和風の造りで
襖を開けると自分ちでは有り得ない畳の部屋が姿を現した
部屋の奥にはよく手入れされた日本庭園が広がっていて
ライトで庭の木々が幻想的に浮かび上がっている
静寂が俺を包み込み
一瞬だけここに居るのが自分だけだと錯覚しそうになる
まぁ自分の意志じゃないにしても
此処まで来てしまったのだから
今更ジタバタしても仕方がない
露天風呂もあることだし
どうせこの先はまたあいつらに振り回されるのだから
今のうちにゆっくりと温泉にでも浸かろうと
浴衣に着替え部屋を出た
露天風呂にはすでに総二郎と類が入っていて
俺が入り始めてすぐに一目で不機嫌だと分かる司が入ってきた
のんびりと露天風呂で
と言いたいところだが‥
不機嫌な猛獣にはそのつもりはないらしく
機嫌の悪さそのままにさっそく類に言い掛かりをつけ始めた
「類!なんでお前がつくしと一緒に居たんだよ!?」
俺も一緒に居たんだけどな‥
猛獣の眼中に俺は入ってねぇんだな
「そんなに牧野と一緒にお風呂に入りたかったの?」
「うるせぇよ!俺様の質問に答えろ!!」
怒鳴り声を上げながら水面を手で跳ね上げる猛獣
こっちにお湯掛けんな!
バカ男!!
お湯を掛けられても軽く笑みを浮かべ余裕の類と
隣の女風呂から聞こえてくる女達の楽しそうな声に
イライラを募らせる猛獣
以前にこの別荘に来た時の事が
余程トラウマなのか類に詰め寄り
俺らからすれば言い掛かりとしか思えない
言葉を類に畳み掛けている猛獣は
"今度は俺様が助けるからな!"
とか‥
"二度とつくしに触るな!"
だとか‥
余裕の無い言葉を連発してやがる
俺達からすれば猛獣の心配なんて
今更の事ばかりなのに
牧野にとって唯一の男になった今でも
類に対してのライバル心というか‥
異常なまでの警戒心を捨てきれていない
類にしても今更の事だろ?
猛獣が記憶を失っていた10年間で
時間は腐るほどあったのに
牧野に手を出さなかった
それが親友の妻になった途端にって‥
有り得ないだろ?
"司~そろそろ上がるよ~!"
不機嫌な司にいい加減ウンザリとし始めた頃
タイミングよく隣の女湯から聞こえてきた牧野の声
その声を聞いた途端、今までの不機嫌さが嘘のように
嬉しそうな表情に変わった猛獣
牧野が自分だけに声を掛けたのが嬉しいんだな‥
まったく分かりやすい男だ!

応援ありがとうございます。
ペンギン部屋です。🎶
それではどうぞ~✴
すっかり二人だけの世界に入り込んでしまっている猛獣夫婦
猛獣は涙ぐんでいる猛獣妻を抱き寄せると
優しく髪を撫でている
猛獣妻の方も珍しく
されるがままに大人しく猛獣の腕の中に納まってやがる
酔っぱらってんな‥
じゃなきゃ有り得ない光景だ‥
「ごめんな疑うような事言って
信じてるからな!」
「うん、ありがとう。
私も司の事信じてるよ。」
「おう。」
「ねぇ、司?温泉に入りたいね‥」
どういう流れなんだよ?
なんでいきなり温泉が出てくんだよ?
猛獣の胸元から酒と涙で潤んだ瞳で猛獣を見上げている猛獣妻
その瞳を向けられた途端、猛獣の表情が今まで見た事ないぐらいに崩れ
長い付き合いの俺達でも聞いた事ないぐらいの優しい声で
「温泉に入りたいのか?」
「うん、久しぶりの日本だから‥温泉に入りたいの。」
「どこの温泉がいいんだ?」
「う~ん‥昔、行った滋さんちの別荘の温泉がいい!」
「滋んとこって‥あの別荘か?」
「うん、ダメ?」
「ダ、ダメじゃねぇーけど‥あそこは‥」
「ねぇねぇ、滋さんに電話して今から行ってもいいか聞いてみるね?!」
言葉を濁している猛獣にはお構いなしに勝手に話しを進めて行く牧野
言葉通りさっそく滋に連絡している牧野は
すぐに連絡がついたみたい電話を切った瞬間、俺達に向かって
「みんなで滋さんちの別荘に集合~だって♪」
ハァ~??
集合~って何だよ?!
なんで俺の方を見てんだよ?!
まさか?俺も仲間に入ってんのか?!
「ねぇ、司?今からだと時間も遅くなっちゃうからヘリ用意して!
滋さんもヘリで行くって言ってたから!」
別荘だけ借りてお前ら二人だけで行けばいいだろ!?
俺は温泉なんて入りたくねぇーし滋にも会いたくねぇぞ!!
