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恋カモ?(続・ジョージ) 11

こんにちは。

ペンギン部屋です。🎶

それではどうぞ~✴












小さなトラブル‥

トラブルの原因は主に滋と司だけど‥

はあったけれどなんとか無事に晩飯にありつけるらしい


和風旅館のような造りの別荘は

部屋は全て畳敷きの和室で

宴会場のような大広間まである


その大広間のど真ん中に絨毯を敷き

バカでかいテーブルを置いてあり

温泉上がりの浴衣姿のままで

テーブルの上には所狭しと和洋折衷の料理数々が並べられている


そして猛獣妻が連れてきたその他大勢のペット達?にも

それぞれエサが用意されていて

待ちきれない鴨の大家族は我先にとエサ箱に顔を突っ込んでいる


食事の風景なんていつもと同じだ

まず滋が先陣を切り

猛獣妻がそれに続き

早くもうんざりした表情の桜子が二人に文句を言いながらも

しっかりと自分の食べる分は確保していて


猛獣は猛獣妻にちょっかいを出しながら酒を飲んでいるし


類なんてすでに意識の半分以上があっちの世界に旅立っている


そんな中で見事なのが総二郎だ

奴なんて完全に気配を消していて

まるでここには存在していないような顔で一人静かに酒を煽 っている


俺はと言うと‥


総二郎のように気配を消し去る事も出来ず

かと言って類のようにマイペースに振る舞う事も出来ず

中途半端なまま

女達が繰り出す荒波に飲み込まれそうになるのを必死で堪えているのが精一杯


それにさっきから気になる事がある

何故かヤギがずっと俺を見ている

視線は感じてはいたが気付いていないフリをして

なるべくヤギの方は見ないようにしていたのに

俺が席についたと同時にメェ~と一鳴きした奴は

俺の膝に顔を乗せ離れた二つ の目で俺を見上げ

心なしか熱~い視線を送ってきている


な、なんだよ?!

なんで俺なんだよ?!

そんな目で見るなよ!


さりげなく足をずらし腿の上に乗っているヤギの顎を外そうと試みるが

俺の動きに合わせてヤギも付いてくるため

ヤギの切り離しに失敗‥!



目の前で猛獣とイチャついている猛獣妻に助けを求める


「オ、オイ!牧野!このヤギをなんとかしてくれよ!」


「ん?メリーさん?
 メリーさんがどうかした?」


少し椅子から 腰を浮かし俺の方を覗き込むような仕種を見せた牧野は

俺の膝に顎を乗せているヤギを見つけると笑顔で


「メリーさんは美作さんが好きなんだね!大丈夫だよ!
 噛まないしいい子だから優しくしてあげてね!」



笑顔でスッキリくっきりそう言い切った猛獣妻は



そのまま横で"俺様以外の男と口聞くんじゃねぇ!"


と今更ながらの言い掛かりを付け


妻の気を引こうとする猛獣に腰を引き寄せられ

俺とヤギの事なんて全然気にしていない



だから!


噛むとか噛まないとかの問題 じゃねぇーんだよ!



心の中でひそかに声にならない抗議の声をあげただけの俺


情けねぇ‥

情けないけどここで猛獣のように声を荒げる根性は持ち合わせていない


繊細なんだよ俺は!


食事の間、何度かヤギから逃れようと試みたが上手く行かず

結局、落ち着かないまま食事は終了して

部屋に帰る猛獣妻の呼ぶ声に反応して

やっとヤギが俺から離れてくれた


ヤギから解放されて部屋へと戻ったけど

疲れきっていて何もする気力が起きず

そのまま敷かれていた布団に倒れ込み目を閉じた‥

所までは覚えているが


倒れ込んだ布団の心地良さと

精神的にも肉体的にもハードな一日のお陰で
いつの間にか深い深い眠りの淵に引き込まれていた


どれぐらいの時間が経ったのだろうか?


眠りの淵に落ち込んでいた意識が奇妙な感覚に呼び戻される


一人のはずの部屋なのに

誰かに見られているような気がして


真っ暗な部屋の中で目を凝らし意識を違和感の原因を探す


今夜は満月らしい

庭に面している明り取りの窓から

差し込んでくる僅かな月明かりを頼りに


さっきから違和感を感じている障子扉の方へと目を凝らすと


暗闇に慣れ始めた目が


闇にぼんやりと浮かぶ白い物体を捕らえたと同時に

俺の脳はその白い物体の正体に気付いてしまった



「ギャ~~!!」


自分でも驚く程の嬌声が部屋に木霊し


その声に重なるように白い物体から発せられた


『メェ~~』


と言う嘶きが寝起きの脳を直撃する


ヤ、ヤギだ・・・


ヤギが部屋に居るぞ!?












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kirakira
Posted bykirakira

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