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Day Light 20

こんにちは。

今日もいいお天気で暑いぐらいですね。🎵
洗濯物が良く乾いて助かります。\(^-^)/


本日のDayLightです。🎶

このお話しは今回で完結です!♥

二人は未来に向かって…る?
私的には向かってます。🍒


それではどうぞ~✴







私信です。
☆様
こんにちは。
まだ暑さに慣れていないのでお互い気をつけましょうね🎵














牧野が目覚めて半年が経った

その間、牧野のリハビリは順調に進んでいて

当初は車椅子で生活の全般に人の手を借りていた彼女だったけれど

持ち前の根性でたった半年でリハビリを熟し

当初の予定より早く杖で歩けるまでに回復していた


俺と牧野の関係はまだ曖昧で微妙なまま

まぁ今はとりあえず牧野のリハビリが最優先で

この先の事は俺の気持ちは決まっているから焦りはなかったけれど


杖で歩き回れるようになった頃から

牧野が何か考えているような様子を感じ取っていた

道明寺は未だ再建の途中で

俺のやるべき事は毎日山ほどある

帰宅は当然深夜になる事が多く

俺が帰宅する頃には牧野はたいてい寝ている事が多い

なのにその夜は俺が帰宅すると牧野はリビングに居てタマも起きていた

「どうしたんだこんな時間に?」

お帰りなさいと微笑む牧野の隣にネクタイを緩め腰掛けるながら問い掛けた

「あなたに話したい事があるから待ってたの」

「なんだ?急ぐ事なのか?」

「ううん・・・急ぐってわけじゃないんだけど・・・
決心出来た時に話しておかないと決意が鈍りそうだから・・・」


「ちょ、ちょっと待て!決心って・・・何を決めたんだ?!」


決意だとか決心が鈍るだとか

ただならぬ言葉に焦る俺


「そんなたいした事じゃないの・・・ただね・・・体もよくなってきたから
一度日本に帰ろうと思ってるの・・・」


「それなら俺も一緒に帰る!スケジュールを調整するから!
いつ頃帰りたいんだ?」


「そんなに慌てないで。
帰るのは私一人でだから・・・」

一人で帰る・・・


「ダ、ダメだ!一人でなんて絶対にダメだ!」

俺達の関係は曖昧で脆いままだ

今は離れたくない

離したくない・・・


「落ち着いて・・・ちゃんと私の話しを聞いて」


慌てる俺の手に軽く自分の手を重ねた牧野は

ゆっくりとまるで諭すように話しを始めた


「私ね・・・この半年リハビリをしながらずっと考えてたの・・・」


「何を?」


「今までの人生・・・かな・・・?」


「う~ん・・・人生ってそんなに大袈裟な物でもないんだけど・・・
道明寺と別れた後から再会するまでの自分かな・・・」


「私ね・・・流産してからずっと逃げてたの・・・」


「逃げてた?」


「そう・・・逃げてたの・・・私ね妊娠してるって分かった時嬉しくなかったの・・・
嬉しいって思うよりも先にどうしようって思ったし産んでも一人じゃ育てられないって思った・・・」


「それは・・・あの時の状況だとお前がそう思っても不思議じゃないし
その事はお前の責任じゃないって言っただろ」


「違うの・・・聞いて・・・やっぱり私が悪いの・・・
あの時、もっとちゃんと赤ちゃんの事も考えてあげられてたら・・・
私は自分の事しか考えてなかったの・・・
産んだら学校には行けなくなるとか・・・
バイトも出来ないし家にはまだ借金があるのに
働けなくなったらこれ以上の貧乏生活は嫌だとか・・・
何よりやっと道明寺と別れる決意をしたのに今さら子供なんて産んだら一生あんたの事を忘れられなくなるって・・・
自分勝手な言い訳ばっかり並べてたの・・・」