なのに‥
牧野に絶対服従の忠実なる僕である猛獣が有無を言わせず俺を温泉へと誘う
類はいいんだ‥
類は牧野が行く所だったら例えそれが宇宙の果てでも喜んでついて行くだろうから
結局、屋上のヘリポートからヘリに乗せられ滋の別荘へと連行された俺と喜んでついて来た類
俺達が到着して5分しないうちに上空にパラパラとプロペラの音がして
到着したヘリから降りてきたのは滋と桜子と恐ろしく不機嫌な総二郎だった
なんかよく分かんねぇーけど
滋の別荘で全員集合してしまった
さっそくハイテンションな滋が仕切り始めている
「ねぇねぇ、つくし?
つくしは司と同じ部屋でいいよね?」
牧野がダメだっつってもきっと猛獣は何処まででもついて行くと思うから
その確認は要らねぇーぞ!!
「う~ん‥どうしようかなぁ?
とりあえずは司と同じでもいいけど‥」
悩むな!
そこ全然悩むとこじゃねぇ!
とりあえずもクソもあるかよ!
お前は司と同じ部屋だ!
猛獣を野放しにするな!!
ちゃんと責任持って見張ってろ!
「この前みたいに類君と同じ部屋がいい?」
「ふざけんな!つくしは俺様と同じ部屋以外認めねぇーからな!」
どこまでが冗談でどこから本気なのか判断つかねぇーから
いい加減やめてくれよ‥!
怒鳴った司は牧野を担ぎ上げるとそのまま部屋へと消えて行ってしまった
残った滋は
「前に来た時はつくしが類君と同じ部屋で私が司と一緒だったから‥
今回は滋ちゃんが類君と同じ部屋だね!」
滋がアホな事を言っているが
誰も相手にしていない
「夕飯の準備をしてるから一時間後に大広間に集合ね~!」
それぞれに部屋へと向かいかける俺達の後ろから追い掛けてきた滋の声
その声に軽く片手を上げただけで答え部屋へと向かった
この別荘に来たのは初めてだけど
外観も中も純和風の造りで
襖を開けると自分ちでは有り得ない畳の部屋が姿を現した
部屋の奥にはよく手入れされた日本庭園が広がっていて
ライトで庭の木々が幻想的に浮かび上がっている
静寂が俺を包み込み
一瞬だけここに居るのが自分だけだと錯覚しそうになる
まぁ自分の意志じゃないにしても
此処まで来てしまったのだから
今更ジタバタしても仕方がない
露天風呂もあることだし
どうせこの先はまたあいつらに振り回されるのだから
今のうちにゆっくりと温泉にでも浸かろうと
浴衣に着替え部屋を出た
露天風呂にはすでに総二郎と類が入っていて
俺が入り始めてすぐに一目で不機嫌だと分かる司が入ってきた
のんびりと露天風呂で
と言いたいところだが‥
不機嫌な猛獣にはそのつもりはないらしく
機嫌の悪さそのままにさっそく類に言い掛かりをつけ始めた
「類!なんでお前がつくしと一緒に居たんだよ!?」
俺も一緒に居たんだけどな‥
猛獣の眼中に俺は入ってねぇんだな
「そんなに牧野と一緒にお風呂に入りたかったの?」
「うるせぇよ!俺様の質問に答えろ!!」
怒鳴り声を上げながら水面を手で跳ね上げる猛獣
こっちにお湯掛けんな!
バカ男!!
お湯を掛けられても軽く笑みを浮かべ余裕の類と
隣の女風呂から聞こえてくる女達の楽しそうな声に
イライラを募らせる猛獣
以前にこの別荘に来た時の事が
余程トラウマなのか類に詰め寄り
俺らからすれば言い掛かりとしか思えない
言葉を類に畳み掛けている猛獣は
"今度は俺様が助けるからな!"
とか‥
"二度とつくしに触るな!"
だとか‥
余裕の無い言葉を連発してやがる
俺達からすれば猛獣の心配なんて
今更の事ばかりなのに
牧野にとって唯一の男になった今でも
類に対してのライバル心というか‥
異常なまでの警戒心を捨てきれていない
類にしても今更の事だろ?
猛獣が記憶を失っていた10年間で
時間は腐るほどあったのに
牧野に手を出さなかった
それが親友の妻になった途端にって‥
有り得ないだろ?
"司~そろそろ上がるよ~!"
不機嫌な司にいい加減ウンザリとし始めた頃
タイミングよく隣の女湯から聞こえてきた牧野の声
その声を聞いた途端、今までの不機嫌さが嘘のように
嬉しそうな表情に変わった猛獣
牧野が自分だけに声を掛けたのが嬉しいんだな‥
まったく分かりやすい男だ!

応援ありがとうございます。
スポンサーサイト