「・・・けど・・・お前は病院に行かなかったんじゃないのか?
迷ってたんだろ?」


「それは違うの・・・私・・・迷ってたのは事実だけど・・・
あの事故の翌日に病院に行こうって決めてたの・・・」


「けどあの事故にあって・・・病院で目が覚めた時には・・・
私ねすっごく後悔したの・・・勝手だよね・・・
自分で病院に行くつもりだったのに・・・子供は駄目でしたって言われた時はすごく悲しくて苦しくて・・・
後悔しても遅いのに・・・やっと本当は産みたかったんだって・・・」


顔を手で覆い涙を流す牧野を抱き寄せる


「泣くな・・・お前のせいじゃないから
悪いのはお前を一人にした俺なんだから
だからもう泣かないでくれ」


「ごめんね・・・けど私・・・それ以来ずっと逃げてたの・・・
忘れたくて無理やりにでも前に進めば忘れられるんじゃないかと思って・・・
けど無理だったの・・・忘れられるわけなんてないし・・・
過去をなかった事になんて出来ないの・・・」


「私を殺そうとしたお母さんの気持ちは理解出来ないけど
今回の事でやっと自分の本心と向き合う決心が出来たの・・・
だから・・・我が儘だって分かってるけど・・・行かせて欲しいの・・・」


行かせて欲しい・・・

そう言った牧野にそれ以上は何も言えなかった


「お前の気持ちは分かった。
けど条件がある。この条件が飲めないならこの話しは無しだ」


「何?」


「まず日本でもちゃんとリハビリは続ける事、手配は俺が済ませておく。
それから絶対に帰って来い!
本心を言えば俺は二度とお前と離れたくない・・・
だけどお前に時間が必要だって事も分かる
だから待ってるから絶対に戻って来い!」


「・・・分かった・・・」


俺の必死の思いが伝わったのか

牧野は軽く微笑むと小さくそう言った


その夜からちょうど二週間


牧野が今日、旅立って行った


普通のエアラインで日本へと帰国した牧野を見送ったのはタマ一人

俺は見送りには行かなかった

朝、屋敷を出る時にいつものように軽く言葉を交わしただけ

永遠の別れじゃない

これはこれから続く永遠の始まりの為の別れなのだから


気負わずいつものような軽い別れでいい

昼過ぎには牧野の乗った飛行機が無事に飛び立ったとタマから連絡があった


牧野が日本に帰国して一年

やっと牧野から連絡があった


最初の頃は夜、屋敷に帰っても彼女が居ない淋しさに

もしかしたらもう牧野は二度とここへは戻ってこないんじゃないかと不安に思ったりもしたけれど

日本でリハビリを続けている病院から

牧野はスケジュール通りきちんとリハビリを熟しているとの定期連絡に俺も頑張らないと思い
この一年をなんとか乗り切ってきた

道明寺財閥は財閥としての形こそ残ってはいるが

未だ美作、花沢それに大河原の力を借り再建の途中で前途は多難だ

当初、考えていた辞任に関しては再建を手助けしてくれている三者が

俺が総裁の座に留まる事を条件にしているため保留になったまま


財閥の再建に全精力を注ぎ込みながら牧野を待っていたこの一年は

やっぱり俺達にとっては必要不可欠な一年だったと思う

互いの事を思いやりながらこれからの人生を共に生きて行く為に必要な時間

今はそう思っている


一年ぶりに聞く牧野の声は明るく

迎えに行くと言う俺に

”それじゃあ非常階段で!”と告げた

電話から三日後の午後4時


下校時間は過ぎすでに生徒の影は疎らな英徳の校庭を懐かしい空気に包まれながら歩く

校舎に入り迷うことなく一直線に非常階段へと足を向ける


非常階段にはまだ人影は無く

非常階段の手摺りにもたれ掛かりぼんやりと空を眺めていた

ここで出会い

いろんな事があった

二人で過ごした時間は本当に短いものだったけれど

今となっては本当にかけがえのない大切な時間だった


懐かしい空気に身を委ねているとゆっくりと

階段を登ってくる足音に気付き足音を主を確かめるように視線を動かすと

ゆっくり一段づつだけど杖は使わずに自分の足で階段を登ってくる彼女と視線があった

視線が合うと一度その場で立ち止まり少し照れ臭そうに微笑んだ牧野


俺はまだ足元が覚束ない彼女に手を貸そうと一歩踏み出しかけた時


下から彼女がそれを止めた

「そこにいて!ちゃんと自分の足であなたの所まで行くから。そこで待ってて!」

階段の途中からそう叫ぶ牧野に

俺は踏み出しかけていた足を止めた


「分かった、待っててやるから早く上がって来い!」


そう言った俺に笑顔を返し

ゆっくりだけど確実に自分の足で一段づつ登ってくる牧野


上で待つ俺の元までもう少し・・・


牧野がここまでたどり着いたら

やっと二人で新しい一歩を踏み出せると思うと

思わず涙が出そうになる


やがて牧野が階段を登りきり俺の目の前で立ち止まった


俺と牧野の距離は後一歩


目の前に立つ牧野の腕を掴み抱き寄せた


すっぽりと腕の中に納まってしまう小さな身体を

沸き上がる感情のままに抱きしめる


「牧野・・・会いたかった」


「・・・私も・・・会いたかった・・・
会ってあんたに話したい事が沢山あったの・・・」



「あぁ・・・」


「聞いて欲しい事がいっぱいあったの・・・」



「あぁ・・・これからは毎日嫌になるぐらい聞いてやる」


「この一年毎日あんたの事考えてたの・・・」



「俺もだ・・・毎日お前の事考えてた・・・」


胸元から聞こえてくる少しくぐもった牧野の声に応えながら

彼女を抱きしめる腕に力が込める


「私ね・・・近くにいないけどきっとあんたが応援してくれてると思ってリハビリ頑張ったの・・・」


そこまで言うと牧野は胸元から顔を上げ


「私ね・・・今までの事は無かった事には出来ないし
今はまだあんたのお母さんの気持ちも分からないし
殺されそうになった事も許せそうにないけど
だからって過去に捕われたまま生きていきたくないと思ったの・・・
これからは未来の為に・・・
幸せだって思える毎日を過ごしたいの・・・
だから一緒にいてくれる?」


「あぁ・・・お前がそこまで言うなら一緒にいてやってもいいぞ!」

「相変わらず俺様なんだから・・・」


牧野はそう言って笑うと

抱きしめるている俺から身体を離し一歩後ろへと下がり


「いろいろ迷惑かけると思うけど
よろしくお願いします」


と頭を下げた

「おぅ!全部俺様に任せとけ!
これからは世界中が羨ましがるぐらい幸せになろうぜ!」




今やっと俺達が出会った事は間違いじゃなかったと思える


振り返えればいばらの道だったけれど

いつかきっとあんな日々もあったんだと二人で笑って話せる時が来るはずだから


今は前だけを向いて新しい一歩を踏み出そう

今度は牧野と二人で・・・





~Fin~









応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 4

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2018/04/21 (Sat) 13:23 | EDIT | REPLY |   

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2018/04/21 (Sat) 23:59 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

悠○様

こんにちは。
コメントありがとうございます。

最後までお付き合いありがとうございました。♪
ランキングもいつの間にやらでビックリしておりますが、
応援していただいてありがたいです。♥
悠○さんはお休みされちゃうんですね…(*_*)
残念です。⤵
早い復帰をお待ちしておりますが無理せずマイペースで長く続けてくださいね。♥

懐かしいサイトマスター様のお名前も聞けて嬉しいです🎵😍🎵

2018/04/22 (Sun) 15:03 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

ゆ○○○う様

こんにちは。
コメントありがとうございます。

暗い展開のお話しに最後までお付き合いありがとうございました。♪
お互いに守るものが少し違っただけなのに
取り返しのつかない状況にまで行ってしまいました。
でも、最後には二人で前に進んでいける結末に出来たと思っています。😆

2018/04/22 (Sun) 15:09 | EDIT | REPLY |   

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